goo映画で、映画の感想を書いているブログを収集し、紹介する「ネットの評判」が追加されたとのこと。この手の機能は決して真新しいとはいえないだろうが、このネット全体を1つのDB、あるいは集合知として捉えるあり方を示しているので、ちょっとまとめてみたい。
goo映画、文章解析で作品の総合評価を表示する「ネットの評判」
goo映画、作品の評判をブログから抽出・分析する機能 - ITmedia News
goo映画は映画情報を無料で提供するサイトで、Y!映画や映画生活などと同様、地域ごとの映画館情報や現在・過去の作品情報などが提供されており、そもそもユーザーのニーズに応じてDBからの情報を加工し提供するというサイト。しかしこれまではさまざまなDBやコンテンツを持っているIPから情報を提供してもらい(=購入)、それを見やすく加工して提供するという形態をとってきた。
しかしこうした業界と結びつきのあるIPからのレビューなどでは、ある面では専門的な評価である一方、業界とのしがらみもあり、ユーザーの率直な声と乖離が生じることもある。そのためサイトに掲示板を用意しレビューを投稿してもらうという形を通じて、ユーザーの声を反映させるという試みだった。
とはいえ、こうした特定のサイトに投稿するというのは、ある意味、コアなユーザーだと言っていいだろう。偏りがあるとはいわないが、「みんなの声は案外正しい」的な発想からすればより多くのサンプルを集めるこ必要がある。
そこで登場するのが、ブログやSNS、掲示板などを通じてネット上に数多存在しているユーザーの「声」というデータベースを解析し、一般化・評価するというやり方だ。ここではネット全体を蓄積され・更新されるDBと見立てた上で、それを加工(分析・評価)し、提供していくことになる。
これはある意味、googleのアプローチと似ている。旧来のディレクトリー型の検索エンジン(Yahoo!)はある意味、自社に閉じた形でその一番のノウハウ(何を掲載し、何を掲載しないのか)を持っていた。そのため爆発的に増大するサイトに対して、ネットサーファーが閲覧したサイトのみがそのノウハウを活かすための対象となり(DB化)、それ以外のサイトはそもそも対象外となるという自体が発生した。このノウハウをより多くのサイトに適用するためには膨大なコストが発生することとなり、やがて衰退していくことになる(もっとも現在ではこのアプローチは再評価されてもいい気がするが)。
このアプローチは映画情報サイトで言うところの特定のIPからDBやコンテンツを調達し提供している状態にあたるだろう。自分たちでノウハウ(ここではその情報源)を抱えることで、他社との差別化やユーザーへのメリットを提供していこうとするのだ。
ディレクトリ検索が増大するサイトを適切に分類しきれなくなったように、特定のIPから得られる情報は(それはそれで価値があるのだけれど)、一般人の評価やブログなどで掲載される「口コミ」を適切に反映させれなくなった。暫定的にはサイト上に設置した「レビュー」といった機能で対応したもののやはり限界がある。
これに対してgoogleがとったアプローチは、ネットの1つのデータベースと見立てた上で、「リンク」と「重み」を軸に、ユーザーが求めている状態に評価・順位付けするというものだった。日々増大していくネットを前提に、分析・評価の基準と処理するための方法論を作り上げたのだ。つまりこの評価基準が適切である限り、DBがどれだけ成長しようと適切な結果を表示できるのだ。
今回のgoo映画のブログ解析というのは、googleのこうした方向性と同じものを目指しているのだろう。ネット全体を1つのDB、集合知として見立てることで、その材料からどう適切な結果を導き出すのか――これまでのコンテンツ(情報)勝負から、「切り口」の勝負へ、これからのネットの在り様を示しているといえるだろう。
社会をログ化・アーカイブ化するネットの世界 - ビールを飲みながら考えてみた…
goo映画、文章解析で作品の総合評価を表示する「ネットの評判」
goo映画、作品の評判をブログから抽出・分析する機能 - ITmedia News
goo映画は映画情報を無料で提供するサイトで、Y!映画や映画生活などと同様、地域ごとの映画館情報や現在・過去の作品情報などが提供されており、そもそもユーザーのニーズに応じてDBからの情報を加工し提供するというサイト。しかしこれまではさまざまなDBやコンテンツを持っているIPから情報を提供してもらい(=購入)、それを見やすく加工して提供するという形態をとってきた。
しかしこうした業界と結びつきのあるIPからのレビューなどでは、ある面では専門的な評価である一方、業界とのしがらみもあり、ユーザーの率直な声と乖離が生じることもある。そのためサイトに掲示板を用意しレビューを投稿してもらうという形を通じて、ユーザーの声を反映させるという試みだった。
とはいえ、こうした特定のサイトに投稿するというのは、ある意味、コアなユーザーだと言っていいだろう。偏りがあるとはいわないが、「みんなの声は案外正しい」的な発想からすればより多くのサンプルを集めるこ必要がある。
そこで登場するのが、ブログやSNS、掲示板などを通じてネット上に数多存在しているユーザーの「声」というデータベースを解析し、一般化・評価するというやり方だ。ここではネット全体を蓄積され・更新されるDBと見立てた上で、それを加工(分析・評価)し、提供していくことになる。
これはある意味、googleのアプローチと似ている。旧来のディレクトリー型の検索エンジン(Yahoo!)はある意味、自社に閉じた形でその一番のノウハウ(何を掲載し、何を掲載しないのか)を持っていた。そのため爆発的に増大するサイトに対して、ネットサーファーが閲覧したサイトのみがそのノウハウを活かすための対象となり(DB化)、それ以外のサイトはそもそも対象外となるという自体が発生した。このノウハウをより多くのサイトに適用するためには膨大なコストが発生することとなり、やがて衰退していくことになる(もっとも現在ではこのアプローチは再評価されてもいい気がするが)。
このアプローチは映画情報サイトで言うところの特定のIPからDBやコンテンツを調達し提供している状態にあたるだろう。自分たちでノウハウ(ここではその情報源)を抱えることで、他社との差別化やユーザーへのメリットを提供していこうとするのだ。
ディレクトリ検索が増大するサイトを適切に分類しきれなくなったように、特定のIPから得られる情報は(それはそれで価値があるのだけれど)、一般人の評価やブログなどで掲載される「口コミ」を適切に反映させれなくなった。暫定的にはサイト上に設置した「レビュー」といった機能で対応したもののやはり限界がある。
これに対してgoogleがとったアプローチは、ネットの1つのデータベースと見立てた上で、「リンク」と「重み」を軸に、ユーザーが求めている状態に評価・順位付けするというものだった。日々増大していくネットを前提に、分析・評価の基準と処理するための方法論を作り上げたのだ。つまりこの評価基準が適切である限り、DBがどれだけ成長しようと適切な結果を表示できるのだ。
今回のgoo映画のブログ解析というのは、googleのこうした方向性と同じものを目指しているのだろう。ネット全体を1つのDB、集合知として見立てることで、その材料からどう適切な結果を導き出すのか――これまでのコンテンツ(情報)勝負から、「切り口」の勝負へ、これからのネットの在り様を示しているといえるだろう。
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