さあ一歳です。この時期も一歳になったらすぐに受けましょう。それで私は、十二か月健診と言っています。十三か月では遅いのです。
それは、それなりの意味があるのですが、多くの小児科医も理解していないようです。
欧米の離乳食は、もうすんで大人の食事になっている時期です。
乳児健診と生活のアドバイス Ⅵ
☆12ヵ月(1才)
[栄養]
◇哺乳ビンはまだ使っていますか? そろそろやめましょう。その為に時々コップでミルクを飲ませていたのです。1日1回から始め、2回へ進め、うまくいったら3回と、だんだんコップにしていきます。いやがらないように、進めるのがコツ。
◇断乳をしましたか。母乳は1才すぎたらやめましょう。
断乳の仕方は、・・・(9か月の項を参照)
◇自分で食べる楽しさを覚えましたか。母親が口まで持っていっていませんか。だんだんひとりで食べるようにしていきましょう。
食事は食欲を満たす楽しい事ですから、決して無理に食べさせてはいけません。お腹がすいたら食べ、お腹がすかなければ食べない習慣をつけましょう。
時間や回数を決めて与えるやり方は、こどもの食欲を無視し、少食や偏食を生む原因になります。そういうやり方は、うまくいきません。
◇食事の時に、赤ちゃんが手でこねたり、つぶしたり、かきまわしたり、いろいろなことをしても怒らないで下さい。まだ食べ物の性質がよく分らないから、いろいろ試しているのです。遊び専門になったら、片付けていいのですが、少しずつでも食べていればやらせてあげましょう。こういうことも大きくなるためには必要なのです。
◇食卓に出ている(家族が食べている)食物を食べさせましょう。
[健康]
◇非常に活動的になり、事故が多くなります。病気より事故に注意しましょう。
◇ツベルクリン反応をします。周りに高齢者がいる場合に必要です。
1歳過ぎたらMR(麻疹・風疹混合生)ワクチンをしましょう。でも今は麻疹や風疹にかかる確率が低いので、公費負担が受けられる2歳直前が良いです。今は、麻疹も風疹も、年間三桁(500人以下)です。2008年までは、麻疹も年間1万人以上かかっていましたから、早期にすることを勧めていたのです。
[安全]
◇日焼け--軽いやけどですから、特に日射の強い5月、6月に注意。日光浴は冬の弱い日射しでも1日15分すれば充分です。最近白人では、10才までは日焼けしない方がよいと云い、日本人でも色の白い人は、強い日差しで焼かないようにしましょう。色の白い人が強い日にあたると、しみ、そばかすができますし、皮膚の老化が進みます。日に焼くと、7日たって色が黒くなり、黒くなると紫外線に強くなります。色が黒い人は、紫外線に強いのです。(紫外線の害については、別稿にします)
◇電気コードやコンセントの事故。コードに足をとられて転んだり、コンセントに物を差し込んだりします。
薬の中毒(シロップの薬の飲みすぎや大人の薬を飲む)。特に大人の薬の管理をして下さい。大人の錠剤をお菓子と思って飲んでしまうことがあります。
シロップの薬を私は使いませんが、好んで使う小児科医がいます。その時は、しっかり管理して下さい。冷蔵庫だと危ないです。
◇水の事故--お風呂は少しの水量でも、滑って転び顔が水面下になると泣きわめいておぼれてしまいます。台にのって洗濯機に落ちることもあります。家の周りの池、川、どぶなども危険です。
◇異物誤飲(タバコ、水銀電池、住居やトイレの洗剤、灯油、液状化粧品)
危険な物は高い所に片付けて、家中から毒物を取り除く。薬をおきっ放しにしないこと。
◇幼児が台所にいる時は、熱い液体からこどもを守ること。台所に入れないのがよい。
◇やけど--ポットが一番危険。「押すだけ」のポットは、サイホンの為に、口をつけて吸うと、ロックしていても出てくるので危険です。次はストーブの上のやかんやなべ。テーブルや台の上にのせてあるテーブルクロスや敷物を引っ張って、その上に乗っているラーメンやお茶をかぶったり、時計を頭の上に落としたりしてやけどやけがをします。
灯油ストーブは消した直後が危ないです。
◇家庭用湯沸し器の温度を50゜Cをこえないように調節します。大人でも熱いと手の皮脂が落ちてかさかさになりますから、41~2℃が良いです。
◇階段には、上戸下に柵をつけます。
◇こどもが外にいる時に、自動車や機械を動かす時が危ないので、こどもを一人で歩きまわらせてはいけません。自分の運転する車で、子どもをひいて死なせた例があります。
[社会的発達]
◇クレヨンで書きなぐることを教えます。紙以外には書かせないこと。書いたら、おこらずにすぐ消して、紙にかかせましょう。叱ってはいけません。
クレヨンはどんな持ち方をしてもよく、なめても害は少ないし、間違って他の物に書かれてもなんとかなりますから。
障子などを間違って破ったり、大切な紙を破ったら、障子さんかわいそうねと言って張り直しますし、破られた紙を、可哀想と言ってセロテープなどで貼ります。
よく紙を破ることを教える人がいますが、紙を破る楽しさなどは、教える必要はないし、もっと楽しいことを教えましょう。家の中にある大切な紙、お父さんの仕事の書類、家庭でのいろいろな大切な書類を破られたら大変です。
◇赤ちゃんに話しかけ、沢山の物の名前や身体の部分の名前を教えてあげましょう。 食事のとき、おむつをかえるとき、入浴のとき、着物をきるとき、歩くとき、赤ちゃんに話しかけましょう。
「影の声」と言って、動作と共に言葉をそえることです。例えば「さあご飯を食べましょう」、「靴をはきましょう」、「服を着ましょう」、「お顔をふきましょう」何でもする時に、言葉に出して言うのです。それで沢山の言葉を覚えて、初めて一言が出ます。
男の子に多いのですが、指をさしたり、親を引っ張ったりして、言葉をしゃべらずに済ませてしまうと、言葉が遅いようです。無理にしゃべらせてはいけません。自然に話し出すのを待ちます。
◇じっと見ることができるようになるので、毎日1回は絵本を読んであげましょう。あきたらおしまいです。少しずつじっと見ていられる時間が長くなります。本を読む楽しさを教えてあげましょう。(本を好きにする為です)。1日10分はしてあげましょう。
字が読めるようになっても、読んであげましょう。テレビや漫画などの映像や画像の世界から、お話しの世界にひきこんでいくのです。自分で読むからいいと云うまで読んであげて下さい。本を読む楽しさを覚えたら、読むなと云っても読みます。
本は買わずにできるだけ図書館を利用しましょう。必要な本は図書館に買ってもらいましょう。
◇かんしゃくをおこす年頃で、おこしたらすぐになだめないで、ひとしきり怒らせてあげて、気持がおさまってきた頃を見計らって声をかけましょう。
◇探求心が旺盛な時期で、あちこちをのぞいたり、押したり、引っ張ったり、探してまわりますから、いじられたくない物はかたずけたり、開かないようにしたりすること。
ベビーガード用品がありますから利用しましょう。
◇親子関係も大切で、お父さんにも遊んでもらいましょう。特に身体を動かす遊びがよく、寝ころんだパパの背中に乗ったり降りたりさせ、うまく立っていられるようになれば、ほめてあげましょう。それができたら、次は背中をゆさぶって、ふとんの上に落としてやるのです。父親とのスキンシップをかねて、転びかたの練習と平衡感覚を身につけるためにするのです。これが上手になると、簡単には骨折しなくなります。けがをすることを恐れないで下さい。小学校で骨折が増えているのは、カルシュウムが不足しているのではなく、バランスをとるのが下手ですぐ転び、転んだ時に変な転び方をする為です。
◇よいことをしたら、すぐほめる。新しいことができたら、感心してあげる。禁止するのは少なくして、ほめて育てます。しかし「ダメ」と云われても、やっていることに固執して、身体を抱えて連れて行かないとやめないこともあります。
それは、それなりの意味があるのですが、多くの小児科医も理解していないようです。
欧米の離乳食は、もうすんで大人の食事になっている時期です。
乳児健診と生活のアドバイス Ⅵ
☆12ヵ月(1才)
[栄養]
◇哺乳ビンはまだ使っていますか? そろそろやめましょう。その為に時々コップでミルクを飲ませていたのです。1日1回から始め、2回へ進め、うまくいったら3回と、だんだんコップにしていきます。いやがらないように、進めるのがコツ。
◇断乳をしましたか。母乳は1才すぎたらやめましょう。
断乳の仕方は、・・・(9か月の項を参照)
◇自分で食べる楽しさを覚えましたか。母親が口まで持っていっていませんか。だんだんひとりで食べるようにしていきましょう。
食事は食欲を満たす楽しい事ですから、決して無理に食べさせてはいけません。お腹がすいたら食べ、お腹がすかなければ食べない習慣をつけましょう。
時間や回数を決めて与えるやり方は、こどもの食欲を無視し、少食や偏食を生む原因になります。そういうやり方は、うまくいきません。
◇食事の時に、赤ちゃんが手でこねたり、つぶしたり、かきまわしたり、いろいろなことをしても怒らないで下さい。まだ食べ物の性質がよく分らないから、いろいろ試しているのです。遊び専門になったら、片付けていいのですが、少しずつでも食べていればやらせてあげましょう。こういうことも大きくなるためには必要なのです。
◇食卓に出ている(家族が食べている)食物を食べさせましょう。
[健康]
◇非常に活動的になり、事故が多くなります。病気より事故に注意しましょう。
◇ツベルクリン反応をします。周りに高齢者がいる場合に必要です。
1歳過ぎたらMR(麻疹・風疹混合生)ワクチンをしましょう。でも今は麻疹や風疹にかかる確率が低いので、公費負担が受けられる2歳直前が良いです。今は、麻疹も風疹も、年間三桁(500人以下)です。2008年までは、麻疹も年間1万人以上かかっていましたから、早期にすることを勧めていたのです。
[安全]
◇日焼け--軽いやけどですから、特に日射の強い5月、6月に注意。日光浴は冬の弱い日射しでも1日15分すれば充分です。最近白人では、10才までは日焼けしない方がよいと云い、日本人でも色の白い人は、強い日差しで焼かないようにしましょう。色の白い人が強い日にあたると、しみ、そばかすができますし、皮膚の老化が進みます。日に焼くと、7日たって色が黒くなり、黒くなると紫外線に強くなります。色が黒い人は、紫外線に強いのです。(紫外線の害については、別稿にします)
◇電気コードやコンセントの事故。コードに足をとられて転んだり、コンセントに物を差し込んだりします。
薬の中毒(シロップの薬の飲みすぎや大人の薬を飲む)。特に大人の薬の管理をして下さい。大人の錠剤をお菓子と思って飲んでしまうことがあります。
シロップの薬を私は使いませんが、好んで使う小児科医がいます。その時は、しっかり管理して下さい。冷蔵庫だと危ないです。
◇水の事故--お風呂は少しの水量でも、滑って転び顔が水面下になると泣きわめいておぼれてしまいます。台にのって洗濯機に落ちることもあります。家の周りの池、川、どぶなども危険です。
◇異物誤飲(タバコ、水銀電池、住居やトイレの洗剤、灯油、液状化粧品)
危険な物は高い所に片付けて、家中から毒物を取り除く。薬をおきっ放しにしないこと。
◇幼児が台所にいる時は、熱い液体からこどもを守ること。台所に入れないのがよい。
◇やけど--ポットが一番危険。「押すだけ」のポットは、サイホンの為に、口をつけて吸うと、ロックしていても出てくるので危険です。次はストーブの上のやかんやなべ。テーブルや台の上にのせてあるテーブルクロスや敷物を引っ張って、その上に乗っているラーメンやお茶をかぶったり、時計を頭の上に落としたりしてやけどやけがをします。
灯油ストーブは消した直後が危ないです。
◇家庭用湯沸し器の温度を50゜Cをこえないように調節します。大人でも熱いと手の皮脂が落ちてかさかさになりますから、41~2℃が良いです。
◇階段には、上戸下に柵をつけます。
◇こどもが外にいる時に、自動車や機械を動かす時が危ないので、こどもを一人で歩きまわらせてはいけません。自分の運転する車で、子どもをひいて死なせた例があります。
[社会的発達]
◇クレヨンで書きなぐることを教えます。紙以外には書かせないこと。書いたら、おこらずにすぐ消して、紙にかかせましょう。叱ってはいけません。
クレヨンはどんな持ち方をしてもよく、なめても害は少ないし、間違って他の物に書かれてもなんとかなりますから。
障子などを間違って破ったり、大切な紙を破ったら、障子さんかわいそうねと言って張り直しますし、破られた紙を、可哀想と言ってセロテープなどで貼ります。
よく紙を破ることを教える人がいますが、紙を破る楽しさなどは、教える必要はないし、もっと楽しいことを教えましょう。家の中にある大切な紙、お父さんの仕事の書類、家庭でのいろいろな大切な書類を破られたら大変です。
◇赤ちゃんに話しかけ、沢山の物の名前や身体の部分の名前を教えてあげましょう。 食事のとき、おむつをかえるとき、入浴のとき、着物をきるとき、歩くとき、赤ちゃんに話しかけましょう。
「影の声」と言って、動作と共に言葉をそえることです。例えば「さあご飯を食べましょう」、「靴をはきましょう」、「服を着ましょう」、「お顔をふきましょう」何でもする時に、言葉に出して言うのです。それで沢山の言葉を覚えて、初めて一言が出ます。
男の子に多いのですが、指をさしたり、親を引っ張ったりして、言葉をしゃべらずに済ませてしまうと、言葉が遅いようです。無理にしゃべらせてはいけません。自然に話し出すのを待ちます。
◇じっと見ることができるようになるので、毎日1回は絵本を読んであげましょう。あきたらおしまいです。少しずつじっと見ていられる時間が長くなります。本を読む楽しさを教えてあげましょう。(本を好きにする為です)。1日10分はしてあげましょう。
字が読めるようになっても、読んであげましょう。テレビや漫画などの映像や画像の世界から、お話しの世界にひきこんでいくのです。自分で読むからいいと云うまで読んであげて下さい。本を読む楽しさを覚えたら、読むなと云っても読みます。
本は買わずにできるだけ図書館を利用しましょう。必要な本は図書館に買ってもらいましょう。
◇かんしゃくをおこす年頃で、おこしたらすぐになだめないで、ひとしきり怒らせてあげて、気持がおさまってきた頃を見計らって声をかけましょう。
◇探求心が旺盛な時期で、あちこちをのぞいたり、押したり、引っ張ったり、探してまわりますから、いじられたくない物はかたずけたり、開かないようにしたりすること。
ベビーガード用品がありますから利用しましょう。
◇親子関係も大切で、お父さんにも遊んでもらいましょう。特に身体を動かす遊びがよく、寝ころんだパパの背中に乗ったり降りたりさせ、うまく立っていられるようになれば、ほめてあげましょう。それができたら、次は背中をゆさぶって、ふとんの上に落としてやるのです。父親とのスキンシップをかねて、転びかたの練習と平衡感覚を身につけるためにするのです。これが上手になると、簡単には骨折しなくなります。けがをすることを恐れないで下さい。小学校で骨折が増えているのは、カルシュウムが不足しているのではなく、バランスをとるのが下手ですぐ転び、転んだ時に変な転び方をする為です。
◇よいことをしたら、すぐほめる。新しいことができたら、感心してあげる。禁止するのは少なくして、ほめて育てます。しかし「ダメ」と云われても、やっていることに固執して、身体を抱えて連れて行かないとやめないこともあります。
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