すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【ロシアW杯最終予選】UAEとイラクに寝首をかかれた上位チームが脱落する

2016-10-21 09:56:04 | サッカー日本代表
したたかなUAEには要注意だ

 アジア最終予選はまだ折り返し地点の手前だが、サウジ戦まで時間があるのでちょっとここまでの対戦相手をふり返ってみよう。驚かされるのは首位争いしているわけじゃないイラクとUAEがいいチームだったことだ。

 イラクは美しいゾーンディフェンスだ。引いて自陣にいるときもラインコントロールで陣形をコンパクトに保ち、ぬかりなく網を張っている。それにくらべ日本のディフェンスは中途半端な「ゾーンもどき」。未完成でミスも多く見劣りする。少なくともディフェンスに関しては、日本はもうアジアでの優位を失っている印象だ。

 イラクはリオ五輪メンバーを多く含む。平均年齢が若く、日本とちがい豊かな将来性がある。楽しみなチームだ。たまたま勝ち星に恵まれず下位にいるが(彼らは「持ってない」)、なぜこのチームがこの順位なんだろう? と思わせる好チームである。次のW杯では強敵になるかもしれない。彼らは本国が戦争でサッカーなどやっていられない状況なのに、きっちりチームを作って健闘している。本当にリスペクトするに値する人々だ。

 かたやUAEは、ボールの位置に対する選手のポジショニングが非常に速い。相手ボールになれば素早く自陣に引いてブロックを作るが、ボールを奪うと同時にスピーディーなカウンターを発動する。ベタ引きでディフェンシブなチームは攻撃に人数をかけないことが多いが彼らはちがう。マイボールにした瞬間に手数をかけず十分な数の選手が敵陣に侵入する。逆に敵陣でボールを失ったときの帰陣もかなり速く、ディフェンシブな戦いに慣れている。したたかで抜け目のないチームだ。

 一方、オーストラリアは、日本戦ではコンディションが悪く本調子ではなかったようだ。確かにあのレベルではなぜ上位にいるのか謎である。最終ラインからていねいにビルドアップしようとするが、ボールの運び方がたどたどしく、選手はボールコントロールもままならない感じだった。こわさがまったくない。コンディションが戻ればまた態勢を立て直してくるのだろうが、少なくとも日本戦の内容は参考にならないだろう。

 結論として最終予選の折り返し地点以降は、UAEとイラクに足元をすくわれた上位チームがまず脱落するのではないかと予想する。もちろん上位同士の直接対決も見物だ。特に日本にとっては残るホーム&アウェイのサウジ戦、ホームでのオーストラリア戦は痺れる戦いになるだろう。

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