前回入院して貰った「ダンシング サンタ」の治療を続けます。

症状は”音は出るがダンスがしない。サックスホーンも折れてしまった。”との事。
胴体を開いてみると、あちらこちらのプラスチック部分にひび割れが発生していました。
とりあえず胴体を固定するネジ込み部分のひび割れを修理です。以前にも修理した形跡があります。

細いステンレス線でひび割れ部分を締め込んで、ネジが食い込む様にしました。

もう一方はネジの頭の皿を受ける部分が割れて完全になくなっています。

これでは固定されないですね。

プラリペアーでネジ受け部を再形成します。 これでネジの固定は大丈夫ですが・・・
しかし、この固定部分がひび割れを起こすと云う事は、そこに大きな力が加わると云う事です。
たぶん、腰振りダンスの時にネジの固定部にかなりの力が掛かるんだろうな・・・
ついでにサックスホーンが折れてしまっている箇所も接着しておこう。

サックスホーンが折れてしまった原因も腰振りダンスにあるのかも。。。
見た目は元に戻りましたが、肝心のダンス動作の治療はどうしようか・・・
そこで、ベテラン医師たちに相談してみると・・・
各所でプラスチックの劣化が進みすぎているので、無理して直しても、またすぐに壊れてしまう可能性が大きいのではとの事。。。
これ以上、時間を掛けての修理は止めた方が良いとの判断で、このまま退院して頂く事になりました。
まあ、こんな事もありますよね~!
続いての患者さんは、昔一世を風靡した「ファービィー人形」です。

これを買い求める人々でおもちゃ屋に行列が出来ていました。
症状は「声は出るが、本体から変な音がする。」との事。 ”変な音”って、何だ・・・
とりあえず、電池収納BOXを開けてみると、端子がかなりさび付いていました。

錆を落として電池を入れて、動作確認です。ファービィーが何やらお喋りを始めました。
お喋りと同時に身体を動かしますが、その際に歯車の動く音がします。
この歯車の音が気になるのかな~! 歯車に潤滑油をさして音を小さくする以外にないか・・・
まずは胴体を開けますが、所々に接着がされているので慎重にやれなければ・・

着ぐるみを頭まで目繰り上げました。

そして、胴体の固定ネジを外して二つ割にします。 これがファービィーの内部か・・・

モーターと歯車の間に潤滑油をさして動作確認です。
何度か動かしている内に歯車の音も小さくなりました。 これで良いか。。。
しかし、着ぐるみを捲る時に耳の部分に入っていたプラスチック板が割れてしまった・・・

割れた箇所に補強材を入れて再度接着です。

これで上から耳を被せれば完了です。

丁度、治療中に修理を依頼した親子ずれが見学に来ました。
潤滑油をさした後の音を聞いて貰って、了解して貰いました。
治って良かった!!