読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

先崎学の実況!盤外戦

2006-06-15 22:19:34 | 読んだ
先崎学はプロ棋士、将棋指しである。
8段であるから強い。
強いが、大きいタイトルは取れない。

という男がエッセイを書くとおもしろい。
今をときめく、羽生4冠や森内名人、佐藤棋聖などの先輩であり、彼らとの交流も深いので、そのへんもおもしろい。

今回は、第1部「毎日がガチンコだ!」第2部「盤外戦7番勝負」第3部「先崎学×森博嗣」という構成である。
で、第1部がおもしろい。第2部はあまりおもしろくない。

やっぱり将棋にかかわることはおもしろい。
彼らプロ棋士はやっぱり常人と違うのである。その常人と違うところがおもしろいのである。

「将棋世界」という雑誌の今月号で、渡辺竜王(22歳)は「僕にはライバルがいない」とか「同じ年代とやっても負けないからおもしろくない」などと語っている。平気でそんなことを言うやつらなのである。

先崎は将棋界のなかで普通人に近い感覚を持っているので、棋士の変なところをヘンと思うから、そういうところを描いているとおもしろいのである。
とはいえ、先崎も棋士であるからヘンなのはヘンである。

将棋を知らなくても充分楽しめる、この前の文庫「フフフの歩」もお奨めである。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする