MAトラストの『未来予測研究会』≪6月例会≫を下記にて
開催致します。皆様の奮ってのご参加をお待ちしております。
■日時: 6月6日(月) 『未来予測研究会』 ≪6月例会≫
◎受付&ミュージック17:30~、ディナータイム 19:30~
◎講演:18:00 ~ 21:00
■場所: 日本外国特派員協会
東京都千代田区有楽町1-7-1 (JR『有楽町』駅前)
有楽町電気ビル北館20階
■月会費: 正会員は 税込21,600円 〔資料代、飲食代込〕、
*初参加の方、正会員の後継者・同伴者は税込10,800円
■入会金: 税込10,800円(初回・ゲストは不要) 会員常時募集中!
【講師紹介】
■飛岡健
株式会社現代人間科学研究所、株式会社未来と経営の研究所代表取締役東京大学工学系大学院博士課程修了。
東大のロケット人工衛星の打ち上げ・研究にも従事。昭和50年、新しい時代のニーズに答えるべく、
現代人間科学研究所を設立し、人文科学と自然科学の統合をはかり、商品・マーケット・消費者・科学技術を未来予測の
視点から研究し、企業の支援をすると共に、政府や地方自治体関係の様々な委託研究に従事。日本全国を講演に歩き、
「明日の時代」を見る先見性に満ちた視点に定評がある。著書多数、テレビ・ラジオ出演多数。http://mirai-yosoku.jimdo.com/
■浅野真
岐阜市出身。東京大学文学部卒。三井物産株式会社に10年間在籍し海外の石油・ガスパイプラン事業などを手掛ける。
2008年2月、MAトラスト株式会社設立。現在に至る。http://ma-trust.jp/
*****************************
【演奏家紹介】
■グレース美香
ハワイ生まれ日本育ちのジャズ・シンガー。ミュージカル「アニー」で初舞台を踏み、SMAP主演ミュージカル
「ANOTHER」でヒロイン役に抜擢される。吉川晃司主演ミュージカル「SEMPO」、浅草にんげん座、日高仁演出
「レビュ狂」を経て、多くの舞台に出演。アメリカ留学後、レビューの世界へ入り、現在は、ミュージカルナンバー
のみならず、ジャズやハワイアンをレパートリーに加え、舞台・ライブと幅広く活躍の場を広げている。http://gracemika.com/
■アレェクスェイ・ルミィヤンツェフ
サンクトペテルブルク生まれ。ドイツ文部大臣、ロシア政府の支援に加え、ヨーロッパの大企業より数々の
奨学金を獲得。音小・音中・音高からモスクワ音楽院、リムスキーコルサコフ音楽大学、ケルン芸術大学
(クラシック作曲科、ジャズピアノ科)まで、25年間音楽を修学した異色の経歴を持つ。
世界初のポピュラー音楽、ラグタイムに魅了され国境を越えて活動、2003年の来日以来、楽譜研究に没頭し、
2004年に『Silks and Rags』でCDデビューを果たす。若手ラグタイマーの指導、ラグタイムオーケストラの
結成に尽力しながら、ジャズバンド、ヴォーカリスト、ダンサーたちと魅力的なステージを展開、20世紀前半の
楽曲を再現できる稀なピアニストとしてメディアより脚光を浴び、ジャンルを問わず幅広く活躍している。
http://homepage3.nifty.com/grandpasragtime/
*****************************
≪お申し込み方法≫ 締め切り 6月3日(金)
以下のいずれかでお願いします。
既に参加表明をされている方はご連絡不要です。
当日は、メールでなく電話でご連絡ください。
◆FACEBOOK 参加表明
https://www.facebook.com/events/1497766913861568/
◆TEL 03-5298-7772 ◆FAX 03-6687-5275
◆SMS:裕美・ルミィヤンツェヴァの携帯 080-1047-5127まで
◆メール:info@ma-trust.jp 下記情報をお送りください。
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会社名:
住 所:
氏 名:
電 話:
メールアドレス:
=========================
【詳細・FAX申込用紙はHPにて】:http://mirai-yosoku.jimdo.com/
*****************************
お支払い: 会費は事前に下記口座へお振込みください。
尚、お振込後は、下記キャンセルポリシーが適用と
なりますこと予めご了承下さい。
+++++++++++++++++
三菱東京UFJ銀行 門前仲町支店
普通 1177180 MAトラスト(株)
+++++++++++++++++
*キャンセルポリシー:当日・前日100%、2~5日前まで50%
主催: MAトラスト株式会社
種子メジャーが起こす再編
日本経済新聞 朝刊 総合・政治 2016/5/30 3:30
遺伝子組み換え技術に強みを持つ米国のモンサントやデュポン、スイスのシンジェンタは種子メジャーとも呼ばれる。その3社が世界的な再編劇を引き起こしている。増え続ける世界の食糧需要を満たすために、高度な技術が求められているからだ。
ドイツの医薬・農薬大手のバイエルはモンサントに対し、総額620億ドル(約6兆8千億円)の買収計画を提示した。シンジェンタは中国化工集団の傘下に入ることで合意し、デュポンは米ダウ・ケミカルとの経営統合を決めた。
70億人を超えて急増する世界人口と途上国の経済発展で食糧需要は拡大を続ける。それを賄うには農業技術の進歩が欠かせない。砂漠化などで農地の拡張は難しく、栽培面積あたりの収量を飛躍的に伸ばす必要があるからだ。
過去50年間、収量の伸びを支えたのは化学肥料の普及や品種改良だった。今後のけん引役と目されるのが遺伝子組み換え技術だ。
遺伝子組み換え農産物は2015年時点で世界28カ国で栽培され、作付面積に占める組み換え品種の比率は大豆で8割を超す。組み換え農産物がこれだけ普及した理由は、除草剤散布などの手間や害虫被害を軽減できるからだ。栽培面積あたりの収量増加も期待でき、農家の採算は向上する。
頻発する異常気象への対抗策として、干ばつなどに強い品種の開発も進んでいる。ただ、研究開発にかかる費用は増大しており、それも再編が相次ぐ要因となった。
組み換え農産物に対しては日本や欧州を中心に安全性への懸念が強いことも事実だ。消費者の選択肢を確保するために通常の農産物と分別して流通する仕組みや、組み換え農産物の使用を表示する制度は維持する必要がある。農薬とともに自然環境への影響は避けなければならない。
消費者の不安や環境への影響を防ぎながら、いかに食糧需要を賄うか。日本企業も植物工場などの得意分野を生かし、世界の食糧問題克服に協力してほしい。
日本経済新聞 朝刊 総合・政治 2016/5/30 3:30
遺伝子組み換え技術に強みを持つ米国のモンサントやデュポン、スイスのシンジェンタは種子メジャーとも呼ばれる。その3社が世界的な再編劇を引き起こしている。増え続ける世界の食糧需要を満たすために、高度な技術が求められているからだ。
ドイツの医薬・農薬大手のバイエルはモンサントに対し、総額620億ドル(約6兆8千億円)の買収計画を提示した。シンジェンタは中国化工集団の傘下に入ることで合意し、デュポンは米ダウ・ケミカルとの経営統合を決めた。
70億人を超えて急増する世界人口と途上国の経済発展で食糧需要は拡大を続ける。それを賄うには農業技術の進歩が欠かせない。砂漠化などで農地の拡張は難しく、栽培面積あたりの収量を飛躍的に伸ばす必要があるからだ。
過去50年間、収量の伸びを支えたのは化学肥料の普及や品種改良だった。今後のけん引役と目されるのが遺伝子組み換え技術だ。
遺伝子組み換え農産物は2015年時点で世界28カ国で栽培され、作付面積に占める組み換え品種の比率は大豆で8割を超す。組み換え農産物がこれだけ普及した理由は、除草剤散布などの手間や害虫被害を軽減できるからだ。栽培面積あたりの収量増加も期待でき、農家の採算は向上する。
頻発する異常気象への対抗策として、干ばつなどに強い品種の開発も進んでいる。ただ、研究開発にかかる費用は増大しており、それも再編が相次ぐ要因となった。
組み換え農産物に対しては日本や欧州を中心に安全性への懸念が強いことも事実だ。消費者の選択肢を確保するために通常の農産物と分別して流通する仕組みや、組み換え農産物の使用を表示する制度は維持する必要がある。農薬とともに自然環境への影響は避けなければならない。
消費者の不安や環境への影響を防ぎながら、いかに食糧需要を賄うか。日本企業も植物工場などの得意分野を生かし、世界の食糧問題克服に協力してほしい。
水素拠点 共同で全国に
トヨタ・JXなど、新会社を検討 燃料電池車の普及後押し
日本経済新聞 朝刊 1面 2016/5/30 3:30
トヨタ自動車やJXエネルギーなど自動車・エネルギー大手各社は、次世代エコカーの燃料電池車に燃料を供給する「水素ステーション」(総合・経済面きょうのことば)の全国展開に向け、共同で新会社をつくる検討に入った。いまはエネルギー各社が個別に整備しており、設置件数は目標を大幅に下回る。自動車メーカーも巻き込んで燃料供給網の構築を急ぎ、燃料電池車の普及を後押しする。
トヨタやホンダ、日産自動車といった自動車大手、JX、岩谷産業、東京ガスなどが加盟する経済産業省の「水素・燃料電池戦略協議会」で詳細を詰める。2017年度をめどに、水素ステーションの設置を進める共同出資会社をつくる案を軸に調整している。
水素ステーションに必要な水素の圧縮機などをつくる機器メーカーにも参加を呼びかける。出資金の総額は100億円を超える可能性がある。
新会社が水素ステーションを設置し、運営はJXや岩谷、東ガスなどのエネルギー会社が担う。国は出資せず、設置や運営のための補助金を支給する。各社が個別に整備するより手厚い補助金を出し、新会社を支える。
燃料電池車はトヨタが14年に世界で初めて市販車を発売し、ホンダも今年3月に投入した。経産省は20年までに4万台を普及させる目標を掲げるが現在までに国内では600台程度しか売れていない。普及のネックが水素ステーション不足だ。
経産省は15年度までに国内で100カ所の水素ステーションを開設する目標を掲げてきた。現時点ではJXや岩谷産業が個別に設置を進めているが80カ所ほどにとどまる。東京や名古屋などの都市部にかたより、1カ所もない県も多い。設置費用が1カ所4億円にのぼり、年間4千万~5千万円程度の運営費がかかるため「需要の少ない地方では整備に踏み切れない」(水素ステーション事業者)という。
国内を代表する大手企業が費用を分担することで整備を加速するのが今回の取り組みのねらい。
燃料電池車は水素と酸素の反応でできた電気で走る。走行時に水しか出さないため「究極のエコカー」とも呼ばれる。
トヨタ・JXなど、新会社を検討 燃料電池車の普及後押し
日本経済新聞 朝刊 1面 2016/5/30 3:30
トヨタ自動車やJXエネルギーなど自動車・エネルギー大手各社は、次世代エコカーの燃料電池車に燃料を供給する「水素ステーション」(総合・経済面きょうのことば)の全国展開に向け、共同で新会社をつくる検討に入った。いまはエネルギー各社が個別に整備しており、設置件数は目標を大幅に下回る。自動車メーカーも巻き込んで燃料供給網の構築を急ぎ、燃料電池車の普及を後押しする。
トヨタやホンダ、日産自動車といった自動車大手、JX、岩谷産業、東京ガスなどが加盟する経済産業省の「水素・燃料電池戦略協議会」で詳細を詰める。2017年度をめどに、水素ステーションの設置を進める共同出資会社をつくる案を軸に調整している。
水素ステーションに必要な水素の圧縮機などをつくる機器メーカーにも参加を呼びかける。出資金の総額は100億円を超える可能性がある。
新会社が水素ステーションを設置し、運営はJXや岩谷、東ガスなどのエネルギー会社が担う。国は出資せず、設置や運営のための補助金を支給する。各社が個別に整備するより手厚い補助金を出し、新会社を支える。
燃料電池車はトヨタが14年に世界で初めて市販車を発売し、ホンダも今年3月に投入した。経産省は20年までに4万台を普及させる目標を掲げるが現在までに国内では600台程度しか売れていない。普及のネックが水素ステーション不足だ。
経産省は15年度までに国内で100カ所の水素ステーションを開設する目標を掲げてきた。現時点ではJXや岩谷産業が個別に設置を進めているが80カ所ほどにとどまる。東京や名古屋などの都市部にかたより、1カ所もない県も多い。設置費用が1カ所4億円にのぼり、年間4千万~5千万円程度の運営費がかかるため「需要の少ない地方では整備に踏み切れない」(水素ステーション事業者)という。
国内を代表する大手企業が費用を分担することで整備を加速するのが今回の取り組みのねらい。
燃料電池車は水素と酸素の反応でできた電気で走る。走行時に水しか出さないため「究極のエコカー」とも呼ばれる。
1920年、当時三井銀行の重役であった米山梅吉等が、東京都に日本初のロータリークラブ (RC) を、国際ロータリーから855番目に認証を受けて創立した。
東京RC創立の経緯はつぎのとおりである。1918年に目賀田経済使節団の一員として訪米中の米山梅吉はダラスRC在籍の福島喜三次と出会いロータリーについて聞いた。ロータリーの例会に出席した米山梅吉は、ロータリーの利己のない奉仕の精神と行動に強い共感を持ち、日本でのロータリーの創立に動いた。元会員福島がロータリーの創立を希望していると知り、ダラスRCの会長は国際ロータリー会長に日本にロータリーの創立を勧める書簡を送った。このあと、国際ロータリーは直接福島喜三次と日本におけるロータリーの創立に向けて交渉を重ね、1920年10月20日に創立総会が開催され1921年4月1日に承認が下りた。東京RCの創立にあたってダラスRCは国際ロータリーへの橋渡しを行ってくれたが、東京RCは国際ロータリー直轄のクラブであり、スポンサーがダラスRCという事実はない。承認状を見てもスポンサークラブの記載は無い。日本で第2番目に認証を受けた大阪RCも国際ロータリー (RI) 直轄で出来たクラブである。ダラスRC会員であった福島喜三次が帰国後大阪に赴任し、星野行則とともに1921年(大正10年)大阪にロータリークラブを作る1922年(大正11年)春、同年11月1日第一回の創立準備会を中之島大阪ホテルにて開催した。その後チャーターメンバーを選び、クラブ細則原案を作り、1922年(大正11年)11月17日に大阪RC創立総会を開いた。
関東大震災を契機として、日本のロータリー運動は本格的になっていくが、1924年(大正13年)7月に東京RCを立ち上げた米山が初代のスペシャル・コミッショナーに任命される。第2代が井坂孝、第3代が平生釟三郎である。この3名の指導のもとに、次々とRCが日本の大都市に設立されていった。東京・大阪に続いて、1924年(大正13年)8月に3番目の神戸RCが8月に設立される。スポンサークラブは大阪RCであった。続いて東京RCがスポンサーで、1924年12月に4番目の名古屋RCが設立される。さらに東京・大阪両クラブの共同スポンサーによって5番目の京都RCが設立され、6番目に横浜RCが設立される。六大都市にロータリーが設立され、その後日本全国にRCが次々に拡大していった。第二次世界大戦による中断があったものの、戦後会員を拡大し世界第2のロータリー国となるが、近年に至り、経済情勢の変化さらに震災等の影響からか、会員数は減少傾向にある。
クラブ数2,287、会員数88,328人(2014年12月末・ロータリー公式誌による)。日本は3ゾーン編成で、34の地区に分かれている。そのうちの1地区にはミクロネシア、グアム、北マリアナ諸島、パラオという海外の地域も含む。
出典: ウィキペディア
東京RC創立の経緯はつぎのとおりである。1918年に目賀田経済使節団の一員として訪米中の米山梅吉はダラスRC在籍の福島喜三次と出会いロータリーについて聞いた。ロータリーの例会に出席した米山梅吉は、ロータリーの利己のない奉仕の精神と行動に強い共感を持ち、日本でのロータリーの創立に動いた。元会員福島がロータリーの創立を希望していると知り、ダラスRCの会長は国際ロータリー会長に日本にロータリーの創立を勧める書簡を送った。このあと、国際ロータリーは直接福島喜三次と日本におけるロータリーの創立に向けて交渉を重ね、1920年10月20日に創立総会が開催され1921年4月1日に承認が下りた。東京RCの創立にあたってダラスRCは国際ロータリーへの橋渡しを行ってくれたが、東京RCは国際ロータリー直轄のクラブであり、スポンサーがダラスRCという事実はない。承認状を見てもスポンサークラブの記載は無い。日本で第2番目に認証を受けた大阪RCも国際ロータリー (RI) 直轄で出来たクラブである。ダラスRC会員であった福島喜三次が帰国後大阪に赴任し、星野行則とともに1921年(大正10年)大阪にロータリークラブを作る1922年(大正11年)春、同年11月1日第一回の創立準備会を中之島大阪ホテルにて開催した。その後チャーターメンバーを選び、クラブ細則原案を作り、1922年(大正11年)11月17日に大阪RC創立総会を開いた。
関東大震災を契機として、日本のロータリー運動は本格的になっていくが、1924年(大正13年)7月に東京RCを立ち上げた米山が初代のスペシャル・コミッショナーに任命される。第2代が井坂孝、第3代が平生釟三郎である。この3名の指導のもとに、次々とRCが日本の大都市に設立されていった。東京・大阪に続いて、1924年(大正13年)8月に3番目の神戸RCが8月に設立される。スポンサークラブは大阪RCであった。続いて東京RCがスポンサーで、1924年12月に4番目の名古屋RCが設立される。さらに東京・大阪両クラブの共同スポンサーによって5番目の京都RCが設立され、6番目に横浜RCが設立される。六大都市にロータリーが設立され、その後日本全国にRCが次々に拡大していった。第二次世界大戦による中断があったものの、戦後会員を拡大し世界第2のロータリー国となるが、近年に至り、経済情勢の変化さらに震災等の影響からか、会員数は減少傾向にある。
クラブ数2,287、会員数88,328人(2014年12月末・ロータリー公式誌による)。日本は3ゾーン編成で、34の地区に分かれている。そのうちの1地区にはミクロネシア、グアム、北マリアナ諸島、パラオという海外の地域も含む。
出典: ウィキペディア
アメリカのオバマ大統領は5月27日、広島市の平和記念公園で喧嘩をし、下記の演説を行った。
==以下全文==
71年前の明るく晴れ渡った朝、空から死神が舞い降り、世界は一変しました。閃光と火の玉がこの街を破壊し、人類が自らを破滅に導く手段を手にしたことがはっきりと示されたのです。
なぜ私たちはここ、広島に来たのでしょうか?
私たちは、それほど遠くないある過去に恐ろしい力が解き放たれたことに思いをはせるため、ここにやって来ました。
私たちは、10万人を超える日本の男性、女性、そして子供、数多くの朝鮮の人々、10人ほどのアメリカ人捕虜を含む死者を悼むため、ここにやって来ました。
彼らの魂が、私たちに語りかけています。彼らは、自分たちが一体何者なのか、そして自分たちがどうなったのかを振り返るため、本質を見るように求めています。
広島だけが際立って戦争を象徴するものではありません。遺物を見れば、暴力的な衝突は人類の歴史が始まった頃からあったことがわかります。フリント(編注・岩石の一種)から刃を、木から槍を作るようになった私たちの初期の祖先は、それらの道具を狩りのためだけでなく、自分たちの同類に対して使ったのです。
どの大陸でも、文明の歴史は戦争で満ちています。戦争は食糧不足、あるいは富への渇望から引き起こされ、民族主義者の熱狂や宗教的な熱意でやむなく起きてしまいます。
多くの帝国が勃興と衰退を繰り返しました。多くの人間が隷属と解放を繰り返しました。そして、それぞれの歴史の節目で、罪のない多くの人たちが、数えきれないほどの犠牲者を生んだこと、そして時が経つに連れて自分たちの名前が忘れ去られたことに苦しめられました。
広島と長崎で残酷な終焉へと行き着いた第二次世界大戦は、最も裕福で、もっとも強大な国家たちの間で戦われました。そうした国の文明は、世界に大都市と優れた芸術をもたらしました。そうした国の頭脳たちは、正義、調和、真実に関する先進的な思想を持っていました。にもかかわらず、支配欲あるいは征服欲といった衝動と同じ衝動から、戦争が生まれたのです。そのような衝動が、極めて単純な部族間同士の衝突を引き起こし、新たな能力によって増幅され、新たな制限のないお決まりのパターンを生んでしまったのです。
数年の間に、およそ6000万人もの人たちが亡くなりました。男性、女性、子供、私たちと何ら違いのない人たちがです。射殺され、撲殺され、行進させられて殺され、爆撃で殺され、獄中で殺され、餓死させられ、毒ガスで殺されました。世界中に、この戦争を記録する場所が数多くあります。それは勇気や勇敢な行動を綴った記念碑、言葉では言い表せないような卑劣な行為の名残でもある墓地や空っぽの収容所といったものです。
しかし、この空に立ち上ったキノコ雲の映像を見た時、私たちは人間の中核に矛盾があることを非常にくっきりとした形で思い起こすのです。
私たちの思考、想像力、言語、道具を作る能力、そして人間の本質と切り離して自分たちを定めたり、自分たちの意志に応じてそうした本質を曲げたりする能力といったものを私たちが人類として際立たせること――まさにそうしたことも類を見ない破滅をもたらすような能力を私たちに与えられることによって、どれだけ悲劇をもたらす誘発剤となってしまうか。
物質的な進歩、あるいは社会的な革新によって、どれだけ私たちはこうした真実が見えなくなってしまうのか。
より高い信念という名の下、どれだけ安易に私たちは暴力を正当化してしまうようになるのか。
どの偉大な宗教も、愛や平和、正義への道を約束します。にもかかわらず、信仰こそ殺人許可証であると主張する信者たちから免れられないのです。
科学によって私たちはいろいろなコミュニケーションをとります。空を飛び、病気を治し、科学によって宇宙を理解しようとします。そのような科学が、効率的な殺人の道具となってしまうこともあります。
現代の社会は、私たちに真理を教えています。広島は私たちにこの真理を伝えています。技術の進歩が、人類の制度と一緒に発展しなければならないということを。科学的な革命によって色々な文明が生まれ、そして消えてゆきました。だからこそいま、私たちはここに立っているのです。
私たちは今、この広島の真ん中に立ち、原爆が落とされた時に思いを馳せています。子供たちの苦しみを思い起こします。子供たちが目にしたこと、そして声なき叫び声に耳を傾けます。私たちは罪のない人々が、むごい戦争によって殺されたことを記憶します。これまでの戦争、そしてこれからの戦争の犠牲者に思いを馳せます。
言葉だけで、そのような苦しみに声を与えるものではありません。しかし私たちには共有の責任があります。私たちは、歴史を真っ向から見据えなけれなりません。そして、尋ねるのです。我々は、一体これから何を変えなければならないのか。そのような苦しみを繰り返さないためにはどうしたらいいのかを自問しなくてはなりません。
いつの日か、被爆者の声も消えていくことになるでしょう。しかし「1945年8月6日の苦しみ」というものは、決して消えるものではありません。その記憶に拠って、私たちは慢心と戦わなければなりません。私たちの道徳的な想像力をかきたてるものとなるでしょう。そして、私たちに変化を促すものとなります。
あの運命の日以来、私たちは希望を与える選択をしてきました。
アメリカ合衆国そして日本は、同盟を作っただけではなく友情も育んできました。欧州では連合(EU)ができました。国々は、商業や民主主義で結ばれています。
国、または国民が解放を求めています。そして戦争を避けるための様々な制度や条約もできました。
制約をかけ、交代させ、ひいては核兵器を廃絶へと導くためのものであります。それにもかかわらず、世界中で目にする国家間の攻撃的な行動、テロ、腐敗、残虐行為、抑圧は、「私たちのやることに終わりはないのだ」ということを示しています。
私たちは、人類が悪事をおこなう能力を廃絶することはできないかもしれません。私たちは、自分自身を守るための道具を持たなければならないからです。しかし我が国を含む核保有国は、(他国から攻撃を受けるから核を持たなければいけないという)「恐怖の論理」から逃れる勇気を持つべきです。
私が生きている間にこの目的は達成できないかもしれません。しかし、その可能性を追い求めていきたいと思います。このような破壊をもたらすような核兵器の保有を減らし、この「死の道具」が狂信的な者たちに渡らないようにしなくてはなりません。
それだけでは十分ではありません。世界では、原始的な道具であっても、非常に大きな破壊をもたらすことがあります。私たちの心を変えなくてはなりません。戦争に対する考え方を変える必要があります。紛争を外交的手段で解決することが必要です。紛争を終わらせる努力をしなければなりません。
平和的な協力をしていくことが重要です。暴力的な競争をするべきではありません。私たちは、築きあげていかなければなりません。破壊をしてはならないのです。なによりも、私たちは互いのつながりを再び認識する必要があります。同じ人類の一員としての繋がりを再び確認する必要があります。つながりこそが人類を独自のものにしています。
私たち人類は、過去で過ちを犯しましたが、その過去から学ぶことができます。選択をすることができます。子供達に対して、別の道もあるのだと語ることができます。
人類の共通性、戦争が起こらない世界、残虐性を容易く受け入れない世界を作っていくことができます。物語は、被爆者の方たちが語ってくださっています。原爆を落としたパイロットに会った女性がいました。殺されたそのアメリカ人の家族に会った人たちもいました。アメリカの犠牲も、日本の犠牲も、同じ意味を持っています
アメリカという国の物語は、簡単な言葉で始まります。すべての人類は平等である。そして、生まれもった権利がある。生命の自由、幸福を希求する権利です。しかし、それを現実のものとするのはアメリカ国内であっても、アメリカ人であっても決して簡単ではありません。
しかしその物語は、真実であるということが非常に重要です。努力を怠ってはならない理想であり、すべての国に必要なものです。すべての人がやっていくべきことです。すべての人命は、かけがえのないものです。私たちは「一つの家族の一部である」という考え方です。これこそが、私たちが伝えていかなくてはならない物語です。
だからこそ私たちは、広島に来たのです。そして、私たちが愛している人たちのことを考えます。たとえば、朝起きてすぐの子供達の笑顔、愛する人とのキッチンテーブルを挟んだ優しい触れ合い、両親からの優しい抱擁、そういった素晴らしい瞬間が71年前のこの場所にもあったのだということを考えることができます。
亡くなった方々は、私たちとの全く変わらない人たちです。多くの人々がそういったことが理解できると思います。もはやこれ以上、私たちは戦争は望んでいません。科学をもっと、人生を充実させることに使ってほしいと考えています。
国家や国家のリーダーが選択をするとき、また反省するとき、そのための知恵が広島から得られるでしょう。
世界はこの広島によって一変しました。しかし今日、広島の子供達は平和な日々を生きています。なんと貴重なことでしょうか。この生活は、守る価値があります。それを全ての子供達に広げていく必要があります。この未来こそ、私たちが選択する未来です。未来において広島と長崎は、核戦争の夜明けではなく、私たちの道義的な目覚めの地として知られることでしょう。
==以下全文==
71年前の明るく晴れ渡った朝、空から死神が舞い降り、世界は一変しました。閃光と火の玉がこの街を破壊し、人類が自らを破滅に導く手段を手にしたことがはっきりと示されたのです。
なぜ私たちはここ、広島に来たのでしょうか?
私たちは、それほど遠くないある過去に恐ろしい力が解き放たれたことに思いをはせるため、ここにやって来ました。
私たちは、10万人を超える日本の男性、女性、そして子供、数多くの朝鮮の人々、10人ほどのアメリカ人捕虜を含む死者を悼むため、ここにやって来ました。
彼らの魂が、私たちに語りかけています。彼らは、自分たちが一体何者なのか、そして自分たちがどうなったのかを振り返るため、本質を見るように求めています。
広島だけが際立って戦争を象徴するものではありません。遺物を見れば、暴力的な衝突は人類の歴史が始まった頃からあったことがわかります。フリント(編注・岩石の一種)から刃を、木から槍を作るようになった私たちの初期の祖先は、それらの道具を狩りのためだけでなく、自分たちの同類に対して使ったのです。
どの大陸でも、文明の歴史は戦争で満ちています。戦争は食糧不足、あるいは富への渇望から引き起こされ、民族主義者の熱狂や宗教的な熱意でやむなく起きてしまいます。
多くの帝国が勃興と衰退を繰り返しました。多くの人間が隷属と解放を繰り返しました。そして、それぞれの歴史の節目で、罪のない多くの人たちが、数えきれないほどの犠牲者を生んだこと、そして時が経つに連れて自分たちの名前が忘れ去られたことに苦しめられました。
広島と長崎で残酷な終焉へと行き着いた第二次世界大戦は、最も裕福で、もっとも強大な国家たちの間で戦われました。そうした国の文明は、世界に大都市と優れた芸術をもたらしました。そうした国の頭脳たちは、正義、調和、真実に関する先進的な思想を持っていました。にもかかわらず、支配欲あるいは征服欲といった衝動と同じ衝動から、戦争が生まれたのです。そのような衝動が、極めて単純な部族間同士の衝突を引き起こし、新たな能力によって増幅され、新たな制限のないお決まりのパターンを生んでしまったのです。
数年の間に、およそ6000万人もの人たちが亡くなりました。男性、女性、子供、私たちと何ら違いのない人たちがです。射殺され、撲殺され、行進させられて殺され、爆撃で殺され、獄中で殺され、餓死させられ、毒ガスで殺されました。世界中に、この戦争を記録する場所が数多くあります。それは勇気や勇敢な行動を綴った記念碑、言葉では言い表せないような卑劣な行為の名残でもある墓地や空っぽの収容所といったものです。
しかし、この空に立ち上ったキノコ雲の映像を見た時、私たちは人間の中核に矛盾があることを非常にくっきりとした形で思い起こすのです。
私たちの思考、想像力、言語、道具を作る能力、そして人間の本質と切り離して自分たちを定めたり、自分たちの意志に応じてそうした本質を曲げたりする能力といったものを私たちが人類として際立たせること――まさにそうしたことも類を見ない破滅をもたらすような能力を私たちに与えられることによって、どれだけ悲劇をもたらす誘発剤となってしまうか。
物質的な進歩、あるいは社会的な革新によって、どれだけ私たちはこうした真実が見えなくなってしまうのか。
より高い信念という名の下、どれだけ安易に私たちは暴力を正当化してしまうようになるのか。
どの偉大な宗教も、愛や平和、正義への道を約束します。にもかかわらず、信仰こそ殺人許可証であると主張する信者たちから免れられないのです。
科学によって私たちはいろいろなコミュニケーションをとります。空を飛び、病気を治し、科学によって宇宙を理解しようとします。そのような科学が、効率的な殺人の道具となってしまうこともあります。
現代の社会は、私たちに真理を教えています。広島は私たちにこの真理を伝えています。技術の進歩が、人類の制度と一緒に発展しなければならないということを。科学的な革命によって色々な文明が生まれ、そして消えてゆきました。だからこそいま、私たちはここに立っているのです。
私たちは今、この広島の真ん中に立ち、原爆が落とされた時に思いを馳せています。子供たちの苦しみを思い起こします。子供たちが目にしたこと、そして声なき叫び声に耳を傾けます。私たちは罪のない人々が、むごい戦争によって殺されたことを記憶します。これまでの戦争、そしてこれからの戦争の犠牲者に思いを馳せます。
言葉だけで、そのような苦しみに声を与えるものではありません。しかし私たちには共有の責任があります。私たちは、歴史を真っ向から見据えなけれなりません。そして、尋ねるのです。我々は、一体これから何を変えなければならないのか。そのような苦しみを繰り返さないためにはどうしたらいいのかを自問しなくてはなりません。
いつの日か、被爆者の声も消えていくことになるでしょう。しかし「1945年8月6日の苦しみ」というものは、決して消えるものではありません。その記憶に拠って、私たちは慢心と戦わなければなりません。私たちの道徳的な想像力をかきたてるものとなるでしょう。そして、私たちに変化を促すものとなります。
あの運命の日以来、私たちは希望を与える選択をしてきました。
アメリカ合衆国そして日本は、同盟を作っただけではなく友情も育んできました。欧州では連合(EU)ができました。国々は、商業や民主主義で結ばれています。
国、または国民が解放を求めています。そして戦争を避けるための様々な制度や条約もできました。
制約をかけ、交代させ、ひいては核兵器を廃絶へと導くためのものであります。それにもかかわらず、世界中で目にする国家間の攻撃的な行動、テロ、腐敗、残虐行為、抑圧は、「私たちのやることに終わりはないのだ」ということを示しています。
私たちは、人類が悪事をおこなう能力を廃絶することはできないかもしれません。私たちは、自分自身を守るための道具を持たなければならないからです。しかし我が国を含む核保有国は、(他国から攻撃を受けるから核を持たなければいけないという)「恐怖の論理」から逃れる勇気を持つべきです。
私が生きている間にこの目的は達成できないかもしれません。しかし、その可能性を追い求めていきたいと思います。このような破壊をもたらすような核兵器の保有を減らし、この「死の道具」が狂信的な者たちに渡らないようにしなくてはなりません。
それだけでは十分ではありません。世界では、原始的な道具であっても、非常に大きな破壊をもたらすことがあります。私たちの心を変えなくてはなりません。戦争に対する考え方を変える必要があります。紛争を外交的手段で解決することが必要です。紛争を終わらせる努力をしなければなりません。
平和的な協力をしていくことが重要です。暴力的な競争をするべきではありません。私たちは、築きあげていかなければなりません。破壊をしてはならないのです。なによりも、私たちは互いのつながりを再び認識する必要があります。同じ人類の一員としての繋がりを再び確認する必要があります。つながりこそが人類を独自のものにしています。
私たち人類は、過去で過ちを犯しましたが、その過去から学ぶことができます。選択をすることができます。子供達に対して、別の道もあるのだと語ることができます。
人類の共通性、戦争が起こらない世界、残虐性を容易く受け入れない世界を作っていくことができます。物語は、被爆者の方たちが語ってくださっています。原爆を落としたパイロットに会った女性がいました。殺されたそのアメリカ人の家族に会った人たちもいました。アメリカの犠牲も、日本の犠牲も、同じ意味を持っています
アメリカという国の物語は、簡単な言葉で始まります。すべての人類は平等である。そして、生まれもった権利がある。生命の自由、幸福を希求する権利です。しかし、それを現実のものとするのはアメリカ国内であっても、アメリカ人であっても決して簡単ではありません。
しかしその物語は、真実であるということが非常に重要です。努力を怠ってはならない理想であり、すべての国に必要なものです。すべての人がやっていくべきことです。すべての人命は、かけがえのないものです。私たちは「一つの家族の一部である」という考え方です。これこそが、私たちが伝えていかなくてはならない物語です。
だからこそ私たちは、広島に来たのです。そして、私たちが愛している人たちのことを考えます。たとえば、朝起きてすぐの子供達の笑顔、愛する人とのキッチンテーブルを挟んだ優しい触れ合い、両親からの優しい抱擁、そういった素晴らしい瞬間が71年前のこの場所にもあったのだということを考えることができます。
亡くなった方々は、私たちとの全く変わらない人たちです。多くの人々がそういったことが理解できると思います。もはやこれ以上、私たちは戦争は望んでいません。科学をもっと、人生を充実させることに使ってほしいと考えています。
国家や国家のリーダーが選択をするとき、また反省するとき、そのための知恵が広島から得られるでしょう。
世界はこの広島によって一変しました。しかし今日、広島の子供達は平和な日々を生きています。なんと貴重なことでしょうか。この生活は、守る価値があります。それを全ての子供達に広げていく必要があります。この未来こそ、私たちが選択する未来です。未来において広島と長崎は、核戦争の夜明けではなく、私たちの道義的な目覚めの地として知られることでしょう。
トヨタが挑む両刃の剣 配車アプリ最大手に出資
車「共有」で販売減も
日本経済新聞 朝刊 総合2 2016/5/26 3:30
トヨタ自動車が配車アプリ世界最大手、米ウーバーテクノロジーズと提携する。スマートフォン(スマホ)を活用したライドシェア(相乗り)サービスは利用者を増やし、自動車大手だけでなくIT(情報技術)企業も熱い視線を送る。車を取り巻く環境の激変を象徴するが、自動車会社にとっては両刃(もろは)の剣となるリスクもはらむ。
配車アプリ「ウーバー」ではスマホで乗降場所を指定すれば送迎してくれる
2009年発足のウーバーはすでに欧米など70カ国・地域の451都市でサービスを手掛ける。民泊サイト「エアビーアンドビー」と共にシェアリングエコノミー(共有型経済)のけん引役で企業価値は7兆円に迫る。
事業の柱がライドシェアだ。一定条件を満たす個人が有償で利用者を同乗させて運ぶ。欧州など各地で当局やタクシー会社と摩擦が生まれたが数十万人がドライバー役を務めているようだ。
トヨタは数十億円を出資するとみられ、米国でライドシェアのドライバーにトヨタ車をリース販売する。ウーバーが磨く自動運転技術と連携するかにも注目が集まる。
この分野では米ゼネラル・モーターズ(GM)など海外勢の先行が目立つ。独フォルクスワーゲン(VW)も24日、イスラエルのゲットに3億ドル(330億円)を出資すると発表。米アップルなどの関心も高く、車やIT大手、新興企業が「競争と協調」を繰り広げる激戦区となりつつある。
グーグルは車を「消費者がインターネット広告に触れる場所」と位置付ける。アップルは伸び悩むスマホなどの機器販売をカバーし、コンテンツ提供の拡大を狙う。IT大手は車を新たな収益源と位置付けることができるが、自動車メーカーにとっては環境の変化が追い風となる保証はない。
例えばシェアリングエコノミーでライドシェアと並び注目を集めるカーシェアリング。スマホ普及で個人間貸し借りが容易になり、自動運転によって車の効率利用が進めば、結果として新車販売が減る可能性もある。
米国では1980年代から2000年代初頭に生まれた「ミレニアル世代」で、所有から利用に関心が移っていることが顕著だという。こうした傾向が強まれば「ものづくり」のみに依存する収益基盤は揺らぐ。英バークレイズは昨年、「40年に米新車販売は15年比4割減る可能性がある」との見通しを示した。
年初に米国で開かれた世界最大の米家電見本市では越境提携の増加を示すように車関連の出展が目立った。米フォード・モーターのマーク・フィールズ最高経営責任者(CEO)は「デジタル化に伴う大きな混乱は避けるものではなくむしろチャンスだ」と強調した。
大量の部品を組み立てて高品質の車を1千万台規模でつくる事業だけでなく、それらを基盤に新たな付加価値を生み出せるか。トヨタだけでなく自動車メーカー共通の課題となっている。
車「共有」で販売減も
日本経済新聞 朝刊 総合2 2016/5/26 3:30
トヨタ自動車が配車アプリ世界最大手、米ウーバーテクノロジーズと提携する。スマートフォン(スマホ)を活用したライドシェア(相乗り)サービスは利用者を増やし、自動車大手だけでなくIT(情報技術)企業も熱い視線を送る。車を取り巻く環境の激変を象徴するが、自動車会社にとっては両刃(もろは)の剣となるリスクもはらむ。
配車アプリ「ウーバー」ではスマホで乗降場所を指定すれば送迎してくれる
2009年発足のウーバーはすでに欧米など70カ国・地域の451都市でサービスを手掛ける。民泊サイト「エアビーアンドビー」と共にシェアリングエコノミー(共有型経済)のけん引役で企業価値は7兆円に迫る。
事業の柱がライドシェアだ。一定条件を満たす個人が有償で利用者を同乗させて運ぶ。欧州など各地で当局やタクシー会社と摩擦が生まれたが数十万人がドライバー役を務めているようだ。
トヨタは数十億円を出資するとみられ、米国でライドシェアのドライバーにトヨタ車をリース販売する。ウーバーが磨く自動運転技術と連携するかにも注目が集まる。
この分野では米ゼネラル・モーターズ(GM)など海外勢の先行が目立つ。独フォルクスワーゲン(VW)も24日、イスラエルのゲットに3億ドル(330億円)を出資すると発表。米アップルなどの関心も高く、車やIT大手、新興企業が「競争と協調」を繰り広げる激戦区となりつつある。
グーグルは車を「消費者がインターネット広告に触れる場所」と位置付ける。アップルは伸び悩むスマホなどの機器販売をカバーし、コンテンツ提供の拡大を狙う。IT大手は車を新たな収益源と位置付けることができるが、自動車メーカーにとっては環境の変化が追い風となる保証はない。
例えばシェアリングエコノミーでライドシェアと並び注目を集めるカーシェアリング。スマホ普及で個人間貸し借りが容易になり、自動運転によって車の効率利用が進めば、結果として新車販売が減る可能性もある。
米国では1980年代から2000年代初頭に生まれた「ミレニアル世代」で、所有から利用に関心が移っていることが顕著だという。こうした傾向が強まれば「ものづくり」のみに依存する収益基盤は揺らぐ。英バークレイズは昨年、「40年に米新車販売は15年比4割減る可能性がある」との見通しを示した。
年初に米国で開かれた世界最大の米家電見本市では越境提携の増加を示すように車関連の出展が目立った。米フォード・モーターのマーク・フィールズ最高経営責任者(CEO)は「デジタル化に伴う大きな混乱は避けるものではなくむしろチャンスだ」と強調した。
大量の部品を組み立てて高品質の車を1千万台規模でつくる事業だけでなく、それらを基盤に新たな付加価値を生み出せるか。トヨタだけでなく自動車メーカー共通の課題となっている。
インフラ開発 日本と加速
インドネシア大統領、中国への傾斜修正
日本経済新聞 朝刊 1面 2016/5/25 3:30
【ジャカルタ=鈴木淳】インドネシアのジョコ大統領は24日、日本経済新聞の取材に応じ「インドネシアの最優先課題はインフラ開発だ」と述べ、「日本とは経済面での協力を強化したい」と語った。インドネシアは日本と進めてきた高速鉄道の建設計画を中国に発注し、日本との間に隙間風が吹いた。ジョコ氏の発言には、インフラ開発で中国への傾斜を軌道修正する狙いがありそうだ。
24日、取材に応じるジョコ大統領=写真 浅原敬一郎
ジョコ氏は主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の拡大会合に参加するため訪日する。安倍晋三首相との会談も調整中で、港湾や発電所など重要インフラの整備で日本の協力を求める考えだ。
インドネシアはインフラ整備に2019年までに約5400兆ルピア(約40兆円)を投じる。日本が建設に参画するジャワ島の西ジャワ州パティンバンの新たな港湾施設と中部ジャワ州バタンの火力発電所を具体例に挙げ、開発の加速を表明した。
インドネシアのインフラ開発はユドヨノ前政権と蜜月だった日本の存在感が高かった。両国はジャカルタ―バンドン間の高速鉄道計画や西ジャワ州チラマヤの大型港湾計画などを進めていた。
だが14年10月にジョコ政権が誕生し、様相は変わった。事業費約6000億円もの高速鉄道は中国企業が落札、新港計画は凍結された。ジョコ氏は日本との関係修復で、バランスのとれた多国間の経済関係の構築をめざすとみられる。
インフラ開発計画では、8割程度を民間資金で賄う方針だ。外国からの投資を集めるため「過剰な許認可などをなくしていく」と語った。重要インフラの投資の事業許可を3時間で出す制度は一例。規制緩和の進捗は「自らチェックし続ける」と強調した。
ジョコ氏は環太平洋経済連携協定(TPP)への参加意思を表明している。その理由を「経済統合は止めることができない」と説明。欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)交渉をまず進め、その後、TPP交渉を進める考えを示した。
中国とフィリピンやベトナムなどが領有権を巡って争う南シナ海問題については、「航行の自由や国際法は順守されるべきだ」と語った。対立する双方に配慮する中立の立場を改めて表明した。
南シナ海問題ではフィリピンがオランダ・ハーグの仲裁裁判所に仲裁を申し立てた。東南アジア諸国連合(ASEAN)として共同声明を出すべきかとの質問には「ASEANはすでに行動規範などの声明を出している」として、共同声明に否定的な考えを示唆した。
インドネシア大統領、中国への傾斜修正
日本経済新聞 朝刊 1面 2016/5/25 3:30
【ジャカルタ=鈴木淳】インドネシアのジョコ大統領は24日、日本経済新聞の取材に応じ「インドネシアの最優先課題はインフラ開発だ」と述べ、「日本とは経済面での協力を強化したい」と語った。インドネシアは日本と進めてきた高速鉄道の建設計画を中国に発注し、日本との間に隙間風が吹いた。ジョコ氏の発言には、インフラ開発で中国への傾斜を軌道修正する狙いがありそうだ。
24日、取材に応じるジョコ大統領=写真 浅原敬一郎
ジョコ氏は主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の拡大会合に参加するため訪日する。安倍晋三首相との会談も調整中で、港湾や発電所など重要インフラの整備で日本の協力を求める考えだ。
インドネシアはインフラ整備に2019年までに約5400兆ルピア(約40兆円)を投じる。日本が建設に参画するジャワ島の西ジャワ州パティンバンの新たな港湾施設と中部ジャワ州バタンの火力発電所を具体例に挙げ、開発の加速を表明した。
インドネシアのインフラ開発はユドヨノ前政権と蜜月だった日本の存在感が高かった。両国はジャカルタ―バンドン間の高速鉄道計画や西ジャワ州チラマヤの大型港湾計画などを進めていた。
だが14年10月にジョコ政権が誕生し、様相は変わった。事業費約6000億円もの高速鉄道は中国企業が落札、新港計画は凍結された。ジョコ氏は日本との関係修復で、バランスのとれた多国間の経済関係の構築をめざすとみられる。
インフラ開発計画では、8割程度を民間資金で賄う方針だ。外国からの投資を集めるため「過剰な許認可などをなくしていく」と語った。重要インフラの投資の事業許可を3時間で出す制度は一例。規制緩和の進捗は「自らチェックし続ける」と強調した。
ジョコ氏は環太平洋経済連携協定(TPP)への参加意思を表明している。その理由を「経済統合は止めることができない」と説明。欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)交渉をまず進め、その後、TPP交渉を進める考えを示した。
中国とフィリピンやベトナムなどが領有権を巡って争う南シナ海問題については、「航行の自由や国際法は順守されるべきだ」と語った。対立する双方に配慮する中立の立場を改めて表明した。
南シナ海問題ではフィリピンがオランダ・ハーグの仲裁裁判所に仲裁を申し立てた。東南アジア諸国連合(ASEAN)として共同声明を出すべきかとの質問には「ASEANはすでに行動規範などの声明を出している」として、共同声明に否定的な考えを示唆した。
当社は、ウェアラブル生体センサ(BIT)の販売を開始致しましたのでお知らします。
下記はプレゼン資料になりますが、このBITは、私の知るところ世界で最も有用な
ヘルスケア機器で、応用範囲も無限に広がります。
ご興味のある方は、弊社メディカル事業部(Tel:03‐5564-5122)までご連絡下さい。
現状、医療機器認定は取得しておりませんが、申請も進めておりますので今年の
秋頃には取得の予定です。
ダイキンとパナソニック、エアコンで包括提携
環境技術を共同開発/新興国を開拓
日本経済新聞 朝刊 1面トップ記事 2016/5/16 3:30
ダイキン工業とパナソニックがエアコン事業で包括提携する。次世代の環境技術を共同開発するほか、部品調達や製品の相互供給も協議している。今夏の最終合意を目指す。業務用に強いダイキンはエアコン世界最大手で、パナソニックは家庭用の国内首位。販売面ではライバルだが、両社で最新技術を新興国などに広めて勝ち抜く考えだ。年間10兆円とされる世界のエアコン市場で業界再編に拍車がかかる可能性がある。
ダイキンの十河政則社長とパナソニックの津賀一宏社長がこのほど会談し、エアコンで提携交渉に入ることで合意した。
ダイキンは2016年3月期に初めて連結売上高が2兆円の大台を突破。今後の目標となる3兆円を達成するには新興国での事業拡大が欠かせない。パナソニックは19年3月期に同事業の売上高を前期より5割増の7000億円に拡大する計画だが、中国市場の減速などで収益環境が厳しくなっている。両社とも成長戦略を加速するには競争関係を乗り越えて手を組むことが重要と判断した。
両社が協議するのは(1)環境技術の開発(2)主要部品の調達(3)製品の相互供給(4)新興国市場の開拓――など多岐にわたる。
まず冷媒分野で協業する。冷媒は空気を効率的に暖めたり、冷やしたりするためにエアコン内部に使われている。代替フロン(総合・経済面きょうのことば)の規制が国際的に議論されており、より環境負荷が小さい新たな冷媒をそろって採用して新興国向けのエアコンに搭載する。
冷媒は種類によって安全性や取り扱い方が異なり、エアコンの設計が大きく変わる。国や地域によって規制が異なるが、両社が扱いの得意な冷媒が普及すれば販売にも有利になる。充填や点検に必要な販売店への技術研修も両社で協力。さらに次世代の冷媒技術も共同開発する方向だ。
世界各地でモーターや圧縮機(コンプレッサー)など主要部品を共同購入したり、相互供給したりすることも協議している。ダイキンは欧米やアジアの各地に生産拠点があり、パナソニックに部材を供給できる。インドなど地元企業からの部材調達が難しい新興国でも協力すれば、コスト競争力を高められる。
最終製品のOEM(相手先ブランドによる生産)も検討する。エアコンは気候や部屋の大きさなどに応じて多くの機種の開発が必要になる。OEMによりお互いの経営資源を有効活用できる。
両社は1999年にもエアコンで提携し、製品の共同開発などに取り組んだ。ただ、当初想定したような成果が出なかったほか、国内で競合が激しくなり、提携関係は事実上解消されていた。
環境技術を共同開発/新興国を開拓
日本経済新聞 朝刊 1面トップ記事 2016/5/16 3:30
ダイキン工業とパナソニックがエアコン事業で包括提携する。次世代の環境技術を共同開発するほか、部品調達や製品の相互供給も協議している。今夏の最終合意を目指す。業務用に強いダイキンはエアコン世界最大手で、パナソニックは家庭用の国内首位。販売面ではライバルだが、両社で最新技術を新興国などに広めて勝ち抜く考えだ。年間10兆円とされる世界のエアコン市場で業界再編に拍車がかかる可能性がある。
ダイキンの十河政則社長とパナソニックの津賀一宏社長がこのほど会談し、エアコンで提携交渉に入ることで合意した。
ダイキンは2016年3月期に初めて連結売上高が2兆円の大台を突破。今後の目標となる3兆円を達成するには新興国での事業拡大が欠かせない。パナソニックは19年3月期に同事業の売上高を前期より5割増の7000億円に拡大する計画だが、中国市場の減速などで収益環境が厳しくなっている。両社とも成長戦略を加速するには競争関係を乗り越えて手を組むことが重要と判断した。
両社が協議するのは(1)環境技術の開発(2)主要部品の調達(3)製品の相互供給(4)新興国市場の開拓――など多岐にわたる。
まず冷媒分野で協業する。冷媒は空気を効率的に暖めたり、冷やしたりするためにエアコン内部に使われている。代替フロン(総合・経済面きょうのことば)の規制が国際的に議論されており、より環境負荷が小さい新たな冷媒をそろって採用して新興国向けのエアコンに搭載する。
冷媒は種類によって安全性や取り扱い方が異なり、エアコンの設計が大きく変わる。国や地域によって規制が異なるが、両社が扱いの得意な冷媒が普及すれば販売にも有利になる。充填や点検に必要な販売店への技術研修も両社で協力。さらに次世代の冷媒技術も共同開発する方向だ。
世界各地でモーターや圧縮機(コンプレッサー)など主要部品を共同購入したり、相互供給したりすることも協議している。ダイキンは欧米やアジアの各地に生産拠点があり、パナソニックに部材を供給できる。インドなど地元企業からの部材調達が難しい新興国でも協力すれば、コスト競争力を高められる。
最終製品のOEM(相手先ブランドによる生産)も検討する。エアコンは気候や部屋の大きさなどに応じて多くの機種の開発が必要になる。OEMによりお互いの経営資源を有効活用できる。
両社は1999年にもエアコンで提携し、製品の共同開発などに取り組んだ。ただ、当初想定したような成果が出なかったほか、国内で競合が激しくなり、提携関係は事実上解消されていた。
大手商社、減損1.2兆円
5社の前期、資源安が直撃
日本経済新聞 朝刊 1面 2016/5/11 3:30
10日出そろった三菱商事など総合商社大手5社の2016年3月期連結決算では、各社が計上した減損損失が約1兆2000億円に膨らんだ。商品相場が大幅に下げ、資源ビジネスへの打撃となった。三菱商事と三井物産は初の連結最終赤字となり、その結果、資源分野の痛手が小さかった伊藤忠商事が純利益で初めて商社首位に立った。
多額の減損損失が重荷となり、5社の純利益合計は1443億円と前の期(1兆400億円)比で86%減少した。
三菱商事の連結最終損益は1493億円の赤字(前の期は4005億円の黒字)だった。銅価格の下落を受けてチリの銅鉱山の資産価値を見直すなどし、合計4260億円の減損損失を計上した。三井物産も資源関連などで3500億円の減損処理をしたため、最終損益は834億円の赤字(前の期は3064億円の黒字)となった。
17年3月期は5社の純利益合計が1兆600億円と前期の7倍強に膨らむ見通し。業績は急回復するものの前期に多額の減損損失を計上した反動の面が大きく、収益力の底上げには各社が目標とする食料などの非資源事業をどう育てていくかが課題となる。
→ 因みに、伊藤忠の16年3月期の純利益は、2403億円と商社でトップに躍り出た。
岡藤社長は、17年3月期が勝負と鼻息が荒い。
5社の前期、資源安が直撃
日本経済新聞 朝刊 1面 2016/5/11 3:30
10日出そろった三菱商事など総合商社大手5社の2016年3月期連結決算では、各社が計上した減損損失が約1兆2000億円に膨らんだ。商品相場が大幅に下げ、資源ビジネスへの打撃となった。三菱商事と三井物産は初の連結最終赤字となり、その結果、資源分野の痛手が小さかった伊藤忠商事が純利益で初めて商社首位に立った。
多額の減損損失が重荷となり、5社の純利益合計は1443億円と前の期(1兆400億円)比で86%減少した。
三菱商事の連結最終損益は1493億円の赤字(前の期は4005億円の黒字)だった。銅価格の下落を受けてチリの銅鉱山の資産価値を見直すなどし、合計4260億円の減損損失を計上した。三井物産も資源関連などで3500億円の減損処理をしたため、最終損益は834億円の赤字(前の期は3064億円の黒字)となった。
17年3月期は5社の純利益合計が1兆600億円と前期の7倍強に膨らむ見通し。業績は急回復するものの前期に多額の減損損失を計上した反動の面が大きく、収益力の底上げには各社が目標とする食料などの非資源事業をどう育てていくかが課題となる。
→ 因みに、伊藤忠の16年3月期の純利益は、2403億円と商社でトップに躍り出た。
岡藤社長は、17年3月期が勝負と鼻息が荒い。