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クーベリックの若いときのブラームス

2016年06月11日 23時59分00秒 | ブラームス
先日、淡路に営業の出張をしました。明石大橋を渡り、岩屋から東浦、そして津名を経て洲本へ。天気が非常によく、海が非常にきれいで輝いていました。洲本でお昼を食べ、本来なら生さわら丼が食べたかったのですが、牛丼でありました…。そして五色から一宮、それから西岸に出て、海岸沿いを北上し北淡、再び大橋を渡り、帰って来ました。すこぶる景色がよく、その点では大いに堪能した出張でした。七ヶ所ほどをまわって、しっかり仕事もしてきました。

ということで、今回はラファエル・クーベリック指揮VPOによるブラームス。交響曲第4番ホ短調作品98です。クーベリックのブラームス交響曲は、1983年にバイエルン放響とのものもありますが、このVPOとのものは、1956,57年の録音。第4番は1956年3月24.25日、ウィーンのゾフィエンザールでの録音であります。1961年にバイエルン放響の首席指揮者になる以前のもので、1955年から58年までコヴェント・ガーデン王立歌劇場の音楽監督を務めていたので、その頃のものですね。ちょうどクーベリック、42~3才のときの演奏であります。

この演奏は、DECCAから以前に発売されていましたが、一昨年タワーレコードの例の復刻シリーズで発売されました。全曲が3枚に収められ、2500円ほど。いやー、このタワーさんの復刻はなかなか渋いですよねえ。この復刻では、「今回の再発ではマスターに忠実に各曲を収録し、音源もマスターに遡りあらたにCDマスターを制作」だそうです。初出ではモノラルだったそうですが、さすがのDECCAの録音技術ということで、もともとの音質に加えてのこの復刻で、かなり生々しい音が蘇っていますねえ。

さて、この演奏、1983年のバイエルン放響との録音とはかなり趣が異なります。バイエルン放響との演奏では、非常に落ち着いた雰囲気がありますが、このVPOとの演奏では、熱気に満ち、元気一杯なのであります。そして、明快な演奏であり、健康的にブラームスを正面から組み合っています。それに、録音自体も、奥行きがあるわけではないのですが、先述のとおりに音の鮮度は、かなりよくなっていることも、この傾向を助けているのであります。加えて、やはりVPOの美音も、大したものですねえ。全体的に甘美な響きでいいですね。弦はとろけるような美しさ。木管も実にいい。一糸乱れ演奏であり、さすがのVPOであります。

第1楽章、最初からの緊張感にみなぎる演奏が展開され、それにどんどん引き込まれていく。クーベリックのライブの録音かとも思われるような熱気が感じられ、元気一杯の演奏に満足感も大きい。第2楽章。ここでも熱気を帯びた、うねるような弦の美しさに魅了される。前半部での木管がいい音を聴かせてくれ、それに弦の美しい音色が続き、そしてゆったりとしたテンポでしみじみと旋律を歌い、それが心に染み込んできます。第3楽章、一転して大胆で爽快な演奏が展開。それぞれの楽器が気持ちよく演奏し、それが心底心地いい気持ちになりますねえ。そして、第4楽章。この楽章、最も好きなのですが、堅実なオケに終始し、水の一滴も漏らさない演奏に終始し、それぞれの楽器が実に美しいのでした。そして、ブラームスらしい寂寥感もひしひしと伝わりつつも、終楽章に相応しい熱気にも満ち満ちており、それで充実した印象を強く持つことができました。

しかし、淡路に行くといつも見るのですが、大きな観音像らしき白い像がありますよね。かなりくたぶれていますね。なんでも持ち主がいなくなったそうで、処分を困っているそうです。うーん、なんとなく危険ですし、どうするんでしょうね。困ったもんですねえ。
(DECCA PROC-1376/8 TOWERRECORD VINTAGE COLLECTION 2014年)

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