膝が泣いている
膝が痛いと泣いている
手術をして もう二か月
まだ腫れと熱感と痛みに
悲鳴はないけど
とにかく 痛い
固まって 頑固な筋肉の 鈍い動きに
ついて行けない組織が いまもなお
もっと 動きたい
もっと 曲げたり 伸ばしたり
しなさいよと 嘆いている
だから リハビリ!
主婦業の合い間に しっかり
関節も 筋肉も 腱も 総動員で
膝を 手足を 全身を
頑張って 動かし
痛みと 戦っている
歩いて 上がって 周っての
繰り返しに 全力投球
だのに だから それでも....
(少し~オーバーかな?)
泣いてばかりでいられない
膝と格闘しながら 精神力で
勝ちに行くから 少しだけ
待って欲しい
とにかく 乗りきってみせる!!!
ただいま 奮闘中~
ほら 見てごらん
眩しいほどの陽射しが
濃い オレンジ色に染まり
思いっきり 両手を広げ
背伸びしたけや木に 柔らかな
小さな葉が 光を浴びて
一斉に 芽吹き始めたのを
ほら 見てごらん
永い眠りから 目覚め
圧倒されるほどの勢いで
小枝も幹も 若葉でいっぱい
裏庭に居座るように 大きくなり
まるで 街路樹のようで
子供の成長を願って 植えた木も
家族を見守るように そびえ立つ
誰にも言えない 寂しさも
置き去りにした 悔しさも
忘れられない 出来事や想いも
今だからわかる 優しさや恋しさも
全てを包み込んでしまった
ほら 見てごらん
もうすぐ 梢を揺する風が吹いて
緑の香りを運んで来たら 枝垂れるほど
生きいきとして 空に向かい
煌めくだろう けや木よ!
ほら 見てごらん
もう
数日も過ぎたと言うのに
台風15号の影響 爪痕で
家屋の倒壊 破損 土砂崩れ 浸水・・・・
それだけでなく それに加えて
停電 断水 までもが続き
いまだに 解消されていない現状
被災地は悲鳴を上げている
被災者は助けを待っている
なのに
何も出来なくて 見ているだけで
苛立ちが募って
ニュースで知っても
傍観者のように ただ唖然として
華やかに報じている 内閣改造を
恨めしく 感じてしまう
それにしても
最近の地震や大雨 台風 竜巻など
自然の驚異の怖さ 恐ろしさ
逃げ場のない現象に
無力な人間達の弱さ 臆病さ
だから
立ち向かう 強さを持ちたいけど
何かと理由をつけて 逃げている
いま まさに 被災している人達に
「負けないで欲しい!」しか
言えない 情けなさ
さあ~何が出来る?
皆で 考えてみたいけど~
(被災した人達に、心よりお見舞い申し上げます)
いつ頃からか 想い出を集めて
胸のポケットに 少しづつ
閉まっている
無くさないよう
溢さないよう
ひとつづつ 記憶を辿りながら
生きてきた証と 懐かしさを刻んで
忘れられない だけど掴めない
取り戻したい だけど拒んだ
数々の出来事や 想いが蘇って
険しかった道のりを
振り返ったとき
探していた夢処も いつしか
身近なものに 変わったのは
どれだけの季節が
巡ったからだろうか
求めていたもの
残したいもの
日々の暮らしの中に 潜んでいると
改めて気づかされ 弾けて破れたら
繕いながら 飛ばしたものは
追いかけない
きっと今 穏やかな風に
吹かれている
これからも続く道を ゆっくり
歩いていくから~
いつも 当たり前のように
動かし 曲げて 支え 歩き 飛んで
体の大切な 一部だった膝が
長年の積み重ねからか 気づいたら
痛みで悲鳴を上げていた
”今更 どうしょう”
これから どうなるのだろう
歩くことも 走ることも
制限され どうにもならなくなって
やっと 立ち止まって
振り返っている
”手術しか方法がない”
苦渋の決断で 模索した結果に
頼るしかない
そう決めたから もう迷わないけど
もう少し ケアしながら
早めの対応が
出来なかっただろうかと
後悔している
やりたいことが いっぱいある
お花や 野菜作りに
愛犬との散歩
ジョキングや旅行 ショッピング・・・・
何をするにしても 膝は救世主
少しずつ 老いてきた
周りを見ながら 自分に素直でいたい
行先のある道は 細くて長い
まだまだ 遠くに続くから
普段の生活に 早く近づけるように
手術に向かって行く~