黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

乳幼児健診の時の生活上のアドバイス Ⅱ

2017-10-20 06:10:21 | 育児
 次は二か月健診です。この時期は、先天性の病気があると症状が表われてしまい、生死にかかわることがあります。できるだけ一か月健診は、小児科専門医にかかって欲しいものです。産婦人科医では、見つけられません。
 一か月健診で見つけられなかったものを、ここで拾い上げる健診ですし、母親のメンタル面での問題も見つける時期です。


      乳児の健康診断と生活アドバイス  Ⅱ 

☆2ヵ月の赤ちゃん
[栄養]離乳食のスケジュールを立てて離乳食を開始します。
 まだ果汁を始めていない赤ちゃんは、果汁から始めましょう。果実がゆは、そろそろ始め、嫌がったら先へのばしましょう。1週間のばして、また与えてみましょう。おいしくして下さい。体重が5kgで果汁、7kgで離乳食と言うのが私の小児科医になった頃の基準でした。そうしないとお腹がすいて指しゃぶりを始めます。
◇果実がゆの開始--
 りんごソースからしだいに慣らしていきます。始めはうすくしてウースター・ソース状にし、毎日少しずつ水分を減らして、しだいにとんかつソース状にして、慣れたらおろしただけで与えます。おろしただけなら砂糖を加えたり煮たりしません。味をみて決めて下さい。
 おいしくないと食べてくれません。それからバナナのつぶしたものへ進めます。大体2週間から1ヵ月位かかります。バナナ以外でも、軟らかくつぶれて、甘くおいしいものなら、何でもよいです。酸味のあるものはさけましょう。

◇バナナのつぶしたのが食べられれば、野菜の煮つぶしへ進めます。
 大体3ヵ月頃で、うらごしはしなくて良いです。家族の食べる物の中から適当に軟らかい物を選んで与えます。しだいにつぶし方に手をぬいて粗くつぶつぶが残るようにします。いつも食べているものだと、少しつぶつぶがあっても変な顔をしながら食べてしまいます。喜ぶなら1回果実がゆ、1回野菜の煮つぶしと適当に1日2~3回へ増やします。
◇重湯や十倍がゆなどを作る必要はありません。つぶしがゆが食べられたらよいです

[健康]
◇痛い目にあう。--人間は小さいうちに、大きいけがをすると、大きくなってから敏捷になるメリットがありますから、神経質にならないこと。けがをすると痛いからではなく、びっくりしたり興奮することから泣くことが多いので、母親はおろおろせずに、まず「お母さんが来たから、もう大丈夫」と安心させることが大切で、何とかすぐにでも泣きやませようとしたり、「痛かったろう」とか云わないこと。痛いと云うことに関心を向けさせず、泣きたいだけ泣かしてあげて下さい。赤ちゃんの気持ちがおさまるまでに時間が必要です。
◇熱を出す。--熱の高さにあわてずに、元気があるかどうかで判断します。

◇赤ちゃん体操はしてもよいが、喜ばなかったら止めることが大切。泣きはしなくても、喜ばなければ止めましょう。「高い高い」をすると、喜ぶ子も、嫌がって夜泣きをする子もいます。ひとりひとりの子どもに合わせてしましょう。

[安全]
◇玩具はこわれないもので、口の中にすっぽり入る細い物はさけ、角のない丸みのある大きなものがよい。ふりまわして顔や目にあたったりしますから。
 この時期の赤ちゃんは、まだ手足が自分の思い通りに動かせません。
◇ベビーカーに乗せてよいです。ベビーカーは5台に1台の率で転倒事故がありますから、いつも倒れないように注意していること。
 おんぶも頚を支えてやればできます。前に抱いてもよい。うつぶせは、たたみか硬いマットの上ですること。ふとん、毛布、タオルの上でうつぶせにしてはいけません。
◇歩行器はけがすることが多いので、買わない方が良い。転倒事故が多いのです。
 車ではチャイルドシートをして、シートベルトをしましょう。
◇赤ちゃんをベッドやテーブルや台の上にのせたら、赤ちゃんから目か手を離さないこと。
◇熱いものを飲んでいる時は、赤ちゃんを抱かないこと。灰皿を赤ちゃんのそばにおかないこと。
◇赤ちゃんの安全な場所を作る為、安全柵やベビーサークルを使ってもよいです。

[社会的発達]
◇話しかけたり、身体を動かしてやったりして刺激を与えますが、喜ばない時は止めましょう。父子関係も大切でお父さんにも遊んでもらいましょう。

◇この時期から独りで眠る習慣をつけましょう。

◇小さいうちは、母親が四六時中一緒にいるのが良いという誤解された風潮がありますが、狼などに育てられた野性児の研究から判ったことですが、人間は生れながらではなく、社会的に人間になるのですから、社会的に育てないと問題が起きるのです。だから保育所などで、他のこどもたちと一緒に育った方が健全に育つのです。

 できるだけ赤ちゃんの時から、他のこどもと一緒に過ごしたり、遊ぶ機会を作った方が、こどものためには良いのです。その限界(臨界期)は人間では3才位ではないかと云われていますから、3才までにできるだけ他のこどもたちの中に入れてやることが大切なのです。
 でも、子どもは3才くらいまでは、自分中心で、自分のまわりを太陽がまわっているのですから、他の子と仲良く遊ぶことはできません。他の子のおもちゃを取ったり、ひとりじめにしたりします。それが普通なのですから、子どもに謝らせずに、親が謝っておけばよいのです。おもちゃの貸し借りもできません。
 猿の実験では小さいうちに(限界は6ヵ月)、仲間と遊ぶ機会が無く母親とだけ生活した子猿は、成長しても正常な性行為をもてなくなります。
 猫や犬でも、社会性が大切で、他の仔犬や子猫と遊んだりすることが必要で、3週から12週がその時期で、その期間に仲間と遊ぶことを経験しないと、おとなになって他の犬や猫とつきあえないし、性行為もできなくなるそうです。

 よく云われる、鳥類のすり込み現象(卵からかえった時に、初めて見たものを親と思って、
追いかける)は、哺乳類では見られませんから、人間にはあてはまりません。

                         


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