⭐️⭐️浅野まことのここだけの話⭐️⭐️

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【拡散希望】12月20日(日曜日) 岐阜の街を考える会 特別講演会開催のお知らせ

2020年12月16日 | 地方再生
12月20日(日曜日)は、JR岐阜駅からすぐ近くにあります「じゅうろくプラザ」で江崎よしひでさんを招いての講演会を開催します。ご参加いただける方は、下記をご覧の上、お申込みお願いします。

岐阜の街を考える会 特別講演会
◇日時:12月20日(日曜日)
    14:00受付、入場
    14:30~15:30 講演会&質疑応答
    江崎よしひで氏
    「人生100年時代の幸せのかたち」を求めて
     〜コロナの先にある岐阜県の未来を創る〜
◇場所:じゅうろくプラザ ホール2階 (定員250名)
    岐阜市橋本町1-10-11 電話:058-262-0150
◇参加申込方法:
 参加を希望される方は、「12/20の講演会に参加希望」として、
 住所、氏名、電話番号を記載の上、asano@ma-trust.jpまたは、
 090-8464-0141までメールかショートメールでお申し込み
 下さい。
 *応募者が定員を超えた場合、締切とさせて頂きますこと、
  予め、ご了承願います。
◇参加にあたりご注意頂きたいこと
 ☑行政からの指導で、入場の際、お名前、電話番号の確認を
  致しますので、ご協力お願いします。(お名刺でも結構
  です)
 ☑新型コロナ感染防止にご協力ください。
  ・マスクを着けてご参加下さい。
  ・会場入口で検温、アルコール消毒をお願い致します。
  ・3密を避けてご着席、行動をお願い致します。
 ☑会場内では、スタッフの指示に従ってください。
◇駐車場について:
 本会で駐車場を確保しておりませんので、乗り合わせやなるべ
 く公共交通機関、タクシーをご利用下さい。駐車される場合
 は、近隣の有料駐車場をご利用下さい。
*スタッフとしてお手伝い頂ける方は、当日、12:45に会場に
 お越し頂けますようお願い致します。

主催: 岐阜の街を考える会 代表幹事 浅野 真
    (携帯:090-8464-0141)

一極集中、歯止めかからず

2016年08月08日 | 地方再生
企業の首都圏転入 最多
昨年13%増 働き手確保狙う 一極集中、歯止めかからず
2016/8/8 3:30 日経朝刊

 地方から首都圏へ企業の転入が加速している。2015年に1都3県へ本社機能を移した企業数は過去最多で、16年もこの傾向が続く。地方の人口減で市場が縮小し、労働力の確保も難しくなっているためだ。政府は地方創生で本社の地方移転を推進するが、人口減が首都圏への流出を促し、地方経済をさらに疲弊させる「負の連鎖」に陥っている。東京一極集中に歯止めはかかっていない。



 帝国データバンクがデータを持つ約146万社を調査した。登記上の本社だけでなく財務、管理部門など本社機能の移転も件数に加えた。

 東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県への他の43道府県からの転入は14年比13%増の335件。集計可能な1981年以降で最多となった。転入元で最も多いのは大阪府(22%)で、茨城県(9%)、愛知県(8%)、福岡県(5%)が続く。近隣のほか、地方の大都市からの転入も目立つ。

 一方、1都3県から43道府県への転出は14%減の231件で、転入を100件以上下回った。

 今年に入っても傾向は変わらない。1~6月の1都3県への転入は152件と、転出の113件を大きく上回る。

 東京都と46道府県の間を見ても、15年は都内転入が641件と81年以降で最多。転出は639件で、初めて転入が転出を上回った。従来は東京から比較的地価の安い神奈川、埼玉、千葉に本社を移す企業も多かったが、近隣3県や全国からの転入が増えている。

 帝国データは「地方で人口減が顕著で、労働力や商機を求め東京に拠点を移す傾向が強い」と分析する。総務省の労働力調査のモデル推計で、15年の都道府県別の労働力人口は1997年に比べ秋田県が19%減、島根県が17%減。増加は1都3県を含む8都県のみだ。地方の人口減が企業の首都圏移転を促し、さらに人口流出を招いている。

 医療・環境関連のノーリツ鋼機は15年、本社を発祥の和歌山市から東京都港区に移した。「成長が見込める医療分野の関連企業が東京に集積し、労働力も確保しやすい」と話す。化粧品のローレル(北海道砂川市)も今年1月、本社機能を同区に移転。「消費者や労働力が集まる東京に拠点を置き、海外進出の足がかりにしたい」という。

 安倍晋三政権は15年を「地方創生元年」とし、企業に本社機能の地方移転を促した。日立マクセルは4月、東京に加え京都に本社機能を置き2本社体制とした。関西の大学と連携を深め、災害リスクも分散する。女性衣料製造のナカノアパレルも5月、本社を東京から山形県南陽市に移した。だが、まだ数は少ない。

 政府は83年にテクノポリス法、92年に地方拠点都市法を制定。バブル経済崩壊後にはコスト削減のため、企業の地方転出が進んだ。ただ、日本総合研究所の藤波匠上席主任研究員は「企業が人の集まる東京に集中するのは自然の摂理。政策だけで流れを変えるのは無理がある」と指摘。地域で雇用を生み労働力を確保する知恵が求められる。

訪日客、20年に4000万人 政府が倍増目標、消費額8兆円

2016年03月31日 | 地方再生
訪日客、20年に4000万人
政府が倍増目標、消費額8兆円
日本経済新聞 朝刊 1面 2016/3/31 3:30

 政府は30日、訪日外国人数を2020年に現在の2倍の4000万人、30年には同3倍の6000万人に増やす新しい目標を決めた。外国人旅行客の拡大策を考える「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」(議長・安倍晋三首相)で示した。成長戦略の柱として訪日客増加による観光業の育成をめざす。




 15年の訪日客数は14年比47%増の1973万人と増えており、従来の目標の「20年に2000万人、30年に3000万人」を大幅に引き上げた。

 訪日客の恩恵を地方に広げる目標も設けた。地方の外国人延べ宿泊者数を30年に1億3000万人と15年の5倍超に設定。何度も訪れる外国人リピーター数は30年に3600万人と15年の約3倍に増やすとした。

 訪日観光客の消費額を20年に15年の2倍超の8兆円、30年に15兆円にする目標も掲げた。15年は3兆4771億円で、外貨の稼ぎとしては自動車部品の輸出額に並ぶ。20年目標の8兆円は化学製品の輸出額を上回り、12兆円の自動車の輸出額に次ぐ存在になる。

 ただ現状では国内総生産(GDP)比でみた観光消費額は欧米に見劣りし、成長の余地がある。首相は会議で「観光はGDP600兆円に向けた成長エンジンだ。新目標に挑戦し、観光を基幹産業に成長させる」と意欲を示した。

 課題は宿泊施設などの受け入れ態勢だ。都市部のホテルは取りにくく、地方に多い旅館は外国人への対応が遅れている。菅義偉官房長官は30日の記者会見で、マンションなどの民泊について「現行の枠組みにとらわれず様々な対応策を考えていきたい」と述べた。


街の課題 スマホで解決 道路破損や災害情報、速く細かく 市民の通報を活用

2016年02月19日 | 地方再生
街の課題 スマホで解決
道路破損や災害情報、速く細かく 市民の通報を活用
2016/2/18 15:30 日経夕刊

 スマートフォン(スマホ)を使って住民から地域の情報を集め、自治体が課題解決につなげる動きが広がっている。住民をネットワーク化し、道路などインフラの破損状況を収集するほか、災害情報の早期把握に役立てる。高齢者の見守り実験でも活用する。行政ニーズが多様化するなか、普及率が6割を超えるスマホが、きめ細かい情報を迅速に集める手段になってきた。



 相模原市はスマホを使って道路陥没など地域のインフラの危険情報を市民が通報するシステムを導入した。専用アプリで現場の写真を撮り、スマホの全地球測位システム(GPS)機能で場所を知らせる仕組み。従来は電話や面会による通報が多かったが、スマホの活用で破損箇所の画像や位置を簡単に確認できるという。住民の参加を促し、行政コストを抑えるのが狙いだ。
 いち早く地域情報の収集にスマホを活用したのが千葉市で、市民リポーターとして約3600人を登録している。2014年秋から本格運用し、「公園のベンチが壊れている」「側溝蓋が破損している」「街路灯が消えている」など約2000件の報告を受け、8割以上で修繕などを済ませた。
 16年度末までに登録者を5千人に増やす計画。千葉銀行、JFEスチールなど地元の有力企業と連携協定を結んだ。落書き、ゴミの散乱などに気づいた人が自分で解決して市役所に報告するサポーターを募る活動にも力を入れる。
 減災に生かす試みもある。名古屋市、京都市、福島県郡山市などはそれぞれ、気象情報会社のウェザーニューズと連携。被害場所の迅速な把握や早期の避難誘導に備え、豪雨や台風など気象災害に関する住民情報をインターネット上に示す。
 自然保護、高齢者対策でも利用が進む。岡山県倉敷市はスマホなどで撮影した動植物の画像を寄せてくれるよう呼びかけている。地域の自然情報を把握し、保存計画づくりに役立てる。集めた画像をデータベース化し、希少種など一部を除いてネット上で公開している。
 富山県南砺市や群馬県下仁田町など全国約70の市町村は自治体スマホ連絡協議会を立ち上げた。民間企業と連携し、GPSや歩数計の機能が付いたスマホで高齢者を見守る実験に着手する。
 北九州市は祭りなど地域の魅力を発信できる情報を市民がサイトに登録する。サイトに集まった情報をスマホ経由で広く募る。その地域ならではの情報を集め、地域コミュニティーを活性化するとともに、旅行者増につなげる。
 総務省によるとスマホの世帯普及率は14年末時点で64.2%と、10年末に比べ約55ポイント上昇した。高齢者を含めて広く利用が広がってきたため、各地の自治体が住民の行政参加の手段として注目している。

地方活性化の具体的動き

2016年02月02日 | 地方再生
迫真 地方の旗手(2)シアトルになれる
2016/2/2 3:30 日経朝刊

 「既存の研究機関を地方に持ってくるのは反対もあって大変だ。
ならば、新しい研究機関を作ればいい」。1月14日、センサーなどを
製造する多摩川精機(長野県飯田市)の副会長、萩本範文(71)の声
が長野県庁の会議室に響いた。萩本は同県南部の飯田市を航空機産業
の研究拠点にする構想を持つ。萩本の呼び掛けに応じた信州大学は
2017年4月、航空機システムを研究する講座を同市に開く計画だ。


多摩川精機の萩本副会長(右)は航空機産業の成長性を説いた(米シアトル)

 14年には県知事の阿部守一(55)を伴い、米ボーイングのシアトル工場
(ワシントン州)を訪れた。「今ここで旅客機を注文しても納入まで8年
はかかる」。萩本は大きな機体を見上げながら、フル稼働でも生産が
追い付かず、納入待ち状態が続く航空機産業の成長性を阿部に訴えた。
 多摩川精機から連なる精密加工産業の裾野が広がる飯田市。これまでは
「陸の孤島」とも揶揄(やゆ)されたが、27年に開業するリニア中央新幹線
の駅ができる予定で、東京は約40分、名古屋は約20分で行き来が可能になる。
「人の移動が格段に便利になる。飯田に研究拠点が集積すれば、隣接地域と
ともにシアトルになれる」
 北海道の中央部、人口5000人弱の上士幌町に本社を置く畜産業のノベルズ
は15年末から、ベトナムへの牛肉輸出を始めた。ベトナム人が牛肉を食べる
ようになったのはここ数年のこと。社長の延与雄一郎(37)は「チャンスあり」
とみた。当初の月間輸出量は数百キログラムだが、16年中には1トン以上に
引き上げる方針だ。
 同町の畜産農家で育った延与は高校卒業後に米国に留学。1年を過ごした
中部のネブラスカ州の牧場は淡路島ほどの広さで、肉牛5000頭を僅か5人
で世話していた。太った牛もいれば、痩せた牛もいて、「均質」には程遠い
状況だが、牧場主は気にも留めない。「費用をかけないところは一切かけない。
畜産は費用対効果ということをたたき込まれた」
 延与は徹底した効率経営による「もうかる畜産」を追求し、9年前に2頭で
始めた牛の飼育数は今やグループで1万7500頭に拡大。年間売上高は100億円
を超えた。緒に就いたばかりのベトナム事業も環太平洋経済連携協定(TPP)
の発効を見据え、拡大を急ぐ考えだ。
 地域発世界へ――。地方企業の経営者はグローバルに直接打って出ることで、
地域の成長を模索している。
(敬称略)

省庁地方移転、官僚の抵抗鮮明

2016年01月28日 | 地方再生
省庁地方移転、官僚の抵抗鮮明
意見交換会、有識者から苦言も
2016/1/28 3:30 朝刊
 政府は27日、中央省庁の地方移転を巡り、対象の7機関と候補地の8道府県の意見交換会を都内で開き、調整を本格化させた。文化庁や消費者庁は担当閣僚が移転に前向きだが、担当部局からは消極的な意見が相次いだ。省庁は誘致自治体との対決姿勢も鮮明にし、閣僚と省庁、自治体の温度差が浮き彫りになった。3月末の取りまとめに向け、綱引きが激しくなりそうだ。





 「馳浩文部科学相は移転に踏み込んだ発言をしている。整合性はどうなのか」。会合で移転問題に関する政府の有識者会議の座長を務める増田寛也元総務相は文部科学省の担当者に詰め寄った。
 政府は文化庁長官を京都に常勤させるなど、機能の一部を移す方針を固め、馳氏も「移転を前提に検討する」と明言している。しかし文科省の担当者は「移転に必要な条件は政府全体で議論すべきだ。具体的な考え方を文科省から発信できない」と説明。増田氏は「他人ごとみたいに言わず、自分で考えを整理すべきだ」と苦言を呈した。
 消費者庁の担当者は候補地の徳島県について「消費者センターの設置状況は全国平均を下回っている。消費者行政に特段、貢献はしていない」と消費者行政への貢献を訴える徳島県の主張を真っ向から否定した。
 河野太郎消費者相は幹部の「お試し移転」などを検討しているが、担当者は「まだ何も正式に決まっていない」と言明。見かねた有識者が「消費者行政をよりよくする観点でもう少し考えなければいけない」と促す場面もあった。
 閣僚の前向きな姿勢に地方の期待は高まるが、壁はなお厚い。「中小企業の街に中小企業庁を」と訴える大阪府は、有識者から「近畿経済産業局の機能拡充で希望に応えられる」と指摘され「具体的にどこが足りないのか説明は難しい」と答えに窮した。
 北海道は「観光庁そのものの移転は難しい」との判断から、北海道運輸局の観光部門の機能強化でもやむを得ないとの考えを示すなど、要求水準を下げる自治体も出てきた。
 地方移転は「歴史上やったことがない試み」(石破茂地方創生相)で、実現には首相官邸主導の政治決断が不可欠だ。安倍晋三首相は21日の参院決算委員会で「文化庁はなるほど京都なのかなあという感じには確かになる。関係閣僚でよく調整しながら検討を進めたい」と語ったが、22日の施政方針演説では地方移転に触れなかった。今のところ官邸は静観の構えを崩していない。

年1500万円稼ぐ「自宅」

2016年01月26日 | 地方再生
迫真 民泊狂騒曲(1)年1500万円稼ぐ「自宅」
2016/1/26 3:30 日経朝刊

 「ここならマンションの一室よりおもてなしを提供できる」。東京都大田区の金属加工業、内村精密技術研究所社長の内村喜信(61)は自宅兼工場の4階を外国人観光客に貸し出そうと、キッチンなどを改装した。

内村さんは工場の上階にある部屋を民泊で貸し出す予定だ(東京都大田区)

 もともと先代が茶道を楽しむために宮大工に頼んで作った部屋で、刀などの骨董品が並ぶ。松竹梅の絵柄の入ったふすまなど装飾も凝っており、外国人にうけると考えた。1階には工場があり、「ものづくりの現場も見てもらえる」。
□   □
 本来は旅館業法の規定で、有料で旅行者を泊める場合、衛生面などで一定の基準を満たす必要がある。東京の玄関口、羽田空港のある大田区は国家戦略特区を活用して同法の適用除外となった。29日、住宅を宿泊用に貸し出すことを認める民泊条例を施行する。
 これに先立ち区は25日、条例の規則、指針を公表した。「民泊事業者が近隣住民にどう周知するか」「苦情があった場合の手続きは」……。前例がないルール作りだけに都や国の担当者とやりとりを重ねる日々だった。
 事業者からの問い合わせは相次いでおり、3月までに100室以上の応募を想定している。施行と同時に受け付け、早ければ2月中旬にも第1号を認定したい考え。施行日直前の公表に健康政策部長、杉坂克彦(59)は「何とか間に合った」と胸をなで下ろした。
 不動産のサンセイランディックは同区での民泊事業に意欲を示す一社だ。築63年と古いが羽田空港から約30分にある戸建て物件を購入した。コンサルティング部長の伊藤国俊(41)は「賃貸では難しくても民泊なら魅力ある物件になり得る」と期待を寄せる。大田区に続き、4月にも条例を施行する大阪府でも物件探しに着手している。
 大阪府では関西国際空港の地元、泉佐野市など34市町村が準備を進めている。
□   □
 行政は制度整備を急ぐが、現実は先を行く。
 1月のある平日、午後9時の東京・渋谷。帰宅するサラリーマンらに交じってシンガポールから観光で訪れた男性(37)と妻(37)が住宅街を歩いていた。レストランで夕食を済ませ、向かった先はホテルではなく12階建てのマンションだ。
 初めての日本で東京から京都、大阪の「ゴールデンルート」を9日間かけて回る。宿泊先はすべて民泊仲介サイト米Airbnb(エアビーアンドビー)で予約した。渋谷の部屋は2人で1泊1万2千円で「ホテルよりずっと安い」と男性。慣れた手つきでオートロックの暗証番号を打ち込み、建物に入っていった。
 部屋を貸す側のメリットも大きい。都内で企画会社を経営する男性(35)は複数の民泊仲介サイトに計12室を登録する。自宅のほか京都や大阪、福岡などで部屋を借り、民泊物件として活用している。1泊5千~1万円台で稼働率は8割超。年間1500万円を超える収入があるという。
 エアビーアンドビーの日本法人代表の田辺泰之(44)らは昨年11月、東京・青山で開いた発表会で自信たっぷりにアピールした。直近1年間で5千人程度が部屋を貸し出し、52万5千人程度の訪日客が利用。「経済波及効果は日本国内で年2220億円に達する」
 背景には外国人旅行者急増によるホテル不足がある。2015年の訪日客(推計値)は14年比47%増の1973万人。東京、大阪に限らず地方でもホテルの稼働率は高水準で、予約を取るのが容易でない。中国経済の減速の影響が懸念されるが、20年の東京五輪に向け、訪日客のさらなる増加が見込まれる。
 ただ、民泊では騒音やゴミなどを巡り、周囲住民とのトラブルも絶えない。大田区でもトラブル対策が焦点で、杉坂は「厳しすぎれば誰も応募しない。バランスに苦労した」と漏らす。
 利用促進も課題になる。福岡市は昨年12月、厚生労働省の特例を使い、5日間限定で民泊を試験実施した。人気グループ、嵐とEXILEの公演日でホテルの予約が難しいと考えたためだが、22件の貸し出しに対し宿泊は4件にとどまった。
 大田区や大阪府以外にも民泊制度は広がるのか。政府も全国で解禁する枠組みの本格的な検討を始めた。ただ、特区を使って導入を考えていた都内の自治体が様子見に転じ、足元では停滞を招いている。
(敬称略)

 全国で初めて民泊条例が施行される。その前夜の状況や課題を追った。

20県、本社移転で税優遇 長野は法人事業税95%減

2016年01月04日 | 地方再生
20県、本社移転で税優遇
長野は法人事業税95%減
2016/1/4 3:30 日経朝刊

 地方自治体が本社機能を移転した企業に地方税を減額する動きが広がっている。長野県は法人事業税を3年間95%、富山、石川県は90%減額する。経済産業省によると都道府県の約4割にあたる20県程度が導入・計画。東京一極集中を是正するための国の補助制度を活用し地域の中核企業をつくり、人口流出を抑える。
 長野県は東京23区から本社機能を移す企業に法人事業税を3年間、95%減額する。群馬、香川県では初年度50%、2年目は25%、3年目に12.5%免除する。各県とも本社機能には管理部門のほか、研究開発拠点なども含める。
 23区以外からの移転を対象に含める県もある。福岡県は県外全域から、兵庫県は東京、愛知、大阪周辺の三大都市圏から移転した企業に法人事業税を優遇する。
 同税以外を優遇する例も出てきた。長野、富山県などでは不動産取得税や固定資産税の減額措置も設けている。不動産取得税も減額する石川県では、ソニーとパナソニックの有機ELパネル事業を統合したJOLED(ジェイオーレッド、東京・千代田)などが研究開発拠点を設ける。
 青森、山形、福井、山梨などの県も税の優遇制度を検討している。
 政府は地方創生のため、企業の本社機能の地方移転を進めている。自治体に県外から本社機能を移した企業への減税を促すため、減税額の最大4分の3を地方交付税として財政措置する。
 これまで自治体は工場誘致を進めてきた。しかし、為替動向などで撤退も相次いだ。本社機能ならば、工場より撤退の可能性が低いとみている。

庁舎建設悩む自治体 高騰する資材・人件費 計画見直し・選挙の争点

2015年08月11日 | 地方再生
庁舎建設悩む自治体
高騰する資材・人件費 計画見直し・選挙の争点
2015/8/11 3:30 日系朝刊

 老朽化した庁舎の建て替えを計画する全国の自治体が、建築資材費や人件費の高騰で工事の入札不調が続き、計画の見直しや先送りを迫られるケースが相次いでいる。建て替えは多額の費用がかかるため、選挙の争点の一つになったり、住民投票が行われたりする自治体も目立つ。専門家は「コスト削減の工夫や住民への丁寧な説明が必要だ」と指摘している。

 「入札が不調になった時はどうなるかと思った」。人口19万人の茨城県日立市。4月に着工した新庁舎の建設現場を見つめ、市役所幹部は胸をなで下ろした。
 築60年以上の本庁舎は耐震性に問題があり、東日本大震災でも被災した。2011年9月に建て替えが決まり、コンペではフランスのルーヴル美術館分館の設計も手掛けた著名建築家の妹島和世氏の設計案が採用された。
 だが、14年8月の工事入札は、参加を申請していた共同企業体が資材費の高騰などを理由に「採算が取れない」と辞退し、不調となった。
 市は事業費を削減するため、妹島氏の事務所と協議し、半年かけて設計を見直した。「過剰な設備」との批判もあった屋根付きの広場や地下の床面積を計約2千平方メートル縮小し、外壁のデザインもシンプルなものに。この結果、総事業費も予定の約130億円で納まり、15年2月の再入札では無事落札された。
 地方財政に詳しい小西砂千夫・関西学院大教授(54)は「震災後、学校や公民館などの公共施設の耐震工事を優先した自治体が現在、老朽化が進む庁舎の建て替えに取りかかるケースが増えている」と指摘。しかし、コスト増で事業費が当初の想定額を上回り、計画の見直しを余儀なくされているという。
 千葉県習志野市では、当初76億円だった新庁舎建設の事業費が107億円まで膨らんだ。市は同時に予定した消防庁舎の建設を見送ったり、通常は別々に行う設計と施工の入札を一括して実施したりしてコストを削減。昨年10月の入札では予定価格を下回る88億円で落札された。
 一方、千葉県木更津市は昨年5月、コスト増を理由に本庁舎の建て替え計画の延期を決めた。「20年の東京五輪までは建設コストは高水準が続く」(市管財課)とみており、ひとまず賃借で民間施設に引っ越し、20年以降に改めて建て替えを検討する。
 多額の費用がかかる新庁舎建設は、各地で市長選などの争点の一つになり、是非を問う住民投票も行われている。
 愛知県新城市では5月に住民投票があり、新庁舎を市の計画から大幅に規模を縮小する案が過半の支持を集めた。滋賀県高島市の住民投票でも4月、庁舎を新築する従来案よりも現庁舎を増改築する案が支持された。
 小西教授は「職員が利用する庁舎の新設に対する市民の目は厳しい。コストがかさむ分、自治体は庁舎を維持費のかかる華美なものにせず、市民に整備内容を丁寧に説明する必要がある」と指摘している。