~セーメーバン(1006.2m)~
山の名前には、そこは一体どんな場所かと好奇心をい
たく刺激してくれる不思議なものがある。山梨県の低山、
命名のルーツは、平安時代の陰陽師である安倍晴明とさ
れる「セーメーバン」も、そんなひとつだろう。
登山の起点は大月の駅。まずは駅から徒歩で岩殿山へ。
兵どもの夢の後、そして敗者の悲劇である稚児落しを過
ぎ、ここからは森の中の1本道。ひたすらセーメーバン
の頂を目指す。登山道は、展望には恵まれないものの、
途中まで平行してある送電鉄塔の保守用道を兼ねている
ようで整備は完璧。機材の搬入や搬出を考慮してか、道
幅も広く、急な上下もない。したがって、本来は海の号
令ではあるが、山でも拝借し「よぅ~そろ~、進め、お
やじぃ!」。そんな雰囲気が似合う道が続いている。
セーメーバンの頂は、木々に囲まれた一角だ。表示が
なければ通過してしまいそうで、残念ながら頂上を極め
たぞという気分は得られない。しかしながら、爽快感は
かなりある。道中の眺望など視覚的な刺激が少ないのが
いいのか、はたまた森林浴的な効能なのか、理由は定か
ではないが、都会暮らしで常に情報過多気味となった頭
の中がスッキリと、クリアになった感じだ。
まあこういう場合は、下手な考え何とやらで、あまり
理由を詮索するのは野暮か。今日は、ぼんやりムードを
楽しむ方がいいのかもしれない。
帰途は、ぼんやりにもメリハリをと自然が警告を発す
るかのように、周囲や足元には要注意の急降下をへて林
道に出る。ここからは、朝の出発地点である大月駅まで
林道ウォーキングだ。その前に、日本人はお風呂大好き。
よって途中にある金山(かねやま)鉱泉では強制大休止
で入浴タイムである。これで心身ともにさっぱり。では
歩きますか。大月の駅まで、大体1時間半。近くはない
が、果てしなく遠い距離でもない。それでは、ここでも
「よぅ~そろ~、進め、おやじぃ!」。である。
●コースタイム(カッコ内の左・到着、右・出発時間)
JR、富士急「大月」駅
(6:55)
↓↓↓↓
丸山公園→→→→分岐(稚児落し、岩殿山分岐点)→→→岩殿山本丸(634m)→→
(7:15/7:15) (7:20/7:25) (7:29/7:38)
分岐(稚児落し、岩殿山分岐点)→→→→天神山(529m)→→→→稚児落し→→→
(7:45/7:50) (8:29/8:40) (8:55/8:55)
※
大月駅より、まずは岩殿山登山口である丸山公園へ。ウォーミングアップ歩行である。
※
分岐でザックをデポ。岩殿山の頂へ一気に駆け…、もとい城跡でもあるので攻め上がる。
途中、馬場もあり。しかし、ここは天然の要害で急坂。馬も登るのは大変だったろうと、
思いながら本丸へ。
※
ピストン行動後、天神山方面へ。途中にある兜岩までにクサリ場2ヵ所あり。ただし、
どちらもホールド、スタンスはしっかりしており、落ち着いて通過すれば問題はなし。
その後は、多少のアップダウンをへて天神山、そして断崖絶壁の絶景、稚児落しに着。
トズラ峠→→→高ノ丸(734.8m)→サクラ沢峠→→→セーメーバン(1006.2m)→
(9:32/9:40) (10:00/10:03) (10:10/10:25) (11:10/11:26)
※
登山道は登り下りはあるが、危険な箇所はなし。稚児落しから先は、地名の笹平が示す
通り、笹の間をぬって道が続く。トズラ峠にて林道を横切る。
※
トズラ峠を過ぎると、登山道の幅もぐっと広がり、広がり過ぎ? 整備は定期的に実施
されている模様。かつ勾配も若干ゆるやか気味に。
※
ひたすら森の中を前進。そして不思議な山名「セーメーバン(1006.2m)」の頂と表示
の看板にばったりと出くわす。展望なし、木々に囲まれた一角にポツンとある頂なり。
大垈山(おおぬたやま/1179.8m)→→→→800m付近(金山鉱泉への降下途中)→→
(12:20/12:22) (13:00/13:30)
※
セーメーバンの頂を後に、少々道が不明瞭な部分を注意して進めば、ほどなく大垈山に。
※
大垈山から林道出合間は、最初は尾根に忠実に、途中から尾根から外れる。なおラスト
は急降下となるので、足元には要注意。
林道出合→→→→→→金山鉱泉(山口館)
(13:38/13:40) (13:45/14:30)
↓↓↓↓
JR、富士急行「大月」駅
(16:00)
※
金山鉱泉メモ。入浴料金は500円。小ぶりながらとても奇麗な浴室でございました。
(2010年6月17日歩く)
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