先週は三連休でした。二日間仕事があり、3日は正倉院展に家族4人で行ってきました。息子の車でまず忍辱山円成寺に足を伸ばし、数少ない運慶作の大日如来を見ました。そして正倉院展では今年は鳥毛立女屏風が目玉ですか。文書は天平6年の官稲混合についての史料でもある『尾張国正税帳』や『志摩国輸庸帳』など。今年も3時半くらいに入り、まあそこそこの人の中、暗くなるまでけっこうしっかり見てきました。奈良は肌寒く、秋の深まりを感じる文化の日でした。
ということで、今回はジョージ・セル指揮クリーブランド管弦楽団野演奏によるブラームスの交響曲第3番ヘ長調作品90であります。1964年10月クリーブランドでの録音であります。セルは私にとっては、中学生のころ、クラシック好きのMくんの贔屓の指揮者だったので、彼の家に行って音楽を聴いたりしたときには、必ずセルの名前が出て来たんですね。どんな曲をセルの演奏で聴いたかは、もう憶えていませんが、ドヴォルザークの交響曲第8番はよく聴いたように思います。でも、もうそのころにはセルはお亡くなりになっていたんですね。私に取っても思いで深い指揮者であります。そして、その後、大学生になって初めてセルのLPを買いました。大学を中抜けして梅田の紀伊国屋書店でモントゥーの2番と合わせて買いました。1500円ぐらいでした。今と違って、ブラームスの交響曲のLPは何枚も持っているわけではなく、貴重な一枚でありました。そんなセルの演奏を久しぶりに聴きました。
今年になって、ブラームスの3番は二度目になります。そのときにも指摘したのですが、この曲は「地味」なんですね。ただ、第3楽章がバーグマンの「さよならをもう一度」に使われたことで、この哀愁を帯びたメロディが一躍有名になったようですね。この曲を初めて聴いたときも、第3楽章から入っていったことを憶えています。そして、この曲ほんとに地味ですねえ。
それでセルの演奏ですが、久しぶりに聴くと、ああ、こんなだったんだなあ、と思いが浮かぶのでした。このセルの演奏は、LP時代からの私のデフォルトになっているのですね。セルとクリーブランド管の緻密で純度の高い演奏であります。そして、ある種の緊迫感もあり、最初から最後まで、しっかりと聴くことができ、たいそうな充実感を感じるのでありました。やはり、スキのないというか、百点満点の演奏とでもいうのでしょうか、その点では満足させられる演奏であります。
第1楽章の冒頭から充実した響きです。各楽器はほんとに充実した演奏であります。その充実感から緊張感に発展しているのです。金管・木管そして弦がほんとに理想的な間合いでそれそれの演奏を展開し、うーん、これはすごいなあ、と思ってしまうのです。第2楽章アンダンテ、第1楽章の厳しさから、曲想も変わったこともあって、柔らかさが滲み出てくる。聴かせどころでは、テンポがゆったりめになって、情感が増すのでした。第3楽章。有名な楽章です。澄み切った美しさがあふれる。情感たっぷりの演奏で、主題を演奏するチェロ、オーボエ、そして再現部でのホルンなど、派手さはないですが、実の堅実。中間部では木管がいい。そして、第4楽書、終楽章に厳しい演奏を聴かせてくれます。各楽器がそれぞれ競うような展開が見られ、それが緊迫感を引き起こしています。最後の楽章の一層の充実が、この演奏をよりすばらしいものに引き立てていますねえ。ただ、この曲、最後の終わり方がすこし物足らないですかねえ。
11月の週末は、天気が良くないですね。昨年も一昨年も、雨がふったように思います。第2週の日曜日は三年続けて雨のように思います。残念です。
(SONY SBK47652 2001年 輸入盤)
ということで、今回はジョージ・セル指揮クリーブランド管弦楽団野演奏によるブラームスの交響曲第3番ヘ長調作品90であります。1964年10月クリーブランドでの録音であります。セルは私にとっては、中学生のころ、クラシック好きのMくんの贔屓の指揮者だったので、彼の家に行って音楽を聴いたりしたときには、必ずセルの名前が出て来たんですね。どんな曲をセルの演奏で聴いたかは、もう憶えていませんが、ドヴォルザークの交響曲第8番はよく聴いたように思います。でも、もうそのころにはセルはお亡くなりになっていたんですね。私に取っても思いで深い指揮者であります。そして、その後、大学生になって初めてセルのLPを買いました。大学を中抜けして梅田の紀伊国屋書店でモントゥーの2番と合わせて買いました。1500円ぐらいでした。今と違って、ブラームスの交響曲のLPは何枚も持っているわけではなく、貴重な一枚でありました。そんなセルの演奏を久しぶりに聴きました。
今年になって、ブラームスの3番は二度目になります。そのときにも指摘したのですが、この曲は「地味」なんですね。ただ、第3楽章がバーグマンの「さよならをもう一度」に使われたことで、この哀愁を帯びたメロディが一躍有名になったようですね。この曲を初めて聴いたときも、第3楽章から入っていったことを憶えています。そして、この曲ほんとに地味ですねえ。
それでセルの演奏ですが、久しぶりに聴くと、ああ、こんなだったんだなあ、と思いが浮かぶのでした。このセルの演奏は、LP時代からの私のデフォルトになっているのですね。セルとクリーブランド管の緻密で純度の高い演奏であります。そして、ある種の緊迫感もあり、最初から最後まで、しっかりと聴くことができ、たいそうな充実感を感じるのでありました。やはり、スキのないというか、百点満点の演奏とでもいうのでしょうか、その点では満足させられる演奏であります。
第1楽章の冒頭から充実した響きです。各楽器はほんとに充実した演奏であります。その充実感から緊張感に発展しているのです。金管・木管そして弦がほんとに理想的な間合いでそれそれの演奏を展開し、うーん、これはすごいなあ、と思ってしまうのです。第2楽章アンダンテ、第1楽章の厳しさから、曲想も変わったこともあって、柔らかさが滲み出てくる。聴かせどころでは、テンポがゆったりめになって、情感が増すのでした。第3楽章。有名な楽章です。澄み切った美しさがあふれる。情感たっぷりの演奏で、主題を演奏するチェロ、オーボエ、そして再現部でのホルンなど、派手さはないですが、実の堅実。中間部では木管がいい。そして、第4楽書、終楽章に厳しい演奏を聴かせてくれます。各楽器がそれぞれ競うような展開が見られ、それが緊迫感を引き起こしています。最後の楽章の一層の充実が、この演奏をよりすばらしいものに引き立てていますねえ。ただ、この曲、最後の終わり方がすこし物足らないですかねえ。
11月の週末は、天気が良くないですね。昨年も一昨年も、雨がふったように思います。第2週の日曜日は三年続けて雨のように思います。残念です。
(SONY SBK47652 2001年 輸入盤)
交響曲第3番は地味ですが、私は好きな曲になります。最近、重厚ではないブラームスも少しずつ出てきていますが、セルのこの曲も崩さない演奏で、最近の演奏うに通じるものではないでしょうか。
かなり前に、投稿したのですが、送信ミスだったみたいです。以後注意いたしますのでお許し下さい。セルの演奏はCDでも廉価では売られていますが、反面入手しにくかったように思います。ベートーヴェン交響曲もかなり捜しました。少し前にBOXが出ましたが、タブりが多く買う気にはなりませんでした。録音については、これから指摘されたことに注意して聴きたいです。またご教示下さい。
セルの3番は端正で、控えめですけれど気持ちよく歌っている感じで、すばらしいとおもいます。
初めて手に入れた3番でした。初めてを並べると、
1番、ベーム、BPO
2番、バルビローリ、VPO
4番、ワルター、コロンビア
だったのを思い出します。1番は中古盤、2番はセラフィム、3番はCBSの廉価版、4番はオデュッセイ、40ん年前のことでした。
1番 カラヤンBPO
2番 モントゥー ロンドン
3番 セル
4番 ワルター コロンビア響
こんなだったとおもいます。4番は一緒ですね。どれも廉価盤と思います。
またご教示ください。