百合とオレンヂ城Ⅱ

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アルジェントソーマ その1

2006-07-01 17:10:00 | ジブリ 押井守 ハーモニー(伊藤計劃) サマーウォーズ フルメタルパニック
アルジェント・ソーマ
◆その1

 
 
 この「アルジェントソーマ」のシリーズ構成
の山口宏氏は「エヴァンゲリオン」でも
シナリオを書いていました。
 
 私にはこの「アルジェントソーマ」は数々の
謎を残した「エヴァ」への山口宏氏なりの答え
ではないかと思っています。


 
 監督は片山一良氏。ちなみに片山氏は庵野秀明
と一緒にナウシカ の音声解説をしています。
 
 
 
 時は近未来、なぞの生物エイリアンが
巡礼ポイントという、ある一点を目指して
宇宙から来訪していた。
 
 (誰だ使徒とか言うのは?)
 
 

■ようこそモルグへ

 科学者の主人公タクト・カネシロ(保志総一郎)は
恋人のマキ(桑島法子)とモルグという研究所を訪れる。
 そこにはエイリアンの死体のパーツを組み合わせて
作り上げた巨人『フランク』が横たわっていた。
 もっともタクトはマキに、
「こんな怪物の為にオレを避けていたのか?」
と冷たい言葉をはく。
 
 ミスからフランクは暴走、マキは亡くなってしまう。
 自らも重傷を負った彼の前にミスターX(竹村拓)
が表れ「メフィストフェレスのような」取引を持ちかける。
 


■「復讐か忘却かキミをどちらを選ぶのかな?」
 
 ミスターXは竹村氏の好演です。シェイクスピア
を引用し人を食ったようなところもあり、現実の人
か幻かわからない人物でしたが、実は、、、、。

 取引を受けたタクトは名をすてリウ・ソーマと名のる。
偽悪的な性格になり(復讐を行える程非情になれない)
ハカイダーの如く左右非対象の姿になって甦ります。
 あたかもフランケン・シュタインのように。
錬金術のように。
(タイトルのアルジェントは銀、ソーマは肉体、
不老不死の薬という意味)

 
 ミスターXのはからいで目指す仇
(ソーマ自身がフランクを、そう思っている)
『フランク』のいる、
『対エイリアン戦用組織・フューネラル』へと入隊。
 『ザルク』というメカを駆使してエイリアンを
倒すのですが・・・。
(フランクとも協力して)


「フューネラル」とは「葬式」
「ザルク」は「棺桶(かんおけ)」
という意味です。
 かなり皮肉がこめられていた事が後でわかります。

 
 二話でソーマの亡き恋人マキの面影を残す
少女ハティに(桑島法子)出会います。
 両親はすでに亡く祖父もエイリアンによって
亡くしてしまいます。
 全てを失くしたハティに

「帰る所はフューネラルしかない」

と冷たく言いいはなつソーマですが
結局は非情になりきれない男なので
ハティに手を差し伸べます。

 
 
 ここでみなさんは「エイリアンの正体は?」
と疑問を持っているでしょうが、
まずはフューネラルという組織について説明
したいと思います。
 
 この組織・国際統一連合軍の指揮におかれ
エイリアンを巡り、様々な国の駆け引きや思惑
が入り乱れています。
 隊長はイネスさん(妙ゆり)、なんと女性で
階級は少佐ですが聡い分

「何故女の自分が隊長?しかも階級は
少佐なのに?」

 と、自分たちは何かスケープゴートに
されているのでは?、
と薄々感づいています。
 
 副官はマイケル(中田譲二)で階級は中佐、
そうです隊長よりも階級が上なのですが、
これは「亡くなった部下の為に前線に立ちたい」
という本人の希望です。
 
 
 両親と祖父を亡くし帰るべき場所がフューネラル
しかない過酷な現実を付きつけられたハティ。
 そんな彼女に「家族」のような関係を築いてくれた
のが隊長のイネスであり、友人として接してくれた
のが、メンバーのスー(堀江由衣)でした。
 もう1人、ではありません

 
 主役メカ・ザルクは山根公利氏
(無限のリヴァイアス、カウボーイ・ビバップ)
のデザインですが、エイリアンの死体
を再生したマシンです。
 だからザルク(棺桶・かんおけ)という
名前なのです。
 
 ソーマは自身のザルク五号機が正体不明機に
襲われますが、実は量産型機トートでもちろん
国際統一連合軍の仕業です。
 こんなんでフューネラルと上手くいくわけがなく
最初から利用するつもりなので国連軍は
フューネラルを軍を使い占領します。


 誰だ、映画エヴァみたいという人は?
だから山口宏と片山一良
なりのエヴァの答えと見えるんですよ



 
 フューネラルという組織はソーマ、ハティ、フランク
にとっては新しい家族のような場所でもありました。
 何故か自らの意思があり協力するフランク。
 外見こそフランケンのようですが、祖父の教えから
外見だけで判断せずにハティはフランクを
「妖精くん」と呼びます。


「誰だヴァンドレッドのディータの『宇宙人さん』
という呼び方に似てると思ったのは?
 まぁヴァンドレッドにも山口宏は参加
してますので氏の持ち味ではないかと」

 
 ソーマにとっては巨人フランクは仇であり化け物で
しかないですがハティは恐怖心を抱きません。
 純粋な少女と巨人という組み合わせはまさに
美女と野獣のようです。
 
 「みつばちのささやき」という映画を知っていますか?
宮崎駿、細田守、吉田玲子とジブリ系の人や七月鏡一も
好きな映画ですが、内容は姉妹がフランケンの映画を見て
姉は現実的に「いない」と考え、妹は「いる」、という
反応をします。
 
 この二人の考えの違いがソーマとハティのフランク
への反応の違いに表れている、と思うのは
考えすぎでしょうか?
 でも片山一良監督、ナウシカに参加した人なので
もしや?