さよなら、とは言いたくないので

　先日急逝された和泉宏隆さんの告別式に合わせ、5月2日の9:30からYoutubeで過去のピアノソロライブ、ご自宅のスタジオで収録された映像等の配信がありました。グループでのキーボード、ピアノというポジションとは違い、ピアノソロですとしなやかで繊細なタッチ、心にしみる音色に包まれる感じとなり、もうこれを生で聴くことができないと思うと、本当に言葉が見つかりません。
　配信で演奏された曲には、スクエア時代の名曲だけでなく、ソロになってからの曲や古い唱歌（ピアノソロで唱歌を演奏されたアルバムもありました）もあり、連休の日曜日の朝から、しっとりとした気分になっておりました。配信のために準備をされた関係者の皆様、忘れられない時間を作っていただき、ありがとうございました。
　「宝島」や「Omens of love」については吹奏楽の曲として知っている方も多いでしょうし、それを作曲された方がソロピアノで演奏されているのを聴いて、驚かれた方もいらっしゃるでしょう。もし、T-スクエアのことを知らなくて和泉宏隆さんのことを検索していてこのブログにたどりついた方がいらっしゃったら、ぜひ、オリジナルの「宝島」や「Omens～」を聴いてみてください。「宝島」はアルバム「S・P・O・R・T・S」に、「Omens of love」はアルバム「RESORT」に収録されています。また、この2曲が入っているベスト盤的位置づけな「Wordless Anthology Ⅱ」もおすすめです。その上で「Complete Solo Piano Works Ⅰ」に収録された両曲を聴いていただけますと、オリジナルの良さも、アレンジされた楽曲の良さも再発見いただけるのではないかと思います。
　和泉さんはその音楽人生の中でたくさんの名曲を遺され、私を含めたくさんの人の心を動かしてきました。私たちがこれからも和泉さんの曲を聴き、あるいは演奏することで、楽曲は生き続けていくことでしょう。