私の手元に一つの月謝袋があります。
ピンク色のビニール製のもので、中に入っているカードに12ヶ月分の領収印を押すためのマスが施され、クマさんのイラストが描いてあるかわいいものです。
。。。
画像をとろうかな。。と思って。。。やめときました。。。。
なんか違うかな。。
それは。。って。。
って心のどこかから声がしたので。。
この月謝袋の持ち主は、もうこの世にはいません。。
blogでお話しするような内容ではないのかも知れませんが、あれから20年以上もたつので、今はお話ししてもいいような気がします。。
5月に領収印があり、6、7月はシールを貼っています。
8月にもう一度領収印があり、そのあとは空白。。。
ずっとしまい込んでいたので、劣化もせずきれいな状態で、昨日のことのようです。
あのころのことが、ありありと思いだされます。
6、7月に欠席・・と書くのが、なんとなく忍びない気がしたんです。。たしか。。
それで、印鑑と同じぐらいのサイズのかわいいシールを貼っておいたんです。
だってその子は、レッスンに来たかったんですよ。
ちょっと入院する。。と。。
で、8月にいったん復帰して、そのあと
「また検査入院だって。白血球がおちょくってるなぁって、先生が言ってた。」
と。
ポップな細密画を描く、ヒロ・ヤマガタの画集をお見舞いに渡したら、どれどれ・・・ってお母さんが、のぞいてる挿し絵付のお手紙をくれて、退屈な入院生活だけど、ちょっとした楽しみもあったのかな。。
ケーキをお見舞いに持って行ったとき、たまたま外泊中で留守だったので、「冷蔵庫に入れておいたよ」と置手紙をしておいたら、戻ってきた彼女から「先生ないよ~どこ~?」って、電話があって、みんなで使う共同の冷蔵庫に入れていたら、だれかに食べられちゃったみたいで、「また持っていくからね~」。。。それっきりになってしまいました。。
秋ごろお母さまから電話があり、
「うちの子のレッスンの時間を空けていただいていると思うんです。でも、先生のレッスンを待っている人がたくさんいるのに申し訳ないので、もう一度元気になったら連絡します。元気になったら。。。」
と、もう一度繰り返して言われたことが、今でも耳に残っています。
思い出すと、今は泣けます。
あのころは、あまりのことで、むしろあまり泣けなかった。。
今生きていれば、40歳てまえくらいで、きっと今いらっしゃってるお母さんたちと同じぐらいなんじゃないかな。。
今頃は、小さな子供たちのお母さんになっていたことでしょうね。
その子にプレゼントしたのと同じ画集も持っています。
たくさんの思い出もあります。
それに、いつも感傷に浸っているわけではありませんよ。
引き出しを開けて、あぁ・・あるな・・
お釣りもそのまま・・
復帰した時に渡そうと思っていたので、手元にあるんです。
その子が亡くなった後、お母様にどうしてもお渡しする気になれなくて・・
お休みしていた時の空白のマス目と、500円玉のお釣りが切なくて・・
20数年たった今、初めて、今年中学生になったばかりの子、数人に、
「この月謝袋、どう思う?」
って、見せてみました。
きっと、ピンクのくまさんが描いてある、かわいい月謝袋で、今使っているものとは違うな~とか、お釣りが入ってるな~とか、思ったでしょうね。
「この月謝袋の持ち主は、もうこの世にいないよ」
「え」
「中学生になるのを夢見て、小6の2月に亡くなったよ」
今過ごしている日常が、当たり前のことだと思ってるかもしれないけど、それは違う。
奇跡的なことなのです。
中学生になって、みんな忙しいくてたいへんだと思ってるかもしれないけど、この子にとっては、憧れてそしてかなわなかった夢。。
部活は何に入ろうかな?
とか、考えていたんですよ。。その子も。。
頭もよく、スポーツも万能で、思いやりのある、とてもイキイキした子でした。
私も新米講師だったし、その子も5歳から習い始めて、12歳でした。
。。
そこに何気なく置いてあるものだって、深い思いや、意味があることだってあるのです。
「あなたたちは、きっとお母さんがお料理作るときに、○○ちゃんが、こうしたら喜ぶだろうな。。とか、こんな風にしておいた方が食べやすいかな。。って、いっぱい工夫してくれていることも気付かず、食べてるでしょ。。何気なく見過ごしている日常の中に、大変な人々の思い、思いやり、工夫が隠されていることだってあるよ。。例えば楽譜に書かれている指使い一つとっても、大変な知恵や思いが隠されていることだってあるんだよ。。」
そういう私だって、気付かないことだらけだとは思いますが、、ね、、
最近こんなことばかりblogにかいているので、コンペどうなったのかな・・・あまり良くなかったのかな・・・と思っていらっしゃる方もあるかな・・
昨日、岡山(だったと思うけど・・)、A2で受けた子が、C級のY君の掲示があり、支部賞(トップ通過)までもらっていて、「この子すごく上手だったね。」と、掲示を見ている人たちが言ってたので、思わず「同じピアノ教室です!」と言いたくなるのを我慢しました。。って
で、その子も通過して喜んでいました。
ほかにも、数人、それぞれの級でトップ通過していたようです。
嬉しいけど、そんなに気にならなくなってきたな。。
と、、
ピティナが販売している毎年のCDも購入さえせず、、一応1週間ぐらい前にちょっと聴いておこうかな。。と思い、楽器店に問い合わせたところ、もう在庫がありませんと。。。まあいいか。。という感じで、今は、バレンボイムのモーツアルト変奏曲が流れております。。
心配している方がいらっしゃるかもしれないので、ご報告だけ。。
鳥取地区
A2級・・Kちゃん
A1級・・Aちゃん、Hちゃん、Nちゃん
B級・・K君、A君、Yちゃん、(T君奨励賞)
C級・・Hちゃん、Aちゃん、Kちゃん、Y君、(Kちゃん奨励賞)
D級・・S君、Kちゃん、Kちゃん(Rちゃん奨励賞)
E級・・Sちゃん、Hちゃん
F級・・Nちゃん
津山(何地区でしょう?)
Yちゃん、Hちゃん
岡山(何地区でしょう?)
Y君、Kちゃん
列挙し忘れてたらごめんね~(案の定、忘れていたので書き加えておきました。。他にもあるかも~ごめーん)
地区もイマイチ分かりません
まだこれから受ける子もいるようで、何回どこの地区でいつあるのか聞いても忘れちゃうしーー
今回奨励賞だった子など、いろいろ聞いてるとメンタルの面もあったようで、お父さんと道中ケンカしながら来て、コンペ前の2日間ぐらい精神状態が良くなかった。。とか、プールサイドでこけて指がパンパンに腫れ上がってたけど、頑張って弾いた。。とか、2年ぶりのコンペで、しかも発表会もステップも参加していなかった子は、実力はある子なんだけど、舞台に出てきたときから左手が全く振れてないなと思ったら、案の定力が半身に入っていて、途中左手が動かなくなっちゃったとか、頑張ろうと思いすぎて、いつも以上に力が入ったり、気持ちもたかぶり手も震えていたとか、いすの高さを直そうと思ったのに上手くいかず、焦ってそのまま弾いたら曲も焦って、バッハが思っていたテンポ設定より早くなってしまった。。とか、いろいろあるようです。。
いいんじゃないの。
これも人生勉強、心の勉強で、人は傷ついて強くなったり、輝きが増すものだからね。
とりあえず、みんな元気で生きているので。。
まずは、気付く人になろう。。私も含めて。。
きっと、若いお父様お母様たち、子供に育てられてる。。て、実感あると思いますけど、きっと、初めにお話しした月謝袋の持ち主。。。同じぐらいの年の方も、いらっしゃるかもしれませんね。
私たちは、今生きているんですよね。。。
では、この辺で。。
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