今日は、東京湾の常宿へ行くつもりで早起きしましたが、なんとなく体がダルく、その上海況情報を見ると洲崎灯台で北風16m。釣りはできると思いますが、そうとう寒そうなので自主的に出船取りやめにしました。でも行かない日は食うんだよな。
釣行記がかけないので、ちょっと苦い話を。
今はどんなに夢中になっていても所詮は道楽です。なんらかの理由でいつかは竿と置くときが来るのが道理というものです。過去に沖釣りにはまった友人たちの中で今でも続けている人は数少なくなってしまいました。
釣りを止める理由は、仕事で海外や海のないところに転勤になった場合や、家族や本人が病気などでいけなくなった、失業して釣りどころではない、他に興味のある道楽に目が移ったなど人それぞれです。
でもこれから紹介する話はちょっとおもむきが違うものです。
その方(仮にYさんとしておきます)は行きつけの床屋の親父さんで、もう30年以上も沖釣りのキャリアがあるベテランでした。そのころはある船宿のマダイ船に毎週通うご常連でもあり、ただ長く釣りをやっているというだけでなく、名人といっていいほど腕のいい釣り師でした。その床屋の壁には5キロ、6キロという大ダイの魚拓がところ狭しと張ってあり、竿頭も数しれず、何度もスポーツ紙でお名前を拝見しました。マダイを25枚釣った日もあったそうです。釣りの理論や海の知識も整然としたもので、マダイ釣りの基本はこの方から聞いたといってもいいくらいです。
Yさんに異変がおとづれたのは数年前のこと。床屋に行くと当然ながら釣りの話に花が咲くのですが、その日のYさんの顔色はすぐれたものではありませんでした。
私 「最近どうなの?釣ってる?」
Yさん 「それがさ、ここ一月、顔見てねーんだよ」
私 「何回いったの?」
Yさん 「4回かな」
私 「今食い渋いからね。水温上がればつれるでしょう」
当時ほぼ一月おきに床屋へいったいたのですが、その次行ったときもYさんの顔色はよくありませんでした。
私 「どー、あれから釣った」
Yさん 「ここんとこぜんぜんダメだ。もう二ヶ月もかおみてねぇ」
私 「・・・・・」
それからしばらくして、その床屋を訪ねてみると、なんとなく床屋の雰囲気がちがう・・壁にはってあった魚拓がなくなっているのです。
Yさんはいいました。「お宅は釣りいっているの?、俺はさぁ、釣りは卒業したよ。」
びっくりしました。
釣りの話となればあれほどいきいきとしていたYさんが釣りを止めるとは!
話を聞くには坊主が12回に及んだこと、その結果、なんとなく行く気がしなかったこと。そして釣りを止めるにいたったこと。
30年にもおよぶキャリアの最後が12連ボで終わるとは身につまされるものがあります。
坊主スパイラルは決して笑い事ではなく、大ベテランにて名人釣り師に引導を渡す恐ろしい魔物でもあるんです。
釣り雑誌やWEB上には魚を釣るためのさまざまな理屈が書かれていて、このブログでも自分なりのウンチクをたれているし、それらはある程度精度のあるものだと思うけれど、所詮は海の女神の掌上での遊びということを常に心に留めておく必要があると思うのです。
その後、何度もYさんを釣りに誘いましたが、かれは微笑むだけで、決して同船してはもらえませんでした。
釣行記がかけないので、ちょっと苦い話を。
今はどんなに夢中になっていても所詮は道楽です。なんらかの理由でいつかは竿と置くときが来るのが道理というものです。過去に沖釣りにはまった友人たちの中で今でも続けている人は数少なくなってしまいました。
釣りを止める理由は、仕事で海外や海のないところに転勤になった場合や、家族や本人が病気などでいけなくなった、失業して釣りどころではない、他に興味のある道楽に目が移ったなど人それぞれです。
でもこれから紹介する話はちょっとおもむきが違うものです。
その方(仮にYさんとしておきます)は行きつけの床屋の親父さんで、もう30年以上も沖釣りのキャリアがあるベテランでした。そのころはある船宿のマダイ船に毎週通うご常連でもあり、ただ長く釣りをやっているというだけでなく、名人といっていいほど腕のいい釣り師でした。その床屋の壁には5キロ、6キロという大ダイの魚拓がところ狭しと張ってあり、竿頭も数しれず、何度もスポーツ紙でお名前を拝見しました。マダイを25枚釣った日もあったそうです。釣りの理論や海の知識も整然としたもので、マダイ釣りの基本はこの方から聞いたといってもいいくらいです。
Yさんに異変がおとづれたのは数年前のこと。床屋に行くと当然ながら釣りの話に花が咲くのですが、その日のYさんの顔色はすぐれたものではありませんでした。
私 「最近どうなの?釣ってる?」
Yさん 「それがさ、ここ一月、顔見てねーんだよ」
私 「何回いったの?」
Yさん 「4回かな」
私 「今食い渋いからね。水温上がればつれるでしょう」
当時ほぼ一月おきに床屋へいったいたのですが、その次行ったときもYさんの顔色はよくありませんでした。
私 「どー、あれから釣った」
Yさん 「ここんとこぜんぜんダメだ。もう二ヶ月もかおみてねぇ」
私 「・・・・・」
それからしばらくして、その床屋を訪ねてみると、なんとなく床屋の雰囲気がちがう・・壁にはってあった魚拓がなくなっているのです。
Yさんはいいました。「お宅は釣りいっているの?、俺はさぁ、釣りは卒業したよ。」
びっくりしました。
釣りの話となればあれほどいきいきとしていたYさんが釣りを止めるとは!
話を聞くには坊主が12回に及んだこと、その結果、なんとなく行く気がしなかったこと。そして釣りを止めるにいたったこと。
30年にもおよぶキャリアの最後が12連ボで終わるとは身につまされるものがあります。
坊主スパイラルは決して笑い事ではなく、大ベテランにて名人釣り師に引導を渡す恐ろしい魔物でもあるんです。
釣り雑誌やWEB上には魚を釣るためのさまざまな理屈が書かれていて、このブログでも自分なりのウンチクをたれているし、それらはある程度精度のあるものだと思うけれど、所詮は海の女神の掌上での遊びということを常に心に留めておく必要があると思うのです。
その後、何度もYさんを釣りに誘いましたが、かれは微笑むだけで、決して同船してはもらえませんでした。