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最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

ヤノフスキの「ローエングリン」

2014年12月27日 21時14分28秒 | ワーグナー
昨日は、仕事納めでした。今週は忙しくて、天皇誕生日も出勤し、それからも毎日10時まで残業でありました。今の仕事では、どうしてもこの時期はこんな感じ。来年もこれかと思うと嫌になります。帰宅後、1時まで年賀状づくりをするなど、もうクタクタ。お陰で年末は、忘年会どころではありませんでした。今日からお休みになり、少しホッとしております。しかし、年明けまでにしないといけないことも多く、これから家でお仕事であります。でも、年末はうきうきしますね。気持ちの高揚感があります。

それで、今回はワーグナーです。今年のバイロイト音楽祭は、今日がもう最後で「神々の黄昏」だったんですね。それどころではなく、今日から聴こう!と間の抜けたことを言ってました。今週から始まって、タンホイザー、オランダ人、ローエングリンと指環だったみたいですね。パルシファルは来年がプレミエなんで、今年はお休みでしょうか。少々この世界から疎くなっています。でも、2016年からの指環は、マレク・ヤノフスキだそうです。それくらいは知ってます!

実は、ヤノフスキのワーグナー全10作がPentaToneから演奏会形式のライブ録音で次々に出されたことは周知の通りですが、私も遅ればせながら、まずローエングリンを買いました。近年、ワーグナーのみならず、オペラの新録音はなかなか発売されない中で、この企画は2013年のワーグナー生誕200年に絡むとは言え、快挙であります。しかもSACDですからねえ。ヤノフスキーは、約30年前にSKDと指環全曲を録音し、テオ・アダムのウォータンやコロのジークフリートなどで話題になりましたが、高名な歌手に比べ、指揮者はあまり知られていなかったようでした。しかし、今や正に文字通り巨匠であります。

ということで、ほぼ2年以上振りの「ローエングリン」であります。このオペラはいいですねえ。久々に聴き堪能しました。歌手はクラウス・フローリアン・フォークトのローエングリン、エルザはアネッテ・ダッシュ、ギュンター・クロイスベックのハインリヒ王など、近年活躍されている人たち。ヤフノスキ指揮ベルリン放送交響楽団。2011年11月12日ベルリンでのライブ録音です。

まず思ったのは、ヤノフスキのベルリン放響の演奏です。音楽が非常に優しいのです。この曲はエルザは夢見るような幻想的は趣がありますが、それがうまく表されています。迫力や気迫を必要以上に出すこともなく、きめ細やかな美しさに満ちているのです。この曲に相応しい。そのあたりヤノフスキの巧さが光ります。ここでも、オケもBPOやVPOなどに比べると総合的には見劣りしますが、実に丁寧な演奏です。そして、場面に応じた表情ももしかしたら歌手たち以上かもしれません。まだ前奏曲もそんなところに加えて、幻想的で夢見るような表情は素晴らしい。また第三幕の第三場への間奏は、壮大なスケールであり、また緻密さも見られ、またドイツっぽさがあふれるようで、いいですねえ。

一方、歌手なんですが、ローエングリンは、これまでとは異なり、神聖的や英雄的ではなく、実に優しげで穏やかに歌い切りました。近所のお兄さんと言えばひどいかも知れませんが、うーんこんなのもあったか、と思いました。声量も豊か美声で楽々と歌い上げます。「はるかな国」などは余力を残しての安定した歌唱。最初は違和感を持ちましたが、慣れてくるとよさが滲み出てきますね。そしてエルザは、少々非力かな。うーん、難しいですねえ。2幕2場ではオルトルートとの区別ができないところも。でもここでの両者は熱演です。そして、ハインリッヒ王のクロイスベックは、なかなかいいです。毅然として、すっきりした王であります。またテルラムントも立派です。2幕1場のオルトルートとやり取りも熱がこもっていますし、オケもいいです。三幕でのローエングリンとエルザの場面以上に聴かせてくれます。そんなことで、全体的には、あっさりめであり、ねっちこさはなく淡泊な印象はありますね。そんなことからも、現代的なローエングリンであります。

このロ-エングリンを聴いて、ヤノフスキのワーグナーの他の作品も聴きたくなりました。明日は、息子と岡山に行きます。今年もあと4日になりました。
(PentaTone PTM1021 2012年 輸入盤)

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