先週、杉田水脈衆院議員の「アイヌコスプレ」投稿を、札幌法務局が人権侵害と認定した、と報道されました。この議員さんの再三の問題発言は、議員としていいのか云々はおいといて、驚いたのは、謝罪や説明を求める声に対して、自民党の茂木派の議員が杉田氏には多数のフォロワーがいるため「彼らを引き連れて反自民勢力になられるのも厄介だ」と言われたこと。さすが自民党は、いろんな考え方をされる議員がおられる、幅広い政党なんだ、と再確認しました。
それはそれとして、今回はチャイコフスキーです。過日、エフゲニー・ムラヴィンスキーの交響曲第4~6番がSACDとしてタワーさんから発売されたので、ちょうど期限切れが近いポイントもあったんで、これを購入しました。この演奏については、LPでも持っていたし、CDになってもDGの2枚組を持っています。たた、みなさん指摘されているように、2枚組CDでは、5番が二枚にわたり収められているのが、確かに不満でありましたねえ。ということで、チャイコフスキーの交響曲第6番作品74『悲愴』、ムラヴィンスキー指揮レニングラードPOです。
まあ、ムラヴィンスキーのチャイコフスキーは、LP時代には絶対的な存在でしたよねえ。そして、この演奏は、1960年9月~11月の西欧への演奏旅行のときに、ロンドンで録音され、DGから発売されたものだったことも、多くの人に知られた一因でしょうね。ただ、私的には、この演奏はそれほど好きではなく、むしろ同時期に多くチャイコフスキーを取り上げていたカラヤンなどの方が、好みでありました。でも、チャイコはムラヴィンスキー、と定評がありましたねえ。
このムラヴィンスキーの演奏は、徹頭徹尾客観的なんですよねえ。情におぼれることはなく、まあ、そっけない。もっと情に訴えるような演奏がいいな、ということだったんですよねえ。特に『悲愴』なんかは、これを聴いて涙したい、ってことだったんですねえ。そんな中、この絶対的な存在であったムラヴィンスキーの下で、鉄の結束で精密機械のように演奏する、って感じでしたよねえ。共産主義ソ連の象徴のように感じておりました。
今回SACDで久々に聴きましたが、この印象は一層強化されました。というのも、オケが凄い音で鳴っております。いつも聴く音量では、音があまりに凄いので音量を小さくしてしまったほどでした。そして、それと同時にこの演奏の印象も少し変わってきました。とにかく凄い、凄すぎるんですね。もう怒涛のように音楽が押し寄せる。一度聴き始めたらもうやめれない。ぐいぐい音楽に引き込まれていくんです。ムラヴィンスキーの下、一糸乱れぬ演奏というだけでなく、この音楽には凄まじい力がある。生気や熱気は言うまでもなく、そんな言葉では表現できない凄味のある音楽であります。先述の客観的や情に訴える云々なんて甘い甘い。そんなことは超越した絶対的な高みに昇華された音楽でありました。
第1楽章から力強い音楽。チャイコフスキーの哀愁を帯びたメロディなんて次元ではなく、もう最初からがんがんオケが鳴り響く。このハイテンションで高カロリー、速いテンポも却って惹きつけられる。第2楽章、実に美しくオケが鳴り響く。そしてオケの響きのも、寸分の狂いも感じない。まさに鉄壁のアンサンブル。そして、後半の二楽章がこれまた凄い。第3楽章ここでも怒涛の進撃。力強い推進力に、有無を言わせず飲み込まれていく快感がとてもいい。次への期待値が嫌が上にも高まっていく。そして終楽章。力強くオケが鳴り響く。それが次第に慟哭のように聞こえてくるから、これまた不思議。そんな演奏ではない、と思いつつも、知らず知らずにはまっていくのでした。これまたこの演奏の凄さ。消え入るように終わる最後も、きちんと終わりへの道筋も明確。これもこの演奏らしさでしょうねえ。やはりSACDの威力は絶大でありました。
お彼岸から少し暑さもましになってきました。一方、マリーンズ、大失速の終盤戦。3位以内に留まれるか。微妙ですねえ。頑張れマリーンズ。
(DG PROC-2377/9 2023年 TOWER RECORDS VINTAGE SACD COLLECTION)
それはそれとして、今回はチャイコフスキーです。過日、エフゲニー・ムラヴィンスキーの交響曲第4~6番がSACDとしてタワーさんから発売されたので、ちょうど期限切れが近いポイントもあったんで、これを購入しました。この演奏については、LPでも持っていたし、CDになってもDGの2枚組を持っています。たた、みなさん指摘されているように、2枚組CDでは、5番が二枚にわたり収められているのが、確かに不満でありましたねえ。ということで、チャイコフスキーの交響曲第6番作品74『悲愴』、ムラヴィンスキー指揮レニングラードPOです。
まあ、ムラヴィンスキーのチャイコフスキーは、LP時代には絶対的な存在でしたよねえ。そして、この演奏は、1960年9月~11月の西欧への演奏旅行のときに、ロンドンで録音され、DGから発売されたものだったことも、多くの人に知られた一因でしょうね。ただ、私的には、この演奏はそれほど好きではなく、むしろ同時期に多くチャイコフスキーを取り上げていたカラヤンなどの方が、好みでありました。でも、チャイコはムラヴィンスキー、と定評がありましたねえ。
このムラヴィンスキーの演奏は、徹頭徹尾客観的なんですよねえ。情におぼれることはなく、まあ、そっけない。もっと情に訴えるような演奏がいいな、ということだったんですよねえ。特に『悲愴』なんかは、これを聴いて涙したい、ってことだったんですねえ。そんな中、この絶対的な存在であったムラヴィンスキーの下で、鉄の結束で精密機械のように演奏する、って感じでしたよねえ。共産主義ソ連の象徴のように感じておりました。
今回SACDで久々に聴きましたが、この印象は一層強化されました。というのも、オケが凄い音で鳴っております。いつも聴く音量では、音があまりに凄いので音量を小さくしてしまったほどでした。そして、それと同時にこの演奏の印象も少し変わってきました。とにかく凄い、凄すぎるんですね。もう怒涛のように音楽が押し寄せる。一度聴き始めたらもうやめれない。ぐいぐい音楽に引き込まれていくんです。ムラヴィンスキーの下、一糸乱れぬ演奏というだけでなく、この音楽には凄まじい力がある。生気や熱気は言うまでもなく、そんな言葉では表現できない凄味のある音楽であります。先述の客観的や情に訴える云々なんて甘い甘い。そんなことは超越した絶対的な高みに昇華された音楽でありました。
第1楽章から力強い音楽。チャイコフスキーの哀愁を帯びたメロディなんて次元ではなく、もう最初からがんがんオケが鳴り響く。このハイテンションで高カロリー、速いテンポも却って惹きつけられる。第2楽章、実に美しくオケが鳴り響く。そしてオケの響きのも、寸分の狂いも感じない。まさに鉄壁のアンサンブル。そして、後半の二楽章がこれまた凄い。第3楽章ここでも怒涛の進撃。力強い推進力に、有無を言わせず飲み込まれていく快感がとてもいい。次への期待値が嫌が上にも高まっていく。そして終楽章。力強くオケが鳴り響く。それが次第に慟哭のように聞こえてくるから、これまた不思議。そんな演奏ではない、と思いつつも、知らず知らずにはまっていくのでした。これまたこの演奏の凄さ。消え入るように終わる最後も、きちんと終わりへの道筋も明確。これもこの演奏らしさでしょうねえ。やはりSACDの威力は絶大でありました。
お彼岸から少し暑さもましになってきました。一方、マリーンズ、大失速の終盤戦。3位以内に留まれるか。微妙ですねえ。頑張れマリーンズ。
(DG PROC-2377/9 2023年 TOWER RECORDS VINTAGE SACD COLLECTION)
DGGチャイコ3曲、1968エロイカなどなど限りなく神技と表現するしかないですな。
また、ご教示いただければ幸いです。