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三井物産、欧州で農薬事業買収 米モンサントから、大手再編を好機に

2017年01月06日 | 農業
三井物産、欧州で農薬事業買収
米モンサントから、大手再編を好機に
日本経済新聞 

 三井物産は米モンサントから、麦の連作障害を防ぐ農薬事業を買収する。同じ畑で2年以上続けて麦を育てる欧州では市場を独占している製品で、買収額は約100億円のもよう。大型再編が相次ぐ世界の農薬大手は経営効率化へ事業の取捨選択を進めており、三井物産は再編に伴い優先順位の落ちた農薬事業を買収して基盤を広げる。



 買収するのは「ラティテュード」。連作による立ち枯れを起こす病原菌を殺菌する効果がある。モンサントから許認可や商標、販売権など関連の知的財産権を取得する。

 モンサントは15年前から欧州中心に10カ国以上で販売してきた。三井物産は今後、子会社のセルティス・ヨーロッパ(オランダ)とスピース・ウラニア・ケミカルズ(ドイツ)を通じ、英国やフランス、ドイツなどで売る。現在の年間売上高は100億円程度だが、2~3割以上の販売増をめざす。

 作物に散布するのではなく、事前に種に薬剤をコーティングする「種子処理」と呼ばれるタイプの製品だ。三井物産は欧州で日本曹達やクミアイ化学工業など日本メーカーの農薬を売っている。需要が拡大する種子処理タイプの品ぞろえを増やして顧客接点を広げ、日系メーカー品の販売増にもつなげる。

 三井物産は2014年、米デュポンからかんきつ類のカビを防ぐ農薬事業を買収した。世界大手は合従連衡に合わせて扱う農薬や事業の選択と集中を進めている。

 モンサントも16年9月、独バイエルによる買収で合意した。モンサントは種子、バイエルは農薬と両社の強みを持つ分野に注力する方針。三井物産は一連の業界再編の中で優先順位の落ちた事業の買収機会を探る。

 三井物産の農薬事業は年商500億~600億円で、このうち欧州での農薬販売は250億~300億円。米国では農薬の製造・販売も手がけるが、穀物の大生産地であるブラジルやアルゼンチン、オーストラリアには拠点がなく今後は販売網を広げる。5年以内をめどに同事業全体で年商を1000億円に引き上げる計画だ。


マツタケ増産のノウハウ

2016年10月25日 | 農業
長野県伊那市富県の林業家でまつたけ博士の異名をとる藤原儀兵衛という方が松茸の栽培に成功しその成果をまとめた「マツタケ山づくりのすべて 生産技術全公開」という本を出版して話題になっているそうだ。
関係者からは公開するのはもったいないとの声があった様だがもっと松茸をもっと食べて欲しいと公開に踏み切った。
同氏は、アカマツの毛根付近にかさが開いたマツタケを置いて胞子を 飛散させたところ、菌糸の塊「シロ」ができることを突き止めた。試験を始め増産に成功。
「マツタケは採取する時代から作る時代になった」と藤原氏。
2008年から所有する樹齢約45年のアカマツ林(400平方メートル)を 試験地に設定。同年3月から4月初めにかけてアカマツ40本の根元を掘って、箸ほどの 太さの根を選んで断根。土をかぶせて毛根を出させ、同年10月にマツタケを置いて 胞子を飛散させたところ、12年からマツタケが出始めた。

 藤原さんは1999年に上伊那農業委員会から認定を受けた「まつたけ博士」。増産
技術は科学的に立証されたわけではないが、「50年の経験と観察で学んだことの結果」と自信を深めている。

 南東に向く急峻なアカマツ林では、かさが直径10〜20センチに開いた 大物や、頭を持ち上げたばかりのマツタケなどが群生している。現地で説明を受けた 県林業総合センター(塩尻市)特産部の古川仁主任研究員は「素晴らしいというほかない。技術と藤原さんの熱意のたまものだと思う。今後、この技術を生産者に広めて ほしい」としている。


http://www.ringyou.or.jp/publish/detail_1071.html

肥料・農機、業界再編促す 規制改革会議が新法提言

2016年10月22日 | 農業
肥料・農機、業界再編促す 規制改革会議が新法提言
2016/10/7 0:42 日経

 政府が農業の生産や流通にかかるコストの削減に動き出した。未来投資会議と規制改革推進会議の合同会議は6日、生産性の低い農業資材メーカーなどの再編を促す新法の制定を提言した。今より割安な肥料や農機を供給し、農家の手取りを増やす狙いだが、JA(農協)や資材メーカーとは温度差がある。

 合同会議は提言に(1)卸売市場の規制を廃止し、農産物の流通を効率化する(2)コメ卸や製粉、乳業メーカーの再編を支援する――などの内容も盛り込んだ。

 提言は農業に関わる企業に適正な競争を求めるものだ。工場稼働率が低い肥料や飼料メーカーが再編を選べば、政府系金融機関が支援できるようにする。業界再編で企業の生産性が高まれば、国際的に割高な資材価格が下がるとみている。

 インターネット販売などの普及を受け、農産物の流通でも金融面で卸業者の新陳代謝を促す。

 寡占にもメスを入れる。これまで法律で規制してきた種子や種苗の開発に民間企業が自由に参入できるようにする。4社が独占する農機業界に参入するベンチャーなどには金融支援をする。

 政府は農業改革の基本方針に「農家のコスト負担の抑制」と「農産物の価格上昇」の2つを据えている。今回の提言も、この基本方針に沿っている。例えば大規模農家が生産したコメの小売価格のうち、農家の手元に入るのは3割しかない。残り7割は生産費と流通経費で、この部分をなるべく削って、農家の収入を増やすことを目指す。

 自民党の小泉進次郎農林部会長も政府と足並みをそろえて農業改革に取り組んでおり、11月に同党の提言をまとめる。

 改革を求められている業界からは反発が出ている。農機最大手のクボタの木股昌俊社長は「メーカーが10社になれば安くなるのか」と批判する。政府は資材全般の価格が韓国より割高だと指摘するが、「農家の求めに応じて売っているだけだ」と考える企業は多い。

 資材や農産物の流通で大きな影響力があるJAグループが企業との取引の仕方を改めなければ、新法は実効性が高まらない可能性もある。例えば肥料。メーカーは多品種を要求するJAの求めに応じてきた結果、生産性が低くなった面が強い。JAグループは資材価格下げに向けた具体策を9月初旬に公表したが、政府内からは「深掘りが必要だ」との声が出ている。

 政府は"攻め"に転じようとする農家も支援する方針だ。農地の大規模化が徐々に進んでおり、今後は人手不足の懸念がある。このため国家戦略特区での農業分野の外国人の受け入れを検討している。外国人の活用を認めている家事代行サービスの事例を参考に、一定の実務経験を持つ専門人材のみ受け入れる方向だ。

AI・先端素材を農業に 東農大・日立キャピタル、協定を締結

2016年06月29日 | 農業
AI・先端素材を農業に
東農大・日立キャピタル、協定を締結
2016/6/29 3:30 日経朝刊

 東京農業大学と日立キャピタルは先端素材や人工知能(AI)などを活用して効率よく農作物などを栽培する仕組みをつくる。29日に農業分野で協力する包括連携協定を結ぶ。お互いが持つノウハウやネットワークを活用し、東南アジア諸国連合(ASEAN)などの国に農業技術を輸出することも検討する。

 通常の素材より軽くて丈夫な炭素繊維強化プラスチック(CFRP)と呼ばれる素材を使った植物工場の実用化に向けた研究や、ベトナムにある農場で新品種開発を進める。ロボットやAIなどの技術も活用し、農場の温度管理などを効率よくできる次世代型農業システムを確立する考えだ。

 環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意などを背景に、三井住友銀など金融業界でも農業分野に参入する動きが出ており、日立キャピタルも沖縄県でイチゴ栽培を始めている。同社は東農大と連携し農業関連のノウハウの蓄積をめざす。

種子メジャーが起こす再編

2016年05月30日 | 農業
種子メジャーが起こす再編
日本経済新聞 朝刊 総合・政治 2016/5/30 3:30


 遺伝子組み換え技術に強みを持つ米国のモンサントやデュポン、スイスのシンジェンタは種子メジャーとも呼ばれる。その3社が世界的な再編劇を引き起こしている。増え続ける世界の食糧需要を満たすために、高度な技術が求められているからだ。

 ドイツの医薬・農薬大手のバイエルはモンサントに対し、総額620億ドル(約6兆8千億円)の買収計画を提示した。シンジェンタは中国化工集団の傘下に入ることで合意し、デュポンは米ダウ・ケミカルとの経営統合を決めた。

 70億人を超えて急増する世界人口と途上国の経済発展で食糧需要は拡大を続ける。それを賄うには農業技術の進歩が欠かせない。砂漠化などで農地の拡張は難しく、栽培面積あたりの収量を飛躍的に伸ばす必要があるからだ。

 過去50年間、収量の伸びを支えたのは化学肥料の普及や品種改良だった。今後のけん引役と目されるのが遺伝子組み換え技術だ。

 遺伝子組み換え農産物は2015年時点で世界28カ国で栽培され、作付面積に占める組み換え品種の比率は大豆で8割を超す。組み換え農産物がこれだけ普及した理由は、除草剤散布などの手間や害虫被害を軽減できるからだ。栽培面積あたりの収量増加も期待でき、農家の採算は向上する。

 頻発する異常気象への対抗策として、干ばつなどに強い品種の開発も進んでいる。ただ、研究開発にかかる費用は増大しており、それも再編が相次ぐ要因となった。

 組み換え農産物に対しては日本や欧州を中心に安全性への懸念が強いことも事実だ。消費者の選択肢を確保するために通常の農産物と分別して流通する仕組みや、組み換え農産物の使用を表示する制度は維持する必要がある。農薬とともに自然環境への影響は避けなければならない。

 消費者の不安や環境への影響を防ぎながら、いかに食糧需要を賄うか。日本企業も植物工場などの得意分野を生かし、世界の食糧問題克服に協力してほしい。


【知の明日を築く】シドニー大 フィールドロボティクスセンター 大規模農業 ロボで安く

2016年04月06日 | 農業
【知の明日を築く】シドニー大 フィールドロボティクスセンター
大規模農業 ロボで安く
日本経済新聞 2016/4/6 3:30

 日本の20倍という広い国土に、日本の5分の1の人口が暮らすオーストラリア。広大な土地を生かした大規模農業や鉱業をロボットで支えようと、シドニー大が1997年に設立したのがオーストラリアン・センター・フォー・フィールドロボティクス(ACFR)だ。




除草剤や肥料を自動散布するロボット=シドニー大ACFR提供
□ ■ □


 コンピューター科学や機械電子工学、数学など様々な分野にまたがる120人の研究者を擁する。屋外で働くロボットを研究するフィールドロボティクスの分野では世界有数の規模を誇る。

 ACFRが取り組む最大のテーマは、コスト削減につながる機械の自動化だ。教授のサラ・スカリエは「農地であれ鉱山であれ、豪州では人件費が経営の大きな課題となっている」と話す。

 経済協力開発機構(OECD)によると、豪州はルクセンブルク、フランスに次いで最低賃金が高く、米国の約1.5倍に上る。強い日差しや乾燥した大地など、過酷な自然環境で働く人手は不足する傾向にある。

 農業団体の依頼で開発した「テントウムシ」という愛称のロボットは、4輪で農地を無人走行する。センサーで作物と雑草を認識し、肥料と除草剤を使い分けてノズルで噴射する。適量しか使わないので、肥料代などを節約できる。

 ソーラーパネルを装着した「テントウムシ」は、晴れていれば太陽光のみで稼働する。機械メーカーに技術を供与するなどして、近く商品化する予定だ。価格は、農家が2年程度で投資費用を回収できる水準に設定する見通しだ。

 スカリエが描く農業の未来像では、農民はもはや農地で働いてはいない。自宅の居間でロボットに指示を与えるだけだ。その未来に向けた一歩が、現在開発中の果樹園向けロボットだ。

 全地球測位システム(GPS)やセンサーなどを使い、農園を無人走行しながら、カメラで果樹を1本ずつ撮影する。農家は花のつき具合などのデータを基に、果実の収穫を予測したり、水や肥料が必要な果樹を特定するなどして、収穫量の増大につなげる。

 現在のところ、ロボットはマンゴーやアボカドなどの果実を認識することはできるが、どの果実を収穫すべきかまでは特定できない。どうやって収穫するかも今後の開発課題だ。それでもスカリエは楽観的だ。「今は豪州でロボットを使っている農家はほとんどいないが、5年後には多くの農家が導入しているだろう」と予測する。

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 農業に先立ち、鉱業では遠隔管理などの動きが進行している。2007年にACFRが英豪資源大手リオ・ティントと設立した「リオ・ティント・センター・フォー・マイン・オートメーション」は、トラックや鉄道の無人走行など同社が取り組む鉱山運営の自動化に一役買ってきた。

 スカリエによると、リオ・ティントはこれまで同センターに約4200万豪ドル(約36億円)を拠出した。「我々の主な役割は、操業効率を向上させる理論やアルゴリズムを開発することだ」とスカリエは説明する。

 ACFRの運営資金の95%はこうした産業界からもたらされている。これまで計60社と共同開発し、現在は7~8社のプロジェクトが進行中だ。研究成果を実用化するだけでなく、産学連携を深めてロボットが活躍する新たなフィールドを切り開こうとしている。

=敬称略

(シドニー=高橋香織)


生乳の流通自由化 TPPにらみ政府検討

2016年04月01日 | 農業
生乳の流通自由化 TPPにらみ政府検討
安く高品質の牛乳全国へ・バター不足対応しやすく
日本経済新聞 朝刊 2016/3/31 3:30


 政府は牛乳やバターの原料になる生乳の流通を自由化する検討を始める。酪農家が販売先や使い道を選べる仕組みを規制改革会議が提言、農林水産省や農林族議員と調整に入る。今は農協団体が地域ごとに生乳の集荷・販売をほぼ独占、生乳の用途も決めており、バター不足の一因になっている。販売の自由度が高まり、北海道の安く高品質な牛乳が全国で流通しやすくなりそうだ。




 環太平洋経済連携協定(TPP)でニュージーランド産などの乳製品が入ってくるのを控え、北海道などの意欲ある酪農家の大規模化を促し、国産乳製品の競争力を高める狙いだ。農協が独占してきた生乳の流通に風穴を開けることにもなる。ただ本州以南の中小零細の酪農家には打撃で、酪農王国・北海道の農協団体の影響力に影を落とすため、農水省や農林族議員との調整に時間がかかる可能性がある。

 規制改革会議の作業部会が31日に方針を示し、6月の答申に盛り込む。参院選への影響を避けるため、政府・与党内の調整は秋以降に本格化し、来年の通常国会に関連法案の提出をめざす。

 酪農家は今も生乳の販売先を選ぶことができる。ただ搾りたての生乳は保存の問題があるため、酪農家のほとんどは農協団体に集荷・販売を委託している。北海道ではホクレン農業協同組合連合会が道内の生乳を集め、乳業メーカーと販売量や価格などの交渉を一括して担っている。

 農協団体は生乳を多く集めれば、乳業メーカーに対して価格交渉力が高まる。国は農協団体に生乳が集まるよう政策として農協団体に出荷した酪農家に補助金を支給。農協団体を通さず直接販売した酪農家には補助金は出ない。生乳の販売の95%は農協団体経由だ。

 見直し案は酪農家が農協団体に生乳を出荷しなくても、補助金を受け取れる仕組みを検討している。補助金は年間約300億円。この仕組みを改めれば、酪農家は乳業メーカーに販売したり、小売店や消費者へのネット販売もしやすくなる。生産者が加工から販売まで手がける6次産業化の動きの後押しにもなる。

 生乳の用途も柔軟に変えられるようになる。今は乳価の高い牛乳用に偏重しているが、酪農家が需要のある用途に高い乳価で売ることも可能になり、牛乳消費の減少やバター不足などに対応しやすくなるとみられる。

 政府は1965年に「加工原料乳生産者補給金等暫定措置法」をつくり、中小酪農家の保護策として地域ごとに10の農協団体を指定した。生乳流通量の半分超は北海道産。北海道の牛乳が全国に流通すれば本州以南の中小酪農家が打撃を受けるため、北海道は生クリームやバターなどを中心とし、本州以南に北海道産の牛乳が流通しにくい管理体制を敷いている。


独バイエル、農業にIoT 生育診断ソフト企業を買収 農家への助言に活用

2016年02月17日 | 農業
独バイエル、農業にIoT
生育診断ソフト企業を買収 農家への助言に活用
2016/2/16 15:30 日経夕刊

 【フランクフルト=加藤貴行】ドイツの医薬・農薬大手バイエルは15日、デジタル農業分野に
本格進出すると発表した。作物の生育状況の診断ソフトを提供する独企業を買収、農家に対する
農薬の適正な使用の助言などに生かす。農薬業界では最大手のシンジェンタ(スイス)が中国企業
の傘下入りが決まったばかり。農薬世界2位のバイエルはモノのインターネット(IoT)の
農業分野の活用で先手を打つ。
 買収したのは、独プロプラント・ゲゼルシャフト・フュア・アグラール・ウント・ウンウェルト
インフォマティーク。社名をバイエルブランドに変え、農家に対し、農地ごとの最適な農薬選びや
投与する量・時期、感染病対策などを伝えるサービスとして展開する。買収額は非公表。
 バイエルは昨年、カナダ企業から、衛星画像を使った地質情報システムを買収した。この地質
データとも結びつける考えだ。

農地に植物工場、全国で

2015年12月04日 | 農業
農地に植物工場、全国で
農水省、来春に全面解禁 企業参入に追い風
2015/12/4 15:30 日経夕刊トップ記事


 農林水産省は2016年度から植物工場を建てやすくする。現行の法令は農地に建てられることを明文化していない。建てられるかどうかの判断は自治体任せで明確な基準や指針もないため、実際には地価の高い住宅地や工業地に建てる例が多い。省令で農地に建てられることを明確に示し、全国の自治体で建設を解禁する。生産コストを引き下げ、耕作放棄地の有効活用や企業の農業参入も促しそうだ。

 植物工場は季節や天候に左右されず、安定した数量を生産できる。無農薬レタスやトマト、糖度の高いイチゴなども栽培しやすい。企業や大規模な農業法人が手掛けることが多く、2015年3月末には185施設と4年前の3倍に増えた。
 農水省は全農地の9割を占める「農用地区域」で植物工場の建設を認める。今年度内に農業振興地域整備法の省令を改める。
 同区域は地方自治体が農地を守るために指定しており、全国に474万ヘクタールある。勝手に農業以外の用途に使うことはできない。植物工場については自治体が個別に建設できるかどうかを判断している。企業などには「不許可となれば準備が無駄になる」と建設をためらう動きがあり、普及の妨げとなっていた。
 規制を緩めるのは富山県の面積に匹敵する42万ヘクタールもの耕作放棄地の活用につなげるためだ。耕作放棄地は土壌が荒れたり用水路が老朽化したりしており、耕作を再開するのは簡単ではない。植物工場ならば問題ない。
 輸出拡大につなげる狙いもある。植物工場は無農薬のレタスなど付加価値の高い農産物をつくりやすい。これらの農産物はアジアを中心に海外での人気も高い。
 課題は採算だ。植物工場を建設するには数千万~数億円の投資が必要とされ、空調や電気代もかさむため露地栽培の2倍のコストがかかるとの試算もある。
 日本施設園芸協会の調査では植物工場の約6割が赤字という。収量を増やす栽培技術の開発や販路開拓も重要になりそうだ。

農地、10年貸せば固定資産税半減 企業参入しやすく

2015年12月02日 | 農業
農地、10年貸せば固定資産税半減
企業参入しやすく
2015/12/2 3:30 日経朝刊

 環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意を受け、政府が検討してきた農地集約対策が1日固まった。農家が農地中間管理機構(農地バンク)を通じて企業などに農地を10年以上貸し出せば、農家が支払う固定資産税を一定期間半減する。貸出期間が長いほど減税期間も延ばし、農業を手がける企業などに農地を移しやすくする。



 TPPで流入する安価な外国産の農産物に対抗するうえでカギを握るのが農地集約だ。農地が広いほど生産性も高まり、外国産に近い価格で販売できる。政府は2014年度に農地を借り、やる気のある農家に貸す農地バンクを新設したが、初年度の利用は目標の2割にとどまっている。
 テコ入れ策として打ち出すのが農地の税制改正だ。まず農地バンクに貸す農地の固定資産税を半減する。所有する農地を全て貸すことを条件に、貸出期間が10~14年間の場合は3年間、15年間以上では5年間減税する。企業や農業生産法人は長期の利用希望が多いが、長期の貸し出しに慎重な農家が多かった。市町村が農業推進地域として定める「農業振興地域」の農地が対象になる。
 優遇措置を設ける一方で、耕作放棄地の固定資産税は1.8倍に引き上げる。農業委員会が耕作地として再生できると判断し、農地バンクと協議すべきだと勧告した農地が対象になる。税金の安さから耕作しない農地を持ち続ける農家が多いことを踏まえ、税制面から企業や意欲の高い農家に農地を移しやすくする。与党の議論を踏まえ、16年度の与党税制改正大綱に盛り込む。早ければ減税は16年度、増税は17年度から実施する。