
いよいよプロ野球も、オープン戦がはじまりましたね。今年のマリーンズはどうでしょうか。新戦力としては、藤岡・中後・鈴木・グライシンガー・ホワイトセルなど。キャンプではけっこういい調子のようだし、オープン戦でも好調をキープして、開幕を迎えて欲しいものです。今日はジャイアンツとの対戦で、期待の藤岡が先発の予定でしたが、雨のため中止になりました。残念でした。今年は、去年のようなことはないと思いますが、なんとか頑張ってもらいたいです。
さてさて、今回は先日購入したCDからです。EMIのアイコンシリーズから、アレクシス・ワイセンベルクの録音集(10枚組)であります。ワイセンベルクは、1929年ブルガリア生まれのピアニスト。私が音楽を聴き始めた1970年代、カラヤンとの協奏曲などの録音がEMIからいろいろと発売されていました。そのころはカラヤンのお気に入りのピアニストだったんでしょうか。しかし。その後それほど名前を聞かなくなりました。しかし、彼のピアノは、非常に硬質の音であり、しかも純粋で澄んだ響きで、たいそう魅力的でした。それゆえ好きなピアノなんですね。しかし、1980年代以降はほとんど新しい録音もなく、入手できるCDも限られている状況でした。中古やさんなんかでたまに見つけると買っていたのでした。そんなときに、このEMIからの10枚組が発売されまして、これは買わなければなるまい、と思ったのでした。2000円ちょっとで購入できました。安いですねえ。
そして、このBOXの中からモーツアルトです。ピアノ協奏曲第9番変ホ長調K.271です。ワイセンベルクにカルロ・マリア・ジュリーニ指揮ウィーン交響楽団の演奏。 1978年6月の録音です。この曲は、『ジュノーム』と呼ばれていますが、フランスのピアニストのジュノーム嬢がザルツブルクを訪れた際に、彼女に献呈されたといわれてきたためだそうです。作曲年代は1777年1月。そして、このジュノームという人物については、不明なところが多いそうです。数あるモーツアルトのピアノ協奏曲の中で、初期の名作といわれています。
この演奏、まずワイセンベルクのピアノの音色に魅了されます。非常に硬い音で、混じり気のない純な響きはいいですね。決して声高にならず、穏やかにゆったりと一音一音を噛みしめるように弾いている姿には、思わず引き込まれていきます。モーツァルトの演奏としては、異質さを感じます。典雅さや溢れんばかりに表情や感情、そんな風情をあまり感じさせないのですね、その音質によるものか、冷静で落ち着いたピアノであります。バックのジュリーニですが、ワイセンベルクの特徴あるピアノにたいそううまく合わせております。弱音で語りかけるようなピアノに寄り添うようなオケの演奏、そんなところが随所に聴かれます。
第1楽章、トゥッティによる第1主題のあとピアノが同じ旋律を奏でるが、それからワイセンベルクのピアノやなあ、と思わせる。強弱のほとんどない宝石のような粒の揃った響きが心地良い。
カデンツァでも純な響きで終始し、美しいピアノであります。第2楽章、短調楽章。冒頭の憂いに満ちた弦の第1主題が悩ましい。それを受け継ぐピアノとオケとの対話が美しく展開されます。感情過多ではなく冷静さが保たれているが、この深遠な世界は永遠に続くような気持ちにさせてくれます。そして第3楽章。冒頭のロンド主題が快活。そして、中間部にはピアノのソロが続くが、ワイセンベルクはいたって冷静。そこで奏でられるモーツアルトはほんとに美しいです。硬質で粒の揃った響きがとてもいいです。オケとのやりとりも秀逸であります。
そして、そうこうしているうちに、ワイセンベルクの訃報を知ることになりました。今年の1月8日、スイスのルガノで逝去されたそうです。なんでもパーキンソン病との30年にわたる闘病生活を送られていたそうです。ちょうど彼の名前を聞かなくなったのは、この病気のためだったのですね。この病がなかったら、もっと多くの演奏を聴くことができたと思えば、残念ですね。
(EMI icon 6790862 2012年 輸入盤)
さてさて、今回は先日購入したCDからです。EMIのアイコンシリーズから、アレクシス・ワイセンベルクの録音集(10枚組)であります。ワイセンベルクは、1929年ブルガリア生まれのピアニスト。私が音楽を聴き始めた1970年代、カラヤンとの協奏曲などの録音がEMIからいろいろと発売されていました。そのころはカラヤンのお気に入りのピアニストだったんでしょうか。しかし。その後それほど名前を聞かなくなりました。しかし、彼のピアノは、非常に硬質の音であり、しかも純粋で澄んだ響きで、たいそう魅力的でした。それゆえ好きなピアノなんですね。しかし、1980年代以降はほとんど新しい録音もなく、入手できるCDも限られている状況でした。中古やさんなんかでたまに見つけると買っていたのでした。そんなときに、このEMIからの10枚組が発売されまして、これは買わなければなるまい、と思ったのでした。2000円ちょっとで購入できました。安いですねえ。
そして、このBOXの中からモーツアルトです。ピアノ協奏曲第9番変ホ長調K.271です。ワイセンベルクにカルロ・マリア・ジュリーニ指揮ウィーン交響楽団の演奏。 1978年6月の録音です。この曲は、『ジュノーム』と呼ばれていますが、フランスのピアニストのジュノーム嬢がザルツブルクを訪れた際に、彼女に献呈されたといわれてきたためだそうです。作曲年代は1777年1月。そして、このジュノームという人物については、不明なところが多いそうです。数あるモーツアルトのピアノ協奏曲の中で、初期の名作といわれています。
この演奏、まずワイセンベルクのピアノの音色に魅了されます。非常に硬い音で、混じり気のない純な響きはいいですね。決して声高にならず、穏やかにゆったりと一音一音を噛みしめるように弾いている姿には、思わず引き込まれていきます。モーツァルトの演奏としては、異質さを感じます。典雅さや溢れんばかりに表情や感情、そんな風情をあまり感じさせないのですね、その音質によるものか、冷静で落ち着いたピアノであります。バックのジュリーニですが、ワイセンベルクの特徴あるピアノにたいそううまく合わせております。弱音で語りかけるようなピアノに寄り添うようなオケの演奏、そんなところが随所に聴かれます。
第1楽章、トゥッティによる第1主題のあとピアノが同じ旋律を奏でるが、それからワイセンベルクのピアノやなあ、と思わせる。強弱のほとんどない宝石のような粒の揃った響きが心地良い。
カデンツァでも純な響きで終始し、美しいピアノであります。第2楽章、短調楽章。冒頭の憂いに満ちた弦の第1主題が悩ましい。それを受け継ぐピアノとオケとの対話が美しく展開されます。感情過多ではなく冷静さが保たれているが、この深遠な世界は永遠に続くような気持ちにさせてくれます。そして第3楽章。冒頭のロンド主題が快活。そして、中間部にはピアノのソロが続くが、ワイセンベルクはいたって冷静。そこで奏でられるモーツアルトはほんとに美しいです。硬質で粒の揃った響きがとてもいいです。オケとのやりとりも秀逸であります。
そして、そうこうしているうちに、ワイセンベルクの訃報を知ることになりました。今年の1月8日、スイスのルガノで逝去されたそうです。なんでもパーキンソン病との30年にわたる闘病生活を送られていたそうです。ちょうど彼の名前を聞かなくなったのは、この病気のためだったのですね。この病がなかったら、もっと多くの演奏を聴くことができたと思えば、残念ですね。
(EMI icon 6790862 2012年 輸入盤)
ワイセンベルクさんがその病気だったとは知りませんでしたし、この1月に亡くなったことも知りませんでした。非常に残念なことですね。
私はワイセンベルクさんの演奏では、シューマンの作品集とバッハのパルティータ集しか持っていません。いずれもLPです。両方とも、非常に明晰な演奏ですね。