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MA by So Shi Te 

南青山のインテリアショップ MA by So Shi Te のブログです!
毎日の出来事を綴らせていただきます。

Philadelphiaからのお客様

2011-09-13 22:23:47 | Personal
数日前70近いと思われる白人男性がご来店。
キチっとシャツを着たちょいと太った白髪の方。
にこやかな笑顔が印象的。

外国人男性一人で入ってくることは少なく、
なんか気になった。

男性は巴瓦に興味津々、
鶴が気に入ったご様子。

話かけてみると、
Philadelphiaから息子さんを訪ねて東京に来たとのこと。
 東京最後の日に近所を散歩していて、
  ふらりと弊店に立ち寄ったようだ。

Philadelphiaと言えば数年前に前職で訪問した街。
当時現地採用の60近いアメリカ人男性スタッフと
2人で放浪することが多かった。

何時間もドライブをしながら、
 新規客先開拓に現地メーカーにプレゼンテーションをして回った。
 
そんな訪問先の一つだったPhiladelphia,
やはり自動車系のメーカーへのプレゼンテーションがあったけれど、
 ぽっかりと半日自由な時間ができたので街を観光したり、
 名物というチーズバーガーを食べたりちょっとしたひと時を楽しんだ街。

イギリスの影響が強く、
 街並みは凄くイギリスに似ていて、
 なんだか落ち着く街だった。

そんなPhiladelphiaから来た男性。

息子は13年前から日本に住み着いてしまったんだよ。
と何処となく寂しそうな彼。
でも本人はこの国が好きだよとのこと。

一人息子を訪ねて毎年日本に訪ねてくるのが楽しみなのだとか。

やはり店内をじっくり見て周り、
やはり決めたのは鶴の巴瓦。

凄く大きく重い瓦を飛行機で持ち帰ろうとする男性、
本当に大丈夫かと何度確認しても彼の意思は変わらない。
  何故にこんなに重い瓦?!?!

長旅に備えて厳重に梱包、
手提げを付けてあげて重さを確認。
笑顔で大丈夫!だって。
マジで⁈

店内にいる間にいつの間にかにどしゃぶりの雨が降り、
 そして気が付いたらその雨も不思議と止んでいた。

お会計が済むと、
 その重い瓦を片手に気遣う自分に笑顔で 
 息子は直ぐそこに済んでいるから大丈夫、
  と手を振って歩き出した。

遠くに消えていく彼、
 気になってもう一度外を見ると、
 両手で重い瓦を抱えて歩いている彼が見える。
  既に国道246に出て、右に曲がるところだった。

んっ?!246を右に曲がったらマンションは無いぞ?!
 心配になってお店を閉めて自転車で追いかけることに。

自転車で246に出ると、
 あっという間にその男性に追いつく。
 かごに重い瓦を乗せて、
  息子さんのご自宅まで一緒に歩くことに。
  そこは徒歩10分位の所だった。
  やっぱり思ったより遠かった。

一緒に歩きながら世間話をしていると、
 義理の娘さんが翌週には出産の予定があるとのこと。
 この瓦はその生まれてくる子への最初のプレゼント。

鶴の模様が綺麗な巴瓦。
 意外な行く先にちょっぴり心が和む。
 一時帰国をしている義理の娘の出産に合わせて持ち帰る瓦。
  まるで重大な使命を全うするかのように、
  重い瓦を持ち帰る男性。
  
あの短い雨はなんだったのだろう?
 その男性も気づかなかった雨。
 












コメント (2)
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