工作台の休日

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秋の夜長に夜行列車の話 10系客車の夢の編成

2021年11月11日 | 鉄道・鉄道模型
 今では昔の話となってしまいましたが、かつては多くの夜行列車が日本の各地を走っていました。私が子供の頃はブルトレブームのただなかにありましたので、24系25形が子供たちのスターでありました。ちょっと変わった子供だった私には、24系25形よりも気になる車輌がありました。それが今回採り上げる10系寝台車です。10系寝台車は主に急行用として、最盛期には日本の多くの幹線を走っていましたが、私が小学生になったころには急行列車が削減されたこともあり、見かけることも少なくなっておりました。それでも、上野駅に到着する列車には、10系寝台車が連結されているものもあり、くたびれたEF58にけん引されてやってくる姿と共に、今も覚えております。
 模型でも10系寝台車は好きで、かつてはGMのキットやマイクロエースの製品で、平成に入ってからはカトーが素晴らしい完成品をリリースしており、私のコレクションに加わってから長い年月が経っています。そこで今回のテーマになるわけですが、これらの車輌を組んでどのような列車に仕立てようか、というわけです。急行列車ですからさまざまな車輌が入り、当然のようにスハ43系などの旧型客車が入ったりするものですが、私は一部のグリーン車を除いてオール寝台車にするのがお気に入りです。そんな夢の編成のはじまりです。なお、模型は特記以外カトー製品です。
優等客車が先頭近くにきますので、初めはオロネ10です。20系のナロネ21に準じたスタイルは編成中唯一のA寝台車です。

次は寝台車ではありませんがグリーン車、スロ62です。10系のグループとは違いますが、風格ある「特ロ」座席車です。

お次は食堂車です。10系の食堂車と言いますとオシ17が、やはり20系のナシ20に準じたスタイルでありますが、ここはオシ16にしたいと思います。
<オシ17>

<オシ16>

この車輛についてはマイクロエースの完成品もありますが、私はGMのキットを組んでいます。オシ17のような本格的な食堂車ではなく、ビュッフェ車に相当するのですが、形の面白さもあってこの形式は好きです。GMキットですので本来インテリア等はありませんが、Nゲージの食堂車のパーツなどを切り出して車内を再現しています。

この後はB寝台車が続きます。
B寝台車は寝台側、通路側でデザインが異なり、その非対称なデザインも含め、私が10系寝台車を好きな理由の一つでした。

オハネ12、スハネ16、オハネフ12が連なっています。



カトーの製品が発売された時、窓越しに見える寝台のパーツにとても感動したことを覚えています。マイクロのそれは断面形が少し違っており、カトーの製品で溜飲を下げたわけです。
実際にはB寝台車の寝台幅は狭く、さらに三段式ですから身動き一つとるのも楽ではないのですが(583系もそうでした)、昔はそれが普通でした。
急行の場合、ほとんどが機関車の次位に荷物車や郵便車が連結されます。ここではあえてご紹介しませんが、模型では各種リリースされています。茶色や青い客車のみならず、銀色に輝くパレット輸送の荷物車などをつなげても面白そうです。
 さて、実際には寝台車のみ(寝台車+グリーン車)で編成された夜行急行というのはかなり稀で、かつての「さぬき」や「安芸」、特急用座席車だったスハ44、スハフ43を連結したものを含めても「銀河」など、数えるほどでした。でも、そこは模型ですから「こんな編成ない」などと目くじらを立てずに見てあげてください。
 また、個人的には合造車のオロハネ10も好きなのですが、よりローカル色の強い運用となり、オール寝台車の急行にはちょっと向かないかもしれません。

車輛中央に出入り台を持つというのは国鉄の客車でも特に珍しく、そこがこの車輌を特徴づけています。

 では、けん引機はどうなるでしょうか。「定番」の青いEF58が思い浮かぶでしょうが、自分の好きな機関車を先頭に立たせてあげるのもよしです。

EF57でもよく、

非電化区間にDF50が走っているかもしれません。

もしかしたら峠をEF71に牽かれてやってきたかもしれないですね。

(EF71のみトミックス製品、他の機関車はカトー製品)

今回の記事は、こちらのCDを聴きながら書きました。

ザ・スクエアの「STARS AND MOON」(1984年)です。この年にリリースされたもう一枚「ADVENTURES」が夏向きのアルバムであったのに対し、こちらは「秋・冬」を意識しています。この中の「Maybe I'm wrong」や「Cry for the moon」、「遠雷」などは特にお気に入りです。「Cry for the moon」は和泉宏隆さん作曲の、何とも日本人の心に刺さる哀調を帯びたバラードです。ラストのソロのところなどは自分がこういった夜行列車に乗っていて、列車は汽笛を鳴らしながら大きなカーブを切り遠ざかっていく・・・といったイメージをしています。「Cry for the moon」には「ないものねだり」とか「叶わぬ願い」みたいな意味があるようですが、模型の世界ではないものねだり、ではなく、理想の(空想の)編成で一夜の夢を見たいと思います。
このアルバムのジャケット、裏側も含めて秀逸なデザインもお気に入りです。




 





 
 
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