身を捨ててこそ浮かぶ瀬も、きっとある。埼玉県上尾市のうなぎ屋が、サブスクリプションサービスに乗り出した。月33000円で、3300円の鰻重を1日1回食べられる。客に皆勤されたら大赤字ではあるが、少なくとも店舗の稼働(特に備長炭)と仕入フローを維持出来る。どちらも一度止めると再起動がなかなか面倒であるし、取引先との関係を継続すれば将来の財産となろう。客としても引け目があろうから、天ぷらやお新香、状況が許せばお酒の一本も注文するに違いない。そう云う信頼関係構築に無頓着で最大限の利得に猛進する人も稀によく居るが、初期投資のハードルの高さがここでは救いになりそうである。つまり牛丼屋のサブスクはかなりの確率で破綻するのだが、それはどうでもいい。その構造がより洗練されると会員制サロンになるのだろうが、そこまでいくと私の手が出ないので、程々の食材を程々の値段で楽しめるサブスク飲食と云う新業態が定着して欲しいのである。