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アトピー性皮膚炎の治療法のまとめ

2022年10月01日 | 医薬

アトピー性皮膚炎の治療法についてまとめてみたい。1996年に約36万人とされていたアトピー性皮膚炎の患者数は2017年には約45万人と11年で9万人近く増加しています。


アトピー性皮膚炎は残念ながら医学的に完治する薬はないとされており、症状や治療も個人差が激しく治療が難しく且つ長期に渡るとされている。


アトピー性皮膚炎の治療は、「薬物療法・スキンケア・悪化要因の対策」の3つが基本とされている。


「薬物療法」は以下の4つが主なものとされている。


薬物療法① ステロイド外用薬

ステロイドは「副腎」という臓器で作られるホルモンで、身体にとって必要不可欠なもの。このステロイドの働きのひとつに、炎症を抑える効果があります。これを利用した薬が「ステロイド外用薬」。

ステロイドと聞くと怖い副作用を心配される方も多いと思いますが、このような症状が起こるのは内服薬を長期間使用した場合であり、外用薬の場合ではありません。

適切な使用方法を守らずに強いステロイド外用薬を長期間使用し続けると皮膚が薄くなっていきますが、使用を中止すれば元の状態に戻ります。また、皮膚に感染が起こりやすくなることも知られていますが、感染が起きた場合は抗菌薬や抗真菌薬を含む外用薬を塗布することで治療できるとされています。

ステロイド外用薬の強さには段階があり、年齢や塗る場所、皮膚の重症度によって適切なものを選択します。使用方法は様々ですが、一般的に顔など皮膚の薄い所には弱めのステロイドを、手足などには比較的強めのものを使います。

湿疹が残っているうちはステロイドをしっかり使って皮膚をつるつるの状態にします。その後、皮膚が薄くなるという副作用を避けるために、1~2日おきに塗るなど、ステロイドを使用する間隔をあけていく。

最終的にステロイドを使わず保湿剤のみで、きれいな皮膚を維持できることを目指します。



薬物療法② 免疫抑制外用薬(タクロリムス水和物軟膏)

「免疫抑制外用薬」である「タクロリムス水和物軟膏」にもステロイドと同じように、皮膚の炎症を抑えて症状を改善させる効果がある。
ステロイド外用薬のように皮膚が薄くなるという副作用がないため、顔などに多く使われる。

比較的新しい薬ですが、2歳以上の小児であれば安全に使用できることが分かってきている。

免疫抑制剤であるため、塗布している場所の毛穴に細菌が感染する毛のう炎や、ヘルペスウィルによる皮膚の感染が起きる可能性がある。しかし、使用法を守れば,全身の免疫を抑制することは少なく,重症な感染症にかかりやすくなるということはないとされている。


薬物療法③ 抗ヒスタミン薬の内服

抗ヒスタミン薬の内服は、皮膚のかゆみを抑える効果があります。眠くなりやすい特徴があるため、就寝前に内服すれば、かゆみによる睡眠障害に対しても効果的であるとされている。

ただし、ヒスタミンは皮膚のかゆみの原因となる物質の一つにすぎないため、抗ヒスタミン薬内服では十分にかゆみが抑えられない場合もある。


薬物療法④デュピルマブの注射


最近、日本でも認可された薬としてデュピルマブ(dupilumab、商品名デュピクセント Dupixent)がある。

中程度、重症者に限って使用される。米国で2017年。日本では2018年に認可された。


リジェネロンフアーマシューティカル社とサノフィ・ジェンザイム社によって開発されたこの薬は、効果が高いとされている。

副作用にはアレルギー反応、口唇ヘルペス、角膜の炎症がある。

治療費が高額であることから治療をためらう人も多い。



薬物療法の主なものは以上である。


次に民間療法に位置付けされるスキンケア、食事について述べる。


民間療法①スキンケア

スキンケアの基本は、皮膚を洗うことで刺激物(汗、皮脂、細菌、アレルゲンなど)をしっかりと落とし、保湿剤や外用薬の塗布を適切におこなうことです。123回のスキンケアが望ましい。

皮膚を洗う際には、よく泡立てた石けんで、もむようにしっかりと全身を洗うことが大切です。しわのあるところは伸ばして、目や耳の周りも丁寧に洗い、石けんが残らないように洗い流します。洗った後は、必ず外用薬や保湿剤を塗るようにします。

保湿剤は皮膚のきれいな状態を維持するために非常に重要です。もし塗布しても症状に改善が見られない場合は、保湿効果が弱い可能性や皮膚に合わない成分が含まれている可能性があるので医師に相談するとよい。


民間療法②

食事バランスに気を配る

バランスのよい食生活を心がけたい。特定の食べ物を食べた後に湿疹が悪くなる場合や、その他のアレルギー症状(じんましん、咳、呼吸困難、腹痛、嘔吐など)がみられるような場合は医師に相談してください。アレルギー検査や、食物除去などが必要になることがあります。

ただし、自己判断で食物を除去したり、離乳食の開始を遅らせたりすることは、栄養の偏りや成長障害を引き起こすばかりでなく、かえって食物アレルギーの発症や悪化の要因となる可能性があるため、まずは医療機関で相談することが重要です。


民間療法③  ミネラル補給

効果効能については人によるが、必須ミネラルであるマグネシウムを摂取するとアトピー性皮膚炎入浴の症状が改善したという報告がされている。


東京慈恵会医科大学客員教授 横田邦信氏は下記のように述べている。

https://www.google.com/amp/s/medical.jiji.com/topics/amp/2378


以上、アトピー性皮膚炎の治療について主なものをまとめてみました。

参考にして頂ければ幸いです。




人間の脳神経細胞におけるジャワしょうがの働きについて

2022年08月14日 | 医薬

人間の脳神経細胞におけるジャワしょうがの働きについて


【要旨】

国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研) バイオメディカル研究部門 脳機能調節因子研究グループ 研究グループ長の波平昌一氏は、ジャワしょうが抽出物を人間の脳神経細胞を使って試験を行ったところ、神経細胞への分化と神経突起の伸長を促す効果があることを発見した。

更に、ジャワショウガ 抽出成分が細胞内のβ(ベータ)-カテニンと呼ばれるタンパク質の機能を活性化することで、神 経細胞への分化を促しているという効能発揮の仕組みも突き止めた。脳内のβ-カテニンの活性化 はアルツハイマー病の症状改善に繋がる可能性があることが報告されているため、今後、アルツ ハイマー病などの認知症の治療や予防への貢献が期待される。


詳細は、産総研のHPに記載されています。


https://unit.aist.go.jp/bmd/result/PDF/Hirano%20&%20Namihira%2020200710.pdf


脳神経細胞は増えるのか

2022年04月21日 | 医薬

脳神経細胞は増えるのかについて2018年に米国コロンビア大学から重要な論文が発表された。


Even Old Brains Can Make New Neurons, Study Finds

https://www.cuimc.columbia.edu/news/even-old-brains-can-make-new-neurons-study-finds


以下は、これを伝える2018410日付のnews weekの記事である。

https://www.newsweekjapan.jp/amp/stories/world/2018/04/post-9932.php?page=1


=以下引用=

脳神経細胞、年齢に関係なく増え続けることが判明

2018410日(火)1911分 松丸さとみ


<米コロンビア大学の研究で、脳神経細胞は年齢を重ねても新しく生まれると突き止められた>

育ち切っていないニューロンが高齢者の脳に大人になると脳細胞は増えることがなく死滅する一方だ、というのがこれまで通説になっていた。しかしこのほど発表された研究により、人間は年齢にかかわらず生涯ずっと脳の神経細胞(ニューロン)を増やしていることが分かった。

米コロンビア大学で神経生物学を教えるモーラ・ボルドリーニ准教授が、45日付の学術誌「セル・ステム・セル」に発表した。

研究チームは、生前健康だったが事故で突然亡くなった1479歳の28人の海馬(記憶や学習を司る脳の部分)を検視した。

コロンビア大学の報道発表文によると、これまでこの分野の研究では、新たに生まれるニューロンの数は歳とともに減り、ある程度の年齢に達すると増えることは全くなくなると一般的に考えられていた。

神経画像の研究では、成人の海馬が成長を続ける様子が見られたものの、これは新しいニューロンが発生しているというより、「既存のニューロンが大きくなったもの」または「血管や脳内の支援組織が拡大したもの」と見る科学者が多かったという。

そのため、ボルドリーニ准教授は今回検視を行なった際に、そのような結果が見られるだろうと予想していたという。

しかし実際は、「私たちが調べた最年少の人と最高齢の人のいずれにおいても、ニューロン前駆細胞(のちにニューロンになる細胞)や、まだ成長途中のニューロンが何千個と見つかった」と准教授はコロンビア大学の報道発表で述べている。英紙インディペンデントは、海馬のサイズも年齢による違いが見られなかったと伝えている。

エクササイズや食べ物で脳機能が改善も

ただし、年齢で違いが見られた部分もあった。血管の数や神経同士のつながりが、年齢が高い方が少なかったのだ。つまり、脳は年齢にかかわりなく新しいニューロンを作ることができるが、ニューロン同士で新しいつながりを作る力や酸素を運ぶ能力は衰えるということだ。そしてこれが、歳とともに認知力などが衰える理由だと考えられるという。

さらなる研究が必要ではあるが、脳内での血流の改善がこうした衰えに有効であり、エクササイズや食生活、薬などが改善に役立つだろう、とボルドリーニ准教授は述べている。なおタイム誌によると、身体的なエクササイズが認知能力の衰え防止に有効だとの研究結果が過去に複数発表されている。

しかし前述のインディペンデント紙は、今回の研究が発表されたわずかひと月前に、これと全く逆の研究結果が発表されていたと指摘している。

海馬における新しいニューロンの発生は子供の頃に急激に減り、成人では検知できないレベルにまで下がる、という研究結果を、カリフォルニア大学の研究者が今年3月にネイチャー誌に発表したのだ。

この研究を行ったショーン・ソレルズとメルセデス・パレーデの両博士はインディペンデントに対し、「もし成人の人間の海馬でニューロンが発生し続けるのなら、非常に珍しい現象だ」と話し、ボルドリーニ准教授の研究結果には同意しない姿勢を示した。しかし同紙によると一方で他の科学者らは、今回の研究で明らかになったことが将来的にアルツハイマーなど神経学的な疾患の新たな治療に役立つだろう、と期待していると伝えている。


=以上引用=


脳というのは大腸と同様、私にとって興味ある臓器だ。この発見は、これまでの常識を覆す発見で、今後、社会問題となる認知症、特にアルツハイマー型認知症の治療法に活路を見出すことになる。


脳神経細胞は年をとっても増えるのか?

2020年04月08日 | 医薬

脳神経細胞は増えるのかについて今から2年前にコロンビア大学から重要な論文が発表された。

Even Old Brains Can Make New Neurons, Study Finds
https://www.cuimc.columbia.erdu/news/even-old-brains-can-make-new-neurons-study-finds

以下は、これを伝える2018410日付のnews weekの記事である。
https://www.newsweekjapan.jp/amp/stories/world/2018/04/post-9932.php?page=1

 

=以下引用=

脳神経細胞、年齢に関係なく増え続けることが判明

2018410日(火)1911 松丸さとみ

<米コロンビア大学の研究で、脳神経細胞は年齢を重ねても新しく生まれると突き止められた>

育ち切っていないニューロンが高齢者の脳に

大人になると脳細胞は増えることがなく死滅する一方だ、というのがこれまで通説になっていた。しかしこのほど発表された研究により、人間は年齢にかかわらず生涯ずっと脳の神経細胞(ニューロン)を増やしていることが分かった。

米コロンビア大学で神経生物学を教えるモーラ・ボルドリーニ准教授が、45日付の学術誌「セル・ステム・セル」に発表した。

研究チームは、生前健康だったが事故で突然亡くなった1479歳の28人の海馬(記憶や学習を司る脳の部分)を検視した。

コロンビア大学の報道発表文によると、これまでこの分野の研究では、新たに生まれるニューロンの数は歳とともに減り、ある程度の年齢に達すると増えることは全くなくなると一般的に考えられていた。

神経画像の研究では、成人の海馬が成長を続ける様子が見られたものの、これは新しいニューロンが発生しているというより、「既存のニューロンが大きくなったもの」または「血管や脳内の支援組織が拡大したもの」と見る科学者が多かったという。

そのため、ボルドリーニ准教授は今回検視を行なった際に、そのような結果が見られるだろうと予想していたという。

しかし実際は、「私たちが調べた最年少の人と最高齢の人のいずれにおいても、ニューロン前駆細胞(のちにニューロンになる細胞)や、まだ成長途中のニューロンが何千個と見つかった」と准教授はコロンビア大学の報道発表で述べている。英紙インディペンデントは、海馬のサイズも年齢による違いが見られなかったと伝えている。

エクササイズや食べ物で脳機能が改善も

ただし、年齢で違いが見られた部分もあった。血管の数や神経同士のつながりが、年齢が高い方が少なかったのだ。つまり、脳は年齢にかかわりなく新しいニューロンを作ることができるが、ニューロン同士で新しいつながりを作る力や酸素を運ぶ能力は衰えるということだ。そしてこれが、歳とともに認知力などが衰える理由だと考えられるという。

さらなる研究が必要ではあるが、脳内での血流の改善がこうした衰えに有効であり、エクササイズや食生活、薬などが改善に役立つだろう、とボルドリーニ准教授は述べている。なおタイム誌によると、身体的なエクササイズが認知能力の衰え防止に有効だとの研究結果が過去に複数発表されている。

しかし前述のインディペンデント紙は、今回の研究が発表されたわずかひと月前に、これと全く逆の研究結果が発表されていたと指摘している。

海馬における新しいニューロンの発生は子供の頃に急激に減り、成人では検知できないレベルにまで下がる、という研究結果を、カリフォルニア大学の研究者が今年3月にネイチャー誌に発表したのだ。

この研究を行ったショーン・ソレルズとメルセデス・パレーデの両博士はインディペンデントに対し、「もし成人の人間の海馬でニューロンが発生し続けるのなら、非常に珍しい現象だ」と話し、ボルドリーニ准教授の研究結果には同意しない姿勢を示した。しかし同紙によると一方で他の科学者らは、今回の研究で明らかになったことが将来的にアルツハイマーなど神経学的な疾患の新たな治療に役立つだろう、と期待していると伝えている。

 

=以上引用=

 

脳というのは大腸と同様、私にとって興味ある臓器だ。つい2年前にこれまでの常識を覆す発見で、今後、社会問題となる認知症、特にアルツハイマー型認知症の治療法に活路を見出すことになる。


手洗いの大切さを説いた悲劇の医師のこと

2020年03月27日 | 医薬
センメルヴェイス(1818-1865)は手洗い法が死亡率を1パーセント未満にまで下げられる科学的な証拠を数多く示したが、この方法は当時の医学界に受け入れられず、むしろ彼に怒りを示したり嘲笑したりする医師さえいた。1865年、センメルヴェイスは神経衰弱に陥り、精神科病棟に入れられた。そしてここで衛兵から暴行を受けた際の傷がもとで、47歳にして膿血症で死去した。しかし彼の死後数年を経て、ルイ・パスツールが細菌論を、ジョセフ・リスターが消毒法を確立し、センメルヴェイスの理論は広く認められるようになった。(出典: Wikipedia)

【告知】瀉血専門クリニック☆青山からだのクリニックのご紹介

2018年12月04日 | 医薬


 青山からだのクリニックのご紹介

このクリニックは東京でも珍しいドクターによる瀉血を行っているクリニックです。
瀉血は、老廃物のたまった血を吸い出すことで肩や腰の凝りを取ったり、アトピー性皮膚炎
にも効果があることから医療リスクの少ない治療法として注目されています。
また、院長が女医さんですから女性の悩みの強い味方になってくれます。

特に院長の村田先生は出術が得意で、粉瘤(ふんりゅう)の切除手術は殆ど傷あとが残らず
あっという間に手術が終わります。

場所は、表参道駅または外苑前駅から徒歩8分の非常に交通の便のよいところにあります。

お問合せは、下記クリニックまで。
 電     話: 03-3401-7758
 フリーダイヤル: 0120-328-928

 クリニックのHP: https://karadaclinic.co.jp/


1.医療法人概要
【法人名】医療法人社団愛燦会 青山からだのクリニック

【住 所】東京都港区南青山4-10-14 アルファゾーンビル1F
【理事長&院長】村田 朋子
【設 立】2013年9月
【診療科目】形成外科、美容皮膚科、美容外科、内科、皮膚科、各種検査
      (保険診療と自由診療の両方を行っています)
       上記に加え、医師による瀉血を自由診療で行っています。

【特  徴】
 1.表参道と外苑駅(徒歩8分程度)の中間に立地する非常に便利な場所にあり、外観、内観ともに非常に美しいクリニックです(広さ約70坪)。
   芸能人、セレブ患者が多いです。
 2.医療機器は下記を装備
   QスイッチNd YACレーザーメドライトC6
   炭酸ガスレーザー CO2エスプリ
 3.瀉血(しゃけつ)専門クリニックとして有名。

https://karadaclinic.co.jp/

【アクセス】 
  表参道駅 A4出口より徒歩8分
  外苑前駅 1A出口より徒歩8分

  

 


子供の医療費、助成拡大続く 市町村3割、高校まで 日本経済新聞

2018年06月07日 | 医薬
子供の医療費、助成拡大続く
市町村3割、高校まで 日本経済新聞 朝刊2018/6/7 2:00

 全国の自治体が子どもの医療費に対する助成を拡大している。2018年4月時点の状況を調べたところ、すべての市区町村が助成を実施。このうち高校生まで助成する市区町村は全体の3割にあたる536に上り、厚生労働省の直近の調査(16年4月時点)に比べて4割増えた。特に地方で対象拡大が目立ち、住民獲得が目的になっている。医療費負担の過度な軽減は安易な受診にもつながり、医療費が一段と膨らむ要因にもなる。



 国が定める医療費の窓口負担は小学校に入るまでの未就学児が2割、小学生以上は3割。ただ市区町村が独自に助成し、無料にしたり受診1回あたり500円に抑えたりすることが多い。

 都道府県への聞き取り調査や自治体の公表資料をもとに今年度の通院医療費の状況を集計したところ、市区町村の9割が小学校卒業後も助成。16年と比べると高校生まで助成する自治体が4割増える一方、未就学児だけに助成する自治体は半分以下に減っており、対象を広げる動きが進んだ。

 医療費助成の対象が広がり始めたのは07年で、東京都が中学生まで助成する制度を導入。千代田区は11年度に高校生まで無料にした。これが次第に全国に波及し、今は福島県などは全市町村で高校生まで助成している。

 高校卒業後にも助成する市町村もあり、茨城県境町と奈良県山添村は20歳まで、北海道南富良野町で22歳まで対象だ。

 市町村の医療費助成はもともと乳幼児が対象だった。経済的な理由で受診を控え、子どもが亡くなる事態を防ぐのが目的だった。いまは人口減少に危機感を抱く自治体が住民を呼び込む手段になっているのが実態だ。

 今年4月に助成対象を18歳まで引き上げた大分県豊後高田市は「子育て施策の一環。定住促進も含めて人口増が目標だ」と説明する。山形県鮭川村は「他の市町村と足並みをそろえて子育て世代をつなぎ留める面もある」と話す。

 18年度の医療給付費は39兆2千億円と16年度に比べて1兆3千億円増える見込み。患者負担が無料になると安易な受診が広がり、医療費は一段と膨らみかねない。厚労省は全自治体が高校生まで無料にすると、医療給付費は助成がない場合に比べて8400億円増えると試算している。

 厚労省は独自に助成する自治体への「ペナルティー」として、国民健康保険の国庫負担を減額している。しかし歯止めはかからず、むしろ助成競争の様相だ。人口減で厳しさが増す自治体財政が悪化する懸念もある。

 医療費が増えるツケは保険料を納める国民や企業、納税者の負担増となって回る。育児支援として子どもの医療費負担を軽減するなら、高齢者向け給付を減らして財源を捻出するなど社会保障全体の再設計が必要だ。


診療報酬1%弱下げへ

2017年12月13日 | 医薬

診療報酬1%弱下げへ
医療費4千億円削減
2017/12/13 02:02 共同通信



 政府、与党は12日、医療機関に支払う診療報酬について、来年4月の改定で全体を1%弱引き下げる方向で最終調整に入った。薬の公定価格である「薬価部分」を1.3%程度引き下げる一方、医師らの技術料や人件費に当たる「本体部分」は0.55%アップさせることも判明。差し引きではマイナスとする。税金や保険料、1~3割の患者負担を合わせた医療費4千億円程度の削減につながる。

 全体引き下げは2016年度の前回改定に続き2回連続。社会保障費の膨張を抑えつつ、本体部分は前回改定の0.49%増を上回る形にして自民党の有力支持団体の日本医師会(日医)に配慮を示す狙いがある。

来年度予算 診療報酬引き下げなどを提案 10月25日 16時37分 NHKニュース

2017年10月27日 | 医薬
来年度予算 診療報酬引き下げなどを提案
10月25日 16時37分 NHKニュース

財務省は来年度の予算編成に向けて、高齢化で膨らみ続ける医療や介護などの社会保障費を抑える見直し案を明らかにしました。医師の収入などになる「診療報酬」について、一般の賃金や物価の伸びを上回る上昇が続いてきたとして引き下げを提案し、今後、厚生労働省などと調整を進めることになりました。
見直し案は、25日開かれた財務大臣の諮問機関、財政制度等審議会で財務省が示しました。来年度の予算編成では歳出の3分の1、32兆円余りを占める医療や介護などの社会保障の伸びを抑えることが引き続き最大の課題になっています。

このため、医療分野では病院などに支払われる「診療報酬」を来年度、2%台半ば、金額に換算して1兆円以上引き下げるよう提案しました。民間企業の賃金や物価の水準がほぼ横ばいで伸び悩む中、医師の収入などになる報酬は上昇が続いてきたと指摘し、引き下げが必要だと指摘しています。

また、再来年度以降に行う見直し案として、75歳以上の高齢者の追加の負担を打ち出しました。病院にかかった際窓口で支払う自己負担を、今の原則1割から段階的に2割に引き上げるべきだとしています。

介護の分野でも、介護サービスを提供する事業者に支払われる「介護報酬」について、引き下げを提案しました。

さらに、子育て支援の分野では、中学生までの子どもがいる世帯に支給される「児童手当」について、所得が高い世帯への支給を廃止するよう提案しました。

また2020年度末までに32万人分の保育の受け皿を新たに整備するため、企業が負担している拠出金の引き上げも提案しました。

財務省は、これから年末にかけて厚生労働省などとの調整を進めますが、報酬の引き下げは日本医師会などからの反発が予想され、来年度の予算編成の大きな焦点になる見通しです。
診療報酬と介護報酬
財務省が示した社会保障費の見直し案の柱になるのは来年度、2年に1度の改定が行われる「診療報酬」です。
「診療報酬」は、医療機関や薬局が受け取る「収入」にあたります。患者が窓口で支払う自己負担や、国民健康保険や健康保険組合が徴収する保険料、それに税金で賄われています。

診療報酬は医師の収入などになる「本体部分」と、薬の費用などにあたる「薬価部分」にわけられます。

(診療報酬)
財務省によりますと、デフレの影響などで賃金や物価水準が、この20年余りの間、ほぼ横ばいで伸び悩む中、診療報酬の「本体部分」は15%程度、上昇しています。
医療制度を持続させるためには是正が必要だと指摘しています。

高齢化や高度な医療機器の導入などで医療費は、毎年2.6%程度、金額にして1兆1700億円の増加が見込まれることから、財務省は来年度の診療報酬改定で1兆円以上引き下げたいと提案しています。
このとおり決まれば3.16%引き下げた平成18年度以来、12年ぶりの大幅な引き下げとなります。

(薬価改定)
また薬の部分では、新しく開発された薬については価格を高めに設定していますがこれが医療費の増加につながっているとして、薬の効き目などを見て価格を決める新たな仕組みを作るべきだとしています。

(介護)
介護の分野でも来年度、介護サービスを提供する事業者に支払われる「介護報酬」の改定が予定されています。「介護報酬」は、職員の処遇を改善し賃上げが必要だとして、今年度の臨時の改定を行って報酬を1%余り、上乗せしました。財務省は、来年度の改定ではこの上乗せを考慮に入れたうえで介護保険料の負担や利用者の負担を軽減するために、掃除や食事など生活援助のための訪問介護サービスの費用は抑えたいとして来年度はマイナスの改定を提案しています。
75歳以上の自己負担
財務省は、来年度の見直しとは別に、75歳以上の高齢者が窓口で支払う医療費の引き上げも打ち出しました。高齢者の医療費は、現役並みの収入がある人は、窓口で支払う自己負担が3割になっています。

それより収入が低い人についても平成26年度から70歳から74歳の人について、自己負担を1割から2割に引き上げる見直しが段階的に進んでいます。
75歳以上の後期高齢者は、これまでどおり1割のままです。

財務省は、今後75歳以上の高齢者が増えるにつれ、現役世代の保険料や税の負担が重くなっていくとして、世代間の公平性の面からも75歳以上の高齢者の自己負担を2割にするべきだとしています。

再来年度以降、75歳になる人から適用し、すでに75歳以上の人も数年かけて段階的に負担を引き上げることを提案しています。
子育て分野の見直し案
子育て分野についての見直し案です。
政府は、待機児童の解消に向け、2020年度末までに32万人分の保育の受け皿を新たに確保することを目指しています。目標の実現に向けて財務省が検討しているのが、企業が中心になって保育所を作り従業員の子どもなどを預かる「企業主導型保育」の拡充です。

整備の費用に充てるためすでに企業から拠出金を集めていますが、財務省は、子育てを社会全体で支援していくために企業に追加の負担を求めたいとしています。

その一方で中学生までの子どもがいる世帯に支給される「児童手当」について、所得が高い世帯にも特例として、月5000円支給している「特例給付」の廃止を提案しました。

子どもが2人いる4人家族の場合を例に見ますと、財務省は主な稼ぎ手の所得が960万円以上の世帯は手当てを廃止したい考えです。
これによって500億円近くの財源を確保し、保育所の拡充などの費用に充てるとしています。
生活保護の分野の見直し案
生活保護の分野の見直し案です。
生活保護を受けている人は医療費の負担がなく全額、公費で賄われています。財務省は、病気や障害があって生活保護を受けている人を考慮したうえで、比較的、軽い不調でもひんぱんに病院を利用する例も一部に見られるのではないかと指摘しています。

このため財務省は、病院の受診の状況を見ながら人によっては医療費の一定額を一時的に自己負担してもらい、あとで返金する新たな制度を提案しました。
医療費負担増 高齢者は心配
医療費の自己負担を引き上げる議論について、75歳以上の高齢者からは生活への影響を心配する声が上がっています。

東京・板橋区に住む橋本富子さん(89)は、夫の幹雄さん(85)と2人で暮らしています。子どもはおらず、1か月の収入は2人の年金を合わせたおよそ16万円です。

夫の幹雄さんは高血圧や前立腺肥大など複数の持病があり、定期的に病院に通っていて、毎月、5000円から8000円の医療費を支払っているということです。
さらに2人はデイサービスに通ったり、ヘルパーの支援を受けたりしていて、毎月およそ6万円の介護費用を負担しています。2人は、現在もできるだけ食費を切り詰めるなどして生活していますが、今後医療費の自己負担が2割に引き上げられて2倍になり、重い病気などをした場合は、さらに生活が苦しくなるのではないかと心配しています。

橋本富子さんは「これ以上自己負担が増えれば、病院に行く回数を減らさなければならないかもしれず、不安は大きい」と話しています。