工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

欧州の空の旅 何度もお世話になっている翼を作る

2022年05月14日 | 飛行機・飛行機の模型
 前回のブログではエールフランスの客室乗務員のプレイモービルを紹介しましたが、そのエールフランスの機体を模型で再現したというのが今回のテーマです。年明けに747-400を紹介していますが、前後して作っていたものがありまして、1/144ドイツレベル・エアバスA320です。キットはさまざまな会社の機体で(主にドイツの航空会社ですが)キット化されています。また、ハセガワからピーチの機体としても発売されているので、比較的入手しやすいでしょう。
 エアバスA320(319,321などのシリーズを含めます)については、LCCの機体として日本でもおなじみですし、欧州内の移動で何度もお世話になっています。1990年代は737やDC-9/MD-80シリーズの機体が多かった欧州のハブ空港から各都市間の路線も、A320ファミリーに席巻されることになります。比較的距離が短い都市間の移動がメインのため、特別に快適というわけではありませんが、オーソドックスな作りの機体には多少の愛着もあり、これを模型で再現してみようということで、キットを買い、さらにデカールを買って、作ってみたわけです。
 このキット、胴体は客室の窓が開いた状態になっていますが、窓ガラスのパーツが入っていないので、エポキシパテなどで胴体の裏側から窓を埋めていく作業が必要となります。

 エポキシパテが胴体表面から少しはみ出るくらい埋めておき、乾燥したら耐水ペーパーで胴体を平滑に仕上げ、左右胴体を貼り合わせます。この時に操縦席の窓ガラスパーツも接着し、隙間や段差をならしておくとよいでしょう。
 他の方も指摘されていることなのですが、海外製のキットということもあり、国内メーカーのそれとはテイストも異なりますし、正直なところ合いもあまり良くありません。特に問題なのが主翼と胴体の合いの悪さで、主翼側に胴体を接着する際のガイドがついていますが正直なところ役に立ちません。この部分(説明書を赤丸で囲ったところ)は切り取り、胴体と主翼を接着したところは隙間や不連続な面になっていますので隙間を埋め、パテや瞬間接着剤で埋め、ペーパー掛けを繰り返して形にしました。その後、1000番のサーフェーサーを吹いて、1000番の耐水ペーパーで軽く水とぎしました。

 エールフランスの場合、塗装は胴体が白一色ですので、それほど苦にはなりません。主翼はMr.カラー315番(FS16440)と内側は73番エアクラフトグレーです。特にエアクラフトグレーの方はややざらつきが残るように吹き付けました。手元に実機の写真があるわけではありませんし、ディティールについては分からないところもあり、ネットに上がっている実機の写真や後述のデカールの塗装指示なども参考にしています。
 さて、デカールですが、一番乗っている回数が多いエールフランスの機体にすべく、フランスのF-DECAL(https://www.f-dcal.fr)というメーカーのエールフランスA320用のセットを取り寄せました。エールフランスは1974年にデザインを大きく変え、国旗と同じ赤・青・白をデザインに取り入れました。2009年にロゴなどはマイナーチェンジしていますが、私が注文したのは1974-2009年のデザインの方です。このメーカーですが、古今東西のさまざまな航空会社の機体のデカールを製品化しています。残念ながら日本国内に販路を持っていないため、ネットで直接注文して入手となりますが、スタッフに訪日経験のある方がいることもあってとても親切で、また迅速に対応いただきました。デカールを入手したのは5~6年前で、まだコロナ禍やウクライナの紛争以前でしたから、海外からの製品もスムーズに入っておりましたが、現状では大変なのではと案じております。
 窓を始めとしたディティールはA319,320,321共通のシルクスクリーン印刷のデカールで、それ以外の各会社のロゴや機体番号、記号等についてはレーザープリンターのデカールとなっています。シルクスクリーンのデカールはかなり薄いです。レーザープリンターデカールの強度やクリアーの上塗りへの耐性がよく分からなかったので、クリアーがけは軽くにとどめ、モデリングワックスなどできれいに磨きました。こうして完成です。

反対側です。

今回はこんなグッズを飛行機と一緒に並べてみました。

左はエールフランス公式のラゲージタグ。現行のロゴになっています。右はキーホルダーで、成田空港内の売店で買ったのではないかと思います。世界各国の航空会社の垂直尾翼のマークや塗装をあしらったものが販売されていて、航空をテーマにした博物館や航空グッズに強い書店などでも目にします。キーホルダーだけでも機内持ち込みの手荷物につけておくと心証が違う(?)ようで、空港のスタッフも「この人エールフランスのファンなのかな」という顔をしている時があります。
 いささか使い古された言葉ではありますが、ファッションの国フランスは航空会社もデザインがお洒落、と子供の頃言われていた記憶があります。白を基調としたシンプルなデザインは美しく、機内も青や赤を使ったデザインです。737-200も「乗った機体」として以前作りました。A320についてはヴェネツィア-パリ間のフライトで何度もお世話になっていますが、離陸した後、名残惜しそうにヴェネツィアの街を見下ろしながら上昇していると「あんなに小さな街を自分は何日間も駆けずり回っていたのか」と思いますし、偶然にもミラノ郊外のモンツァサーキットが上空から見えたこともありました。アルプスを越えるときはいつも機体が少し震えますし、以前も書きましたがパリに向けて高度を下げているときに、ユーロスターが眼下に見えたこともありました。A320シリーズは「NEO」といった機体も登場し、次回乗るときはそれかもしれません。
 さて、ドイツレベルのA320ファミリー、他の「乗った機体」も数社ございます。形にするのが大変なのですぐに、とは申し上げにくいのですが、またお目にかけたいと思います。また、エールフランスの機体についても作りたいものがありますので、またこのブログでご紹介したいと思います。



 
 
 




 
 

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