六根清浄、お山は晴天。 登って下って、どっこいしょ。

たまに書く、時々入力、気が向いたら、したためる。駄文満載、阪神裕平ことおやじぃ雅のアウトドア雑記帳。

お天道様には逆らえない

2018-05-28 23:43:43 | Quiet~いぶし銀、渋めの山
~残春のある日、新潟の山の中で/浅草岳(新潟県魚沼市)~

   

不本意ながら雨具を着込み、サングラスをザックにしまう。

天気予報でわかってはいたが、それでも残念にしてガッカリ。
山へ向かう第一歩となる朝、雨が降っている。

GWの休みを利用して、学生時代のクラブ仲間と
春の山登りでもと訪れた新潟の山。

残念ながら、あいにくの空模様だ。

まあしょうがない。天気に文句をいっても始まらない。

歩を進める。昨年から今年にかけての冬場は豪雪だった。
さぞや山にもと思えば、あにはからんや。
これは一体どうしたことか、
計画ではまだ雪の下で“眠って”いるはずの
沢や薮が、当たり前のように目の前にあった。
この残雪少々と想定外の風景にしばし唖然だ。

だがしょうがない。自然は気まぐれなもの。
ましてや異常気象の昨今ならば、
ドカッと降った雪が、
さっと消えてしまっても不思議ではないか。

まさかの沢や薮の出現で悪戦苦闘しながら
一歩、一歩、高度を稼ぐ。

気がつけば、いつの間にか雨はやんでいた。
ふと、空を見上げる。驚いた、ところどころに青空だ。
そして間もなく薄日も射してきた。

出ばなをくじく悪天候から、次第に登山日和にと
天気の神様も粋な計らいである。

ザックから出がけにしまった
サングラスを嬉々として取り出す。

しかし、そんなハッピーな時間は長くは続かず、
空も偽りの青空だった。
すぐに雨、みぞれ、加えて風も吹き出した。

ペースは上がらない、ピークもまだまだ、はるか先。
登りに割く時間も少なくなってきた。
帰りのことを考えれば、
今日はこのあたりで切り上げるのが正解だろう。

これもしょうがない。無理は禁物、また次回だ。
まさに泣く子と、地頭と、天気にはかなわない。

ただちに下山、這々の体で退散である。

ゴールデンウィークの山登り、
天気には恵まれずだったが、とりあえず無事に
全日程終了。まずはお疲れ、ご苦労さんだ。

翌日、東京へと戻る朝、空は昨日とは真逆の日本晴れ。
雨に洗われた山々の緑も、美しく輝いていた。

「懲りずにまた来いよ、おっさん」。
新潟の大自然に、そんなエールをかけられた…。

おっとっと、これは加齢による幻聴か、
それとも柄にもなく、
妙な感傷にひたってしまったのか。

でもそんな声が聞こえたような気がする。

もちろん返事はイエス、
またお邪魔しますよ。
今度は好天を、ひとつよろしくでございます。

周囲の目もあるので、
そう小声で返事をしておいた。

   


最新の画像もっと見る

コメントを投稿