読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

山内一豊(やまうち・かつとよ)の妻の推理帖 鯨統一郎 光文社文庫

2012-10-03 23:41:44 | 読んだ
山内一豊のルビに「やまうち かつとよ」とあるが、これまでは「やまのうち かずとよ」とも呼ばれていた。
あの土佐藩の初代国主である。

山内一豊といえば、妻の「千代」の内助の功、の話が有名だ。
千代が結婚するときに手鏡にかくして持ってきた10両で駿馬を購入し名を挙げる、というヤツである。

私などは、小学校の時から太閤記をはじめ歴史小説を読み、いろいろな女の人がいるが、妻にするなら山内一豊の妻のような人、と思っていた。
これは、なんといいますか、まあ、そのお、つまり、えー、どうでしょう?
「夢はかなった」
ということで、よしなに・・・

さて、この物語もやっぱり山内一豊の妻がいろいろと問題を解決し、それにより山内一豊のが出世していくという、基本的なスジになっている。

7つの話が収めてあり、若い時から時系列に並んでいる。

第1話では、まだ山内一豊と妻が結婚する前から始まる。
ちなみに、妻の名はこれまで多く使用されていた「千代」ではなく「千枝」となっており、解説にも書いてあったが「知恵」を思い浮かばさせる名前としている。

見るからに風采の上がらない山内一豊こと、将来一国一城の主となる人、と千枝が見初めて結婚をすることとなる。
結婚後、織田家で殺人事件が発生する。織田信長の食事に毒が盛られ、毒味役が死亡するという事件である。

この犯人捜しを、山内一豊が解決するのである。
一部始終を妻の千枝に話をして「閨の交わり」のと、天啓のように千枝が閃く。
それを一豊が聞いて解決する。

このパターンは7話ずっと同じである。
であるが、徐々に二人とも年齢が加わるわけで、そのあたりの工夫が面白い、というか若干の無理矢理感が笑える。

もちろん、駿馬を買う話、あるいは関ヶ原の戦いの前に、徳川家康に諸将に先んじて城を差し出す、という有名な話もちゃんとあるし、前田利家が若いころ茶坊主を殺して逐電する話とか、歴史上の話をうまく取り込んでいる。

読み終えた感想は、
「またしても鯨統一郎にやられた」

ところで、7つの話はすべて「・・・・・・の知恵」となっている。
このあたり、当たり前すぎるというか、いかにもというか、もっとひねってもいいんじゃないか、という気もするのだが、多分、読者のレベルに合わせているんだろうと思う。


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