読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

べっぴん-あくじゃれ瓢六捕物帖3- 諸田玲子 文春文庫

2011-11-30 21:55:13 | 読んだ
あくじゃれシリーズの第3弾である。

オール読物に連載されていたもので、2009年2月号で『べっぴん』の連作が『杵蔵の涙』で終了しており、その感想を2009年1月26日に書いている。

それには次のようなことが書いてある。

人の心のあり方の複雑なこと、或いはちょっとした行き違いが増幅されて行き違いだけですまないことになったりする。
どこかで、許すとか詫びるとかしたらよかったのにとか、自分の心をまっすぐ人に伝えられないもどかしさとか、そういうものが感じられた物語であった。

何年かして文庫本で一気に通して読んでみると、この感想がどう変わるのか或いは変わらないのか楽しみである。


わりとマシな感想が書いてあったのでほっとした。

というわけで、何年かして文庫本で一気に通して読んでみたわけである。

この物語は、7つの短編から構成されている。

今回は、主人公の瓢六の仲間であり裏の世界に顔がきく「杵蔵」が影の主人公である。
瓢六と杵蔵のまわりでなぞめいた事件が多発する。

そしてその事件のたびに「べっぴん」な女の影がちらつく。
多発する事件を表層的に解決しながら、その「べっぴん」に近づいていく瓢六。

しかし、結末は思いもよらないことだった。

短編の最初にその「べっぴん」と思われる女の独白がある。
で、その女の告白を読んでいくと、徐々に同情していってしまう。

今回瓢六はお袖と離れて事件解決にあたる。
そして、相棒の「能はないが情がある」同心の弥左衛門はとうとうお八重を妻にもらう。

事件解決とは別に時の流れが描かれていて、そちら側も面白い。

そういえば、今月のオール読物にもあくじゃれが掲載されている。
早く読んでみよう。

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