三連休も終わりました。2日には恒例の正倉院展に行ってきました。今年は最も混雑が予想される連休中に行くことになったので、5時起きで6時に家を出て、8時半ごろに奈良博に着きました。既に長蛇の列が出来ていました。でも、開館直後に入館できたので、それなりにスムーズに見ることができ、このパターンで来年も、と思いました。少し陳列の順が変わってまして、文書類は一番最後のあたりにありました。「和泉監正税帳」などが見れました。今年は娘と一緒に行ったので、見終わってから、東大寺三月堂と戒壇院・春日大社、そして新薬師寺と拝観して。久しぶりに天平仏などを見てきました。けっこう歩いたので、いささか疲れました。しかし、錦秋の古都奈良は、たくさんの人でした。
それはそれとして、今回はシューマンの室内楽であります。よく知られているように、1842年がシューマンの「室内楽の年」なんでありますが、この年、シューマンは、ピアノ五重奏曲・ピアノ四重奏曲・三曲の弦楽四重奏曲を作曲しています。その中で、ピアノ四重奏曲op.47です。ピアノ四重奏というジャンル、モーツァルトが2曲、ブラームスが3曲、ドヴォルザークが2曲、フォーレが2曲、メンデルスゾーンが若いときに4曲、とまあ有名な曲があるんですが、ピアノ五重奏に比べれば、地味ですかねえ。その中で、シューマンのものは、このジャンルの最高傑作といっても過言ではないですか。ただ、ここでも、同じ年に作曲されたピアノ五重奏曲の影に隠れている印象は否めないですね。いささか内省的な曲想なんでしょうか。それでも、この曲がいいのは、第3楽章のアンダンテ・カンタービレのロマンの薫り溢れた美しさによるものでしょうか。この曲、冒頭のチェロによる美しい中にも哀愁の漂う旋律は、いいですねえ。ブラームスのピアノ協奏曲第3番の第3楽章に匹敵する美しさであります。
この曲には、それほどの演奏があるわけではありませんが、名盤として名高いのは、デムスとバリリSQによるものです。しかし、残念ながらこのCDは所有しておらず、手元にあるものは、ペーター・レーゼルとゲヴァントハウス四重奏団によるものです。1983-4年、ドレスデンのルカ教会での録音です。しかし、この演奏、ピアノのレーゼルも清新で安定感のあるピアノで、なかなかいいです。そして、ゲヴァントハウスも、第一ヴァイオリンのカール・ズスケも模範的な演奏であります。チェロもいいです。第1楽章、ゆっくりで、弱音での序奏から入りますが、レーゼルのズスケなどの調和の取れた演奏から始まり、それに、SQの絡みが安定した演奏を展開しています。第2楽章、スケルツォ。芋虫が這いずり回る?よう。落ち着いた中間部をへて、這いずり回ります。しかし、グロテスクにならないところがいい。そして、第3楽章、一転してヴァイオリンに続いてのチェロの伸びやかな旋律が美しい。それがヴァイオリンに受け継がれる。チェロがいい味を出してますよね。それをピアノがサポート。出しゃばらないピアノもいいです。気づいたらヴァイオリンの甘美な音色がきこえます。なんとも、秋に相応しい曲かな。そして終曲。フーガ風に始まる一転して躍動感のある曲。4つの楽器が一体となっての曲の展開には満足感があふれています。25分くらいの全曲ですが、室内楽の満喫できる曲だと思います。
このCDには、ピアノ五重奏曲も収められていますが、これもいいです。名曲ですねえ。
(ドイツ・シャルプラッテン TKCC-70268 1994年)
それはそれとして、今回はシューマンの室内楽であります。よく知られているように、1842年がシューマンの「室内楽の年」なんでありますが、この年、シューマンは、ピアノ五重奏曲・ピアノ四重奏曲・三曲の弦楽四重奏曲を作曲しています。その中で、ピアノ四重奏曲op.47です。ピアノ四重奏というジャンル、モーツァルトが2曲、ブラームスが3曲、ドヴォルザークが2曲、フォーレが2曲、メンデルスゾーンが若いときに4曲、とまあ有名な曲があるんですが、ピアノ五重奏に比べれば、地味ですかねえ。その中で、シューマンのものは、このジャンルの最高傑作といっても過言ではないですか。ただ、ここでも、同じ年に作曲されたピアノ五重奏曲の影に隠れている印象は否めないですね。いささか内省的な曲想なんでしょうか。それでも、この曲がいいのは、第3楽章のアンダンテ・カンタービレのロマンの薫り溢れた美しさによるものでしょうか。この曲、冒頭のチェロによる美しい中にも哀愁の漂う旋律は、いいですねえ。ブラームスのピアノ協奏曲第3番の第3楽章に匹敵する美しさであります。
この曲には、それほどの演奏があるわけではありませんが、名盤として名高いのは、デムスとバリリSQによるものです。しかし、残念ながらこのCDは所有しておらず、手元にあるものは、ペーター・レーゼルとゲヴァントハウス四重奏団によるものです。1983-4年、ドレスデンのルカ教会での録音です。しかし、この演奏、ピアノのレーゼルも清新で安定感のあるピアノで、なかなかいいです。そして、ゲヴァントハウスも、第一ヴァイオリンのカール・ズスケも模範的な演奏であります。チェロもいいです。第1楽章、ゆっくりで、弱音での序奏から入りますが、レーゼルのズスケなどの調和の取れた演奏から始まり、それに、SQの絡みが安定した演奏を展開しています。第2楽章、スケルツォ。芋虫が這いずり回る?よう。落ち着いた中間部をへて、這いずり回ります。しかし、グロテスクにならないところがいい。そして、第3楽章、一転してヴァイオリンに続いてのチェロの伸びやかな旋律が美しい。それがヴァイオリンに受け継がれる。チェロがいい味を出してますよね。それをピアノがサポート。出しゃばらないピアノもいいです。気づいたらヴァイオリンの甘美な音色がきこえます。なんとも、秋に相応しい曲かな。そして終曲。フーガ風に始まる一転して躍動感のある曲。4つの楽器が一体となっての曲の展開には満足感があふれています。25分くらいの全曲ですが、室内楽の満喫できる曲だと思います。
このCDには、ピアノ五重奏曲も収められていますが、これもいいです。名曲ですねえ。
(ドイツ・シャルプラッテン TKCC-70268 1994年)
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