親が子を思い、子が親を慕う
令和元年5月31日
青いシートが雰囲気を
疎外する最中の拝顔となる。
折れて修正した碑には、
「父母の しきりに戀し
雉子の聲」
と刻まれている。
「己れ生ある間は、子の身に
代らんことを念い、
己れ死に去りて後は、子の身を
護らんことを願う」
(父母恩重経)
高野山の静まり返った山中に
立って、雉子の声を聞く。
その一声、二声が杉木立ちに
こだまして、その声に亡き父
亡き母を思い出す。
親が子を思い、子が親を慕う
人の道は、父母恩重経の中にも
説かれているところ。
瓢箪を模った施茶翁の塚碑は
珍しい。
初物である。
施茶翁とは江戸の医者で、本名は
羽佐間宗玄。
彼は、俗世を遁れ芝愛宕町に閑居し、
雅号を瓢仙と称す。
常にに瓢(ふくべ)を愛蔵し、人に
抹茶をたてるのが楽しみで施茶翁、
と称されたという。
「地獄いや極楽とても望みなし
又、六道の辻で施茶翁」
但し、塚といっても、供養された
ものは、茶筅や瓢。
ほんと、昔、よく瓢箪を育て、
池などにつけ、中身を採って、
瓢箪飾りも作ったなあ。
我が子が小学校へ入った頃
だったかな?
父母恩重経とは、
「母の恩重きこと、天の極まり
なきが如し。
善男子、善女人よ、別けて之を説けば父母
十種の恩德あり。」
として、ひとつずつあげる。
一には懐胎守護の恩。
二には臨生受苦の 恩。
三には生子忘憂の恩。
四には乳哺養育の 恩。
五には廻乾就濕の恩。
六には洗灌不淨の 恩。
七には嚥苦吐甘の恩。
八には爲造悪業の 恩。
九には遠行憶念の恩。
十には究竟憐愍の 恩。
ちょっと難しいかな、私には?
基本的なことはわかるが。