西武鉄道を傘下におさめる西武ホールディングスが先ごろ発表した「西武グループ中期経営計画」の中で、固定費節減を目的として「サステナ車両の導入」を挙げたことが話題になっています。この「サステナ車両」は「無塗装車体でVVVFインバータ制御車両等の他社からの譲渡車両を当社独自の呼称として定義」しています。各事業者がステンレス車体でVVVF車を導入しているのは時代の趨勢で珍しくもないわけですが、まがりなりにも大手の西武が他社からの譲渡車両を活用するということで、ちょっとした話題になっています。ただ、長年の西武線ユーザーから見ますと、他社からの譲渡もあるだろうなというのが正直な印象でした。そもそも通勤車輛はこの20年程度でJR、民鉄問わずますます「標準化」が進んでおります。また、西武鉄道も経営環境が厳しい状態はずっと続いていて、魔改造でもなんでも自社工場で車輛をまかなっていた頃とは違い、新造車にコストをかけるよりは他社の車輌を活用しても、となるのは自然な流れでしょう。新宿線のような「本線」ですらダイヤ改正のたびに本数が減っていて、昔に比べたら不便になるばかりの現状を知っていれば、大きな驚きにはならないわけです。
西武鉄道は小田急や京王、東急などの「ブランド力」とは少し外れていましたが、ユーザーとして魅力を感じていました。例えば冷房化率も関東の大手私鉄の中では早くから高い方でした。東横線が地下鉄乗り入れ車を除いてもまだ非冷房車がいたり、山手線に非冷房の103系が間に挟まれていた時であっても、新宿線や池袋線ではすでにほぼ100%の冷房化率を誇っていたことは、ユーザーとしてはちょっとした自慢でした。しかし時は流れ、設備のバリアフリーなどでは必要な取り組みが行われ、池袋線の複々線化なども実現したとはいえ、厳しい経営状況から他社の傘下に入るのでは、といった報道がなされたことも記憶に新しいところです。新宿線では連続立体交差事業なども進んでいますが、複々線化を「正式に」断念していますし、高田馬場駅のように構造上今更ホームを広げたくても広げられない中、夕方~夜などは身動きが取れないほどの混雑で、ホーム上に人が溢れないように改札からホーム階までのエスカレーターを止めてしまうことも行われています。だからといって増便が行われるわけでもありませんし、純粋に車輌を増備することも考えていない、ということであれば、現状の車輌置き換えに譲渡車が使われるというのも経営努力、となるでしょう。
さて、その車輌ですが、銀色の車輌たちではない「黄色い」車輌が淘汰の対象になると言われています。また、新宿線特急に使われる10000系もいずれ置き換えられるでしょうか。登場からそれなりに期間が経っていますので、引退も時代の流れ、と今後は言われるのかもしれません。新宿線の特急もこれを機に「拝島ライナー」のようになるか、平日は40000系あたりが入り、特急車の運用は土日のみといった運用が行われるかもしれません。いきなりすべて置き換えるのは難しいでしょうから、少しずつ置き換えられるにしても、どこから、どの車輌が譲渡されるかなど、今後も話題が尽きないように思います。ちなみに「銀色の車輌」といっても東急8500と現在のステンレス車輛では、省エネ化率も格段に違うそうですから、車歴がそれほど長くない車輛の譲り受け、というのもポイントになりそうです。また、車輌のことばかり書きましたが、今後は駅業務の無人化なども俎上に上がっているようですから、これらの取り組みは西武が先鞭をつけて、将来他社にも波及するといったことが起きるかもしれませんね。
西武鉄道は小田急や京王、東急などの「ブランド力」とは少し外れていましたが、ユーザーとして魅力を感じていました。例えば冷房化率も関東の大手私鉄の中では早くから高い方でした。東横線が地下鉄乗り入れ車を除いてもまだ非冷房車がいたり、山手線に非冷房の103系が間に挟まれていた時であっても、新宿線や池袋線ではすでにほぼ100%の冷房化率を誇っていたことは、ユーザーとしてはちょっとした自慢でした。しかし時は流れ、設備のバリアフリーなどでは必要な取り組みが行われ、池袋線の複々線化なども実現したとはいえ、厳しい経営状況から他社の傘下に入るのでは、といった報道がなされたことも記憶に新しいところです。新宿線では連続立体交差事業なども進んでいますが、複々線化を「正式に」断念していますし、高田馬場駅のように構造上今更ホームを広げたくても広げられない中、夕方~夜などは身動きが取れないほどの混雑で、ホーム上に人が溢れないように改札からホーム階までのエスカレーターを止めてしまうことも行われています。だからといって増便が行われるわけでもありませんし、純粋に車輌を増備することも考えていない、ということであれば、現状の車輌置き換えに譲渡車が使われるというのも経営努力、となるでしょう。
さて、その車輌ですが、銀色の車輌たちではない「黄色い」車輌が淘汰の対象になると言われています。また、新宿線特急に使われる10000系もいずれ置き換えられるでしょうか。登場からそれなりに期間が経っていますので、引退も時代の流れ、と今後は言われるのかもしれません。新宿線の特急もこれを機に「拝島ライナー」のようになるか、平日は40000系あたりが入り、特急車の運用は土日のみといった運用が行われるかもしれません。いきなりすべて置き換えるのは難しいでしょうから、少しずつ置き換えられるにしても、どこから、どの車輌が譲渡されるかなど、今後も話題が尽きないように思います。ちなみに「銀色の車輌」といっても東急8500と現在のステンレス車輛では、省エネ化率も格段に違うそうですから、車歴がそれほど長くない車輛の譲り受け、というのもポイントになりそうです。また、車輌のことばかり書きましたが、今後は駅業務の無人化なども俎上に上がっているようですから、これらの取り組みは西武が先鞭をつけて、将来他社にも波及するといったことが起きるかもしれませんね。