新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。今年の正月はお天気もよく穏やかな日和でした。私もこの年末年始は、こんなに休んだのは学生の時以来ではというくらいの大型連休になりました。しかし、大晦日にはゴーンさんがスパイ映画のようにレバノンに逃走するわ、年明けにはイランのソレイマニ司令官を殺害するわ、まあ中東が大変なことになってきました。そんな中、自衛隊も予定通り中東に派遣されるとか。どうなることやら、であります。
まあ、それはそれとして、今年も頑張っていきましょう。それで今年の最初として、ブラームスです。交響曲第3番ヘ長調作品90であります。以前にも申したかも知れませんが、ブラームスの交響曲はコンサートのメインに鎮座されていたのですが、昨今はブルックナーやマーラーの台頭で、その地位を奪われ、この3番も、メインどころか1曲目に据えられることもあったり?の昨今であります。しかし、やはりブラームスの交響曲は、やはりなんといってもブラームスです?
それで、ブラームスの交響曲の演奏は、実にたくさんあります。一流指揮者なら必ず録音するといってもいい。その中で、私が常にやっぱりこれやなあ、と思うのがカール・ベームとVPOによる演奏なのであります。一つだけ持っていけといわれたら、これをでしょうね。その全集の中から、交響曲第3番。このベームとVPOの全集は、1975年5月~6月にかけてウィーン、ムジークフェラインで録音されています。ちょうどあの1975年3月の来日公演の直後に行われたものですね。
ベームのブラームスは、1番は1960年代にBPOとの名盤や来日公演のライブなどがあり、2番も1977年の来日公演のライブがありますね。3番となると、うーんMEMORIESにある1954年のフランクフルト放響とのライブくらいしかわかりません。考えてみれば、ベームの録音、それほどたくさん残っているわけではないですね。まあ、同時代ではカラヤンは異常なほど録音が多いですから、それと比べるといけません。
それでベームの演奏ですが、やはりVPOが実にいいですね。おそらく1975年の来日メンバーが顔を揃えているんでしょうね。ライブで聴けるような剛毅で熱いベームの熱演を期待すると、この演奏は少々物足りないし、ゆるいとかダレるという印象もあるやに思います。しかし、全体を通じてのVPOのまるやかな響きを惜しげもなく用いて醸し出される落ち着いた佇まいと、深い味わいは何者にも代え難く、大袈裟にいうなら空前絶後のものと思うであります。この演奏を聴く度に、VPOの奏でる音の素晴らしさには舌を巻き、それを駆使したこの演奏の素晴らしさを実感します。ベームは、このVPOの素晴らしさを引き出すことで、この演奏を実に素晴らしいものに仕上げましたねえ。
第1楽章。最初は少し穏やかやなあ、と思うのですが、次第にVPOの美音に耳が奪われる。その美音をかなりひっぱる箇所もあるが、私はまったく違和感を感じない。弦や木管の澄んだ音色は実にいい。コーダもたいそう美しい。第2楽章。私はこの楽章が最もいい。VPOの美音が実によく響いている。ゆったりとしたふくよかな演奏が繰り広げられ中。ああなんてVPOはきれいなんだと実感する。テンポもゆったりで、いささか緊張感を欠くとも言われるかもしれないが、この楽章は無駄な音がまったくない締まった音色で存分に美音を聴かせてくれる。聴く度にうっとりします。ほんとに美しい。そして第3楽章。こんなVPOの美音があの映画に使われた甘美なテーマをしっとりと歌い上げる。過度に感傷的ではなく、適度な感情で実にいい。あのテーマを楽器が代わる代わる歌うのはどれもいいが、ホルンが好きですねえ。とうっとりしながら終楽章。出だしから次第に力が入っていく。先の二つの楽章とは打って変わっての熱演。と言っても荒々しさや高揚感とまではいかず、落ち着いた適度な激しさ。これもVPOは非常に透明感がある響き。私にはこれで十分であります。最後の静かな終わりも実にきれいであります。やはり、VPOからこれだけの演奏を引き出すベーム。私は大好きであります。
実はこの演奏、シングルレイヤーのSACDで出たので、買い直しました。さすがのシングルレイヤー。これまでよりずっと音が鮮明なり、細部までの見通しがよくなりました。しかし、これだと対応していない機器では聴けないのが不便といえば不便ですねえ。それはともかく、この3番のあとには4番が続いて収められているのですが、必ず4番まで聴いてしまいます。4番も大好きです。
元旦からもう一週間。年が明けと、早いですね。今年はいろんなことがありそうですね。ほんとにね。マリーンズも頑張れ、であります。
(DG UCGG-9152/4 2019)
まあ、それはそれとして、今年も頑張っていきましょう。それで今年の最初として、ブラームスです。交響曲第3番ヘ長調作品90であります。以前にも申したかも知れませんが、ブラームスの交響曲はコンサートのメインに鎮座されていたのですが、昨今はブルックナーやマーラーの台頭で、その地位を奪われ、この3番も、メインどころか1曲目に据えられることもあったり?の昨今であります。しかし、やはりブラームスの交響曲は、やはりなんといってもブラームスです?
それで、ブラームスの交響曲の演奏は、実にたくさんあります。一流指揮者なら必ず録音するといってもいい。その中で、私が常にやっぱりこれやなあ、と思うのがカール・ベームとVPOによる演奏なのであります。一つだけ持っていけといわれたら、これをでしょうね。その全集の中から、交響曲第3番。このベームとVPOの全集は、1975年5月~6月にかけてウィーン、ムジークフェラインで録音されています。ちょうどあの1975年3月の来日公演の直後に行われたものですね。
ベームのブラームスは、1番は1960年代にBPOとの名盤や来日公演のライブなどがあり、2番も1977年の来日公演のライブがありますね。3番となると、うーんMEMORIESにある1954年のフランクフルト放響とのライブくらいしかわかりません。考えてみれば、ベームの録音、それほどたくさん残っているわけではないですね。まあ、同時代ではカラヤンは異常なほど録音が多いですから、それと比べるといけません。
それでベームの演奏ですが、やはりVPOが実にいいですね。おそらく1975年の来日メンバーが顔を揃えているんでしょうね。ライブで聴けるような剛毅で熱いベームの熱演を期待すると、この演奏は少々物足りないし、ゆるいとかダレるという印象もあるやに思います。しかし、全体を通じてのVPOのまるやかな響きを惜しげもなく用いて醸し出される落ち着いた佇まいと、深い味わいは何者にも代え難く、大袈裟にいうなら空前絶後のものと思うであります。この演奏を聴く度に、VPOの奏でる音の素晴らしさには舌を巻き、それを駆使したこの演奏の素晴らしさを実感します。ベームは、このVPOの素晴らしさを引き出すことで、この演奏を実に素晴らしいものに仕上げましたねえ。
第1楽章。最初は少し穏やかやなあ、と思うのですが、次第にVPOの美音に耳が奪われる。その美音をかなりひっぱる箇所もあるが、私はまったく違和感を感じない。弦や木管の澄んだ音色は実にいい。コーダもたいそう美しい。第2楽章。私はこの楽章が最もいい。VPOの美音が実によく響いている。ゆったりとしたふくよかな演奏が繰り広げられ中。ああなんてVPOはきれいなんだと実感する。テンポもゆったりで、いささか緊張感を欠くとも言われるかもしれないが、この楽章は無駄な音がまったくない締まった音色で存分に美音を聴かせてくれる。聴く度にうっとりします。ほんとに美しい。そして第3楽章。こんなVPOの美音があの映画に使われた甘美なテーマをしっとりと歌い上げる。過度に感傷的ではなく、適度な感情で実にいい。あのテーマを楽器が代わる代わる歌うのはどれもいいが、ホルンが好きですねえ。とうっとりしながら終楽章。出だしから次第に力が入っていく。先の二つの楽章とは打って変わっての熱演。と言っても荒々しさや高揚感とまではいかず、落ち着いた適度な激しさ。これもVPOは非常に透明感がある響き。私にはこれで十分であります。最後の静かな終わりも実にきれいであります。やはり、VPOからこれだけの演奏を引き出すベーム。私は大好きであります。
実はこの演奏、シングルレイヤーのSACDで出たので、買い直しました。さすがのシングルレイヤー。これまでよりずっと音が鮮明なり、細部までの見通しがよくなりました。しかし、これだと対応していない機器では聴けないのが不便といえば不便ですねえ。それはともかく、この3番のあとには4番が続いて収められているのですが、必ず4番まで聴いてしまいます。4番も大好きです。
元旦からもう一週間。年が明けと、早いですね。今年はいろんなことがありそうですね。ほんとにね。マリーンズも頑張れ、であります。
(DG UCGG-9152/4 2019)
新年一曲目が、ベームのブラームスですか。良いですね!私も、ブラームスの第3番は、好きな曲です。そして、このベームの演奏も、BOXセットで、所有しています。SACDではありませんが、音質的にも、素晴らしい、出来映えだと思います。CDを購入し始めた頃、バーンスタイン/VPOで、この曲を購入しました。迫力満点で、力の籠もった、バーンスタインも良いですが、ベーム、或いは、バルビローリもVPOと、相性が良いと思います。現在、ベームはやや、忘れられているようですが、ドイツ音楽の演奏家としては、絶対、忘れられない存在でしょう。ベートーヴェンの「田園」も、大好きな演奏です。これからも、聞き続けます。