何かを描こうとしても何もない
ペンも えんぴつも チョークも 絵具すらも…
何処へ 置いてあるのか見当たらないから
空を見上げ 薄青い台紙に
いっぱい いっぱい 風船を指でなぞって
何処かへ 飛ばしてみよう
何かを描こうとしても何もない
風も 雲も 陽も 雨も 吐く息すらも…
何処へ 流されたのか解らないから
空を見上げ 絡み合う風に
いっぱい いっぱい 夢を乗せて
何処までも 追いかけてみよう
何かを描こうとしも何もない
野山も 小川も 公園も 海辺すらも
何処に 隠れているのか見えないから
空を見上げ 淡い光を見つけて
いっぱい いっぱい 数えたら
何処かへ 誘ってみょう
何かを描こうとしても何もない
明かりも そよ風も 詩も 気持ちも
何処へ 置いて来たのか思い出せないから
空を見上げ 透明版に託し
いっぱい いっぱい 心を入れる
何処かで 確かめてみよう
何でもいい 何かを描く
大空に向かい
風を呼んで
風と一緒に
風のなか~
何も言わず
何も求めず
何も叶わずとも
何を伝えよう
ただ ひたすら
その日だけ 空を仰ぎながら
雲や 雨や 山や 樹木や 陽と
一緒になって 精いっぱいに生きる
野原に咲いた 野花たち
健気に咲いて
誰の邪魔もしてないのに
踏まれたり 引き抜かれ 捨てられ
枯れてしまう
可愛く咲いて 小さな花は揺れ上手
目立たなく咲いて 素朴さが売りで
いつも主役には叶わないと控え目
だけど 誰にも負けない強さで
いつか 野原いっぱいに咲いて
会いに来て欲しいと呟き 囁いている
散歩道は花畑のよう~ ざわめくなか
いつでも 黄色や紫や薄い青の衣で飾り
野花は待っているよ!
何処からか 熱風が吹いて
いつの間にか 舞い落ちた枯れ葉
飛ばされ 廻され 踏まれながら
何処かへ 転がって
逃げ場を失ったら 吹き溜まり
追いやられて 錆色になっても
行き場を探して さ迷い
照りつける陽射しに 背くように
カサカサ カラカラ 泣いている
夏の枯れ葉よ! 何処へ~