すちゃらかな日常 松岡美樹

積極財政などの政治経済をすちゃらかな視点で見ます。ワクチン後遺症など社会問題やメディア論、サッカー、音楽ネタも。

【J1 第13節】武藤がOG誘発&1Gで神戸の完封勝ち 〜神戸 2-0 広島

2023-05-14 12:56:25 | Jリーグ
「大きなサッカー」をする似た者同士

 J1第13節で5月13日、ヴィッセル神戸はノエビアスタジアム神戸でサンフレッチェ広島と対戦した。試合は神戸が相手のオウンゴールと武藤嘉紀の得点によって2-0で勝った。このゲームはサッカーのスタイルを大きく2つに分類すれば、似たもの同士の対戦である。どちらも「大きなサッカー」をするのだ。

 試合の前半は両者無得点で推移した。いかにも守備の堅いチーム同士の対戦らしい。神戸はいつも通り、大きなサイドチェンジやサイドからの放射状のクロス、大きなアーリークロス、といった長い浮き球を自在にあやつりゲームを進める。

 まずは前半1分。広島のMF川村拓夢がいきなりペナルティエリアに侵入し、シュートを放つ。神戸GKの前川黛也が倒れながら左足1本でギリギリ、セーブした。勝負に「たら、れば」はないが、もしこのシュートが決まっていたら試合はまったく別の展開になっていたかもしれない。

 続く前半20分。神戸の左CKだ。キッカーはDF初瀬亮。クロスがドンピシャで佐々木大樹の頭に合ったが、ヘディングした強烈なボールがGK大迫敬介の正面を突いてしまいセーブされた。コースがもし左右どちらかに振れていれば、決まっていた可能性が高い一撃だった。

大迫が超絶的なポストプレイを見せる

 そして今度はCF大迫勇也がすごいポストプレイを見せる。前半43分だ。まず左WGの汰木康也が大迫からの縦パスに応じボックス左へ走り込み、ワンタッチでゴール前にパスを出す。受けた右WG武藤嘉紀は体勢を崩しながらマイナスのボールを落とし、これに走り込んだ佐々木がボックス左からシュートを放った。だがこの強烈なショットはゴール右に外れた。

 このとき起点になった最初の大迫の縦パスは、彼がマーカーを背負ってロングボールを受け、しかもカラダをひねりながらワンタッチで出した絶妙な縦へのボールだ。まさに大迫の超絶的なポストプレイの真骨頂だった。一体なぜこの選手が日本代表に選ばれていないのか、本当に不思議である。

 さて試合が動いたのは、後半2分の広島によるオウンゴールからだ。これは神戸のカウンター攻撃が発端となっていた。神戸のゴール前でひとしきり広島の攻撃が続き、そのこぼれ球が汰木のところへ流れる。汰木は自陣左サイドでこのこぼれ球を拾い、左に流れてきた佐々木に縦パスを入れる。

 受けた佐々木はボックス手前にいた中央の大迫に横パス。大迫は2タッチ目で右の武藤に渡す。これを武藤がワンタッチで広島ゴール前に入れると、縦に走り込んだ山口と競った広島のDF荒木隼人の足に当たりボールはゴールに吸い込まれた。神戸は大きな先制点をオウンゴールによって得た。

大団円は武藤のゴールだ

 このあと後半は両チームによる攻防が続く。ボールが一方のゴール前からもう一方のゴール前へと目まぐるしく動いた。かくてアディショナルタイムに突入した後半50分。大団円が訪れる。

 右サイドでボールをキープした大迫が、敵に囲まれながらボールを武藤に出す。武藤はドリブルで一直線に敵ゴールへ向かい、切り返しでマーカーを1人かわしてゴール左へループ気味のシュートを叩き込んだ。このまま試合は2-0で終了。神戸がシャットアウト勝ちをした。

 それにしても神戸の3トップは強力だ。左WGの汰木は突破力があり、よくチャンスメイクする。かたや右WGの武藤は献身的な運動量を誇り得点も取れる。

 そしてCFの大迫はあり得ないハイレベルなポストプレイでボールを散らし、また自身もゴールを決める。今季のJ1はまだまだ当分、神戸を中心に回りそうだ。

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【J1 第13節】FC東京、多摩川クラシコを制す 〜FC東京 2-1 川崎

2023-05-13 08:00:44 | Jリーグ
FC東京のプレスが川崎を寸断する

 J1第13節で5月12日、FC東京と川崎フロンターレが対戦した。Jリーグ30周年記念スペシャルマッチとして国立競技場で開催された「多摩川クラシコ」である。ホームはFC東京。川崎は3連勝中の6位で乗り込んだが、DF徳元悠平らのゴールでFC東京が勝利した。

 この試合、FC東京は川崎対策としてプレッシングを徹底して入った。そのため川崎はパスを繋ごうとしてもカットされるシーンが目立った。川崎のショートパスはボールスピードが遅く、プレスの餌食になりやすい。FC東京はボールを奪うと、爆発的な推進力で前へ出て行った。

 前半12分。そんなFC東京がチャンスをモノにする。長友佑都が右サイドからクロスを入れると、ボールは左サイドの奥にこぼれる。これを拾った徳元が相手をかわしボックス左へ。角度のないところから右足を振ると、ボールはゴール右へ豪快に突き刺さった。徳元はこれがJ1初ゴールだ。

 続く同25分。またもFC東京だ。ディエゴ・オリベイラがボックス手前でボールを奪い、ドリブルで中央へ出て、左の徳元にパスをする。徳元はボックス左からゴール前へ折り返し、飛び込んだ安部柊斗がスライディングしながらゴールを奪った。2-0だ。

脇坂泰斗の一発レッドで川崎がピンチに

 FC東京のフォーメーションは4-1-2-3。3トップは右から仲川輝人、オリベイラ、渡邊凌磨だ。試合をリードして以降、FC東京の動きの良さが目立つようになり、川崎のパスワークは各所で寸断された。 

 そんな中での同39分。川崎が反撃に出る。瀬古樹がドリブルで縦へ運んで宮代大聖にパス。宮代はボックス内で右足を振ると、ボールはゴール右に飛び込んだ。

 この得点後、川崎は息を吹き返し、持ち前のパスワークでFC東京と一進一退の攻防を繰り広げた。FC東京は浮き球のパスも織り交ぜながらボールをつなぐ。今や試合はイーブンだ。

 だが後半開始早々、ゲームは川崎に不利な展開になる。4分のことだ。

 脇坂泰斗がボックス手前右で仲川にスライディングした。これがVARオンフィールドレビューによって一発レッドの判定になったのだ。

 ピンチに陥った川崎は、後半14分に2枚替えに出る。瀬古とマルシーニョに替えて、大島僚太と遠野大弥を投入した。これによって反攻に出ようとした川崎だったが、いかんせん1人少ないハンデは大きく、試合は2-1のまま終了した。

 3連勝して勢いに乗っていた川崎にとっては、5試合ぶりの痛い黒星になった。

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【J1 第12節】鹿島が4連勝で5位に浮上する 〜C大阪 0-1 鹿島

2023-05-12 09:36:46 | Jリーグ
鹿島がまたもウノゼロ勝ち

 J1第12節で5月7日、セレッソ大阪と鹿島アントラーズが対戦した。試合は後半22分に鹿島がDF関川郁万のヘッドで先制し、そのまま試合を押し切った。鹿島はまたも得意のウノゼロ勝ち。一時は連敗が続いた彼らは、なんと4試合連続の無失点で4連勝。見事、5位に浮上した。地獄の底から鹿島アントラーズが蘇ってきた。

 雨の中での立ち上がり。両チームとも1回ずつボールを弾き合うような展開で、なかなかボールが収らない。どちらかといえばセレッソの方がチャンスを作っている。特に鹿島陣の方が水たまりがひどく、ボールを突くたびに水が跳ね上がる。

 前半は小競り合いが続き、両軍、なかなかフィニッシュまで行けない。鹿島は雨を考慮してか、割り切って自陣からロングボールを入れている。セレッソの方はボールを保持しようとし、鹿島陣でドリブルするが、ボールをひと突きするたびに水しぶきが上がる展開だ。

 前半47分。セレッソ陣で鹿島の鈴木優磨と仲間隼斗が、細かいパス交換から抜け出す。鈴木が樋口雄太にパスを通す。受けた樋口はダイアゴナルなドリブルでボールを持ち込み、ボックス右で垣田裕暉にスルーパスを送る。だがボールはゴールラインを割ってしまう。

 鹿島のフォーメーションは4-4-2。2トップは鈴木と垣田。2列目は右から仲間、樋口、ディエゴ・ピトゥカ、土居聖真だ。前半は両チーム無得点でハーフタイムに入った。

後半22分、運命のCKが蹴られた

 後半の頭から、鹿島は仲間に代わりアルトゥール・カイキ、DF広瀬陸斗に代わり常本佳吾を投入する。前半は五分の戦いだったが、後半に入り鹿島がわずかづつ上回るようになる。

 後半9分。ピトゥカが縦パスを入れるとボックス手前で垣田が受け、ライン裏にスルーパスを出す。これに鈴木が走り込んだが、オフサイドを取られる。

 同14分に鹿島が土居に代えてMF名古新太郎を、同20分に垣田に代えてFW知念慶を投入する。勝負に出てきた。鹿島はセレッソの攻撃を、ひとつひとつ小火(ぼや)のうちにていねいに潰していく。そのため火事は起こらない。

 同22分。鹿島は右CKを獲得する。キッカーは樋口だ。

 彼が右足でファーにクロスを入れると、カイキがヘディング。そのボールが相手守備者に当たり、なんとゴール右に詰めていた関川めがけて飛んで行く。天の恵みか? 混戦のなか、関川はボールを頭で押し込み見事にゴール。得点後、サポーターの元へ行き、もみくちゃにされる。

 鹿島は明らかに「持って」いる。ゴール前でリバウンドしたあのボールが、まるで「打ってください」とばかりに関川目がけて飛んで行った。このあと鹿島はお宝の1点を守り切り、4試合連続の完封勝利を収めた。

 これで鹿島は今季6勝1分け5敗、勝ち点19とし、いよいよ順位を5位に上げた。

 一時は連敗が続いた彼らだが、ついに「てっぺん」が見えてきた。彼らの戦いはこれからだ。

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【J1 第12節】大迫が今季9ゴール目を獲る 〜神戸 3-0 横浜FC

2023-05-11 04:49:03 | Jリーグ
神戸がロングボールを巧みに操る
 
 J1第12節で5月7日、ヴィッセル神戸が横浜FCをホームに迎えて対戦した。神戸のFW大迫勇也が2ゴール、左IHの佐々木大樹が1ゴールを取り、ワンサイドゲームを締めくくった。

 立ち上がり、彼らはターゲットマンの大迫に頻繫にクサビのボールを当てた。大迫が落とすボールを起点にする作戦だ。そのほかサイドに流れた大迫に、逆サイドのSBから対角のロングボールを入れる。またサイドからのアーリークロスを何度も見せた。

 前半10分。まずはカウンターだ。横浜のCK崩れから左WG汰木康也がこぼれ球を拾い、少しドリブルして前縦の右WG武藤嘉紀にパス。

 武藤はボックス直前で右のペナ角にいた佐々木に渡す。佐々木はそのままシュートを打ったが、クロスバーに当たりゴールにならない。

大迫がPKを沈めてまず1点

 一方、横浜はショートパスをつないで組み立てようとするが、フィニッシュに至らない。FKのチャンスは何度かくるが、ゴールにならず。神戸が一方的にボールを保持し、横浜はまるで守備練習をしているかのような格好だ。

 続く同34分。ライン裏に走り込んだ汰木に向け、左SBの初瀬亮がスルーパスを送る。受けた汰木はボックス左から中央へ浮き球を入れる。これに反応した大迫が折り返すが、横浜GKのブローダーセンが防いだ。

 そして同44分。また初瀬が左サイドからクロスを入れる。GKブローダーセンがボールに触るがキャッチできず。

 このこぼれ球を収めようと大迫が向かった瞬間、ブローダーセンが後ろから大迫を倒してPKになる。キッカーの大迫が右足でゴール左スミに決めて先制した。

後半に2点を取って締める

 神戸のフォーメーションは4-1-2-3。最前線は右から武藤、大迫、汰木。この日は特に大迫と汰木がいい仕事をした。IHは佐々木と山口蛍、アンカーは大崎玲央だ。

 後半立ち上がりの7分。ボックス手前の中央で大迫が汰木にパス。受けた汰木はボックスの左から右足でシュートを放つ。これはGKブローダーセンにセーブされるが、そのこぼれ球を大迫が胸トラップして右足で豪快に決めた。大迫はこれで今季9ゴール目。得点ランキングの単独トップである。

 3点目は後半9分だった。右サイドで佐々木が武藤にボールを落とす。武藤は山口にパス。山口は中央にいた大迫にボールを託す。受けた大迫はセンターサークル内から、ライン裏に長いスルーパスを入れる。これは横浜の右WB中村拓海が回収したが、その中村がなんとクリアミスをする。

 このこぼれ球を拾った汰木が、ボックス左からゴール前へグラウンダーのパスを出す。すると佐々木が落ち着いて右足でゴールへ押し込んだ。最初に右サイドで起点になるパスを出した佐々木が、最後はよくゴール前に詰めていた。殊勲賞である。

彼らの浮き球は阻止できるか?

 神戸はグラウンダーのボールも使うが、得点として結実するのはほとんどが対角のロングボールやサイドからのクロスだった。彼らは浮き球を自在に操り攻撃する。

 結局は役者の違いを見せた首位・神戸が、得意の浮き球を使った攻めで押し切った。神戸対策のポイントはここだ。だが浮き球は途中でパスカットしようにもできない。ボールの出し手か、受け手のところで潰すしかない。しかし彼らはポジショニングがよく、これがまた難しい。

 かくて神戸は勝ち点26として首位を守った。さて、有効な対策で彼らを倒すチームはどこか? そんな「ストップ・ザ・神戸」を占う見方も一興だ。

 さて最後に言っておきたいことは、大迫は人生第二の絶頂期を迎えているということだ。世代交代の問題はあるにしろ、この超絶レベルの今の大迫を日本代表に呼ばないのはおかしいのではないか? そんな疑問が頭を駆け巡った。

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【J1 第12節】マリノス、切り替えの速い激闘を制す 〜横浜FM 4-1 京都

2023-05-10 04:49:39 | Jリーグ
京都の激しいハイライン・ハイプレス

 J1第12節で5月7日、横浜F・マリノスがホームに京都サンガF.C.を迎えて対戦した。試合は西村拓真らのゴールで4-1と横浜FMが勝利した。

 立ち上がりから、京都がすごいスピードで激しく前からプレスをかけてくる。それを横浜FMがかわし、少ないタッチ数でパスを繋ぐ展開だ。京都は横浜FMのお株を奪うハイラインで、複数の選手がハイプレスで押してくる。

 両チームとも非常にコンパクトな陣形で、狭いゾーンに敵味方が入り乱れている。

 そんなゲームは開始早々から動く。

 前半10分。横浜FMの右CK。キッカーのヤン・マテウスが左足でクロスを入れると、西村がマーカーを抑え倒れながら右足でシュートを叩き込む。早くも先制だ。

 だが前半40分。横浜FMの永戸勝也がクリアミスし、ボールが京都に渡ってしまう。豊川雄太がドリブルで持ち運んだが、ボックス手前で守備にあいボールを失う。そのこぼれ球に素早く反応した京都の福田心之助が右足を強振。痛烈な弾丸シュートがゴール左に突き刺さった。同点だ。

 横浜FMのフォーメーションは4-2-1-3。この日はCMFの一角を藤田譲瑠チマが占め、トップ下に西村、右WGにヤン・マテウスが入っている。

点差ほどの「圧勝」ではなかった

 ハーフタイムを挟み、雨が激しくなってきた。

 そんななか後半4分に京都がオウンゴールで失点し、そして後半19分だった。

 途中出場のマルコス・ジュニオールが敵陣深くでクロスを入れる。ボールはゴール前の密集地帯を越えてフリーのヤン・マテウスのもとへ。彼は落ち着いてワントラップし、左足でシュートを打ち込んだ。3-1だ。

 仕上げは後半41分だ。

 センターサークル付近で右SBの松原健が縦パスを入れるが、敵にカットされる。だが敵陣中央にいた途中出場の杉本健勇が、素早いネガティブ・トランジションからタックルで相手ボールを奪う。

 そのこぼれ球を拾った途中出場の水沼宏太が、ボールをふた突きしてから右足で美しいシュートをゴール左に突き刺した。4-1だ。この得点の半分は、杉本の攻から守への速い切り替えが貢献したものだ。

 試合は大差で横浜FMが勝ったが、内容は点差ほどのワンサイドゲームではなかった。京都もよく敵陣にボールを持ち込んで攻めたが、惜しむらくはシュートの精度がない。そこの違いが3点差となって表れた。

 ハイライン・ハイプレスの京都はゲームモデルがよく作り込まれていた。課題はフィニッシュの完成度を高めることだろう。

 なお本節の結果、横浜FMは勝ち点24として2位につけ、首位・神戸とは勝ち点2差となった。

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【J1新潟/プレス対策】サイドチェンジで敵のプレスを回避せよ

2023-05-09 10:14:00 | Jリーグ
アルビレックス新潟の天敵はプレッシングだ

 J2から昇格したアルビレックス新潟が、いいサッカーをやっている。彼らのスタイルは、強くて速いグラウンダーのボールを2タッチ以内でテンポよく繋ぐサッカーだ。

 彼らは「グラウンダーのパス」と「2タッチ以内」にこだわり、浮き球やロングボールは使わない。

 おそらくこれはアバウトなロングボールを放り込むタイプのサッカーに対する、彼らなりの強烈なアンチテーゼなのだろう。「俺たちはそんなアバウトなサッカーは絶対やらないぞ」というわけだ。

 だが彼らのようなスタイルのサッカーには天敵がいる。

 それは集団による強度の高いプレッシングだ。

勝てなくなった新潟

 私は新潟がJ1に昇格して以来、彼らに注目して全試合を観てきたが、現に前述の理論を元に「新潟対策」をしてくるチームが増えてきた。

 その新潟対策とは、コンパクトな陣形でゾーンを圧縮してくるプレッシングサッカーである。

 当初、新潟はJ1開幕と同時に好調に飛ばしていた。だが第4節時点で2勝2分の負けなしだった彼らは、この対策を取られるようになって以降、めっきり勝てなくなった。

 節目になったのは第5節・浦和レッズ戦での初めての敗戦だ。相手もバカじゃない。新潟がグラウンダーのショートパスしか使わないなら、それなりの対策を準備してくる。

 以降、「新潟対策」をしてくるチームが大半になり、新潟は思うように勝てなくなった。

新潟は「対策の対策」を打て

 だが心配ない。

 サッカーのスタイルというものには、それぞれ必ずどこかに欠点がある。

 そこを突けば有利に試合を進められる。

 つまり新潟と対戦するチームが対策をしてくるなら、新潟はそれを裏返す「対策の対策」を打てばいいのだ。

敵のスペースを突く

 対戦相手が「新潟対策」としてやってくるコンパクトな陣形でゾーンを圧縮してくるプレッシングサッカーの弱点は、集団でボールに対しプレスをかける点だ。

 サッカーチームのメンバーは11人しかいない。それが「集団」でボールに襲いかかってくるということは、そのぶん敵の陣形のどこかに必ず「人のいないスペース」ができているはずだ。

 ならば、そのスペースを突きたい。

(1)例えば新潟のボールが中央にあれば、そこに敵が集団でくるなら敵の両サイドには必ずスペースがあるはずだ。

(2)同様に新潟ボールが左サイドにあるなら、そこに敵が集団でくるなら逆の右サイドには絶対スペースがある。

(3)同様に新潟ボールが右サイドにあり、そこに敵が集団でくるなら逆の左サイドには必ずスペースがある。

(4)新潟ボールが自陣の低い位置にあり、そこに敵が集団でくるなら敵のライン裏には必ずスペースがある。

 こういうことだ。

サイドチェンジでプレス回避せよ

 で、(1)の場合なら、対策として、放射状の浮き球をどちらかのサイドに出してプレスを回避する。(2)なら、ボールを右サイドへサイドチェンジする。(3)なら、ボールを左サイドにサイドチェンジする。

 そして(4)なら、敵のハイプレスを飛び越すロングボールを入れる。で、カウンタープレスでボールを回収し敵陣でショートカウンターをかける。

 ただしこれらの場合に使うボールの球種は、新潟がふだん使わない浮き球になる。集団によるプレスをかわして敵をスッ飛ばすには、その集団の「上空」にボールを飛ばす必要があるからだ。ただしこれは単なる放り込みではない。あくまで敵のスペースを狙ったボールである。

 新潟はグラウンダーのパスがメインディッシュだとしても、敵のプレスを回避する際にはこの方法を取るのがベストだ。しかもこのテを使えば、「人の偏り」ができる集団プレッシングの弱点を突き、速いカウンターを仕掛けられる。

 つまり敵がプレスをかけてくれば、スポーンと一発、サイドチェンジやロングボールを入れて敵陣の空いたスペースを狙い、そこを基点に速攻を仕掛けることが可能になる。

 新潟はこの方法でうまく敵のプレスをかわし、同時に速攻をかけられるはずだ。

 新潟の松橋力蔵監督の口グセは、「敵のプレスは『技術』ではがせ」というものだ。だが技術だけでは限界がある。

 上述したように、敵のプレスは「戦術」でかわすのが賢い。

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【J1 第12節】生気のないガンバを名古屋が押し切る 〜名古屋 1-0 ガンバ大阪

2023-05-07 06:46:22 | Jリーグ
名古屋がピッチを広く使って攻める

 J1第12節で6日、名古屋グランパスがガンバ大阪と対戦した。ゲームは名古屋が稲垣祥の上げたゴールでウノゼロ勝ちした。

 名古屋はサイドチェンジを入れ、ピッチを広く使って攻める展開だ。一方、下位にいるガンバは驚くほど生気がない。まるで名古屋がコーナーにガンバを追い詰め、一方的にパンチを浴びせ続けたような試合だった。

 名古屋はローテーションで、今日は前線のユンカーと永井謙佑が欠場している。そのせいか立ち上がり、中盤の選手がボールを持ったらライン裏へ単純にロングボールを放り込んでいる。「今日は組み立ては放棄するぞ」という宣言であるかのようだ。

 というのは早計で、その後の名古屋は大きなサイドチェンジを絡めたいい組み立てをしている。

 かと思うと、ユンカーに代わりスタメンで出ているFW酒井宣福が、クサビのボールを収め損ねる。やはりユンカーとくらべてしまうと見劣りする。もちろんチーム側の事情はあるのだが、ローテーションというのはお客さんにとってはありがたくないものだ。

後半22分に稲垣のゴールで名古屋が勝ち越し

 右サイドでボールを持った名古屋の稲垣が、ゴール前を対角で横切る強くて長いパスを入れる。すごい球質のボールだ。だがこれを受けノートラップで直接シュートした逆サイドの森下龍矢が、豪快にボールを思い切り上へふかす。もしアレを決めていたら、今日のヒーローだっただろう。

 今日の名古屋はこんなふうに、サイドから強くていいボールが入ってくる。期待できそうだ。一方のガンバはといえば、まったくと言っていいほどチームの存在感を感じさせるプレーがない。対照的だ。

 そして後半の頭から、名古屋の永井謙佑が投入されてきた。やっと試合が始まったような感じがする。

 後半7分に名古屋の左コーナーキック。マテウスが蹴り、ドンピシャのボールが入ってくる。だが、酒井がヘディングでバーの上へ惜しくも外す。酒井はなかなかプレイが決まらない。

 同12分、ユンカーが投入されてくる。これでやっと千両役者が全員そろった。それに対し、ガンバはまったく存在感がない。それどころかパスミスして名古屋の攻めを「援護」している。

 同22分。藤井陽也が入れた右サイドからの折り返しにユンカーがタッチし、そのこぼれ球を稲垣が押し込んだ。名古屋が先制だ。

 そして同34分。1点リードした名古屋はマテウスを引っ込め、DF野上結貴を入れて5バックにする。守備固めだ。試合はこれでまんまと名古屋が逃げ切った。

 暫定ながら、この日試合のなかった首位・ヴィッセル神戸と名古屋は勝ち点23で並んだ。さあ追い上げである。

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【J1 第11節】新潟、ターンオーバーで自滅する 〜横浜FC 1-0 新潟

2023-05-05 08:00:00 | Jリーグ
格落ちスタメンで「別のチーム」に

 J1第11節が3日に行われ、アルビレックス新潟と横浜FCが対戦した。試合はユーリ・ララがアーリークロスからのヘディングシュートを決めて横浜FCが1-0で勝利した。

 新潟は(相手が横浜FCだということもあるのか)大幅なターンオーバーを敢行し、スタメンをガラリと変えてきた。するとのっけからバックパスと横パスばかりで、まったく別のチームになってしまっていた。

 いや、「伊藤涼太郎が出てないから見る気がしない」などという、好みの問題じゃない。チーム全体のレベルの問題なのだ。

 まずプレースピードとボールスピードが致命的に遅すぎる。いつもの強くて速いグラウンダーのボールを2タッチ以内で繋ぐサッカーとは、かけ離れている。「弱くて遅い」パスばかりで各駅停車だ。

 また味方のボールホルダーに対するサポートの角度が悪く、パスコースがない。そのパスコースを作るだけの運動量もない。さらにはサポートのスピードも遅いので、同じくパスの繋がりが悪くなってしまう。これでは2タッチ以内でボールは繋げない。

 完全に「別のチーム」に変わってしまっていた。

 特にレベルがアレなのは、スタメンで出たワントップのグスタボ・ネスカウだ。

 彼は時たま途中出場で見ているが、致命的に運動量がない。献身性もない。トランジションが悪い。できるプレイの幅が狭い。見ていられない。

 そんな新潟のフォーメーションは4-2-3-1。この日のスタメンはGKが阿部航斗。最終ラインは右から長谷川巧、トーマス・デン、田上大地、渡邊泰基。

 CMFは秋山裕紀と島田譲。2列目は右から松田詠太郎、高木善朗、小見洋太。ワントップはグスタボ・ネスカウだ。

後半8分に横浜FCが1点リードする

 さて後半8分。横浜FCの近藤友喜が右サイドから上げたアーリクロスを、ユーリ・ララが頭で合わせてゴールに叩き込んだ。これで横浜FCが1点リードした。

 すると新潟は後半12分、グスタボ・ネスカウに代えて谷口海斗、松田に代えて三戸舜介を入れてきた。やっとレギュラー陣のお出ましだ。そして後半17分には、エースの伊藤涼太郎も高木に代わり入ってきた。

 松橋力蔵監督はターンオーバーなどと余裕をかましていたが、1点リードされて慌てたのだろう。

 登場した三戸舜介はゲームに入るなりボールにワンタッチしただけで、「まったく違うな」とわかる。プレースピードとトラップの技術が、この日のスタメンの選手とはまるでレベルが違うのだ。そう、このレベルでなきゃ、見ていられない。

 だがいかんせん、いったん壊したゲームは元には戻らなかった。試合には「流れ」というものがあり、それを壊すと台なしになってしまう。

 挙げ句の果てには、横浜FCの小川航基がした危険なタックルをめぐり、両軍、入り乱れて乱闘寸前になる……。

 かくてタイムアップ。

 試合はすっかり「別のチーム」になった新潟の惨敗で終わってしまった。 

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【J1 第11節】石にかじりついても守り切る ~札幌 0-1 鹿島

2023-05-04 09:00:00 | Jリーグ
鹿島が3戦続けて完封勝ち

 J1第11節が3日に行われ、札幌ドームで鹿島アントラーズがホームのコンサドーレ札幌にウノゼロ勝ちした。

 相手より先に1点取ったら、それを守り切るーー。

 ボール支配率は39%。

 いまの鹿島アントラーズは、そんな見てくれにまったく構わないガムシャラな戦い方をしている。それがよく出たのが、この札幌戦だった。

 前半に奪ったFW鈴木優磨の1点をまるで石にかじりつくように守り切り、最後はDF昌子源を投入し守備を固める戦い方が当たり、これで3戦続けて完封勝ちだ。

 この試合を観て「つまらない」と思うなら、勝手にそう言え! そんな彼らのワイルドな雄叫びが聞こえてきそうだった。

 鹿島のフォーメーションは4-4-2、守備時5-3-2。4-1-2-3から4-4-2に変えて勝利が続いている。スタメンはGKが早川友基。最終ラインは右から広瀬陸斗、植田直通、関川郁万、常本佳吾。

 CMFは樋口雄太とディエゴ・ピトゥカ。右SHは名古新太郎、左SHは仲間隼斗。2トップは鈴木と垣田裕暉である。

鈴木優磨を日本代表へ

 鹿島の得点は前半21分だった。

 左サイドでボールを持った鈴木がスルーパスを出す。ペナルティエリア内で受けた名古がこれを折り返した。札幌DFの中村桐耶がクリアしようとしたが足を滑らせ、立ち上がってボールを蹴り出す。

 するとボールは鈴木の元へと届く。鈴木はワンタッチで右足を振り抜き、ゴールに叩き込んだ。彼はこれで4試合連続ゴールである。

 続いて同32分、カウンターの発動だ。鈴木が敵陣中央へパスを送ると、垣田がこれを受けた。彼はぺナ右へ侵入し、右足でシュートを放つが右へコースアウトしてしまう。

 そして試合は前半を終わり後半へ。同20分。札幌のぺナ内でボールを奪い、鈴木がゴールチャンスを迎える。だが札幌GKク・ソンユンがこれを防ぐ。と、こぼれ球を樋口が拾い、ぺナ中央から左足でシュートを放つが、またもク・ソンユンにセーブされた。

 このあと鹿島は何度も札幌の攻撃を浴びる。だが決してゴールは割らせない。エースの鈴木はドロドロになりながら、自陣ぺナ内へもひんぱんに引いて懸命に守備をした。

 彼のそんな献身的な姿に鳥肌が立ち、思わず「鈴木優磨を日本代表へ!」と叫びそうになった。

 鹿島はそんな鈴木と垣田の2トップによる前でのプレッシングがうまくハマらず、ボールを奪ってもマンツーマンでガンガン人を当ててくる札幌の前に防戦が続いた。

 されど1勝、勝ち点3。鹿島はこれから往年のようなしぶとさで連勝を続ける予感がする。

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【J1 第11節】神戸が勝ち点「2」を失った 〜名古屋 2-2 神戸

2023-05-03 17:31:44 | Jリーグ
大迫が絵に描いたような先制弾

 名古屋グランパスはJ1第11節で3日、ホームに首位・ヴィッセル神戸を迎えて対戦した。立ち上がり、神戸の大迫勇也が巧みなヘディングシュートで先制弾を決める。その後は神戸のうまい試合運びで終始、神戸が試合をリードしたが、最後の最後で後半アディショナルタイムに名古屋が追いついた。

 神戸は売り物のサイド攻撃とロングボールを駆使した攻めで圧をかけ、対する名古屋はタテに速いカウンターで対抗する展開になった。神戸は守備が堅く名古屋になかなか決定機を与えない。そんななか、神戸の十八番が飛び出す。
 
 前半11分、神戸得意のサイド攻撃である。左サイドから神戸の汰木康也がゴール前に鋭いクロスを入れ、大迫がワンフェイクを入れてマークをかわしヘディングシュートを簡単に決めた。

 神戸は大迫と武藤嘉紀に目が行きがちだが、左WGの汰木も非常にいい選手で技術があり貢献度が高い。クロスの精度がとてもよく、突破力もある。それにしても大迫はまさに絵に描いたようなヘッドを決めた。

 同じく名古屋も対抗するかのようにサイド攻撃を仕掛ける。

 同33分。名古屋の森下龍矢がサイドを破ってクロスを入れ、受けた永井謙佑がワンタッチで美しいシュートを叩き込んだ、かに見えたが、ユンカーがオフサイドを取られてゴールは消えた。

 名古屋のフォーメーションは4-2-3-1。ワントップにキャスパー・ユンカー、2シャドーにマテウス・カストロと永井を置くのがウリだ。稲垣祥、米本拓司の2CMFの守備が心臓部である。

 一方、神戸のフォーメーションは4-1-2-3だ。3トップは右から武藤、大迫、汰木。アンカーの齊藤未月が攻守のカギを握る。

アディショナルタイムに名古屋が追いつく

 試合は後半に入っても、神戸が主導権を握っている。神戸も名古屋もポゼッション率にはこだわらないチームだが、名古屋がカウンターに徹しているぶん自然に神戸に流れが来る。

 そんな後半15分。神戸が左サイドで長い縦パスを入れた。武藤がそれを頭でそらし、受けた大迫が敵DFをかわして左サイドから正確なクロスを入れる。これを途中出場の佐々木大樹がゴールに押し込んだ。2点目だ。

 それにしても大迫は獅子奮迅の活躍だ。

 こんなプレーを見せられると「ぜひ日本代表に」と思わず言いたくなる。

 そして後半28分。今度は名古屋に好機が来た。左サイドからクロスを入れ、ゴール前でユンカーが競る。そのこぼれ球を叩いたマテウス・カストロのシュートはGK坪井湧也が防いだが、リバウンドをユンカーが押し込んだ。これで名古屋が1点差に迫る。

 さあ残りは約20分。次の1点をどちらが取るか? が勝負だ。

 神戸はミドル〜ロングレンジの浮き球が非常に正確だ。こうした球種のボールを手駒のように操り、サイドからクロスを入れたり、縦に長いボールを入れて活路を切り開く。出すロングボールが正確でなければ「単なるアバウトな攻撃」になってしまうが、神戸はそうならない。

 さて神戸が5バックにし、5-4のブロックを組んで逃げ切りを図ってきた。だがそんな神戸は齊藤に遅延行為で2枚目のイエローカードが出て退場になってしまう。空気がキリキリと緊迫してくる。

 そして後半53分(アディショナルタイム)。最後の最後に名古屋が入れたクロスのこぼれ球から何度も波状攻撃が続く。こぼれたボールをDFの藤井陽也が叩いてゴールに撃ち込み、名古屋がとうとう同点にした。

 かくて時間ギリギリの戦いは引き分けに終わった。息が止まりそうになる凄まじい攻防だった。

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【ラ・リーガ 22/23 第33節】久保が決勝弾、Rマドリーを粉砕する 〜レアル・ソシエダ 2-0 レアル・マドリード

2023-05-03 11:13:22 | その他の欧州サッカー
久保、シーズン日本人最多得点記録を「8」に塗り替え

 レアル・ソシエダがラ・リーガ第33節で日本時間3日、レアル・マドリードをホームに迎えて対戦した。久保建英が試合を決める決勝弾を上げ、2-0でソシエダが圧勝した。

 フォーメーションはともに4-3-3。ソシエダの最前線は右から久保建英、スルロット、オヤルサバル。中盤左にダビド・シルバ。一方、マドリーの3トップはアセンシオ、マリアーノ・ディアス、ロドリゴだ。

 ソシエダは立ち上がり、積極的にハイプレスで入った。ブロック守備は4-2-2で対応する。一方のレアルはミドルプレスだ。この試合に対する両者の姿勢がよく現れている。

 両チームとも最終ラインからていねいにパスをつないでビルドアップし、ボールを保持しポゼッションする。サッカーのスタイルを大きく2つに分ければ、両チームとも似たタイプといえる。スペインのサッカーらしく、ゆったりとボールを繋ぐスタイルだ。

後半2分、久保が先制弾を放つ

 前半は両者無得点に終わり、勝負は後半へ。同2分。右サイドでボールを持ったミリトンがスルロットにハイプレスを受け、GKクルトワにバックパスした。だがミリトンは足を滑らし、このパスがミスになりボールはクルトワの横を素通り。これに久保が鋭く詰め、左足で無人のゴールへ叩き込んだ。

 続く同16分。マドリーのカルバハルがムニョスに危険なタックルをし、この日2枚目のイエローカードを出され退場処分になる。これでソシエダが絶対的有利に立った。

 10人になったマドリーは守備時4-4-1で対応。ソシエダの選手がボールを持つと、なんとハイプレスに行く。だがこれで陣形を広げられ、ますます不利になる。ソシエダが盛んにセカンドボールを拾っている。

 すると後半40分。ダビド・シルバが美しいダイアゴナルな浮き球のパスを出す。これを途中出場していたソシエダのバレネチェアが受け、右足でルーカス・バスケスの股を抜くゴールを決めた。2-0、ソシエダの勝利だ。

 久保は今シーズン8点目になる2試合連続ゴールでシーズン日本人最多得点記録を更新し、二ケタ得点も見えてきた。かたやチームは2連勝となり、チャンピオンズリーグ出場圏内の4位をキープした。

久保「僕は来季もソシエダにいる」と宣言

 これに先立ち、前日の会見でRマドリーのアンチェロッティ監督は「久保を獲得するか?」というメディアの質問に対し、「もちろん観察はしているよ。だが仮に獲得しても久保のポジションはない」という趣旨の発言をしていた。

 この日の久保のゴールはこのアンチェロッティ発言に対する強烈なアンチテーゼともいえ、事実、試合後の記者会見で、久保はハッキリ「僕は来シーズンも100%、ソシエダの選手です」と明言している。

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