おはようございます^^
風鈴のひとつ鳴りたる涼しさよ
のっけから風流な俳句を載せました。もちろん作者がちゃんといらっしゃいまして 高浜虚子
近頃は 建屋が 洋風というか無機質な構造になってしまいました。外からの涼しい風を取り入れるような
建て方になっていません。外からの熱気や冷気はシャットアウトしてエアコンなる文明の利器に頼った
壁ばかりの堅固なそれでいて安着な生活空間を皆が有難がっているようですね。昔は… また昔の話か…
と思う人、確かに時代は進歩して生活しやすい環境になってきています。明治初年の頃、イギリスの
探検家(イザベラ・バードという中年のおばちゃん)が単身日本に来て驚くことに江戸から日光街道などを経て
およそ東日本中を探検?旅しました。
然(しか)し 今から百数十年前、外国語なんて通じるわけもなく、何十日も日本国内を旅行したのですから、成否は
ともかく よくぞ御無事で と感心しました。話の中で 江戸の街中の整然とした様子には感嘆した様子で
日本に来る以前に中国の上海から揚子江流域や朝鮮を同じように旅していた経験から同じアジアでこれほどきれいにしている
街はなかったとも書かれていました。ですが 江戸を過ぎ大きな宿場町の川越なども通り過ぎて農村の田舎に入ると
時期は真夏で 蚊や蠅にや害虫に悩まされたことが記していて 暑さから服も着ずに裸同然の格好に唖然とした
とあります。環境は家の中は狭く暗く風通しや生活排水なども悪くとても不衛生で 江戸の街中とは大いに違っていて
驚いたとも‥従ってこの土地の風土病なのか肌がただれた人が大勢いた、とも書いていました。
そんな中 イザベラおばちゃんは 主に駕籠に乗ってあっちに行きこっちに行って日本の風俗を
見物して廻りました。 まぁ高温多湿なのは今も変わらなようですが、 昔は大変劣悪な環境で暮らしていた様子が
細々(こまごま)と書かれています。
然し風俗の見学はよろしいのですが、途中、目立つ異国の風をした外人に身の危険はなかったのか と思いますよねぇ。
夜に宿屋に泊まると毛唐がいるぞ、と物珍しさに覗きに来て その数があまりに多すぎて仕切りの襖(ふすま)が外れた
はなしも載っていましたが、総じて日本人は大人しくて親切で、駕籠屋やほかの事でも先に決めた料金や約束などは
みんながきちんと守る…当たり前のことだと思うのですが、それをイザベラおばちゃんはとても感心していましたね。
そのイザベラおばちゃんが今の日本に来たらどんな感想をするのでしょうか…
きっと母国のイギリスよりも進んだ野蛮な異国を感慨深げに見て廻るでしょうか・・