何処からともなく
聴こえてくる 雨音
心沈めて
聴いている
何かしらの 不思議な調べは
風を揺する声にも似て
響いて 轟かせて 届く
止まない雨
止みそうにない雨
傘の群れが 遠くに見えて
曇り空が 青黒く広がる
いつまで
いつまで 続くのか
誰か 知っていたら
教えて欲しい
先ほどから
軒先で 窓を叩くような
雨音がするから
もう少し 大人しくしていたら
雨の妖精にでも 出会ったような
優しい気持ちに
なれるだろうか?
おまえは
憎たらしいほどに 蔓延って
憎たらしいほどに 居座って
憎たらしいほどの 勢いで
憎たらしいほどに 成長する
野辺でも
街中でも
道端でも
花壇でも
居ついたら 離れない
強い 激しい 負けない
しろもの
だから いま
思いっきり 格闘しょうと
抜き始めたけど
畑で偉そうに 野菜の苗を取り囲み
何だか わからないほど混在させて
知らぬ間に逞しく 踏ん張っている
苗を追い抜くほどに 大きくなって
我が物顔
どうするつもり?
だからって
私も 負けない
雨で柔らかくなった土に
隙間がないほど
遠慮なく生えているから
どちらが勝つか 何て
必死になってしまう
名もなき草 雑草の
強い生命力は 見上げたもので
生きるための戦いは
勝ちたいと想うけど
中々勝たせてくれない
どうしても 抜いてしまいたいから
今日の所は 負けてくれないかな~
雑草よ!
何処からか
陽射しが 届いて
昨日の雨が
嘘みたいな碧空に
思わず 歓声をあげて
大げさな声で
叫んでしまった
逃げてしまったのか
そんなはずのない
梅雨と言う名の雨空
出来たら しばらくは
お休みして欲しいけど....
青葉を揺する風
煌めく 光のシャワー
息づいた 樹木や草花
吐息の虫たち
何もかも
生きいきと
映って
風の調べ
木々の囁き
草花の匂い
雲の流れ
小窓から 眺める空に
呼びかけて
”もう少しだけ このままで”と
言ってみたい
もうすぐ 追いかけるから
もう少し 待っていて
澄んだ空の行方
今しか 確かめられない~
寝床の カレンダー
捲りながら
少しずつ 少しずつ....
過ぎ去る年月に 何故だか
過ぎた日々や 時間より
これから 待ちうける先を 未来を
受け止めるようになった
確実も 現実も
憧れも 希望も
未来も 過去も
成功も 失敗も
運命も 宿命も
みんな 凝縮された 老いの証
”だから どうした”何て言わないで
受け止めるしかない
1枚めくれば また1枚
やはり 歯車が回っているのを
認めるしかない 優れもの
さあ 次を捲るまで
どう 過ごして行こうか~