時事解説「ディストピア」

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ソニー・ピクチャーズの炎上商法疑惑(ロシア、北朝鮮をフォローする)

2014-12-27 23:48:07 | 北朝鮮
先日、発生したアメリカのプロパガンダ映画に対するサイバー攻撃について、
専門家は「北朝鮮ではなく、内部の犯行ではないか」という疑惑を示した。

http://rt.com/usa/217495-sony-hack-fbi-north-korea/

つまり、「ソニー・ピクチャーズの自作自演、炎上商法では?」
という疑念がここにきて出現してきたということになる。


実際、今回の事件をきっかけに、通常なら米国のタカ派しか見ないだろう
この映画は世界的に有名になった。内部の仕業を疑われるのも当然だろう。


話題性のある映画にありがちな話だが、映画自体は不評だったようである。

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北朝鮮の金正恩第一書記の殺人未遂事件を描いて国際的に物議を醸し、
ソニーピクチャーズ社へのハッカー攻撃まで引き起こした映画「インタビュー」が不調だ。

紙媒体・電子媒体から反響の声を集めたThe Hillが伝えた。

見た人の多くが、公開前の騒動のほうが映画そのものより遥かに面白かった、
と口にしている。

映画評論家のベツィ・シャーキー氏はロサンゼルスタイムズ紙で同作を
「金正恩氏殺害をあまりに不自然にパロディにしたもの」と評した。
続きを読む: http://japanese.ruvr.ru/news/2014_12_26/281717978/

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元の記事はここにある。
http://thehill.com/homenews/news/228085-critics-hate-the-interview


現時点で結論を出すわけにはいかない。
ただ、この事件の真相はいまだ不明であることだけは確かである。


さて、北朝鮮が再びテロ支援国家に指定されそうにある中、
意外なことにロシアの政治家たちが北朝鮮を擁護しだした。

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世界各国でスキャンダルとなっている
映画「ザ・インタビュー」のロシアでの上映に対し、
在ロシア北朝鮮大使館およびロシアの政治家たちが反対している。

これは、ソニーピクチャーズのアメリカ映画で、
北朝鮮の最高指導者、金正恩第一書記の暗殺をテーマとしたものだ。


モスクワの在ロシア北朝鮮大使館は、
金正恩氏の暗殺をテーマとしたアメリカ映画「ザ・インタビュー」について、
危険な映画で、テロリズムを肯定し、奨励している」としている。


「この映画の上映はあらゆる国で禁じられるべきだ。
ましてや、ロシアのような、友好関係にある文明国で、
友好的な主権国家の指導者を暗殺する映画を上映することなど、想像もできない」。

北朝鮮大使館の声明にはこう述べられている。

同国外交官らの見解では、このような映画を製作したことは、
米国の「精神的未熟さと道徳的な低劣さ」を示しているという。


一方、国際文化協力担当ロシア大統領特別代表のミハイル・シヴィトコイ氏も
12月25日に、この映画のロシアでの上映に反対すると述べた。

同氏は、「ロシアと北朝鮮との間には一定の歴史的関係がある」としたうえで、
ロシアには「他国の指導者を侮辱する習慣はない」と指摘した。

http://jp.rbth.com/arts/2014/12/26/51611.html
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正直、ロシアの役人がフォローするとは思っていなかった。

私が思っている以上に今のロシアと北朝鮮は関係を密にしているのかもしれない。


ところで、北朝鮮の大使も述べているのだが、
この映画は敵国の暗殺を好意的に描いているものであり、
客観的に見れば、アメリカのほうがテロを奨励しているような気がする。


安倍晋三を暗殺する映画をオバマが上映させようとしているようなものであり、
どう見たってオバマのほうがテロリズムの美化・喜劇化に貢献しているだろう。


・追記(12月29日)

案の定、質はともかく、売り上げは上々だったようだ。

4日間で合わせて約1800万ドルとなったらしい。
(http://japanese.ruvr.ru/news/2014_12_29/interview/)

製作費が4400万だから、この調子だと黒字になるのではないだろうか?


どうも、この事件、ウクライナのマレーシア航空機撃墜事件同様に、
真相はうやむやにされたまま、終わるのではないかと思う。