こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

大晦日のブルックナー

2014年12月31日 10時15分25秒 | ブルックナー
28日に息子と岡山に墓参に行きました。雨が降り出し、極めて寒い一日でした。帰りにVAN(VAN HOUSE OKAYAMA)に寄ったのですが、何でも1月末で閉店し、4月に新装オープンするが、今の店長さんは家業を継ぐためにお辞めになるそうです。いやはや、残念です。もう15年来のおつきあいで、岡山に行く楽しみのひとつだったし、この店長さんがいてはるから、ということでもあったのですね。新しいお店も行くとは思いますが、実に寂しいことであります。そんな年末の衝撃でありました。

そんなこんなで、今年の最後の更新になります。今年1年を振り返って見ると、更新は56回。そのうち、モーツアルト12、ブラームス9、ベートーヴェン8、ブルックナー8、シューマン4、ハイドン4、ショパン3、ワーグナー、シューベルト、マーラー、メンデルスゾーン、チャイコフスキー、パガニーニ、ドリーブがそれぞれ1、中島みゆき1、その他2、ということでありました。意外にシューベルトとマーラーが少なく、バッハなし。モーツアルト・ベートーヴェン・ブラームス、ブルックナーで約65%を占めるということも、そんなもんかな、というところでしょう。2005年12月に始めたこのブログ。来年でなんと10年目となります。記事数も700件を超えました。まあ、継続していることだけに価値があるようですが、頑張っていきたいと思っています。

ということで、今年最後の更新は、ブルックナーです。交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」。またか、という声もあるかもしれませんが、今回は第1稿(1874年稿)です。この第4番も稿の問題が複雑です。現在よく演奏され一般的なのは1878/80年稿に基づくハース版またはノヴァーク版第2稿です。現在の3番や8番もかなり違った初稿が存在しますが、4番はもっとも第1稿と第2稿の著しい違いがあります。第1・4楽章は、同じフレーズがありますが、構成はまったく異なっていますし、第3楽章に至っては、まったく違う曲になっています。第1稿は、1982年のインバルによる演奏を初めに、ノリントン、ヤング、ナガノそしてボッシュなどの演奏を聴くことができます。インバルのCDで初めて第1稿を聴きましたが、それは衝撃的でありました。それ以降、あまり聴かなかったのですが、少し前にマルクス・ボッシュ指揮アーヘン交響楽団による演奏を聴き、いいなあと思ったわけです。2008年5月30日~6月1日、アーヘンの聖ニコラウス教会での録音です。

何度も言いますが、この曲、私は大好きです。この第1稿は非常に新鮮に聴くことができます。通常の曲の主題や基本的なフレーズは同じですが、それらを用いての構成がまったく異なる。別の曲ではないが、聴き慣れた旋律が形を変えて出てくるので、親しみやすく聴くことができるのですね。1878/80年稿が聴き慣れているからかもしれませんが、非常に整っているのに対して、こい第1稿は粗野なイメージがあります。でもそれゆえに心に迫ってくるようものを感じる場合もあるのですね。この曲のいくつかの主題が、形を変えたりして現れたときに、これまで感じなかった、意表を突いた、スリリングで新鮮な印象をもつことがあるのでした。

ボッシュとアーヘン響、大聖堂での録音ということもあってか、残響がオケの響きをたいそうまろやかにブレンドして、それが全体の音響を非常に芳醇なものしています。そして、全体の響きが立体的に聞こえてくるのです。全体的にはテンポは速めなんですが、聴き慣れたフレーズがどんどん心の中に染み込んできます。それはオケの各楽器の音色と構成が素晴らしいからなのでしょう。私的にはインバルの演奏より、はるかに面白く聴きました。第1楽章は、第1稿の違いに耳が奪われながら、新しいブルックナーの世界が堪能できる。第2楽章は、聴き慣れた耳が、大聖堂の低弦を中心とした響きを楽しむ。第3楽章は、全く新たな曲が実にいい。そして、第4楽章、第1楽章以上に違う構成に驚きながら、このボッシュとアーヘン響の演奏に夢中になるのでした。しかし、ドイツの地方都市のオケは実にいいですねえ。伝統の底力を感じます。加えて、SACDであることも魅力ですね。

今日は大晦日。これから近所のスーパー、そして明石の魚の棚に行って、正月の食べ物を買ってこようと思います。それでは、良いお年をお迎えください。
(Coviello COV31215 2012年 輸入盤) 

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