仮想通貨は試練を迎えている
米国、EUの相次ぐ金融引き締めによって株価が大きく下落しているが、最も大きく下げているのが仮想通貨である。代表格のビットコインは最高値の1/3、直近1ヶ月で約半値となっている。
元々価格変動幅の大きい仮想通貨であるが、この下落の大きな原因として仮想通貨取引所が相次いで出金停止に追い込まれている。
取引所では、仮想通貨のFXを商品メニューに加えて提供している。これは株式や日経225先物や外貨FXと同様、顧客が証拠金を積めば現物を持っていなくても、大きな金額の売買を売買できるもの。取引所自体も取引を行なっている。
このところの仮想通貨の暴落によって買いポジション(ロング)を持っている顧客が証拠金の没収だけにとどまらず大きな損出を出し、取引所が回収できなくなり、取引所自体の資金繰りが悪化していることを意味する。
これまでに仮想通貨取引所の資金繰りに関する下記ニュースが立て続けに報道されている。
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貯蓄口座と、融資サービスを提供する業界大手企業Celsius Network(セルシウスネットワーク)は6月13日、「極端な市場変動」を理由に顧客資産の引き出し、スワップ、口座間の送金の一時停止を発表。
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シンガポールの大手暗号資産(仮想通貨)ヘッジファンドのThree Arrows Capitalが、債務超過の危機に瀕しているとの疑惑が浮上している。
事情に詳しい関係者の話としてCoinPost提携メディアThe Blockが15日に報じた内容によると、昨今の相場の大幅急落の影響で、同社が業界トップのレンディング企業に抵当に出していた計520億円(4億ドル)もの証拠金が清算されたという。その後も、Three Arrows Capitalは複数のレンディングプロバイダーで保有する債務の調整に追われているとした。
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香港に拠点を置く暗号資産(仮想通貨)貸借プラットフォームのBabel Financeは17日、顧客資金の出金対応を停止することを発表した。業界大手がデフォルト(債務不履行)状態に陥ったと見られ、市場は債務問題の連鎖に警戒を強めている。
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仮想通貨の貯蓄口座を提供するFinbloxが月約20万円(1,500ドル)の出金制限を設けた。