ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

GREEとau、その狙いと本質的な違い

2006年08月02日 | コンテンツビジネス
PCだとかモバイルだとか、そういったデバイスの垣根を越えてネットサービスを提供することがいよいよ本格化する時代を迎え、更に様々なプレイヤーの合従連衡が入り乱れ始めたようだ。mixiに差をつけられているとはいえ、国内SNS NO.2のGREEとNO.2携帯キャリアのauが提携するとのこと。果たしてこの提携は「吉」と出るのか。

KDDI、グリーに出資--携帯電話におけるSNS事業を本格展開 - CNET Japan

原則的に考えるのであれば、SNSはもちろんネット上で提携するサービスは、通信インフラの違いを乗り越えてより多くの人に利用してもらった方がいいに決まっている。事実、PC向けにサービスを提供してきた事業者は、Yahoo!やNTTといったインフラの違いを超えて、「インターネット」上でサービスを提供してきたし、ロングテールのような新しい潮流を産み出しているのも、そうすることでより多くのユーザーを囲い込めるからだ。

逆に、通信キャリアにとっては価格競争以外の軸として、他キャリアにはない独占的なコンテンツを持ちたいと考えるかのが当然だ。
つまり本来、この両者の狙いというものは噛み合わないはずなのだ。では、何故、結び付いたのか?

GREE側からすれば、何といってもauの顧客基盤が欲しいと言うことに尽きるだろう。差をつけられたとはいえmixiの会員数は500万人を超えたばかり。これに対しau加入者数はは2300万以上。もちろん全員が利用することはないにしろ、これらの顧客に対しリーチしやすくなるというのは大きい。またPCを殆ど使わないユーザーも多いわけで、彼らを巻き取れるとしたらこの提携は大きな意味があるといえるだろう。

au側にとっては主に2点。1つは、PC側で大きな勢力となっているSNSのノウハウを手に入れることができ、他社との差別化をはかることができるという点。もちろん自社で直接提供するという方法もあるが、今後のクロスプラットフォーム時代を考えると、必ずしも自社でやる必要はない。

もう1つは、コンテンツ分野での競争の基盤確保。LISMOにしろ、オークションにしろ、今やauの競争相手はドコモのようなキャリアだけではなく、ネットサービス提供事業者でもある。携帯という圧倒的な「おサイフ」機能を有しながらも、PCを含めたネットサービス事業では必ずしも強いわけではない。GREEサイトを通じて、自社サービスの利用者を増やしたい、PC側を含めたネットサービスでもユーザーを獲得したいというところだろう。

とはいえ、もともとオープン指向とクローズド指向の両者なので、今後、具体的につめればつめるほど、実際に生み出せるシナジーは弱くなるかもしれない。結局、google検索がauだけでなくドコモとも組んだように、この指向の違いはなかなか埋まらないのだから。




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