私のような趣味人というのは多分にコレクター気質もございまして、長く趣味を続けてまいりますと、さまざまなものが手元に集まってまいります。
そんな私の周りにあるものから、趣味に因んだ珍しいものやおもしろいものをご紹介するのが「モノものがたり」です。
今回ご紹介するのはこちら、スイスの鉄道時計です。

スイスの鉄道時計は写真のとおりそのシンプルかつ見やすいデザインが有名で、掛け時計だけでなく、腕時計なども発売され、日本でも入手が可能です。
もともとは1944(昭和19)年にスイス国鉄のエンジニアがデザインしたもの(時計を製造・販売しているモンディーン社のサイトより)だそうです。私がこのデザインの時計を知ったのは1990年代の初めだったかと思います。来日したオリエント急行の長身の車掌・ダニエル・グフェラー氏が普段はスイス国鉄で乗務しているといったことから知ったのかもしれません。
大人になり、実家を出てから今の寓居に住まうことになり、掛け時計を選ぶことにしましたが、あるお店でスイスの鉄道時計が置いてあり、値段は少々張ったのですが、即決で買いました。
ちなみにスイスの鉄道時計と言いますと、詳しい方は「一周した秒針が一時停止して分針が新しい分を刻むのと同時に動き出す」という「Stop To Go」という仕組みをご存じの方もいらっしゃるでしょう。しかし、我が家の時計はドイツ製のクォーツを使用しており、「Stop To Go」の機構は入っておりません。
それはさておき、我が家の柱時計として長年時を刻むことになりました。見やすく、飽きの来ないデザインですし、何より鉄道好きの家にぴったりなわけです。その間、震度5クラスの地震にも数回見舞われましたが、それでも止まることなく動き続けていました。
しかし、この数年はいきなり遅れたり、止まったり、ということが増えてまいりまして、家人から「リビングの時計が正確でないのは困ります。遅れたりしない電波時計にしてください」と強く言われまして、とうとう買い替えることになりました。電波時計については下手をするとオフィスや出先などでいつも見上げたりしているものと同じデザインになり、どうも気に入りません。やはりデザイン的に個性があった方がいいなと探しまして、安くて視認性がよくて、デザインもそれなりに主張しているものを買いました。
そんなわけでこの柱時計、とうとうリタイヤとなった、はずなのですが、柱にかけると止まるくせに、平たいところに置くと何食わぬ顔で(もともと表情はありませんが)動きます。こうして今日も、物置代わりの部屋の隅で、コチコチという音が・・・あれは、もしかして・・・。
さて、スイスの鉄道時計、買ったのはこれが初めてというわけではありませんでした。1992(平成4)年2月に私は卒業旅行でヨーロッパを訪れています。二週間余りで6か国プラス複数の小さな国を訪れるという、いかにも学生の卒業旅行なのですが、旅の後半にスイスを訪れました。ジュネーブ駅構内に売店が並ぶ一角があり、そのなかに鉄道時計を扱うお店がありました。ジュネーブからはTGVでフランスに行くだけ、となりましたがスイス国内であまりお金を使わなかったこともあり、スイスフランがだいぶ残っておりました。ということで日本円で1万円程度でしたが、懐中時計を買いました。

この懐中時計、専用のプラスチックケースに入っておりました。

帰国後、実家の私の机の上で、しばらくの間動き続けておりました。こちらも「Stop To Go」の機構はありません。
スイスの鉄道については、山国で電化が進んだこと、また国鉄の技術陣が戦後、軽量客車を設計する際にスイスの客車を参考にしたことなどもあり、どこか親近感を覚える車輌が多いように感じます。TEEのゴッタルドにRIC客車、落ち着いたデザインの電気機関車など、さらには飛び跳ねるニワトリやチーズが描かれたラッピング機関車など、我が家にも模型がずいぶんと集まりました。そういえば、私の好きな西武のE51、鉄道省のED54もスイス製でしたね。
さて「モノものがたり」、いかがでしたか。鉄道ネタに限らず、これからも不定期的にこんな話をさせていただけたらと思います。
そんな私の周りにあるものから、趣味に因んだ珍しいものやおもしろいものをご紹介するのが「モノものがたり」です。
今回ご紹介するのはこちら、スイスの鉄道時計です。

スイスの鉄道時計は写真のとおりそのシンプルかつ見やすいデザインが有名で、掛け時計だけでなく、腕時計なども発売され、日本でも入手が可能です。
もともとは1944(昭和19)年にスイス国鉄のエンジニアがデザインしたもの(時計を製造・販売しているモンディーン社のサイトより)だそうです。私がこのデザインの時計を知ったのは1990年代の初めだったかと思います。来日したオリエント急行の長身の車掌・ダニエル・グフェラー氏が普段はスイス国鉄で乗務しているといったことから知ったのかもしれません。
大人になり、実家を出てから今の寓居に住まうことになり、掛け時計を選ぶことにしましたが、あるお店でスイスの鉄道時計が置いてあり、値段は少々張ったのですが、即決で買いました。
ちなみにスイスの鉄道時計と言いますと、詳しい方は「一周した秒針が一時停止して分針が新しい分を刻むのと同時に動き出す」という「Stop To Go」という仕組みをご存じの方もいらっしゃるでしょう。しかし、我が家の時計はドイツ製のクォーツを使用しており、「Stop To Go」の機構は入っておりません。
それはさておき、我が家の柱時計として長年時を刻むことになりました。見やすく、飽きの来ないデザインですし、何より鉄道好きの家にぴったりなわけです。その間、震度5クラスの地震にも数回見舞われましたが、それでも止まることなく動き続けていました。
しかし、この数年はいきなり遅れたり、止まったり、ということが増えてまいりまして、家人から「リビングの時計が正確でないのは困ります。遅れたりしない電波時計にしてください」と強く言われまして、とうとう買い替えることになりました。電波時計については下手をするとオフィスや出先などでいつも見上げたりしているものと同じデザインになり、どうも気に入りません。やはりデザイン的に個性があった方がいいなと探しまして、安くて視認性がよくて、デザインもそれなりに主張しているものを買いました。
そんなわけでこの柱時計、とうとうリタイヤとなった、はずなのですが、柱にかけると止まるくせに、平たいところに置くと何食わぬ顔で(もともと表情はありませんが)動きます。こうして今日も、物置代わりの部屋の隅で、コチコチという音が・・・あれは、もしかして・・・。
さて、スイスの鉄道時計、買ったのはこれが初めてというわけではありませんでした。1992(平成4)年2月に私は卒業旅行でヨーロッパを訪れています。二週間余りで6か国プラス複数の小さな国を訪れるという、いかにも学生の卒業旅行なのですが、旅の後半にスイスを訪れました。ジュネーブ駅構内に売店が並ぶ一角があり、そのなかに鉄道時計を扱うお店がありました。ジュネーブからはTGVでフランスに行くだけ、となりましたがスイス国内であまりお金を使わなかったこともあり、スイスフランがだいぶ残っておりました。ということで日本円で1万円程度でしたが、懐中時計を買いました。

この懐中時計、専用のプラスチックケースに入っておりました。

帰国後、実家の私の机の上で、しばらくの間動き続けておりました。こちらも「Stop To Go」の機構はありません。
スイスの鉄道については、山国で電化が進んだこと、また国鉄の技術陣が戦後、軽量客車を設計する際にスイスの客車を参考にしたことなどもあり、どこか親近感を覚える車輌が多いように感じます。TEEのゴッタルドにRIC客車、落ち着いたデザインの電気機関車など、さらには飛び跳ねるニワトリやチーズが描かれたラッピング機関車など、我が家にも模型がずいぶんと集まりました。そういえば、私の好きな西武のE51、鉄道省のED54もスイス製でしたね。
さて「モノものがたり」、いかがでしたか。鉄道ネタに限らず、これからも不定期的にこんな話をさせていただけたらと思います。