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トレイントーク0720-3 デハ1000 形普通車泉岳寺行き

2009年07月20日 23時04分56秒 | 急行特急TH発2007年→2019年5月1日AM11:59
今日7月20日の2203列車に

(←浦賀)1368-1363(品川→)

が運転された。写真写りが最悪だが…。
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トレイントーク0720-2 緩行線を行く回送車20000 形@登戸

2009年07月20日 23時01分17秒 | 急行特急TH発2007年→2019年5月1日AM11:59
小田急の土休日定期ダイヤ緩行線を行くRSE20000形回送があるので紹介したい。
という事は、小田急も緩行線内の通過運転が出来る…という事になるのだろうか?あんまりやってほしくはないが…。
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トレイントーク0720-1 だるま2224H特急金沢文庫行

2009年07月20日 22時16分54秒 | 急行特急TH発2007年→2019年5月1日AM11:59
今夜は、812編成でやって来た特急金沢文庫行き2224H列車である。
やはり、2125H/2224Hは、だるまに限る。消えないで欲しい。
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Mind Feeling0720-5 あら15時…

2009年07月20日 15時07分17秒 | 急行特急TH発2007年→2019年5月1日AM11:59
3時はおやつの時間。しかし、こんな風な休日最後の日は、憂鬱色が始まる時間…凹み。

涼風鈴子「ヲイヲイ、毎回毎回芸が無いぞ、ヘタレ金矢ヲタ管王里人急行牛寺急THちゃん。あんたが憂鬱で無い休みの日はないんかい?ええっ?」

管理人急行特急TH「あーねーよ、何か文句あっかこのインチキDJ?っていうか気安く出てくんなよな」

涼風鈴子「だから、出してるの外ならない…(涼風の左手首に手錠がいきなりかかる)…うん?なにこれ」

アドバイザーイドワイザー「さっ、帰りますよ。今は、モーニングオンじゃ無いんですからね。まったく油断も隙も無いんだから(涼風を引きずって行く)」
管理人急行特急TH「あの人も大変ですねぇ(ヤレヤレというそぶりをする)」
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Mind Feeling0720-4 続、モーニングオンマンデー

2009年07月20日 09時09分07秒 | 急行特急TH発2007年→2019年5月1日AM11:59
涼風鈴子「さて実態の無いCMの後は今日の動きですが、今日は祝日ですのでやりません。まーやるといってもですね、ヘタレ管王里人急行牛寺急THの能力不足によりやりたくても出来ないのが現実であるという話何度もしたー、と威張る話じゃねーですが、企画はまーまーだったんですけどね、半端に終わるといういかにも、ヘタレ管王里人急行牛寺急THですね。んまー可哀相に…という私は何をエラソーに言ってるんでしょうね。まーインチキDJですからねぇ、も~許されちゃうよ、キャハハキャハハ…(周囲の様子を伺う)…あれっ、おかしいですね、今日は盥も粉もハリセンも無いんですか?」

アドバイザーイドワイザー「今日は祝日ですので、人員不足により準備が間に合いませんで、すんませんねぇ」
涼風「おっ。出たね。得体の知れないインチキ放送作家アドバイザーイドワイザーちゃん。放送作家なのに、何時しか番組の準レギュラーと成ってますね。木田麻衣子ちゃんよりも沢山出てるよね?」

ア・イ「インチキDJ有るところに、インチキ放送作家あり、それがこの番組、モーニングオンですので、はい」

涼風「とかなんとかいっちゃって、本当は単純に番組出たいだけしょ?」

ア・イ「祝!正~解~(拍手の効果音が入る)まー私もですね、7日20時間かけて台本書いてますから、創ったからには俺にも喋べさせろって訳ですよ」

涼風「アタシと同じでお喋り好きなわけね。そこはハッキリいいましょうね、インチキ放送作家ちゃんね。さて、話が長くなりましたが、何やらヘタレ金矢ヲタ偽放送作家の急行特急THちゃんが、何やら番組にメールを送って参りましたねぇ。777H特急押上行きは今日は運転されない筈ですが、添付ファイル付きですが、なんですか?これ?ショーケースにある招き猫じゃねーですか。」

ア・イ「そーですね。えーっと何々、
‘‘777Hの代わりに、開運の象徴でもある招き猫があったので番組に送ります。今日もリスナーと番組スタッフ諸氏とDJ諸氏様に幸運があらん事を,,
とありますが、好きですね、幸運だの開運だの」

涼風「一生懸命追い掛けても追い掛けても、幸運開運に遠退かれるかわいそーなヘタレ金矢ヲタ放送作家急行特急THさんですよ。ねー、まーご苦労な話ですよ」

ア・イ「幸せは歩いては来ないと言われますから難しいですが、何か見方によっては、インチキDJ涼風鈴子が、幸福を奪ってる気がしますけどねぇ」

涼風「(右コメカミに青十字が浮かべ、怒りを堪えながら目を閉じつつ)ほぉ~、そのインチキDJ涼風鈴子ってのはどこにいるんですっけねぇ」

ア・イ「ここにいますよ。ほら(指差す)。ほかならないあんただよ、あんた。お前だよお前、インチキDJ涼風鈴子ですよね、涼風さん」

涼風「調子にのんな゛゛ーっ(アドバイザーイドワイザーのくびねっこ掴んでガックンガックン揺らして、気絶させる)まったく失礼なっ!幾らホントの事でも親しき仲にも礼儀あり。さて、気分が覚めた所でCMです」
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Mind Feeling0720-3 モーニングオンマンデー

2009年07月20日 08時35分26秒 | 急行特急TH発2007年→2019年5月1日AM11:59

モーニングオン


涼風鈴子「はい、涼風鈴子がやってるモーニングオンだよ~ん。今朝も出たいっていたら、オッケーになりましたーって何なんだよっ!この台本はーーっ!!(落雷の効果音)まったく、そんな放送曲あったら出たいわ…と私は何をいってるんでしょうね。まー良いですが、今日は皆様、感覚が麻痺してるかと思いますが、
‘‘ブルーマンデー,,ですよ(エコー)。
そーなんですよ、どーなんですよでも、ブルーマンデーなんですよ、ブルーマンデー。ついでにスタジオの向こうの窓には、曇り空が拡がっている訳なんですよねぇ~。嫌ですよねぇ、6時台には力強く晴れていたんですよねぇ。やっぱり今年は、あちゅいだけの夏になるのかちら?嫌でちゅねぇ、嫌でちゅねぇ、となんで、赤ちゃん言葉が出るんでしょーね、んなもん、知らねーよっ!!台本に書いて有るんだよっ!何か文句あっかー、と逆ギレしても仕方ないですが、逆ギレなんて言葉何時出来たのか気にはなりますが、まーあれですね、相手の神経を逆なでするような言い方するキレ方が多いからだと想いますね。怒り心頭の時は、欲望の赴くままになってしまうのが人間の脆さであります。折しも季節は夏ですからね、暑さでキレやすい環境にあるのは怖いですが、人が人に怯える世の中なんてどうかしてますし、自然界じゃ有り得ないですよねぇ、同族に日々怯えて生きるなんてねー。朝の番組でいうような話じゃねーですが、私はそー思いますね。では、話が尽きました所で、実態の無
いCMに入ります。」
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Mind Feeling0720-2 Sunrise on Monday

2009年07月20日 06時25分57秒 | 急行特急TH発2007年→2019年5月1日AM11:59
うむ、月曜の夜明け、まさに昇陽時。あー、夜明けまで起きていて迎えた朝は、微妙な感じである。
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Mind Feeling0720-1 月と明けの明星

2009年07月20日 04時42分24秒 | 急行特急TH発2007年→2019年5月1日AM11:59
物語を書いていたら、すっかり朝に成ってしまったが、お陰で良い写真が撮れた。
月と明星。
なかなか絵になるなぁと思った。そして、篠原美也子の『月の河』のワンシーン、

「月明かりが白く流れて、やがて朝に届くまで」

というのはこんな感じなんだろうか?
ちなみに、この写真の画像容量が77.7キロバイトと縁起の良い数字だった。これもきっと日頃の777H効果…なんだろうな。たとい偶然であっても。
だが、昼夜が逆転してしまった。ヤバイぞ今夜……。
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『午前27時の街灯の下で』

2009年07月20日 04時31分16秒 | 物語・小説
(約束まであと5分か
)
彼は、ある路地にある曲がり角にある街灯の下に立っていた。彼女からの答えを聞く為に。

3日前、彼は彼女に今居る街灯の下で想いを打ち明けた。

「僕は君が好きだ。君は僕を好きかい?」
真っすぐにその想いを彼は彼女に伝えた。付き合ってまだ半年にしか経っていないが、付き合って行くうちに、彼女を好きだと思う気持ちが芽生えた。
「ありがとう。でも、私、なんて答えて良いか解らなくて」

3日前、彼女はそういったので、駄目かと彼は思った。

「そっか。ゴメン、変な事言っちゃって。何て言うかさ、この雰囲気からなんか告ってみたくなっちゃってさ」
照れ隠しとバツの悪さを取り繕うみたいに彼はあの時、彼女にそう言った。
「ううん。私も同じ気持ちだったの。でも、何か今は、すぐに…答えがだせなくて。ねっ、ねぇ、3日時間をくれない?答えが出る気がするの」
「あっ、うん、良いよ。それで。そんな焦らなくて良いからさ」
彼は、答えに悩む彼女にそう言って、肩に手を乗せると、彼女は俯いたままに、
「うん」
と、小さく頷いた。

想いを彼女に打ち明けた次の日、彼は友人の櫻井と井東共に酒を飲んでいたらその話を気がつくとしていた。「へぇー、ドラマティックな告白したなーお前」
櫻井も良い感じに酔いが回りつつ言う。
「向こうも‘‘同じ気持ちになった,,っていうんだったら、まだ脈はあるぜ。2日後が楽しみだな。樹之下」
と彼の肩に手をあてていう。
「俺はうまく行かない様な気がするけどなぁ…。即答出来てない時点でアウトでしょ。」
井東は、残念だったなーと彼に向かって、どこか嬉しそうに言う。
(2人の意見は一致せずか)
酔いが回っている筈なのに、彼の胸の中にと友人達の言葉がストンと入った。

一方の彼女はというと、彼同様に、彼女の女友人である七光台に話をしていた。
「はっきりしないね、あんたって」
七光台は、ため息まじりに言う。
「色々事情は解るけどさ、この場合さ、そんな難しく考える事は無いと私は思うよ」
「うん」
と彼女言うもののやはりまだ答えは出なかった。
「好きか嫌いか。ただそれだけでしょ、良いじゃ無い思う様に言えばさ。そこが難しいってのが、あんたの悪い所ね。何でもさ、判断下すのは、覚悟はいるけど、あんたの場合は、何かこうどっちにころんでも自分が迷う事になるのが怖くて、戸惑ってる感じだもんね。はっきりしないと彼マジに逃げるよ」
多分と七光台は続け、しばらくやり取りしたが、その場でも答えは出ず、七光台はしまいには愛想をつかしてしまった。


約束の日。
3日前と同じ街灯の下で、2人は再会した。
「元気だった?たった3日しか経ってないけどさ」
いきなり本題に入らずに切り出したのは、彼の方だった。
「うん、なんとかね。悩み通しだったけどね」
彼女はうまく笑えたか不安だったが、そう言った。
「それは俺もだよ。どっちかなって思ってさ」
アハハと彼は笑うも、内心のドキドキ感が痛い程、彼女は感じられた。
「やっぱ、急過ぎたかなって反省も実はしてるんだ」
下を向きつつも彼は明るい声で言う。
「でも、何か答えを聞きたいって思うんだ。素直に遠慮なく、話して欲しいし教えて欲しいんだ」
不意にぱっと顔をあげて真剣な目で真っすぐに訊いて来た瞳に、彼女の答えは固まった。
「……うん。私も好きだよ。良いよ、私でよければ」
顔が物凄く暑くなった彼女の耳に、

--それで良いよ--
という声が聞こえたのと同時だった。ゆっくりと彼の胸の中に抱き留められたのは。
「ありがとう。まだどうしていって良いか解らないけど、僕は君を大事にするよ。やっとスタート地点に立てたんだ。ゴールなんて無いけど、歩いて行こう。行き着く所まで」
彼の胸の鼓動がさらに早まったのを彼女は感じた。
「うん、行き着く所まで、私も行きたい」
うまくいけるか、わからないけれど、という言葉を彼女はぐっと飲み込んだ。その台詞を口にしたら、全てが壊れてしまう気がしたからだ。
「解った。ありがとう。きっと行ける、俺達は」
彼が彼女を胸から離し、真っすぐに彼女を見つめた時、2人の頭上に星が降ったのを気付く者は誰も行かなかった。


「ねぇ、ここであの時、告白したの覚えてる?」
5年後のある日、2人は、互いが互いを結んだ場所を歩いていた。
「そうだったね。何か恥ずかしくて思い出したくないよ」
彼は、俯き加減に顔を紅潮させて彼女の問い掛けに答えた。
「まだ照れてるなんて、変わってないね、あの時と」
彼女の方は、すっきりと抜けた青空みたいな表情を浮かべて、彼の両肩に手をおいた。そして、
「ねぇ、結婚した今でもあの時みたいに私を好きでいてくれてる?」
ためらいもなく訊かれ、彼は一瞬、驚きで言葉が出なかったが、あの時のままに言えば良いと胸の中の声を形にした。
「うん、好きだよ。俺は君が好きだよ。今もきっとずっとね」
ゆっくりと静かに言うと彼女は嬉しそうな笑みを浮かべ、
「私もあなたが好きだよ」
街灯の下で結ばれた恋は2人の生涯途切れる事なく続いた。物語みたいな恋……。
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『ナイトランナー』

2009年07月20日 02時57分54秒 | 物語・小説
『ナイトランナー』

 人知れず夜の街を走るランナーが居るという。
 誰もその姿を見た者は居ないが、足音は聞こえるが姿が見えないと言われている。
 そのランナーが現れる場所は、決まってはいるが、周期的に現れる場所が変わっていると言われている。
 全てが曖昧な話だが、うわさ話として語られ、そのランナーを「ナイトランナー」と人々は呼ぶようになっていた。
 
 もうすぐ満月という月が昇った真夜中日曜日の24時頃、アルバートは2階の小部屋から外を眺めていた。毎週日曜深夜はアルバートにとっては天敵だった。何しろ、昼夜がひっくり返る時分で眠れぬ時で、退屈だった。
(そう言えば、ナイトランナーって本当に居るのかな)
 街でうわさされている謎のランナーの話は、アルバートの耳にも入っていた。
(会えたら素敵だよな)
 ため息をつきながら夜空を見上げた。
その時だった。
(流れ星?)
 不意に、銀色に輝くものが弧と筋を描いて流れた。
(何か良いことあるかもしれない)
 アルバートの胸に、小さな希望が宿ったのと同時に、外へ出てみたい衝動に駆られた。

(なんだか異様に静かだな)
 深夜の街は賑わう昼間とは対照的だった。
 家々の窓からこぼれる光は少なく、9割方夢の中という感じで、アルバートは寂しさを覚えた。
(皆、眠っているのか)
 自分ひとりだけがこうして起きている事は、孤独を突きつけられている感じがしてアルバートはひどく辛い気持ちになった。
 行き先も無いままに、家が立ち並ぶ石畳の道を気の赴くままに歩いていくと、シャルロ川を渡る第15橋に出た。そこでアルバートは足を止め、闇の川面を何気なく眺めると、橋の下から小さな波が出ているのを見つけた。
(誰か居るんだろうか?)
 嫌な感じがしなかったので、心の赴くままにアルバートは第15橋の下へ行ってみた。
「うん?なんだお前か。誰かと思ったよ」
 アルバートの友人であるセドリックが釣りをしている所に出くわした。
「何だよ、こんな時間に。おどかしに来たのか?」
 びびったぜ、とセドリックは言いながら釣りを続ける。
「何で、こんな時間に釣りなんかしてるんだい?」
 アルバートはセドリックに訊ねた。
「いや、何となくだよ。別に目的なんかないさ。ただなんか釣りしたいって思ったんだけど、何も釣れなくて退屈してたとこさ」
 良い所に来てくれたよ、とセドリックは闇の川面を見ながら言う。
「お前こそどうしたんだよ。こんな時間に。家出でもしたのかよ?」
 逆に今度はセドリックから訊ねられた。
「俺も理由なんかないんだ。眠れないでたまたま夜空見てたら流れ星があったから来て見ただけだよ。それにナイトランナーに会えるかなって思ったんだ」
 素直にアルバーンはその訳を話すと、セドリックは、なるほど、と頷いた。
「流れ星にナイトランナーか。願いは叶いそうだけど、お前、ナイトランナーに会ってどうする気で居るんだよ?新聞にでも話を売るのか?」
「いや、解らない。ただ、なんかどんな人なのか単純に気になってさ」
 暗い橋の天井を見つめながらアルバーンはセドリックの問いに応えた。
「確かにな。街にぎわしているナイトランナーだもんな。会ってはみたいよな。本当にいるならな」
 セドリックは竿を一度上げると、別の場所へと投げた。
「単なる作り話を誰かがまいた、そんな話じゃないか、とも言われてるんだぜ」
「えっ?」
 アルバーンはセドリックの顔を見つめた。
「暇なご時世の暇な街。何の目的かは知らないけどさ、何か話題を提供したいが為に創った話なんじゃないかとも言われてるんだぜ」
 不思議なもんだよな、とセドリックは言う。
「大体さ。たかが夜中の街を走るランナーだぜ。別にどうって事ないじゃないか。ナイトランナーを見たからって何かが起こった訳でもない。ただ、何かそんな話があったら良いというノリで生まれた話なんじゃないかって言うんだ」
 もっともだな、とアルバーンは思う。
 確かにナイトランナーを見たから、どうにかなったというのは本当に無かった。ただ居ると言われているだけで。
「物語になり損ねた物語、シナリオになり損ねたシナリオが何でここまで拡がったのか解らないけどな。あーあ、今夜は釣れねーか。引き上げるか」
 そう言うと、セドリックは竿を引き上げようとした時だった。
「ん?なんかかかったみたいだ」
 ググッと竿を弓なり、セドリックは引き上げると、黒にしか見えない15センチ位の魚が1匹上げって来た。
「わっ、釣れた。良かったー」
 と言いながら、セドリックは予め用意していた水の入ったバケツの中にその魚を入れ、上機嫌だった。
「やっぱ釣りは1匹でも釣れないと駄目だよな」
「そうだね」
 嬉しそうなセドリックを見て、子供みたいだな、とアルバーンは闇の中、苦笑していた。

 セドリックと第15橋で別れると再びアルバーンはひとりになった。
(どこへ行こうか?)
 見渡す限り闇が広がるばかりで、道に迷いそうな錯覚をアルバーンは覚えた。その時、下流側からサワサワと風が吹いたので、その吹いてきた風の方向に向かおうとアルバーンは思った。
 
 第15橋からシャルロ川に沿って歩いても、やはり明かりの落ちた家々が続くばかりだった。第8橋の近くまで来るとようやくバーの小さな窓から漏れる明かりが見え、同時に薄くなったタバコの匂いがして、なんだかほっとしたような気分になった。だが、そんな店に入れる年齢でもないので、そのままアルバーンは川を歩いて下る。時折、外灯の下を通るとなんだかそこだけ妙に暖かい感じがした。まだ冬でもないというのに、それは不思議な感覚だった。
(あの話にあった感じってこんななのかな?)
 いつかに読んだタイトルを忘れてしまった話の中に、夜の街の明かりの向こうは柔らかく暖かい世界がある、と書かれた一説があった事をアルバーンは思い出した。
(でも、所詮、’’夜,,だもんな。昼間には勝てないんだよな)
 その読んだ本には、どんなに夜の事を褒め称えて書いたとしても、昼間の太陽には勝てない、とあった。夜は、目立ったとしても一時的な物。昼間という目立つ場所で動かなければ意味をなさない、という風にもあった。
 折角膨れた胸が一気にしぼんだ感覚にアルバーンはなり、ため息が出た。
(やっぱ、さっきの流れ星は偽だったのかな?)
 何気なくもう一度アルバーンが建物の上に広がる小さな夜空を見上げると、あろうことかまた、流れ星が瞬いたのである。
(2回目?)
 こんな事ってあるんだろうか、とアルバーンは思った。いくらなんでも都合が良すぎる。もしかして、半分頭が眠っているんだろうか?と自分自身をアルバーンは疑った。その時、腕時計をみると、時計の針は午前2時45分を指していた。
(そろそろ帰らないと駄目か)
 これ以上行っても仕方ないという気持ちにかられたので、アルバーンは来た道を戻る事にした。

 第15橋が近づいた時だった。
(足音?)
 左手に第15橋、右手に3階建てのアパートと駐車場があり、そっちの方から人の走る足音が聴こえて来た。
(まさか?)
 アルバーンの心臓の鼓動が高まった。
 もしかして、もしかして、と思う気持ちで胸が騒ぎ始める――やがてその足音がさらに近づき、人が現れると、アルバーンに気づいてか足を止めた。
「やあ。まさかこんな時間に誰かと会うなんて思わなかったよ」
 軽く息を切らしたナイトランナーは、アルバーンより年上の感じがする青年だったが、月明かりが丁度雲に隠れ、外灯も近くにはないので顔までは解らなかった。
「ナイトランナーですか?」
「うん。そうだよ」
 と言うのと同時にアルバーンに向かってナイトランナーは右手を差し出してきたので、アルバーンは迷わずその手を握った。
「夜の街を走って、朝をつれてくるのが役目なんだ」
 優しげな声でナイトランナーは言う。
「夜明けを?」
「そうさ。夜明けさ。いつまでも夜じゃ世界が絶望でうめつくされちゃうからね」
 アルバーンは、その意味が解った気がしたので大きく頷いた。
「今、何時だい?」
 ナイトランナーに訊かれたので、アルバーンは時間を教えた。
「3時か。じゃあ、そろそろ行かないと行けないね。そうだ、折角会えたんだ。何か訊きたい事があったら答えるよ」
 突然言われて、アルバーンは戸惑った。
「どこから来たの?」
 ありきたりな質問だなと思いつつもそれしか浮かばなかった。すると、ナイトランナーは心地よい声で言った。
「昨日から」
 と答えると、ナイトランナーは走り始めた。
「さようなら。どこまで行くの?」
 消え行く姿にアルバーンは思わず手を振りながら、少し大声で遠ざかる背中に問い掛けた。すると、ランナーは足踏みをしながら、笑みを浮かべたような感じで手を振り
「明日までだよ。またね。きっとまた会えるときが来るよ」
 そう答えるとランナーは、走る足を早め、第15橋からまっすぐに続く川の向こうの道を駆けて行った。

その後、アルバーンはおろか、彼の住む街からナイトランナーの話は不思議な事にぷつりと消え、次第にアルバーンの記憶からも消えつつあった。

 それから20年の歳月が流れた後、アルバーンは結婚をし、子供を設けて、いつしか文字も少しなら読めるような年頃にアルバーンの息子ニコラスは成長していた。
「ねぇ、お父さん、この本読んでよ」
 休日のある時、アルバーンは仕事の関係で街の図書館で調べ物をしている時、息子のニコラスが1冊の本を持ってきた。
「また難しそうな本持ってきたな」
 黒味がかった青い本の表紙には、これまで薄れがかった金色の文字で、『ナイトランナー -昨日と明日を繋ぐもの―』
と書いてあった。
(息子に読んでもわかる本ではなさそうだな)
 とアルバーンは思い、ニコラスに返しておいでと言おうとした時だった。
「どーしたのー?」
 思わず手を止めてしまった父アルバーンに、不思議そうな瞳を浮かべてニコラスは訊ねた。
「……解った、良いだろう。ちょっと退屈かもしれないけど、読んであげるよ。借りる手続きをして来なさい」
 アルバーンの言葉に、ニコラスは満面の笑みを浮かべて、大きく頷きカウンターへ本を持っていった。
(さて、どうやって読み聞かしたら、いいかな)
 ちょっとアルバーンは肩を落としたが、何とかなるような気がした。何しろ、昔、自分が出会った人物なのだ。きっと解ってもらえる、そう思ったからだ。

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