すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【森保ジャパン】パス出しだけでなくゴールを取る重要さ

2020-12-03 08:04:00 | サッカー戦術論
目覚めつつある鎌田大地

 鎌田は前で攻めに絡むだけでなく、相手ボールになったら自陣バイタルエリアあたりまで下りて守備をやり、マイボールになったら前線へ上がって行き攻撃に絡む、というスタイルを確立しつつある。

 つまり複数の機能を果たすことだ。

 守備と攻撃が分業されていた往年の古き良き時代のサッカーと違い、現代サッカーは1人2役、3役を求められる。鎌田はそれに気づいたわけだ。

 ただ話はそこでは終わらない。鎌田が守備と攻撃をどちらもこなせるようになったとしたら、今度は自分で得点を取ることを求められる。

 スルーパスを味方に出したら「見事なパスだ」「天才だ」と褒めちぎられる甘っちょろい日本サッカー界とちがい、欧州の最前線では点の取れない攻撃的MFは認められないからだ。

 その意味では鎌田はもうひと皮むけ、あのチェコ代表(当時)パベル・ネドベドのような選手をめざしてほしい。

 欧州の強国とはいえなかった当時のチェコ代表チームは、守備からのカウンターを身上としていた。

 そのなかにあってネドベドはまず守備を、それからパス出し、そして最後はゴールを決める仕事もしていた。

 鎌田がネドベドのような1人3役をこなすには、まだまだインテンシティの高さと運動量、勝負強さが足りない。

 だが鎌田はそれができるはずの選手なので大いに期待している。

ゴールを求められる久保建英

 同様に、所属チームのエメリ監督からゴールを求められているのが久保建英だ。

 日本におけるMFといえば「鮮やかなキラーパス」を出した時点で「すごい」「天才だ」と持て囃される。だが上にも書いた通り、欧州のMFに求められるのはそれだけじゃない。

 久保はまだまだ日本的な「10番」(パス出しまで)の仕事でとどまっているが、欧州でプレイするMFである以上、監督からゴールを求められるのは当然だ。

 久保は典型的な「ボールプレイヤー」であり、ボールのない所での働きが物足りない。

 パス出しをしてワンプレイ終わると足を止めてしまったり、自分がボールを失うと「はい、この先は僕の仕事じゃありません」とでもいうかのように足を止めてしまう。

 つまりワンプレイ終わった瞬間のトランジション(切り替え)に問題がある。

 現代サッカーではトランジションに優れているかどうかは死命を制する。欧州では、ワンプレイ終わったら「ひと休み」するような選手は使われない。

 鎌田がそこに目覚めたように、久保の次なる大きなテーマはトランジションにある。

 がんばってほしい。

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