朝日新聞といえば、左翼・リベラルの新聞というイメージがある。
実際、WACや産経、文芸春秋、正論の常連は
この新聞社を反日新聞社といって敵意を向けている。
しかし、少なくとも、ここ数年間の朝日新聞は左どころか右そのものである。
それが最も顕著に表れているのが慰安婦問題に対する同社の姿勢ではないだろうか?
私は、8月に同社が行った「検証記事」について以前から厳しく非難していた。
①・最新の慰安婦研究について詳細を述べていない。
90年代から20年が経過し、慰安婦研究も進んできた。
新たな資料も発見されてきた。また、この間、女性国際戦犯法廷など、
積極的に史実を論証し、日本政府および天皇の責任を明確にする運動も展開された。
朝日は、これらの成果を紹介する過程で過去の史料の誤りを指摘するという
手段を取らず、前者を無視して後者のみを強調する記事を掲載した。
これでは、何も知らない人間には、あたかも慰安婦を実証する決定的証拠が
ねつ造であったかのように映るのも仕方がないだろう。
朝日と対極的な訂正を行った人物として本多勝一氏が挙げられる。
彼は南京攻略戦において日本兵が100人斬りを行ったという記述を
訂正するさいに、真実は捕虜の虐殺だったということを明らかにした。
結果として、南京大虐殺のより深刻な面(非戦闘員の虐殺)がより鮮明になったわけである。
このように検証というのは、単に正しい・間違いを突き止めるだけでなく、
真実はどうであったかについてまで説明して初めて検証となる。
史料の間違いだけ指摘しては、あたかも慰安婦は嘘だと言っているようなものである。
②・極右について対決姿勢を取らない。否定論に論駁しない。
これは①にも通じるが、この検証記事を通して、慰安婦否定論が噴出した。
これらは以前に論破された手垢にまみれたデマゴーグスであるものの、
定期的に流布することで、一定の効果(右傾化)に貢献することができる。
例えば、吉田証言はクマラスワミ報告で慰安婦制度を実証する
決定的証拠として利用されているというデマだが、本文を見れば
この吉田証言は信ぴょう性が薄いという評価のもとで引用されており、
むしろ別の史料をもとにして史実が叙述されていることがわかる。
http://space.geocities.jp/japanwarres/center/library/cwara.HTM
また、慰安婦=奴隷狩りというイメージを前提に否定する人間も多いが、
実際には慰安婦は強制連行の一種であり、動員の形式が主たるものだった。
被害者たちも自らを挺身隊の名目で連行されたと認識していた。
(他にも業者による斡旋や文字通りの現地の女性を狩った事例もある)
朝日新聞社は、このような俗論に対して反論することもなく、
現在も放置している。これは事実上の降参の姿勢だろう。
そのことで、どれだけ慰安婦研究者や被害者、在日コリアンが
言われなき誹謗中傷を受けることになるのか想像できないのだろうか?
さて、慰安婦問題に関しては『帝国の慰安婦』というトンデモ本がある。
これは内容があまりにも現実から乖離しているために、
慰安婦本人たちに著者が訴えられ、韓国での販売差し止めが危うくなっているもので、
実際に、その内容も慰安婦いうよりは大日本帝国を擁護するものになっている。
その具体的批判は、次のサイトで読める。
http://kscykscy.exblog.jp/22813455
http://east-asian-peace.hatenablog.com/entry/2014/07/06/005231
この本に関して、ある在日コリアンのサイトでは次のように語った。
----------------------------------------------------------
ある韓国輸入書店の人から聞いたが、朴裕河の新刊「帝国の慰安婦」は
間もなく韓国で販売差し止めになるのがほぼ確実だという。
が、それとぴったり入れ替わる形で日本語版が出るのは間違いない。
前々から「帝国の慰安婦」の日本語版が出るという事は言われており、
どこの出版社から出るかは知らないが、おそらく韓国で「発禁」になる
タイミングを見計らっているのではないか。
それに合わせて「慰安婦の真実を暴いた為に韓国で
発禁になった話題の本」とか何とか煽って売り出すのだろう。
典型的な「炎上商法」というやつだ。
http://roodevil.blog.shinobi.jp/社会/2014年8月に感じた事いろいろ その1
----------------------------------------------------------
私は平凡社か河出書房新社あたりから出るのではと考えていた。
ところが、実際には、この本、
朝日新聞社から出版されたのである。
-----------------------------------------------------------------------
性奴隷か売春婦か、強制連行か自発的か、
異なるイメージで真っ向から対立する慰安婦問題は、解決の糸口が見えないままだ。
大日本帝国植民地の女性として帝国軍人を慰安し続けた
高齢の元朝鮮人慰安婦たちのために、日韓はいまどうすべきか。
元慰安婦たちの証言を丹念に拾い、
慰安婦問題で対立する両者の主張の矛盾を突くいっぽう、
「帝国」下の女性という普遍的な論点を指摘する。
2013年夏に出版された韓国版はメディアや関連団体への厳しい提言が話題になった。
本書は著者(『和解のために』で大佛次郎論壇賞受賞)が日本語で書き下ろした渾身の日本版。
-------------------------------------------------------------------------
歴史研究家も含めて、性奴隷であり強制連行であると主張しており、
慰安婦団体も日本政府に法的責任と国家賠償を求めているというのに、
彼女たちの意向を完全に無視して「和解案」を提示している。
池上彰と同じ典型的な産地偽装商法で、
毒入りと言わずに商品を売りつけている。
これを朝日新聞社が翻訳・出版する意味は1つしかないだろう。
つまり、左翼の言い分は間違った。慰安婦は正しい部分もあった。
それなのに一方的に日本を責める反日行為は解せん。韓国よ反省しろ。
実際、この本は日本では極右やネトウヨのような歴史改竄派に
好意的に受け止められ、また慰安婦否定論のネタ本になっている。
もちろん、この現象について朴氏は一言も言及していない。
自分がいかに挺対協(現地の代表的な慰安婦団体)に
苦しめられたかをグチグチと語る一方で、同氏のせいで
よりいっそうの敵意と差別を向けられる本国・在日コリアンへの懸念は一切ない。
http://www.huffingtonpost.jp/park-yuha/korea-japan-nanum_b_5673760.html
こういう右翼しか喜ばない言説を
日本語で読めるようにして売りさばく朝日新聞は、
もはや左翼とは呼べない。左翼のふりをした右翼だ。
実は、裏でつながっていて、八百長試合をしてるんじゃないかと
陰謀論を考えたくなるぐらい、この点に関する朝日新聞の態度は狂っている。
60年代の学生運動の時代から、本多勝一氏のルポを利用して
朝日新聞社は左翼から金を「ふんだくって」(by池上)きた。
昔からの常連客に対して、この仕打ちはあんまりではないだろうか?
実際、WACや産経、文芸春秋、正論の常連は
この新聞社を反日新聞社といって敵意を向けている。
しかし、少なくとも、ここ数年間の朝日新聞は左どころか右そのものである。
それが最も顕著に表れているのが慰安婦問題に対する同社の姿勢ではないだろうか?
私は、8月に同社が行った「検証記事」について以前から厳しく非難していた。
①・最新の慰安婦研究について詳細を述べていない。
90年代から20年が経過し、慰安婦研究も進んできた。
新たな資料も発見されてきた。また、この間、女性国際戦犯法廷など、
積極的に史実を論証し、日本政府および天皇の責任を明確にする運動も展開された。
朝日は、これらの成果を紹介する過程で過去の史料の誤りを指摘するという
手段を取らず、前者を無視して後者のみを強調する記事を掲載した。
これでは、何も知らない人間には、あたかも慰安婦を実証する決定的証拠が
ねつ造であったかのように映るのも仕方がないだろう。
朝日と対極的な訂正を行った人物として本多勝一氏が挙げられる。
彼は南京攻略戦において日本兵が100人斬りを行ったという記述を
訂正するさいに、真実は捕虜の虐殺だったということを明らかにした。
結果として、南京大虐殺のより深刻な面(非戦闘員の虐殺)がより鮮明になったわけである。
このように検証というのは、単に正しい・間違いを突き止めるだけでなく、
真実はどうであったかについてまで説明して初めて検証となる。
史料の間違いだけ指摘しては、あたかも慰安婦は嘘だと言っているようなものである。
②・極右について対決姿勢を取らない。否定論に論駁しない。
これは①にも通じるが、この検証記事を通して、慰安婦否定論が噴出した。
これらは以前に論破された手垢にまみれたデマゴーグスであるものの、
定期的に流布することで、一定の効果(右傾化)に貢献することができる。
例えば、吉田証言はクマラスワミ報告で慰安婦制度を実証する
決定的証拠として利用されているというデマだが、本文を見れば
この吉田証言は信ぴょう性が薄いという評価のもとで引用されており、
むしろ別の史料をもとにして史実が叙述されていることがわかる。
http://space.geocities.jp/japanwarres/center/library/cwara.HTM
また、慰安婦=奴隷狩りというイメージを前提に否定する人間も多いが、
実際には慰安婦は強制連行の一種であり、動員の形式が主たるものだった。
被害者たちも自らを挺身隊の名目で連行されたと認識していた。
(他にも業者による斡旋や文字通りの現地の女性を狩った事例もある)
朝日新聞社は、このような俗論に対して反論することもなく、
現在も放置している。これは事実上の降参の姿勢だろう。
そのことで、どれだけ慰安婦研究者や被害者、在日コリアンが
言われなき誹謗中傷を受けることになるのか想像できないのだろうか?
さて、慰安婦問題に関しては『帝国の慰安婦』というトンデモ本がある。
これは内容があまりにも現実から乖離しているために、
慰安婦本人たちに著者が訴えられ、韓国での販売差し止めが危うくなっているもので、
実際に、その内容も慰安婦いうよりは大日本帝国を擁護するものになっている。
その具体的批判は、次のサイトで読める。
http://kscykscy.exblog.jp/22813455
http://east-asian-peace.hatenablog.com/entry/2014/07/06/005231
この本に関して、ある在日コリアンのサイトでは次のように語った。
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ある韓国輸入書店の人から聞いたが、朴裕河の新刊「帝国の慰安婦」は
間もなく韓国で販売差し止めになるのがほぼ確実だという。
が、それとぴったり入れ替わる形で日本語版が出るのは間違いない。
前々から「帝国の慰安婦」の日本語版が出るという事は言われており、
どこの出版社から出るかは知らないが、おそらく韓国で「発禁」になる
タイミングを見計らっているのではないか。
それに合わせて「慰安婦の真実を暴いた為に韓国で
発禁になった話題の本」とか何とか煽って売り出すのだろう。
典型的な「炎上商法」というやつだ。
http://roodevil.blog.shinobi.jp/社会/2014年8月に感じた事いろいろ その1
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私は平凡社か河出書房新社あたりから出るのではと考えていた。
ところが、実際には、この本、
朝日新聞社から出版されたのである。
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性奴隷か売春婦か、強制連行か自発的か、
異なるイメージで真っ向から対立する慰安婦問題は、解決の糸口が見えないままだ。
大日本帝国植民地の女性として帝国軍人を慰安し続けた
高齢の元朝鮮人慰安婦たちのために、日韓はいまどうすべきか。
元慰安婦たちの証言を丹念に拾い、
慰安婦問題で対立する両者の主張の矛盾を突くいっぽう、
「帝国」下の女性という普遍的な論点を指摘する。
2013年夏に出版された韓国版はメディアや関連団体への厳しい提言が話題になった。
本書は著者(『和解のために』で大佛次郎論壇賞受賞)が日本語で書き下ろした渾身の日本版。
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歴史研究家も含めて、性奴隷であり強制連行であると主張しており、
慰安婦団体も日本政府に法的責任と国家賠償を求めているというのに、
彼女たちの意向を完全に無視して「和解案」を提示している。
池上彰と同じ典型的な産地偽装商法で、
毒入りと言わずに商品を売りつけている。
これを朝日新聞社が翻訳・出版する意味は1つしかないだろう。
つまり、左翼の言い分は間違った。慰安婦は正しい部分もあった。
それなのに一方的に日本を責める反日行為は解せん。韓国よ反省しろ。
実際、この本は日本では極右やネトウヨのような歴史改竄派に
好意的に受け止められ、また慰安婦否定論のネタ本になっている。
もちろん、この現象について朴氏は一言も言及していない。
自分がいかに挺対協(現地の代表的な慰安婦団体)に
苦しめられたかをグチグチと語る一方で、同氏のせいで
よりいっそうの敵意と差別を向けられる本国・在日コリアンへの懸念は一切ない。
http://www.huffingtonpost.jp/park-yuha/korea-japan-nanum_b_5673760.html
こういう右翼しか喜ばない言説を
日本語で読めるようにして売りさばく朝日新聞は、
もはや左翼とは呼べない。左翼のふりをした右翼だ。
実は、裏でつながっていて、八百長試合をしてるんじゃないかと
陰謀論を考えたくなるぐらい、この点に関する朝日新聞の態度は狂っている。
60年代の学生運動の時代から、本多勝一氏のルポを利用して
朝日新聞社は左翼から金を「ふんだくって」(by池上)きた。
昔からの常連客に対して、この仕打ちはあんまりではないだろうか?