諸田玲子の歴史小説をはじめて読む。
主人公は徳川家康の妻:瀬名(築山御前)である。
これまでの通説では、悪妻中の悪妻である。
私が徳川家康に関する小説でこの瀬名姫について知ったのは、山岡荘八の「徳川家康」である。
瀬名姫は、家康と同い年で、今川義元の姪であり、今川一門の関口親永の娘。
政略によって、当時人質として今川義元の住む駿府にきていた徳川家康(当時は松平竹千代:松平元信)と結婚。
当初は家康とともに駿府に住み、長女:亀姫、長男:竹千代を生む。
しかし、今川義元は桶狭間で織田信長に負け、家康はそのまま駿府に帰らず岡崎に残り、更に今川から離反し、瀬名は駿府に置き去りにされた。
その後、家康は今川方と人質交換により、瀬名と亀姫と竹千代を岡崎に迎え入れる。
それでそのまま幸福になって万々歳、とはならなかった。
瀬名姫は、京文化の影響を大きく受けた駿府の文化にどっぷりとつかった人である。そして「今川」の生まれということに大きな矜持を持っていた。
それが、三河岡崎では受け入れられなかった。
加えて、反今川の姿勢をとった家康は、それが正解であったように三河から遠江更には駿河まで手に入れようとしている。
自分の全部を否定されたような気持ちであったろう。
そして、遂には武田と気脈を通じ徳川を裏切る行為を行い、しかもそれは嫡男・竹千代(信康)も加担していたとされ、二人とも殺される。
その徳川を裏切ったということが悪妻ということの所以である。
「気の毒である」と山岡荘八の徳川家康を読んで思ったものである。
さて、この物語は、瀬名を主人公においている。
従って、家康や家康の母・於大が悪者にされている。
山岡荘八版では、於大は非常にいい女として描かれているので、なるほどそういう見方もあるのかと、本書を読んで思った。
この築山御前のことと嫡男信康のことに関しては、家康は非常に冷たい。というか不可解な動きである。
そのあたり(家康はなぜ妻と嫡男を捨てたのか)まで迫ってもらえばもっと面白かったと思うのである。
それでも、面白く読んだ。
ただ、結末(瀬名が殺される)がわかっているので徐々に気が重くなっていったのではあるが・・・驚愕の結末、があった。
諸田玲子は時代小説と歴史小説の二つを主に書いているが(現代小説もある)やっぱり時代小説のほうが面白いと思うのは、この小説を読んだ感想としてはやっぱりマズイのであろうか。
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主人公は徳川家康の妻:瀬名(築山御前)である。
これまでの通説では、悪妻中の悪妻である。
私が徳川家康に関する小説でこの瀬名姫について知ったのは、山岡荘八の「徳川家康」である。
瀬名姫は、家康と同い年で、今川義元の姪であり、今川一門の関口親永の娘。
政略によって、当時人質として今川義元の住む駿府にきていた徳川家康(当時は松平竹千代:松平元信)と結婚。
当初は家康とともに駿府に住み、長女:亀姫、長男:竹千代を生む。
しかし、今川義元は桶狭間で織田信長に負け、家康はそのまま駿府に帰らず岡崎に残り、更に今川から離反し、瀬名は駿府に置き去りにされた。
その後、家康は今川方と人質交換により、瀬名と亀姫と竹千代を岡崎に迎え入れる。
それでそのまま幸福になって万々歳、とはならなかった。
瀬名姫は、京文化の影響を大きく受けた駿府の文化にどっぷりとつかった人である。そして「今川」の生まれということに大きな矜持を持っていた。
それが、三河岡崎では受け入れられなかった。
加えて、反今川の姿勢をとった家康は、それが正解であったように三河から遠江更には駿河まで手に入れようとしている。
自分の全部を否定されたような気持ちであったろう。
そして、遂には武田と気脈を通じ徳川を裏切る行為を行い、しかもそれは嫡男・竹千代(信康)も加担していたとされ、二人とも殺される。
その徳川を裏切ったということが悪妻ということの所以である。
「気の毒である」と山岡荘八の徳川家康を読んで思ったものである。
さて、この物語は、瀬名を主人公においている。
従って、家康や家康の母・於大が悪者にされている。
山岡荘八版では、於大は非常にいい女として描かれているので、なるほどそういう見方もあるのかと、本書を読んで思った。
この築山御前のことと嫡男信康のことに関しては、家康は非常に冷たい。というか不可解な動きである。
そのあたり(家康はなぜ妻と嫡男を捨てたのか)まで迫ってもらえばもっと面白かったと思うのである。
それでも、面白く読んだ。
ただ、結末(瀬名が殺される)がわかっているので徐々に気が重くなっていったのではあるが・・・驚愕の結末、があった。
諸田玲子は時代小説と歴史小説の二つを主に書いているが(現代小説もある)やっぱり時代小説のほうが面白いと思うのは、この小説を読んだ感想としてはやっぱりマズイのであろうか。
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