◆ノワール
真下耕一監督の百合三部作の第一弾です。
この頃からすでに『マドラックス』『エル・カザド』
の原型ができていました。
① ふたりの性格のちがう少女がひとつ、になる
② 悪が完全には滅びない
②、は爆裂ハンター、未来警察ウラシマン等の
他の真下作品にもいえる事ですが。
エル・カザドの魔女団も生存しましたが、
悪に美学を感じているようです。
◆ノワールはどんなお話?
物語は霧香、ミレイユ、クロエ、アルテナ。
4人の百合物語です。
『レオン』や映画ボーン・アイデンティティの原作
『暗殺者』に似ている、と思っていました。
あとクリント・イーストウッドの『夕日のガンマン』
オルゴールを使った演出は、『ノワール』
そのまま、です(逆です)
この流れが『エル・カザド』にも影響を
与えた、と思います。
ですが、それはスパイスであってメインは
百合です。
戦闘マシーン霧香とコルシカ生まれのミレイユ。
とある事情から、ふたりが裏の世界の暗殺
ユニット『ノワール』を結成します。
そしてゴルゴ13以上に仕事をこなし続けます。
ゴルゴ13は依頼人に会い、依頼人の感情や
恨みを描いたりします。
ですがノワールは依頼人とは直接会わずメール
のやり取りだけで依頼人の顔が見える事は
ほとんどありません。
なので何故ターゲットをやるかは理由が
わかりませんが、だいたいわかり易い悪党
なので問題はありません。
逆にターゲットとの間でのやり取りが見せ場に
なる時があります。
一番印象に残っているのは、霧香とすれちがった
ある少女(可愛い)の父親がターゲットだった話です。
あの少女は、もしかしてノワールを仇として狙う
かもしれません。
そして、霧香を好きになってしまうかもしれません。
ノワールは世界中を飛び回りますが、なんとなく
霧香とミレイユのふたりが行った地域は現実でも、
その後なにか大事件が起きているような気がする
のは気のせいでしょうか?
例の大事件の前に中東に行ったりすると、
かなりヒヤヒヤしてしまいます。
◆「男は無機質で」
というスタッフの指示通り、
この『ノワール』では男に存在感は
ほとんどありません。
逆に女性が強いのです。
すいません、そろそろ百合について書きます。
◆『ノワール』当初の霧香とミレイユ
当初、感情があまりなかった霧香と、パリジェンヌ
なミレイユでは、会話があまり、かみ合いません
でした。
それでも何故かダブルベットだったりすると、
色々想像してしまいます。
ミレイユは今で言うセレブです。
かっこうもオシャレで、服に興味がなさそうな霧香
の見立てをしたり(アリス4に連れて行く?)
「しょうがないわね」と世話をやいてもいました。
そんなところから、ふたりの絆は深まっていきました。
よくピンチにもなる二人ですが、それすらも
絆を深める事となりました。
なんか生活ではミレイユが世話をやきますが
仕事ではミレイユが失敗して霧香が補佐する、
というのが多かったような気がします。
ふたり、の絆を表すエピソードとして好きなのが
最初、ミレイユは霧香を「あんた」としか呼んで
いませんでした。
ある時を境に「霧香」と名前で呼ぶように
なりました。
ミレイユの照れでしょう
もう恥ずかしがり屋さん、なんだから
◆過去の女シルヴァーナ
そんなミレイユですが、よくモテます。
男はどうでもいい、として。
まだミレイユがコルシカ島にいた時の事。
小さい時遊んでくれたお姉さんがいました。
彼女の名前はシルヴァーナ。
小さい頃にいっしょに遊んだ時
ミレイユちゃん、はシルヴァーナちゃん
をかなり怖い、と感じました。
そしてシルヴァーナが、
「イントッカービレ(触れえざる者)」
となりミレイユの前に姿を表します。
ちなみにシルヴァーナの回の演出を担当した
のは『レンタルマギカ』の川崎逸郎監督です。
「わたくし、はゲーティアの首領になりましたのよ」
まちがい↑
そんな彼女を、今でもおっかないと思っている
ミレイユですがシルヴァーナとの一対一の告白も
シルヴァーナ「ミレイユ、わたくしのものになりなさい!!」
ミレイユ「私は霧香が好きなの!!」
と恐怖心を克服し断りました。
シルヴァーナ「好きよミレイユさぁ私のものに
おなりなさい」
がばあっ
ミレイユ「う、えっ?」
◆中盤 アルテナ、クロエ登場
母性の強いアルテナですが、その愛はクロエにも
そそがれています。
とても声がちびまる子ちゃんと同じ人とは思えません(笑)
クロエ役の久川さんも真下作品では重要な役で
皆勤賞ですね。
実はアルテナの言う、
「愛で人が殺せる、なら憎しみで人を救える」
はノワールが放送する前に監督がインタビューで言った
ことと同じです。
アルテナが真下監督の本音だったのかもしれません。
ところでアルテナの『荘園』ですが、あそこにいる
女の子たちはみな百合だと思うのですがどうでしょうか?
毎夜毎夜な秘め事が
おきていることでしょう。
地下遺跡の謎のメモなどから『ソルダ』が中々
長い歴史を持つ組織という事がわかってきた
霧香とミレイユの2人。
その名はチャイニーズマフィアにとっても例外
ではなく『欧州 千年の闇』と恐れられます(?)
◆『冷眼殺手』シャオリー登場
冷眼殺手の名で知られるシャオリー。
その名の通り冷たい眼をしており武器は毒手。
仲間の野郎の命は何とも思っていません。
性格は絶対にサドです。
でも、この冷たい目や性格にゾクゾクしてしまい
ます
バイク姿も良い
アルテナのハーレム『荘園』に入りたかったが、
クロエの審査に落とされる。
悔しがり、クロエがあんまりにも可愛いので
エッチな事をしようとして大変な目に会います。
シャオリー「うっ、そんな!?」
クロエ「あなた、さわろうとしましたね?
いいでしょう。エデンを見せてあげます。
でも、私は感情を一切込めません。」
シャオリー「えっ?あぁっこれがエデン?
」
◆荘園の人々
◆アルテナ
全ての筋書きは、この方の中にある、のです。
先見の明、とおおらかさ(?)の両方を持つ大物。
あふれる慈愛の中に非常さ、も持つ。
荘園はどうやら、スペインとフランスの間に
あるらしい。
そういえばエル・カザドの謎の施設も
メキシコとアメリカの国境にある、らしい
ですね。
(両方の国の軍隊がいるから?)
荘園と書いてアルテナのハーレムと読みます。
彼女の中に疑問という言葉はありません、
何故なら絶対にその通りにするから、です。
実は昔ミレイユの母親オデッタとノワール
のユニットを組んでいた(違)
先代アルテナ(?)の意思を継ぎオデッタ
の娘を時期ノワール候補にしようとする。
霧香は実の娘(違)
◆ポンヌ
アルテナのお世話をしている子。
前世はセーラーネプチューン。
アルテナの計画の帳尻合わせ、や
スケジュール管理など細かい事は彼女が
していそうです。
いろいろと苦労が多いらしいですが
アルテナ様の笑顔を見ればスグにな
気分に。
◆マレンヌ
大剣(クレイモア)を振り回す武闘派な子。
実はポンヌの恋人
行動力はあるがベッドでは受けに回る。
「ポンヌゥ来てェ」
と可愛い声でおねだりするとか、しないとか?
◆オデッタ
ミレイユの母親。先代ノワールでアルテナと
組んでおり、恋人同士でもあった。
その実力はものすごく、教科書にのっている
歴史の裏には、必ず彼女たちの影があった、と
いう。
実は本当にすごかった、のはアルテナとの
イチャイチャぶりだったらしいです。
◆後半の展開
クロエ「好きです霧香」
霧香「ん…」
クロエ「これで私たちは結ばれるんですね」
霧香「ん…」
ミレイユ「ちょっと待ったぁ!霧香!あんた
何してんの?」
霧香「ん…(嬉しい)」
クロエ「くっ」
◆監督・真下耕一インタビュー
実は真下監督は押井守とはタツノコの同期
みたいですね。
オトナアニメVOL9『無限の住人』より
― 監督はどうして近年戦う女性
(『ノワール』『マドラックス』『エル・カザド』)
を描き続けておられるのでしょう?
真下 「それは現実にいる、そういう子たちが幸せに
なって欲しいから祈っているんですよ。
世の中にはいいことがいっぱいあるんだから
『私は誰?』なんて言わなくてもいいじゃないか、
自分が誰だろうとかまわないし日本がつまらない、
ならアメリカでもアジアでもヨーロッパでも
面白いところはいっぱいあるんだから行けば
いいんだよ、
と彼女たちを見ていると言いたくなる。
でも傷ついた人に直接そんなことを言っても
伝わらないでしょ?
だから同じ視点に立って、作品の中で一緒に
悩んで悩みを共有していきたいんです」
>アメリカでもアジアでもヨーロッパでも
面白いところはいっぱいあるんだから行けば
いいんだよ
メキシコもですね、監督?
タコタコタコス♪