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10月も下旬。秋の深まりをようやく感じるようになりました。プロ野球も日本シリーズを残すのみ。今年も無縁のマリーンズでした。
そんな秋の深まりの中で、今回はグリーグであります。グリーグは、言わずとしれたノルウェーの作曲家。昨年没後百年となりました。別に北欧の作曲家だから、秋に相応しいというわけでもないのですが、季節柄、グリーグの抒情小曲集ということです。
もう今から15年以上前に、NAXOSから出ていた抒情小曲集のCDをたまたま買いました。その展開されるピアノの世界に惹かれて、けっこう聴いていました。そのことを当時、ピアノをご自分でも弾かれる音楽好きの職場の同僚に、この曲の話をしてこれを聴いてもらいましたら、その感想たるや「これは映画音楽か、はたまたイージリスニングやな」と言われました。それでこのCDをそう思って聴いてみると、まさにそんな雰囲気なんですね。このやり取りは、けっこう私の気持ちを消沈させたのでした。
その後、この曲にエミール・ギレリスの演奏がある、ということを知りまして、早速買いました。そして、この演奏を聴くとこれまで聴いていたものとは全く違ってピアニストの気持ちや曲の理解、このように演奏すべきだという考えがビシビシと伝わってくる。以前に聴いていたものは、悪く言えば譜面とを演奏しているのみという感じがしたのでした。ただ、気軽に聴けるという長所はもっていますが…。
グリーグの抒情小曲集は、1867年から1903年にかけて作曲された全78曲からなるピアノ曲集で、6~8曲ごとにまとめられて出版され、全10集からなるものです。北欧なんかよくわかりませんが、グリーグの世界が嫌と言うほど展開されます。ギレリスは、この78曲から20曲を選んで演奏しています。第1曲の12-1の「アリエッタ」を聴いたとき、そのピアノタッチの繊細さに驚きました。テンポもゆっくりめで、語りかけるような演奏が印象的でした。これぞグリーグの世界でしょうか。38-1「子守唄」と43-1「蝶々」は、私は好きな曲ですが、淡々としたピアノの美しさは特筆すべきものでしょう。一方で、さすがに「鋼鉄のピアニスト」の面目躍如の演奏も聴けます。47-4の「ハリング」は、強いリズムとタッチがいいです。54-4の「夜想曲」は弱音がきれいで、一音一音の美しさを感じます。57-6「郷愁」、ここでもギレリスは詩情たっぷりの音を聴かせてくれます。68-3「あなたのそばに」、ロマンチックな、甘美さが引き付けられ、ギレリスはやさしいです。そして、最後には、「アリエッタ」のの変奏である71-7「余韻」で閉められます。ここで最初に戻ってたくさんの小曲集は終わるのですね。ギレリスもこれを最後に持ってきたのは、ハイライトですが、全曲を見通そうとしたのでしょうか。このピアノがノルウェーのどんな風景を示すかは聴く方が判断したらいいと思いますが、ギレリスで再現される世界は、魅力あふれるものになっています。
ただ、65-6「トロルドハウゲンの婚礼の日」が収録されいないのは、残念でした。
(DG 449 721-2 1996 THE ORIGINALS 輸入盤)
そんな秋の深まりの中で、今回はグリーグであります。グリーグは、言わずとしれたノルウェーの作曲家。昨年没後百年となりました。別に北欧の作曲家だから、秋に相応しいというわけでもないのですが、季節柄、グリーグの抒情小曲集ということです。
もう今から15年以上前に、NAXOSから出ていた抒情小曲集のCDをたまたま買いました。その展開されるピアノの世界に惹かれて、けっこう聴いていました。そのことを当時、ピアノをご自分でも弾かれる音楽好きの職場の同僚に、この曲の話をしてこれを聴いてもらいましたら、その感想たるや「これは映画音楽か、はたまたイージリスニングやな」と言われました。それでこのCDをそう思って聴いてみると、まさにそんな雰囲気なんですね。このやり取りは、けっこう私の気持ちを消沈させたのでした。
その後、この曲にエミール・ギレリスの演奏がある、ということを知りまして、早速買いました。そして、この演奏を聴くとこれまで聴いていたものとは全く違ってピアニストの気持ちや曲の理解、このように演奏すべきだという考えがビシビシと伝わってくる。以前に聴いていたものは、悪く言えば譜面とを演奏しているのみという感じがしたのでした。ただ、気軽に聴けるという長所はもっていますが…。
グリーグの抒情小曲集は、1867年から1903年にかけて作曲された全78曲からなるピアノ曲集で、6~8曲ごとにまとめられて出版され、全10集からなるものです。北欧なんかよくわかりませんが、グリーグの世界が嫌と言うほど展開されます。ギレリスは、この78曲から20曲を選んで演奏しています。第1曲の12-1の「アリエッタ」を聴いたとき、そのピアノタッチの繊細さに驚きました。テンポもゆっくりめで、語りかけるような演奏が印象的でした。これぞグリーグの世界でしょうか。38-1「子守唄」と43-1「蝶々」は、私は好きな曲ですが、淡々としたピアノの美しさは特筆すべきものでしょう。一方で、さすがに「鋼鉄のピアニスト」の面目躍如の演奏も聴けます。47-4の「ハリング」は、強いリズムとタッチがいいです。54-4の「夜想曲」は弱音がきれいで、一音一音の美しさを感じます。57-6「郷愁」、ここでもギレリスは詩情たっぷりの音を聴かせてくれます。68-3「あなたのそばに」、ロマンチックな、甘美さが引き付けられ、ギレリスはやさしいです。そして、最後には、「アリエッタ」のの変奏である71-7「余韻」で閉められます。ここで最初に戻ってたくさんの小曲集は終わるのですね。ギレリスもこれを最後に持ってきたのは、ハイライトですが、全曲を見通そうとしたのでしょうか。このピアノがノルウェーのどんな風景を示すかは聴く方が判断したらいいと思いますが、ギレリスで再現される世界は、魅力あふれるものになっています。
ただ、65-6「トロルドハウゲンの婚礼の日」が収録されいないのは、残念でした。
(DG 449 721-2 1996 THE ORIGINALS 輸入盤)
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