六根清浄、お山は晴天。 登って下って、どっこいしょ。

たまに書く、時々入力、気が向いたら、したためる。駄文満載、阪神裕平ことおやじぃ雅のアウトドア雑記帳。

その日、悪天につき

2022-10-19 23:39:59 | Quiet~いぶし銀、渋めの山
頂は、また次なる機会に
いただくといたしましょうか
     
【只見線沿線トボトボ「越後広瀬駅」~「魚沼田中駅」~
「越後須原駅」/新潟県】

掃除用具の高圧洗浄機で
取り除かれる各種汚れは
きっとこんな気分なんだろうな。

しのつく雨に、前進も後退もできず、
その場でフリーズ、立ち往生しながら
ぼんやりとそんなことを思っていた。

今、ものすごい勢いで雨が降っている。

予定は、只見線の大白川駅から
守門岳の頂をピストンだった。
しかし天気予報をチェックすると、
今日は悪天、終日大雨。
乗り換え駅である小出駅でも
かなりの雨模様だ。

さてどうするか、無理は禁物である。
若い時分は、技術に知識なしを
体力で補っていたが、じいさんとなれば、
頼みの体力もなしである。

ましてや単独行、俺は大丈夫と、
高をくくっての行動は、
百害あって一利もなし。

よし、ここは雨天順延だ。

急きょ山の予定は平地に変更、
この機会に周辺を散策してみることにする。
スタートは、こんなこともなければ
多分降りることもなしの駅からとしますかな。

そして散々迷った挙句に決めたのが
始まりは只見線「越後須原駅」。
まずは秋になったら再訪してみようか、
そんな花の園・コスモス園をお邪魔する。


この時点で天気は曇。
あれ、これなら予定通りに
登山すればよかったか。

しかし登らずに正解、とりあえずは
長年山やアウトドアと付き合ったせいで
身についた“山カン”は、現在も一応正常に
作動中のようで、途中から雨、
これでもかと降ってきた。

大変な事態ではあるが、
本人は案外冷静というのか、
阿呆なのか、しばらくは先にも書いた
高圧洗浄機で洗い流される
汚れ気分にひたっていた。

しかし、それも限界、そろそろ何とかせねば
足元すくわれ、川にでも流されて、土左衛門である。

すると前方に「ものずき村」なる施設の看板を発見した。
それでは、急いで逃げ込め、ものずき村へ。

屋根があり、雨がしのげる場所へと足を動かすが、
雨脚はそれ以上。
微速にして牛歩だが、とにかく動けだ。

ものずき村は、地元・新潟魚沼の絶品なる
山や里の幸を販売する施設だった。
また併設された飲食店「そば処 げんたん」は、
その名の通りそば、そして天ぷらのお店らしい。

タブレットで調べてみると、飲食店は評判の店らしく
普通なら、かなりの待ち時間あり、
行列のできるグルメスポットのようだが、
本日は雨で人もまばら。
そこでランチはそば&天ぷら、食事をしながら
しばらく天気の状態を様子見することにする。

雨はますます勢い良く、おまけに食べる施設は
ビニールハウス風なので、雨が屋根にぶつかると、
まさに爆音。とにかくけたたましい。
    
  
 
これからは、さてさてどうしようか。
おとなしく東京へ帰るか、いやもう少し待ってみるかと、
お店の方のご好意もあり、食後も店内に長居をしていると
ようやく雨のパワーもダウン、弱くなってきた。

時間も午後とはいえ、平地ならまだ普通の活動時間である。
では、もう少し先へ歩こうかだ。

出発の用意をしていたら、お店の方が、只見線以外にも
バスもあるからと手書きのバスの時刻表を渡してくれた。

ありがとうございます、多謝に感謝、最敬礼して、
次の駅「越後須原駅」をめざしてみることにする。

目的はお住まい拝見、駅前他に
かつての地元で指導者的な
農家の建物が二軒あり、こちらの見学だ。

一軒目は庄屋様級のお方お住まい。近いのかと思いきや、
これが随分と上へ上へで、急勾配の道を大汗かいて、
息を切らして、ようやく着。ちょいと休ませていただく。
    
お次は駅前の庄屋様でもある豪農の館。
道も今度は駅まで下りオンリー、
よって歩きも快調、おっ雨も上がったようだ。

豪農の館、ついでに創業は豪農の館の主という酒蔵も見て、
タイムオーバー、そろそろ帰京の時間。
只見線の列車が駅にやって来る時間だ。
それでは本日の行動はこれにてと、駅へ向かう。
   

            
列車を待つ間、暇なので駅のホームでしばし、
ぼんやりシンキングタイムとなる。

雨のせいで、偶然、いきなり、予定外で歩いた
只見線3駅間。美味しい味に出会ったり、
お店の方にお世話になったり、見事な建築物を拝めたりと、
これはこれで得難い極上の時間を過ごすことができた。

山へ出かける計画も、人生で起こる
あれやらこれやらの出来事と一緒で、
やっぱりご縁ですかな。

ご縁があれば、予定通りの行動ができたり、
今回のような中止、断念があっても、また今度と
あらためて計画をしてアプローチの機会が訪れるもの。

一方、ご縁なしの場合となれば、はいそれまで。
また別の山を選ぶだけ。では予定だった守門岳の頂は。
さてご縁は、どうですかなぁ。

とまあ頭に浮かぶ雑感と遊んではいたが
それにしても遅い。いつまでたっても列車が来ない。
時刻表ではとっくに到着時の時刻、いやかなり過ぎている。

きっと雨のせいだなと、引き続きホームにて
ひとり物思いにふけつつ、
まだかな、いつかな、そろそろ来るかなと列車を待つ。


●ここで、ご教訓のひと言。
山の計画・行動は、無事帰宅となるまで
最後まで気を抜かずに。

その後、只見線は雨の影響で
終日運休という情報を知る。
さあ困ったぞ、そしてその時に思い出したのが、
ものずき村での会話でも登場したバスの存在。

バスの時刻は、いやバス停はいずこ、
じぃさん、大慌てで駅を飛び出したとさ。

●そして、肝に銘じたい四文字熟語
「慎始敬終(しんしけいしゅう)」
~意味:物ごとは始めと終わりが肝心である~
     
~2022(令和4)年8月
期せずして、今秋11年ぶりに
全線が再開通する「只見線」沿線を
雨にビビりながらもブラブラ歩く~


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