それは更生の余地でしょう、と突っ込みが入りそうですが、今回も鉄道車輛以外のNゲージの話です。
この駄文に毎回お付き合いいただいている読者の方ならご存知のとおり、私は鉄道趣味だけでなく、飛行機などにも興味があります。それだけでなくミリタリー系への関心も多少あるものですから、戦車や軍艦のプラモデルなども昔は随分と作りました。
かれこれ十数年前から、1/144や1/150スケールの戦車のミニチュアなどが人気を集めるようになり、私もそれにはまった一人です。現在でも食玩からレジンキット、3Dプリンター出力キットなどで、かなりマイナーな車種まで発売されています。今日は、そんな車輛達を近いスケールであるNゲージの鉄道模型の世界に活かせないかな、というお話です。
最近、こうしたキットを発売しているYSKから1/150で「戦車改造ドーザー」と呼ばれる車輛のキットが発売されました。
先の大戦後、旧日本軍は武装解除され、装備は大半が廃棄されたり、破壊されたわけですが、生き残った戦車の中には、排土板を取り付けて急造のブルドーザーや牽引車として使われたものがありました。こうした元戦車は「更正戦車」などと呼ばれていたそうです。
製品は97式中戦車の砲塔を取り除いて、排土板をつけたタイプをキット化しています。キットと言っても一体成型で組み立ての必要がなく、同社の他の戦車などと同様、大変シャープな出来となっています。レジンキットですので、離型剤を落としたうえでプライマーサーフェーサーを吹き、好みの色に塗って、デカールを貼れば出来上がり、ということで週末のモデリングで十分作れます。
こちらのキットには「東京都」の文字と都の紋章が入っています。東京都が戦災のがれきの除去や除雪などに使用するために保有していたようです。塗装についてはキットの説明では日本陸軍の戦車の土地色を指定していますが、模型ということで違う色でもありでしょう、と思いまして、都電の事業用車に塗られていたような緑色にしてみました。鉄道カラーの緑2号にMr.カラー128番灰緑色と、5番の青色を少量ずつ混ぜました。排土板はタミヤエナメルのメタリックグレイです。車内にトミーテックのザ・人間「現場の人々」から一体を塗り替えて立たせてみました。余談になりますがキットのデカールにもあります東京都の紋章は現在でも「正式な」都の紋章でありまして、都営交通などでみかけるいちょうの葉を連想させる(いちょうではなく、Tの文字をモチーフにしています)緑色のマークはシンボルマークという位置づけです。

更正戦車のキットにつきましては「紙でコロコロ」というメーカーからも、95式軽戦車を改造した車輛がキット化されています。こちらは北海道で長年使われていたもので、冬の間車輪の代わりにそりをつけたバスの車体を牽引するなど、当地らしい使われ方をしていたようです。近年実車が「発掘」されてカラー写真も公開されています。
私はどこかの工事現場に紛れ込んでいるという設定で建機らしい色に塗り、キャブ上には電車から拝借した二灯のライトをつけています。パーツもいくつか追加していますので、キットのオリジナルではありません。ご容赦ください。

優れた性能を持つ軍用車両の中には、戦後も生産されたものがありました。ドイツ軍の小型半装軌車「ケッテンクラート」は、戦後も生産が行われて農業などの現場で使われていたそうです。こちらは食玩のMe163のおまけ(おまけのおまけと言うべきですね)でついていたものを塗り替えたものです。日本の軽トラック(トミーテックのカーコレクションより)と比較すると大きさが分かりますね。


もちろん、ケッテンクラートがホンダTN7やスバル・サンバーと並んでどこかの農作業の現場や、工事現場にいたということはないと思いますが、現場で働いていたらこんな感じではないでしょうか。
こういった車輛たちを鉄道模型のレイアウトの中に登場させる場合ですが、目立つところに置かないで、例えば他の自動車や日常の風景の中にさりげなく置いた方が、見る側も「おおっ」と驚いてくれそうです。
それからこちらもご覧ください。ドイツ軍のキューベルワーゲンが鮮やかな色に塗り替えられて河原に来ています。隣にはオフロードバイクもいます。両方とも食玩に入っていたもので、オフロードバイクは陸上自衛隊のものを塗り替えています。ジオラマのベースはスチレンボードの切れ端です。水面はリキテックスで塗ったあとにグロスメディウムやジェルメディウムなどで水の流れを再現しています。地面の部分はタミヤの情景テクスチャーペイントを塗ったのち、情景用の小石などを敷きました。手持ちの材料から使ったので、比較的大きめの石を配置する感じになりました。スケール的には大きな岩ということで、流れも急なようなので、川の上流でしょうね。

さて、更正戦車というと、先の97式中戦車を改造したドーザーが警察でも使用され、昭和20年代前半に発生した「東宝争議」にも動員されている写真が有名です。一応、エンジン部分のグリルなどに鉄板で覆いがついていますが、オープントップですので、投石や火炎瓶といったものが飛んできたときはどう対処するつもりだったのか気になります。それにしても、どうして「更正」という言葉を使ったのでしょうか。私などは脳内で変換ミスをして、グレた97式中戦車が立ち直って塀の中から出てくる姿を想像してしまいます。ということでこのキット、いずれ警察バージョンでも作ってみたいです。
この駄文に毎回お付き合いいただいている読者の方ならご存知のとおり、私は鉄道趣味だけでなく、飛行機などにも興味があります。それだけでなくミリタリー系への関心も多少あるものですから、戦車や軍艦のプラモデルなども昔は随分と作りました。
かれこれ十数年前から、1/144や1/150スケールの戦車のミニチュアなどが人気を集めるようになり、私もそれにはまった一人です。現在でも食玩からレジンキット、3Dプリンター出力キットなどで、かなりマイナーな車種まで発売されています。今日は、そんな車輛達を近いスケールであるNゲージの鉄道模型の世界に活かせないかな、というお話です。
最近、こうしたキットを発売しているYSKから1/150で「戦車改造ドーザー」と呼ばれる車輛のキットが発売されました。
先の大戦後、旧日本軍は武装解除され、装備は大半が廃棄されたり、破壊されたわけですが、生き残った戦車の中には、排土板を取り付けて急造のブルドーザーや牽引車として使われたものがありました。こうした元戦車は「更正戦車」などと呼ばれていたそうです。
製品は97式中戦車の砲塔を取り除いて、排土板をつけたタイプをキット化しています。キットと言っても一体成型で組み立ての必要がなく、同社の他の戦車などと同様、大変シャープな出来となっています。レジンキットですので、離型剤を落としたうえでプライマーサーフェーサーを吹き、好みの色に塗って、デカールを貼れば出来上がり、ということで週末のモデリングで十分作れます。
こちらのキットには「東京都」の文字と都の紋章が入っています。東京都が戦災のがれきの除去や除雪などに使用するために保有していたようです。塗装についてはキットの説明では日本陸軍の戦車の土地色を指定していますが、模型ということで違う色でもありでしょう、と思いまして、都電の事業用車に塗られていたような緑色にしてみました。鉄道カラーの緑2号にMr.カラー128番灰緑色と、5番の青色を少量ずつ混ぜました。排土板はタミヤエナメルのメタリックグレイです。車内にトミーテックのザ・人間「現場の人々」から一体を塗り替えて立たせてみました。余談になりますがキットのデカールにもあります東京都の紋章は現在でも「正式な」都の紋章でありまして、都営交通などでみかけるいちょうの葉を連想させる(いちょうではなく、Tの文字をモチーフにしています)緑色のマークはシンボルマークという位置づけです。

更正戦車のキットにつきましては「紙でコロコロ」というメーカーからも、95式軽戦車を改造した車輛がキット化されています。こちらは北海道で長年使われていたもので、冬の間車輪の代わりにそりをつけたバスの車体を牽引するなど、当地らしい使われ方をしていたようです。近年実車が「発掘」されてカラー写真も公開されています。
私はどこかの工事現場に紛れ込んでいるという設定で建機らしい色に塗り、キャブ上には電車から拝借した二灯のライトをつけています。パーツもいくつか追加していますので、キットのオリジナルではありません。ご容赦ください。

優れた性能を持つ軍用車両の中には、戦後も生産されたものがありました。ドイツ軍の小型半装軌車「ケッテンクラート」は、戦後も生産が行われて農業などの現場で使われていたそうです。こちらは食玩のMe163のおまけ(おまけのおまけと言うべきですね)でついていたものを塗り替えたものです。日本の軽トラック(トミーテックのカーコレクションより)と比較すると大きさが分かりますね。


もちろん、ケッテンクラートがホンダTN7やスバル・サンバーと並んでどこかの農作業の現場や、工事現場にいたということはないと思いますが、現場で働いていたらこんな感じではないでしょうか。
こういった車輛たちを鉄道模型のレイアウトの中に登場させる場合ですが、目立つところに置かないで、例えば他の自動車や日常の風景の中にさりげなく置いた方が、見る側も「おおっ」と驚いてくれそうです。
それからこちらもご覧ください。ドイツ軍のキューベルワーゲンが鮮やかな色に塗り替えられて河原に来ています。隣にはオフロードバイクもいます。両方とも食玩に入っていたもので、オフロードバイクは陸上自衛隊のものを塗り替えています。ジオラマのベースはスチレンボードの切れ端です。水面はリキテックスで塗ったあとにグロスメディウムやジェルメディウムなどで水の流れを再現しています。地面の部分はタミヤの情景テクスチャーペイントを塗ったのち、情景用の小石などを敷きました。手持ちの材料から使ったので、比較的大きめの石を配置する感じになりました。スケール的には大きな岩ということで、流れも急なようなので、川の上流でしょうね。

さて、更正戦車というと、先の97式中戦車を改造したドーザーが警察でも使用され、昭和20年代前半に発生した「東宝争議」にも動員されている写真が有名です。一応、エンジン部分のグリルなどに鉄板で覆いがついていますが、オープントップですので、投石や火炎瓶といったものが飛んできたときはどう対処するつもりだったのか気になります。それにしても、どうして「更正」という言葉を使ったのでしょうか。私などは脳内で変換ミスをして、グレた97式中戦車が立ち直って塀の中から出てくる姿を想像してしまいます。ということでこのキット、いずれ警察バージョンでも作ってみたいです。