クロスが極端に少ないA代表の切り札に
ハリルがオランダでプレイするFWハーフナー・マイク(28)と面会し、A代表に招集する可能性が高まっている。ハリルは以前から「高さと強さのあるFWがほしい」と公言していた。それを行動に移した形だ。
確かにハーフナーのようなタイプは今の代表にはいないだけに、彼が招集されれば攻撃のバリエーションが飛躍的に増えるだろう。ただしハーフナーはその前に、やらなければならないことがある。仲間の信頼を勝ち取ることだ。
象徴的なシーンがある。
2013年、ザック・ジャパン時代のヨーロッパ遠征だ。ベラルーシ戦にリードされて迎えた後半41分。「飛び道具」としてハーフナーが投入された。残り時間と点差を考えれば、ハーフナー目がけてアーリークロスを入れまくるとか、CBからでもロングボールをハーフナーに当て、落としたボールを拾って二次攻撃を、という場面だ。なにせ時間がない。
だが、そのとき我が日本代表は何をしたか?
それまでと変わらず、なんとバックラインで優雅にパスを回し、味方GKにボールをバックパスしたりしている。いったい、そんな時間がどこにあるのか? あの局面ではブラジル代表でもFW目がけてロングボールを入れるだろう。
つまりハーフナーが投入されたと同時に監督の意図を読み取り、残り時間と点差、ハーフナーの特徴を考えて自動的にハイボール狙いに切り替える、という戦術変更ができなかった。
理由はざっくり2つある。ひとつ目は、彼らは当時、グラウンダーのショートパスをひたすら繋ぐバルセロナの劣化バージョンを志向していたことだ。つまり彼らにはロングボールやハイクロスなど、浮き球を使って攻める発想自体なかったことがひとつ。
第二には、恐らく仲間がハーフナーを信頼してなかったのではないか。
サッカーでは、信頼されてない選手にはまったくパスが出ない、という現象がふつうにある。例えば一部報道️によれば、以下のようなエピソードが漏れてくる。
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2013年9月のグアテマラ戦後、1トップの理想像について語った本田は「今までの代表(1トップ)は両極端だった。『デカくて足元がうまくないタイプ』とか」と、誰が聞いてもハーフナーと分かる言い回しで同僚批判を展開し、大きな波紋を呼んだ(中略)。
欧州で結果を出している選手を“下手くそ”扱いでヤリ玉に挙げたのだから、当然ハーフナーの心中も穏やかではない。2人がその後“和解”する場もなく、微妙な関係が続いている。
■東スポWeb(2015年10月03日) 「ハリル 長身ストライカー招集見送りの裏に本田」
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もし報道の通りギスギスした関係があるなら、まずハーフナーがやるべきは点を取ることだ。それだけでなく「ボールの収まりが悪い」といわれる足元の技術をつけ、ポストになって前線に攻めの起点を作る。また相手ボールになればファースト・ディフェンダーとして相手CBにプレスをかけ、パスコースを限定するーー。
それだけの働きをすれば、仲間も彼を認めざるをえない。サッカー選手はプレイで認めさせるものだ。ハーフナーは変なウワサに耳をかさず、黙々とその作業を続けてほしい。
またハリルは指揮官として代表メンバーとよく話し合い、「ハーフナーの使い方」について納得と共通理解を取ってほしい。
クロスを使ったフィニッシュが極端に少ないA代表にとって、ハーフナーの高さを生かすか殺すかは生死を分ける問題だ。クロスを多用し、リオ五輪出場を勝ち取ったU-23日本代表の躍進を見よ。ロシアW杯の成否はハーフナーの使い方にかかっている、といっても過言ではない。
ハリルがオランダでプレイするFWハーフナー・マイク(28)と面会し、A代表に招集する可能性が高まっている。ハリルは以前から「高さと強さのあるFWがほしい」と公言していた。それを行動に移した形だ。
確かにハーフナーのようなタイプは今の代表にはいないだけに、彼が招集されれば攻撃のバリエーションが飛躍的に増えるだろう。ただしハーフナーはその前に、やらなければならないことがある。仲間の信頼を勝ち取ることだ。
象徴的なシーンがある。
2013年、ザック・ジャパン時代のヨーロッパ遠征だ。ベラルーシ戦にリードされて迎えた後半41分。「飛び道具」としてハーフナーが投入された。残り時間と点差を考えれば、ハーフナー目がけてアーリークロスを入れまくるとか、CBからでもロングボールをハーフナーに当て、落としたボールを拾って二次攻撃を、という場面だ。なにせ時間がない。
だが、そのとき我が日本代表は何をしたか?
それまでと変わらず、なんとバックラインで優雅にパスを回し、味方GKにボールをバックパスしたりしている。いったい、そんな時間がどこにあるのか? あの局面ではブラジル代表でもFW目がけてロングボールを入れるだろう。
つまりハーフナーが投入されたと同時に監督の意図を読み取り、残り時間と点差、ハーフナーの特徴を考えて自動的にハイボール狙いに切り替える、という戦術変更ができなかった。
理由はざっくり2つある。ひとつ目は、彼らは当時、グラウンダーのショートパスをひたすら繋ぐバルセロナの劣化バージョンを志向していたことだ。つまり彼らにはロングボールやハイクロスなど、浮き球を使って攻める発想自体なかったことがひとつ。
第二には、恐らく仲間がハーフナーを信頼してなかったのではないか。
サッカーでは、信頼されてない選手にはまったくパスが出ない、という現象がふつうにある。例えば一部報道️によれば、以下のようなエピソードが漏れてくる。
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2013年9月のグアテマラ戦後、1トップの理想像について語った本田は「今までの代表(1トップ)は両極端だった。『デカくて足元がうまくないタイプ』とか」と、誰が聞いてもハーフナーと分かる言い回しで同僚批判を展開し、大きな波紋を呼んだ(中略)。
欧州で結果を出している選手を“下手くそ”扱いでヤリ玉に挙げたのだから、当然ハーフナーの心中も穏やかではない。2人がその後“和解”する場もなく、微妙な関係が続いている。
■東スポWeb(2015年10月03日) 「ハリル 長身ストライカー招集見送りの裏に本田」
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もし報道の通りギスギスした関係があるなら、まずハーフナーがやるべきは点を取ることだ。それだけでなく「ボールの収まりが悪い」といわれる足元の技術をつけ、ポストになって前線に攻めの起点を作る。また相手ボールになればファースト・ディフェンダーとして相手CBにプレスをかけ、パスコースを限定するーー。
それだけの働きをすれば、仲間も彼を認めざるをえない。サッカー選手はプレイで認めさせるものだ。ハーフナーは変なウワサに耳をかさず、黙々とその作業を続けてほしい。
またハリルは指揮官として代表メンバーとよく話し合い、「ハーフナーの使い方」について納得と共通理解を取ってほしい。
クロスを使ったフィニッシュが極端に少ないA代表にとって、ハーフナーの高さを生かすか殺すかは生死を分ける問題だ。クロスを多用し、リオ五輪出場を勝ち取ったU-23日本代表の躍進を見よ。ロシアW杯の成否はハーフナーの使い方にかかっている、といっても過言ではない。